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吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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ここに究まる吉祥寺(笑)

本日、8月30日は衆議院選挙でした。吉祥寺東町の投票所は三中でしたが、下の写真はその校庭から見た吉祥寺レジデンシアです。2本のクレーンに挟まれた辺りの戸建住宅と比較して、建築途中にしてこれだけボリュームの差があります。写真上部に写っている送電線との距離も近付こうというものです。

三中校庭から(三中校庭から見た吉祥寺レジデンシア、クリックで拡大)

選挙速報では、事前の予想通り「民主圧勝、自民大敗」が伝えられています。個人的には、民主党政権になったからといって抜本的な改革がなされるとは思っていませんが、少なくとも「現状を変えたい」という民意が反映された結果として、歴史に残る選挙だったのではないでしょうか。今にして思えば、小泉元首相が叫んでいた「自民党をぶっ壊す」というのは、このことだったのでしょうか。だとすれば、小泉さんは希代の政治家だったと言えるかも知れません。

一般市民に民主党政権を歓迎する声が高い一方、自民党との長年の癒着構造を根本から見直さざるを得なくなる官僚および財界にとっては、これからが大変でしょう。特に、公共事業や一方的な規制緩和による恩恵で延命してきた不動産・建築業界にとっては、これからの流れ次第では死活問題に発展するかも知れません。

さて、そんな民主党のマニフェストには、住宅政策については以下のように記されています。

44. 環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進する

【政策目的】
○住宅政策を転換して、多様化する国民の価値観にあった住宅の普及を促進する。
【具体策】
○リフォームを最重点に位置づけ、バリアフリー改修、耐震補強改修、太陽光パネルや断熱材設置などの省エネルギー改修工事を支援する。
○建築基準法などの関係法令の抜本的見直し、住宅建設に係る資格・許認可の整理・簡素化等、必要な予算を地方自治体に一括交付する。
○正しく鑑定できる人(ホームインスペクター)の育成、施工現場記録の取引時の添付を推進する。
○多様な賃貸住宅を整備するため、家賃補助や所得控除などの支援制度を創設する。
○定期借家制度の普及を推進する。ノンリコース(不遡及)型ローンの普及を促進する。土地の価値のみでなされているリバースモーゲージ(住宅担保貸付)を利用しやすくする。
○木材住宅産業を「地域資源活用型産業」の柱とし、推進する。伝統工法を継承する技術者、健全な地場の建設・建築産業を育成する。



やや理想論に過ぎる嫌いはありますが、「リフォームを最重点に位置づけ」るなど、既に供給過剰となっている住宅ストックのこれ以上の供給に歯止めを掛けようとする点、「家賃補助や所得控除などの支援制度を創設する」など、持ち家支援との大幅な乖離を是正しようとする点など、業界との癒着がひどすぎる自民党政権ではなしえない政策が謳われています。これが実現され、無駄なマンション乱造が一日も早くなくなることを期待します。

話を本題に移します。今更ながらの印象が否めませんが、吉祥寺レジデンシアがようやく第1期販売を開始するようです。しかし、これは6月に一度公表された第1期販売(91戸)とは別物のようで、販売戸数は未定とされています。

会員限定分譲の実態が、売れ残りを先着順販売で処分していたことからも明らかな通り、会員限定分譲とは名ばかりの一般分譲だったことは既に露見しています。それにも関わらず、未だに「第1期 新発売」と称する神経が理解できません。

また、既に削除されていますが、公式HPの物件概要には「お詫び」と称して、以下のような文言が記載されていました。

<お詫びと訂正>2009年8月19日まで記載していました物件概要については、6月20日より販売を開始していたため、未供給住戸98戸の物件概要を記載すべきところを全体概要(総戸数208戸)の記載となっておりました。
 
なお、予定価格は6300万円台予定~10600万円台予定(変更前:5000万円台予定~18100万円台予定)、専有面積は67.39m2~94.91m2(変更前:60.24m2~142.74m2)となります。

ここに訂正するとともに深くお詫びいたします。



「6月20日より販売を開始していた」と堂々と記載していながら、「第1期」と平然と言い抜ける点に、「深くお詫び」する気などないことがはっきり現れています。なお、この中に「未供給住戸98戸」の記載があり、既に110戸を供給済であることが分かります。但し、これが全て販売済であると考えるのは、あまりに業者の思うつぼです。一旦売り出して売れ残った住戸を、後でまた売り出すことなどこの業界の常套手段ですから、これだけで「既に半分以上売れてしまっているんだ」などと早とちりすることのないようにと忠告しておきます。

まあ、ルール無視の販売方法についてはこれ位にして、先週末に入ってきた第1期の折込広告に話を移します。広告を開くと、「ここに始まる吉祥寺。ここに究まる吉祥寺。」のキャッチコピーが先ず目に飛び込んできます。これを見て、思わず苦笑せざるを得ませんでした。

折込広告のキャッチコピー(呆れてしまうキャッチコピー、クリックで拡大)

お分かりにならない方は、試しに「きわまる」を変換してみて下さい。「極まる」か「窮まる」しか出てこないことが確認でき、「究まる」は「究める」からの誤用であることがすぐに理解できると思います。「きわまる」という言葉を用いたのは、「極まる」の「この上ない。最上だ」という意味に使いたかったのだと思いますが(因みに、「窮まる」だと「行き詰まる」という意味になります(笑))、「究める」は「深く研究する」という意味ですから、全くキャッチコピーとして意味が通じなくなります。一番目立つキャッチコピーですらこの有様です。無理して使い慣れない言葉を使って、かえって世間に赤っ恥をさらすという典型的な構図が見て取れます。

もっとも、吉祥寺レジデンシアの広告群には、以前から言葉の誤用が多数見受けられました。きりがないので、一つだけ例を挙げます。現地の美大通り沿いに掲示されている物件広告には、いくつかの完成予想図とともにキャッチコピーが並びます。その中の一つに、以下のようなものがあります。

文教エリアとの調和をもたらす「桜の街角」

心象深いふたつの道が交わるこの場所に、モダンな外観が新しいシンボルとしてよく映えます。

心象深い看板広告(使い慣れない言葉を使うと…、クリックで拡大)



「心象」とは「心の中に描き出される姿・形。心に浮かぶ像。イメージ」のことですから、「心象深い」という表現は使いません。「印象深い」との混同による誤用です。敢えて無理にひねって使い慣れない表現を持ち出すから、結果としてこのような間違いが起こる訳です。こんなこともチェックできずに広告を出稿するとは、業者のレベルが知れようというものです。もっとも、このマンションの最大の売りである「真の吉祥寺アドレス」自体、「偽の吉祥寺アドレスがあるのか」と突っ込みたくなることについては吉祥寺レジデンシアの価格差が意味するもので指摘した通りなのですが…

こんな「揚げ足取り」のようなことをしても仕方ない気もしますが、お伝えしたいのは「このマンションに関わる事業者たちは、一事が万事このような虚飾に充ち満ちている」ということです。広告のキャッチコピーなどという些末な点に止まるものではなく、肝心の住戸のクオリティについてもそれが当てはまることは再三指摘してきています。少なくとも私には、このような事業者が供給する物件が「吉祥寺の新たな象徴となるに相応しい」とは到底思えず、この程度もミスのそのまま通過するような杜撰な業者が建築する物件であるということを皆様にも改めて認識して欲しいと思います。

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いつまで続く? 会員限定分譲

しばらく更新をお休みしておりましたら、いつの間にか、前回更新から2ヶ月近くが経過してしまいました。その間も、吉祥寺レジデンシアの無粋な姿は徐々にその高さを増しており、近隣に対する電波障害被害も聞かれるようになりました。方角による程度の差こそあれ、明らかにゴーストが強くなるなどの画質劣化が多発しており、これ以上の電波障害は勘弁して欲しいものです。

未だに、長谷工からは電波障害対策についての説明は(少なくとも説明会等では)行われていない状況ですし、「電波障害がひどくなったら個別に言ってこい。そしたら個別に検討してやる」という、一方的に被害を巻き起こしていながら、被害を訴え出なければ対策も講じないというスタンスなのでしょうか? 今更、長谷工の不誠実な態度に対しては何の驚きもありませんが、改めてこの会社の社会的常識の欠落振りに幻滅させられます。

さて、そんな迷惑マンション吉祥寺レジデンシア」ですが、先述の通り電波障害を引き起こすほどにその高さは高くなってきています。下の写真は、工事が一番進んでいるD棟(南東側)の様子です。現場に掲示されている工程表によれば、既に7階までは躯体が完成、現在8階部分の工事に取りかかったところのようなので、ほぼ下の写真の覆いが、完成後の建物の外観に近くなりそうです。但し、違う点は写真中央の一番高くなっている部分が写真右側までずっと伸び、巨大なコンクリートの壁(穴が沢山あるので下駄箱と言った方が良いかも…)となるということです。

レジデンシアD棟の様子(立ち上がるD棟の様子(左奥は高圧鉄塔)、クリックで拡大)

この点について、先行してその姿を現したパークホームズ吉祥寺グランテラスと比較してみれば、その違いは歴然です。第一種低層住居専用地域に位置していることから、4階建てまでしか建てられないという制約からこうなったまでで、用途地域がもっと緩ければ吉祥寺レジデンシアと大差ない建物を建てたであろうことは想像に難くありませんが、それにしても最大4階建で離隔距離も十分取られた設計には、改めて「せめてこれ位であれば…」との思いを強くせざるを得ません。

グランテラスの様子(対照的なパークホームズ吉祥寺グランテラスの外観、クリックで拡大)

しかし、とにかく竣工に向けてひた走る吉祥寺レジデンシアですから、近隣に住まうものとしては、住民が入居した後についても気になるところです。売れ行きについては、マンション掲示板でも意見が二分しているようですが、はっきりしたところは分からないようです。しかし、吉祥寺レジデンシアの奇妙な販売方法は、個人的には販売不振を誤魔化すためとしかとても思えません。

販売経緯を簡単に振り返ってみます。4月頃より予告広告が出始めた後、先ず、「6/13より会員限定分譲(80戸)」を行うという折込広告が出されました。同時期に、マンション情報サイトには、「第1期 91戸」の予告広告が出されました。同時期に2つの販売方法が公表されましたが、その間の関係は全く説明されていません。しかし、おそらくは「第1期91戸のうち80戸を会員限定で先行分譲する」という意味だったのだと、ここでは好意的に解釈しておきます。

しかし、この後も吉祥寺レジデンシアの販売方法は迷走を続けます。これらの広告が出されてからしばらく後、「会員限定分譲2次(2戸)」を行う旨が公式HPに掲載されます。この時点では、申込キャンセル分かとも思いましたが、その後も「会員限定分譲3次(2戸)」、「会員限定分譲4次(1戸)」が1週間おきに掲載されました。この分は、第1期91戸と最初に分譲した80戸との差の11戸を順次売り出しているものと考え、その次に掲載された「先着順申込受付中(8戸)」で第1期分を全て売り切るということなのだろうと、その時点では解釈することも可能でした。

しかし、その頃には、マンション情報サイトに掲載されていた予告広告の販売開始予定はいつの間にか8月下旬に延期されており、「いったい第1期91戸の本広告はどこに行ったんだ?」という疑問を禁じ得なくなります。予告広告に対する本広告を行わないことは、明確な不動産広告規約違反です。

そして、この疑問は次に行われた「会員限定分譲5次(11戸)」で、揺るぎないものとなります。先述した最初の会員限定分譲(1次~4次)までを合計した販売戸数は85戸。この中から、キャンセル分と売れ残り分を先着順8戸として売り出したと解釈することは自然ですが、この5次11戸に至っては、一体何なのでしょう? つまりは、最初の会員限定分譲にも、大量の売れ残りがあったと解釈せざるを得なくなります。

この推測を裏付けるように、更に「会員限定分譲6次(3戸)」があり、現在は再度「先着順申込受付中(8戸)」が行われています。一体、予告広告第1期の91戸は、本当は何戸売れているのでしょうか? これらが第1期とは別の住戸だとしても、先述の通り、本広告なしで次の分譲を開始することは不動産広告規約違反ですから、本来はあってはならないことです。脱法企業・長谷工にとっては、こんな業界自主ルールなど遵守する必要もないということなのかも知れませんが、一事が万事この調子では… 先が思いやられます。

さて、話は変わりますが、先週6日の木曜日に長谷工第1四半期決算が発表されました。マンション市況の厳しさを反映して、減収減益の決算内容でしたが、そんな表面的な数字以上に長谷工の苦境がにじみ出た決算でした。

以前のエントリ長谷工はどこまでもつか?でも見た通り、この四半期の売上と利益は過去の受注によってもたらされたものです。極端な話、この期間に1件の受注がなくとも売上、利益とも計上できます。しかし、その場合は、先細りを余儀なくされることになります。

この点、長谷工の決算説明資料では、下図の通り、受注が非常に低調であったことが分かります。今後も受注が急速に回復する見込みがないことは、当の長谷工が最もよく承知しており、最近では自らが事業主となってマンションを建設するケースが増えているようです。

長谷工受注推移(凋落の一途を辿る長谷工の受注高、クリックで拡大)

例えば、こちらのプレスリリースでは、「長期優良住宅」認定マンションとか、どうでも良いことを長々と書き連ねていますが、「本事業は、事業主・設計・施工を当社、販売をグループ会社の長谷工アーベスト、管理を長谷工コミュニティがそれぞれを手掛け」と、要は長谷工グループは自社施工のマンションデベロッパーだということをカミングアウトしています。

元々、販売リスクは他のデベロッパー(忠犬たち)に押しつけて、自らは土地持ち込みという優越的地位を生かして、忠犬たちから美味しい施工条件を引き出すというのが長谷工のビジネスモデルだった訳ですから、この流れは完全にかつてのビジネスモデルの終焉を意味します。

更に、上記プレスリリースで紹介されている物件が、それぞれ69戸、114戸と「大規模大好き」長谷工とも思えない小規模なマンションであることにも注目です。長谷工は、自分たちの間尺に合わない中小規模の物件を、用地情報に困っているマンションデベロッパーに転売し、設計料とかコンサル料とかの名目で手数料をむしり取るというのが、長谷工お得意のパターンでした。そのつもりで仕入れた物件が、マンションデベロッパーの大量倒産で売り先がなくなり、仕方なく自ら事業化する羽目になったという構図が見え見えです。

これらの結果、長谷工の手元現預金は3月末の555億円から6月末には415億円に急減しています。しかも、借入はほとんど減っておらず、仕入債務の支払で現預金が流出している様子が見て取れます。現預金の残高は常時増減しますので、これだけをもって「長谷工倒産待ったなし」というつもりはありませんが、長谷工が借入余力に乏しいことは長谷工はどこまでもつか?で指摘した通りです。マンション市況の本格回復など夢のまた夢という中、長谷工はいつまでもつのでしょうか? 建築途中の吉祥寺レジデンシアの工事が途中でストップし、廃墟として無残な姿をさらし続けるというようなことだけは、ご容赦願いたいものです。

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突貫工事で安普請仕上げの吉祥寺レジデンシア

昨日は土曜日にも関わらず、ほぼ終日コンクリート打設工事を行っており、ひっきりなしに現場を出入りするコンクリートミキサー車が女子大通りを多数通過し、コンクリートを流し込むポンプの騒音が周囲にそのまま垂れ流されていました。

コンクリート打設作業の様子(ひっきりなしに出入りするコンクリートミキサー車、クリックで拡大)

これまでは、土曜日にコンクリート打設工事を行ったことはなかったように記憶していますが、いよいよ突貫工事モードに突入したということでしょうか。多くの人が休日となり、在宅率もうんと高まる土曜日すら、安息の日ではなくなってしまうようです。長谷工に少しでも防音対策を強化しようという気があれば、ここまで周囲に騒音がまき散らされることもないと思うのですが、現場を見る限り、長谷工にそうした配慮を行う気持ちは皆無のようです。

そんな突貫工事の甲斐あってか、南東側のD棟を中心に、吉祥寺レジデンシアの無粋な姿が徐々に現れて来ました。下の写真は、現地をやや遠方から撮影したものに、大まかな吉祥寺レジデンシアの躯体を書き入れてみたものです。その周囲の低層住宅街から浮き上がる異様な姿が良くご理解いただけることと思います。今からでも遅くはないので、このような周囲に調和しない建築物は、根底から抹殺されれば良いのですが…

吉祥寺レジデンシアの外観ボリューム(周囲と全く調和しない外観ボリューム、クリックで拡大)

それは無理としても、せめて長年この地に存続することになる建物だから、少しでもマシなものが建ち上がることを期待しているのですが、残念ながら、工事現場を観察したり、HP等で公開される情報を見る限りでは、それはおよそ期待できないことのようです。いくつか、気になる安普請さを指摘してみたいと思います。

先ず、外階段です。何故か、ここの現場では必ず先に外階段が組まれ、その後に躯体が造られるようです。下の写真は、一番北東側の外階段の姿です。これを見ると、鉄骨が剥き出しの状態の階段であることが分かります。

鉄骨剥き出しの外階段外階段の様子、クリックで拡大)

実は、吉祥寺レジデンシアの配棟図などを見て、勝手に外階段は全て鉄筋コンクリート造だろうと想像していました。何しろ、まがいなりにもそれなりのお値段のする吉祥寺レジデンシアですから、最近では相当の安値マンションでしかお目にかかれない鉄骨剥き出しの外階段の訳がないと思い込んでいたのです。

しかし、こうして先に鉄骨だけの外階段を造り付けてしまえば、後からコンクリートを打設することなど不可能でしょうから、これはこれで確定なのでしょう。鉄骨剥き出しの外階段について、以前にもご紹介した碓井民朗著「マンションの常識・非常識」ではこう指摘しています。どう判断されるかは、皆さんにお任せします。

 (前略)しかし、このマンションを拝見して気になったことがありました。それは外廊下・外階段が鉄骨でできていたことです。デザイン的にはきれいにできていましたが、入居者の身になって設計していないな、というのが私の印象でした(中略)。

 鉄骨階段は、工場で製作し、錆止めされたものでも、建築現場で組み立てると、若干の調整が必要です。この組み立て調整の時にビス穴を若干削ったり、階段本体を若干削ったりして、錆止めが剥がれてしまいます。そこから錆が発生して錆汁が垂れてきます。このメンテナンス費用が結構かかります(中略)。

 こういうクレームがあちこちの分譲マンションからあり、最近の分譲マンションの外部階段は、90%近く鉄筋コンクリート造(RC造)です。また、大手デベロッパーの設計基準書でも外部階段の鉄骨階段仕様は禁止しています(中略)。

 外部階段を鉄骨で美しくデザインすると、きれいで工事費も鉄筋コンクリート造よりも安いです。でも、分譲マンションではご法度です(後略)。(P.177-179)

マンションの常識・非常識 (QP Books)マンションの常識・非常識 (QP Books)
(2005/06)
碓井 民朗

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次に、吉祥寺レジデンシアのHP内にある「設備・仕様」についての記載について。その中の、資産の礎という所には、吉祥寺レジデンシアの設備について、色々と説明があります。このうち、「24時間換気システム」についての説明については、こうあります。

住戸内の汚れた空気・湿気等を排出し、新鮮な空気を取り入れます。慢性的な換気不足を解消して、常に室内をクリアな状態へと導きます。

換気システム(24時間換気システム概念図、クリックで拡大)



しかし、この「24時間換気システム概念図」は、「マンションの常識・非常識」では「ピンからキリの24時間換気システム」の「キリ(安価)」として紹介されている「第三種機械換気」です。このシステムの特長とデメリットについては、こう記載されています。

 (前略)「第三種機械換気」とは、排気のみ機械で強制的に外部に排出するシステムです。吸気はどうしているかというと、昔ながらの外壁面についている吸気口(レジスター)から外気を導入しているわけです。これですと入居者は冬場、吸気口を開けていますとモロに寒いので、ほとんどの方が吸気口を閉めています。
 吸気口を閉めていますと、「第三種機械換気」では機械で強制排気いたしましても、マンション等は高気密ですので、入ってくる空気がなければ排気ファンは空回りしているだけです。住戸内の汚れた空気を排気いたしません(後略)。(P.203)



碓井氏は、吸気と排気を、双方別々のダクトと機械を設置して、強制的に吸排気する「第一種機械換気」で、かつ、熱交換器をつけて、冬場の冷たい外気と部屋の暖まった汚れた空気を強制排気によって熱交換するものがベストとしています。どちらが良いかは、言うまでもないでしょう。

なお、ついでながら、この「資産の礎」の中にある戸境壁の説明には、明らかな嘘が含まれています。

戸境壁の厚さは約180mm。さらに内装仕上げの下地材をコンクリート壁から離すことで隣戸間の遮音性能を高めています。
二重壁の説明図(二重壁の説明図、クリックで拡大)



二重壁が遮音性能で著しく劣ることは、「吉祥寺レジデンシア」の広告から透けて見えるものに既に記載しましたので、そちらをご参照下さい。このような嘘を平然と書き記す神経が理解できません。

なお、一応補足しておきますと、吉祥寺レジデンシアは長谷工標準仕様の直床仕様ではなく、二重床仕様です。この点だけは、一応ましな仕様だと評価しておきます(他社では当たり前ですが)。

他の安普請振りについては、ここまでご紹介した通りです。これが、2千万円台の格安物件ならともかく、7~8千万円もする高額物件です。高いのは土地代が高かったからで、建物は格安物件並みでは、ちょっと悲し過ぎるとは思いませんか?

最後に、余談ながら、前回ご紹介したプレミアムプランですが、個人的には全く「プレミアム」ではないと思っています(単に専有面積が多少広いだけ)。これまた「マンションの常識・非常識」の中で、「安っぽい"億ション"に注意」として、以下のように書き記しています。

 (前略)ここまでは良かったのですが、住戸の中に入ってびっくりです。まずプラン(間取り)が、高級マンションのプランではないのです(中略)。玄関を入って真正面に洋室のドアがあり、絵を飾る壁もないのです。通常「億ション」の住戸プランは、最低でも住戸内のプライベートゾーンとパブリックゾーンを分離(P・P分離)いたします。そうすれば、当然、玄関ホールはパブリックゾーンですので、プライベートゾーンの洋室の扉が正面に来ないはずです。
 さらに中に入ってよく見ますとびっくり仰天でした。なんとLDKなのです(中略)。
 高級マンションの台所は、クローズドキッチンにすべきです。居住者がお客様をお呼びした時には、一流ホテル等からケータリングサービス(食事の宅配でシェフも一緒)をしてもらいますので、台所の中が見えないように設計します。このマンションの設計者は、全く高級マンションに住む人のライフスタイルがわかっていませんでした(後略)。



吉祥寺レジデンシアの売主の一社である興和不動産が真っ当だった頃に手掛けていたホーマットシリーズをはじめとする高級マンションに入ったことのある方なら、この指摘がもっともだということはご理解いただけることと思います。個人的には、吉祥寺という立地でここまでする必要はないと思いますが、何が「プレミアム」なのか、その点についてはしっかりと考える必要がありそうです。

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プレミアムプランの行方

関東地方もいよいよ梅雨入りとなり、不快指数の増す日々が続いています。そんな中、吉祥寺レジデンシアの不快な姿が徐々に高くなってきており、さらに不快さが増していくのを感じてしまう今日この頃です。

建築中のD棟(建築中のD棟の様子、クリックで拡大)

さて、そんな吉祥寺レジデンシアですが、いくつか動きがありました。先ず、入居時期が早まっています。「物件概要に記載の入居時期については平成22年4月上旬予定と掲載しておりましたが、平成21年6月9日をもって平成22年3月下旬予定に変更となりました」とあり、3月末に間に合わせるべく、スケジュールを前倒しにしたことが分かります。マンション工事が大幅に減少しているので、大幅に余っている人員を、残った数少ない現場に集中投下することにしたのでしょうか? それにしては、建物竣工時期は3月上旬と、相変わらず引渡しまで長くても3週間程度しかないタイト過ぎるスケジュールのままですが…

もう一つの動きとしては、スケジュールとして「6/13(土)より会員限定分譲」が謳われるようになりました。会員限定分譲なるものに何のメリットがあるのか知りませんが、長谷工一味の提示するバカ高い値段をそのまま受け容れる上顧客向けの分譲というほどの意味でしょうか? そんな人いるとも思えませんが…

因みに、販売戸数91戸、販売価格5,110万円~9,990万円、専有面積60.24m2~94.70m2といったデータもようやく開示されました。この数値に基づけば、販売坪単価は2,804~3,487千円/坪と、ほぼ吉祥寺レジデンシアの価格差が意味するもので検証した通りの結果となります。はっきり坪30~50万円程度は割高でしょう。将来的に1千万円前後の値引きは必至と推測しますが、果たしてどうなりますことやら… 販売第1期から第1次、第2次…と延々と分割せざるを得ないような悲惨な結果になるかも知れません。水面下の大幅値引きで好調を装うのかも知れませんが。

ここで、この物件概要を見て、非常に不思議に感じたことがあります。それは、わざわざモデルルームまで用意しているプレミアムプランの分譲が1戸もないことです。「Premium Planは全邸100m2超」とHPに謳われている以上、最大で94.70m2の今回の分譲住戸にはプレミアムプランの対象住戸は1戸も含まれていないようです。これは一体どういうことでしょう?

プレミアムプランのページには、「オーダーメイドシステム(Premiun Plan限定)」と銘打って、「設備・仕様や間仕切りの変更などが可能」ということがアピールされています(これ自体は、「スケルトンインフィル仕様」として全面的に採用されているマンションもありますので、特筆するほどのことではありませんが)。そこにはわざわざ注釈として、「オーダーメイド(設計変更)のお申し込みには期限がございます」と記載されており、普通に考えれば早期に販売開始するのが筋というものでしょう。にも関わらず、第1期には1戸もプレミアムプラン住戸は販売されない。実に不思議な気がします。

ここに、一つの仮説があります。それは、長谷工プレミアムプランを売りにはしているが、もしかして、実際に販売する気はそれほどないのではないか。プレミアムプランの存在は、モデルルームの質感等を増すための方便なのではないか、というものです。

この仮説には、いくつかの根拠があります。一つは、長谷工の工事の進捗度合いです。現在、最も建物が立ち上がって来ているのは、長谷工言うところのD棟(東南側)です。しかし、残るA~C棟のうち、プレミアムプランが用意されているのは、北側のA、C棟だけです(B棟は低層なのでちょっと性質が異なります)。つまり、穿った見方をすれば、プレミアムプランの対象となる住戸の工事進捗を意図的に遅らせているようにも見えます(因みに、プレミアムプランがあるのは5階以上です)。

単なる工程上の都合なのかも知れませんが、それ以外にもそう思わせる根拠はあります。実は、吉祥寺東町の地区計画が導入される前後で、吉祥寺レジデンシアの総戸数は209戸から208戸に1戸だけ減少しています。絶対高さ制限が25→24mと強化されたことによるものと説明されましたが、非常に不自然な感は否めません。というのも、高さ制限が強化されても、それによってわざわざ1階の部屋を地盤面より低くしてまで戸数を維持しようとしたほど強欲な長谷工です。この程度のことで戸数を自発的に削減する訳がありません。

このとき削減された1戸というのは、7階西棟の北端妻側住戸なのですが、このとき、他にも一部の住戸の分離・統合がなされています。それは、6階東棟の北端妻側住戸が1戸から2戸に(e-75Dとpremium-A1に分離)、6階西棟の北端妻側住戸が2戸から1戸に(2戸を現在のpremium-Cに統合)と変更されました。つまり、これらの住戸は間取りの関係上、使い勝手の悪い部分をむりやり1戸にくっつけたから床面積が広い訳です(下の図は、やや見辛いですが、5階と6階のルームプランを重ね合わせたもので、右上のw-75Dとw-80Cがpremium-Cにぴったりと重なることが分かります)。こうした観点から見ると、長谷工言うところのプレミアムプランが北端の妻側住戸と西棟の最上階に集中している理由も理解できます。

プレミアムC(premium-Cのカラクリ、クリックで拡大)

要は、日影規制等で削らざるを得なくなり、下の階と同じ間取りを確保できなくなった余りの部分をくっつけて、専有面積が広くなっただけの部屋を、プレミアムプランと称して高値で売りつけようとしている訳です。「プレミアム」と称してみても、所詮は長谷工仕様の二重壁物件です。住戸としての基本性能の劣る物件を、設備・仕様や間仕切りの変更だけで割高に売りつけようとする。こういうものを世間では「プレミアム」とは呼ばないと思いますが…

何れにせよ、販売不振を極めるであろうミスプライス物件ですから、このプレミアムプランが売り捌けるとはとても思えません。最後には、先ほどのpremium-Cのように1戸を以前の2戸に分ける計画変更を行って、強引に売り切るかも知れません。吉祥寺レジデンシアの総戸数の変化には注意が必要かも知れませんね。

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ジョイント破綻は何を意味するのか?

連日、タントンタントンとコンクリートを流し込む木枠を組み立てる音を周囲に響かせ、騒音をまき散らし続ける吉祥寺レジデンシアですが、また販売開始時期が延期されました。本日現在、公式HPは販売予定時期が6月中旬のままですが、住宅情報ナビなどでは既に販売開始予定が7月上旬に修正されています。どこまで販売開始を引き延ばすつもりなのでしょう?

所詮は、価格に見合う価値のない物件と判断されており、要望書が集まらないのがその原因のようですが、販売開始前からアウトレットマンション化が決定的ということでしょうか。戸数の確保だけを最優先し、南向きの部屋は皆無。わざわざ電磁波をたくさん浴びるために、高圧線至近の部屋を設ける無理な配棟計画。そこまで経済効率を追求した結果は、顧客の支持を得られずに販売開始前から大幅値引き必至の不人気具合。まあ、これが長谷工クオリティということでしょう。

建物が大分立ち上がって来ましたので、周囲からも建物の姿を見ることができるようになって来ました。その結果、改めて東側を中心とする周辺住宅に対する並々ならぬ圧迫感を、いやでも再確認せざるを得ない状況が生まれつつあります。下の写真は、東側の公開空地と住宅の間から建築中の建物を撮影したものですが、まだ2階までしか立ち上がっていないにも関わらず、この圧迫感です。離隔距離7mなど、気休めでしかないことが良く分かります。

東棟の様子(公開空地より)(東側の様子を公開空地から、クリックで拡大)

東棟の様子(隣接家屋より)(まだ2階までなのにこの圧迫感、クリックで拡大)

いや、本当に7m確保されているかどうかも怪しいところです。何しろ、「当初の図面より約10度西側にずれていたこと」に気付かずに建築してしまう(第4回長谷工説明会をご参照下さい)ほど、高い施工能力を有する長谷工さんですから。1mや2mのずれなど、軽く無視できることでしょう。

さて、既に1週間ほど前の出来事になってしまいましたが、5月の月末となる29日の金曜日に、また一社、マンションデベロッパーが逝きました。帝国データバンクの大型倒産速報新興マンションデベロッパー 東証1部上場 株式会社ジョイント・コーポレーションなど2社 会社更生法の適用を申請 負債1680億円によれば、

 東証1部上場の新興マンションデベロッパー、(株)ジョイント・コーポレーション(資本金208億3404万8050円、東京都目黒区目黒 2-10-11、代表東海林義信氏、従業員160名)と、(株)ジョイント・レジデンシャル不動産(資本金30億円、同所、代表川島勝文氏、従業員166 名)は、5月29日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請した(中略)。

 (株)ジョイント・コーポレーションは、1973年(昭和48年)3月に(株)大として設立され、97年4月に旧・(株)ジョイント・コーポレーション(昭和61年9月設立)と合併し、現商号となった。90年代半ばから販売を拡大し、98年に株式を店頭公開。99年に東証2部へ、2001年には東証1部へ上場を果たした。マンション分譲と不動産流動化事業を手がけ、分譲事業については首都圏を中心にブランド名「アデニウム」シリーズを展開、流動化事業では賃貸マンション、商業施設、オフィスなどを手がけるほか、グループとして不動産の企画・開発のほか、中古物件のバリューアップ、ファンドや投資家への売却も行っていた。2000年以降は、米投資ファンドと不動産投資信託向けの賃貸マンション供給で合意するほか、外資系証券会社と不動産投資ファンドを設立することで合意するなど業容を拡大、2001年には(株)エルカクエイ(2000年2月会社更生法、現(株)ジョイント・レジデンシャル不動産)の株式を取得して子会社し、2003年3月期の年売上高は約617億4200万円を計上していた。その後もマンションブームに乗りマンション供給が高水準で推移、近年は都心部での土地仕入れは厳しさを増していたものの千葉、埼玉での事業展開を増やし、2008年3月期の年売上高は約997億900万円にまで達していた。

 しかし、用地取得に伴う有利子負債が膨らんでいたうえ、2007年後半からはサブプライムローン問題による資金の停滞、資材価格上昇によるマンション価格の高騰、不動産販売市況の悪化など事業環境は厳しさを増し、2008年9月にはオリックスグループから100億円の出資と200億円の融資枠の設定契約も受ける一方、リストラに取り組んでいたが、2009年3月期の年売上高は約704億9400万円にまで低下し約552億5100万円の欠損を計上、今回の措置となった(後略)。



ジョイント・コーポレーションといえば、マンションデベロッパーと分類されていても、いわゆる不動産流動化事業やリゾートマンションの比率が高い、およそ地道に事業を行っているとは言い難い、バブルの飛沫のような会社です。危ない不動産銘柄の代表格として再三取沙汰されている中、昨年9月のオリックスによる出資で生き延びたと思われましたが、所詮は半年強の延命策に過ぎなかったようです。駄目なものはいくらやっても駄目、ということでしょうか。

しかし、不思議なのは、一体オリックスは何がしたかったのかということです。オリックスの出資については、そもそも当初から何のための出資なのかが疑問視されていました。不動産市況が凋落の一途を辿る中での倒産待ったなしの企業に対する出資、傍から見れば無謀というほかありません。一説には、大京への出資でしこたま儲けたオリックスが、二匹目の泥鰌を狙ったんだとか、はたまたジョイントが持つ事業用地に関心があるだけで、それらを掠めとったら後はお払い箱だとか、色々な噂が飛び交っていたのを思い出します。

しかし、結果から言えば、破綻までにオリックスがジョイント株を売却した事実はないようですし、経営破綻前に公表された最後の決算短信を見る限り、100億円の投資に見合うだけの不動産を売却したようには(棚卸資産の残高推移を見る限り)思えません。あの守銭奴と揶揄される政商・宮内会長が率いるオリックスらしからぬ失態です。

この点について、福岡の信用調査会社データ・マックスが運営するNet-IBに、興味深い記事が掲載されていました。記事へのリンクを掲載しておきますので、ご興味ある方は、是非ご覧下さい。

オリックスグループの解体が強まる M&A9ヵ月で更生法申請したジョイント(1)
オリックスグループの解体が強まる M&A9ヵ月で更生法申請したジョイント(2)

規制緩和を主張して、その成果を自らのM&Aで果実として刈り取るという宮内商法は、典型的な政商そのものです。その注力分野が、金融・不動産という規制だらけの業界であることも、実に象徴的です。しかし、そんな宮内商法も、オリックス自身の信用力に疑問符が付く今、徐々に破綻への道を歩んでいるようです。

オリックスと不動産の関わりと言えば、今や倒産寸前の武蔵野タワーズ売主の一社・ランドと組んだ一連の地下室マンション問題をはじめとして、モラルの欠片もない劣悪な足跡だらけです。所詮は、脱法的なことを続ける者には、それ相応の報いが来るということを、オリックスの苦境が示しているように思えます。正に、「天網恢々粗にして漏らさず」です。

そして、それは当然、「数の偽装」をはじめとする脱法行為の総合商社・長谷工にも当てはまるでしょう。マンション業界の苦境が続く中、業界の衰退とともに長谷工の命脈が尽きる日が、一日も早く到来することを願ってやみません。

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吉祥寺レジデンシアの価格差が意味するもの

売れ行き不振の続くマンション業界、週末ごとの新聞折り込み広告の数も半端ではありません。正確に数えた訳ではありませんし、全ての新聞をチェックした訳でもありませんが、折り込み広告の半分以上はマンション広告ではないでしょうか。しかも、中身も竣工後相当の期間が経過しているにも関わらず完売にはほど遠い物件や、期分け販売の戸数から推定すると、一体何回に分けて販売する気なのかと呆れてしまう物件ばかり… 自業自得とはいえ、悲惨の一言に尽きます。

業界あげて一生懸命、新規販売戸数を大幅に絞った上で、契約率が上昇しているように見せかける小細工を続けていますが、既にそのようなまやかしは消費者に見透かされています。マンションデベロッパー淘汰の波は、まだまだ続きそうです。

さて、そんなマンション広告ですが、吉祥寺レジデンシアも先週末は連日折り込み広告が入っていました。内容は相変わらず「真の吉祥寺アドレス」なる意味不明なものを連呼するお笑い広告(「偽の吉祥寺アドレス」なるものがこの世には存在するのでしょうか?)ですが、「吉祥寺の、新たな象徴となる」とか「『真の吉祥寺アドレス』にふさわしい邸のあり方を標榜すべく誕生します」とか、地域の94%から”NO!”を突きつけられた(迷惑マンションは「真の吉祥寺アドレスを継」いでなどいない!を参照)存在にあるまじきフレーズが並んでいる点にも要注目です。

それはさておき、先週末の広告の中では、代表的(と思われる)4タイプの間取りについて、予定販売価格の下限が掲載されていました。以下、それらを見てみますと、

w-75H(2~6階) 74.52m2 6,500万円台~ 坪単価:2,883千円
w-80C(2~5階) 81.92m2 6,900万円台~ 坪単価:2,784千円
w-85B(2~4階) 86.01m2 7,500万円台~ 坪単価:2,882千円
e-90H(2~8階) 87.68m2 8,600万円台~ 坪単価:3,242千円

となります。価格が割安に設定されている西棟中心に紹介しているのは、当然高過ぎるという批判が多いことから、少しでも安さを演出するためでしょうし、下限価格は当然2階住戸の価格でしょうから、現実の平均単価はもう少し上振れるでしょう(百万円未満の端数分も上昇します)。およそ、西棟が坪単価3,000千円、東棟が坪単価3,400千円とすれば、全戸平均では3,200千円/坪程度となり、およそ事前の噂通りとなります。やはり、土地を思いっきり高値掴みしたツケは、割高な価格設定に反映せざるを得なかったようです。

しかし、西棟と東棟でそれほどの価格差を設ける必要はあるのでしょうか? 個人的な見解は「大いにあり」です。吉祥寺レジデンシアの掲示板では、「南向きの住戸がほとんどない」配棟計画に対する非難の声が強いですが、これはひとえに効率だけを重視した長谷工の事業計画に起因するもので、もう諦めてもらう他はありません。しかし、個人的には、それに加えてこの西棟と東棟の採光の格差もかなり問題のある計画だと以前から感じていました。

下に示したのは、吉祥寺レジデンシアの時間別の日影図(冬至の日の建物の影を示したもの)です。一般的には、建物の造る影による近隣の影響を示すために用いられます(その点でも巨大な影を造ることが見て取れます)が、どの時間にどの方向から日が当たるかも良く分かります。

吉祥寺レジデンシアの日影図吉祥寺レジデンシアの日影図、クリックで拡大)

このような観点から図を見ると、東棟は13時過ぎまでバルコニーに日が差し込むのに対して、西棟は14時頃になってようやくバルコニーに日が差し込むことが見て取れます。しかし、実際は吉祥寺レジデンシアのバルコニーも容積不算入を最大限に悪用すべく、約2mの奥行きがありますので、室内に日が差し込むのは更に遅れるものと思われます。西向きの部屋は西日が長いので敬遠される方も多いようですが、こと吉祥寺レジデンシアについては、その心配はなさそうです。何しろ、冬の間は、午後3時頃からしか日が差し込まないんですから。

日当りに対する考え方は人それぞれですから、これでも安い方が良いという方もいらっしゃるでしょう。しかし、その点はしっかり説明されるべきでしょうし、何となく東、西に向いているということを認識しただけで部屋を選ぶと、後で後悔することにもなりかねません。

そもそもは、効率だけを重視した無理な配棟計画が住戸としての基本性能を劣化させている訳です。こんな物件が、「『真の吉祥寺アドレス』にふさわしい邸のあり方を標榜」しているとは、個人的にはとても思えないのですが…

P.S. ジョイント・コーポレーションの倒産についても書き記そうと思いましたが、かなり長くなりましたので、また次回以降に。

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長谷工はどこまでもつか?

野菜の促成栽培よろしく、あっという間に立ち上がっていく吉祥寺レジデンシア。下の写真のように、現在1階部分の躯体工事中です。写真左奥の南東部分に至っては、既に3階部分まで立ち上がっています。こんな短期間で建てられていくコンクリートの塊。そのクオリティは、本当に大丈夫なのでしょうか?

工事現場の近況(躯体の工事が進んでいます、クリックで拡大)

そんな吉祥寺レジデンシアですが、先週末、連日のように新聞折り込み広告が入っていました。予算の制約が厳しいのか、B4版見開き4ページのような変則サイズの小さなその広告には、「5/23(土)よりモデルルーム・グランドオープン」の文字が大きく踊っていました。1月には(少なくとも外観が)完成し、4/25(土)にプレオープンしたモデルルームが、ようやく今頃本格オープンです。プレオープンからグランドオープンまでの1ヶ月もの間は、よほどの人気のなさを表しているものと思われます。価格設定を誤った不人気物件の始末は、何かと大変なようです。

この広告の中身については、色々と突っ込みどころが満載ですが、ここではいちいちそれを指摘することは致しません。しかし、この一点だけは指摘しておきたいと思います。LOCATIONと称する一文の中に、「戸建て住宅が並ぶ『第一種低層住居専用地域』が中心となり、整然とした美しい街並みが広がります」とぬけぬけと書いてあるのです。その「整然とした美しい街並み」を壊すだけの存在の吉祥寺レジデンシア。その存在が、いかに不要なものかを自ら認めているようなものです。街並みの価値を称揚していながら、その価値を自ら破壊する。そんなマンションには、何の存在意義も見出すことはできません。

さて、いささか旧聞に属しますが、5月14日に長谷工が2009年3月期の決算短信を公表しました。その内容は、既に過去のエントリ赤字転落、キタ━(゚∀゚)━!!!!!でお伝えした通りの赤字決算ですが、営業利益は170億円の予想が156億円と更に下方にて着地し、最終赤字は60億円の予想が76億円にまで拡大した悲惨なものでした。

にも関わらず、決算発表を境に、長谷工の株価は上昇基調に入っています。5月14日の終値(62円)が本日(25日)の終値では86円と、約39%の上昇です。その理由は、「09年3月期の連結決算では最終損益が76億円の赤字となったのに対して、2010年3月期には最終黒字70億円を見込むと発表したことが刺激となり、目先筋の値幅取りが活発化している」(5月15日付日本証券新聞)ということのようです。これに加えて、「三菱UFJ証券が、『財務リスクと収益リスクの2つのリスクが後退している』と評価し、投資判断『2』と目標株価100円を据え置いたことが好感されている」ようです。

長谷工株価推移(最近の株価推移、クリックで拡大)

しかし、三菱UFJ証券の業績予想は、昨秋まで会社の発表を鵜呑みにしてボトム期を脱したというレポートを出していたような不正確極まりない内容ですから、今回もその内容は推して知るべしです。誰でも分かる簡単な検証で、そのことを明らかにしてみたいと思います。

過去のエントリでも指摘しましたが、長谷工の今後の業績は、現在の工事受注状況を見ればかなり正確に分かります。以下のグラフは、2000/3期から2009/3期までの長谷工単体の受注高の推移、そして、2010/3期の長谷工公表による受注高予想です(会社予想は中間と通期のみなので、便宜上第1~3四半期の受注高を同額と仮定しています)。これを見れば、2006/3期、2007/3期の受注高がいかに突出していたか(いかにバブルの様相を呈していたか)と、2009/3の急速な減速振りがご理解いただけることと思います。

単体受注高の推移受注高の推移、クリックで拡大)

こんな状況下、未だ大量の完成在庫が残る中で、2010/3期の受注高が回復する。このような会社予想に、何の信憑性があるのでしょうか? そして、そのことは、他ならぬ長谷工自身がもっとも良く理解しています。

決算と同時に公表した中期経営計画の修正に関するお知らせでは、「土地持込以外の住宅系工事受注への積極取組み」と称して、「土地持込による受注で構築した企画力・スピード・規模のメリット等によるコスト競争力・技術力等の総合力を生かした取組みを強化する」ことを謳っています。しかし、長谷工の強みは、土地情報を持ち込むことでデベロッパーから有利な条件を引き出して、デベロッパーには資金負担とリスクだけを負わせるという身勝手なビジネスモデルにあった筈です。耳障りのよい表現を使っていますが、要は「一般工事入札にも参加する(=そうしないと売上を維持できない)」と告白しているようなものです。このような理解の下に先ほどの受注高のグラフを見ると、長谷工の主張するところの黒字回復が、実に眉唾物であることがご理解いただけるのではないでしょうか。

次に、財務リスクです。昨今の不動産関連企業の破綻は、ほぼ例外なく資金に行き詰まった結果の倒産劇であることは記憶に新しいところです。長谷工は、2009/3末でも連結ベースで555億円の現預金残高を有しており(2008/3末は626億円)、この点に懸念はないように見えます。

しかし、決算短信の注記をよく見ると、銀行に設定されている600億円のコミットメントライン(随時引き出し可能な借入枠)内の残高が、2008/3末の150億円から2009/3末には600億円とフルに利用されていることが分かります。これが一過性でないことは、2008/9末で既に500億円を利用済であったことからも窺い知れます。長谷工の借入余力はそれほど大きくなさそうです。因みに、単体決算による2009/3末の現預金残高は278億円(2008/3末341億円)と、連結とはかなりの乖離があります。見かけほど資金繰りは楽ではなさそうですね。

最早、一昔前のように忠犬デベロッパーが長谷工の資金負担を肩代わりしてくれて事業ができる時代はとっくに過ぎ去りました。マンション工事しか能のない長谷工にとって、現在の事業環境は他のゼネコン以上に厳しいものに思えます。長谷工の楽観的な業績予想に惑わされることなく、きちんと中身を検証しないと、長谷工みたいなクズ株買って大損を被ることになりかねませんよ。そして、それはもちろん、長谷工施工のマンションを購入する人たちにも、形は違っても共通するリスクでもあるのですが…

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【GW特別企画】興和不動産に売主たる資格はあるか?(その3)

このエントリも都合3回目となってしまいましたが、一応今回で完結です。前回までのエントリで、市側と事業者側の双方がいかに甘い認識のままマンション建築に突入したか、そしてその結果としてシティアクラックが生じたかを見て来ました。そして、今回ご紹介する部分において、その点はよりいっそう明らかにされていきます。

先ずは、平成18年12月開催の第4回定例会から見ていきます。今回も質問者は関口議員、答弁者は川崎都市部長です。関口議員の質問は、一点目として「シティアクラック問題について長谷工が行ったボーリング調査の結果を受けて、市の見解、判断」、そして「市の調査の結果も併せて」問うています。

二点目として、「10月21日付、長谷工による『シティア地盤調査追加報告』によりますと、まず各棟における沈下要因について、『当敷地には台地と人工的に埋め立てられた谷部が存在することが判明した』などと、まるで今度の調査により初めてわかったかのように述べてい」る点を指摘した上で、「『沈下は終息傾向にある』『沈下は終息状態にある』との二通りのあいまいな言い方をし、長谷工の判定では、『対策を行う』『継続観察とする』としている敷地が」「ほぼシティアの全域に及んでい」る中、「同じ地続きの新マンションの建設地は、全く問題がないと言えるの」かと問うています。

更に三点目として、「市は、長谷工に対して、新マンション建設に当たってシティアクラック問題から何を具体的に、どう指導」したのかを問い質しています。

これらの質問に対する川崎都市部長の答弁内容は、以下の通りです。先ず一点目について、「報告では、マンション本体とサブエントランスの接合部分周辺にクラックが発生したのは、サブエントランス部は、くいで支持された高層のマンション本体とは異なり、直接地盤で支持された構造であり、地下深部にある腐植土層が建物の重さで圧縮されて地盤が沈下した結果、サブエントランス部分が沈下したことが原因であ」り、「事業者はシティアの管理組合にこの調査結果を説明し、今後施工することになる修復工事についても了承」を得ているが、「事業者は、市に調査資料を提出することについて、管理組合から了解が得られていないこと」を理由に調査資料を開示していないことを明らかにしています。

なお、市の調査については、「本年7月、9月及び12月に現地に出向き、事業者に対して事情聴取や状況確認を行」った結果、「クラック問題に対する事業者側のマンション住民や管理組合への対応は適切であると考えて」いると述べ、ここでも事業者の主張を鵜呑みにしたことを告白しています。

続いて二点目については、「事業者から、新マンション建設地のボーリング調査結果について聞き取り調査をしたところ、シティアの地盤沈下の原因であるとされる腐植土層は確認できなかったことから、新マンションについては地盤沈下によるクラック発生のおそれはないと判断し」たことを明らかにしています。しかし、これも問題が発生した後の対処方法としては恐ろしく甘いと言わざるを得ないでしょう。シティア建築の際も、当然ボーリング調査は行った筈です。にも関わらず、軟弱地盤の存在を認識できずにマンション建築を強行した事業者の主張を、全くそのまま鵜呑みにするなら、行政による建築指導など無用の長物以外の何者でもないでしょう。根本から認識が甘過ぎます。

最後に、三点目については、「市は事業者に対し、現在施工中及び今後工事着手するマンションについて、シティアと同様な問題が生じないよう設計内容を再確認し、十分注意して工事をするよう申し入れております。新マンション建築地においても事業者側はボーリング調査を行った上でマンションを設計し、工事に着手しております」と述べるに止まっています。これ以上の指摘は、二点目と重複するので割愛します。

続く、平成19年3月開催の第1回定例会でも、関口議員のシティア関連の質問は行われています。但し、クラック問題に関する質問はこの定例会が最後となっており、以降は地元小学校の増築に関する公共公益施設整備費用の長谷工負担に関する質問に焦点が移っています。そのため、この問題に関する我孫子市議会の討議内容を検討するのはこれが最後になります。

今回の質問内容は、先ず「12月議会で市は、『事業者側の対応には問題がない』と」述べたが、「2月3日に長谷工が住民に説明会を開きました。130人を超える住民が集まり、大変紛糾したと聞いています。長谷工の不誠実な対応が原因のようです。文字が虫眼鏡で見ないと読めないくらい小さくて、判読不能な資料。11ヵ月もかかる補修工事。工事中の生活道路、通学路の安全の保障問題等々に、住民側の怒りが次々とぶつけられた」にも関わらず、「長谷工からだけ聞いて、現状判断をされたのではない」かと問い質しています。

続いて、「調査結果に基づいて、シティアのクラック問題からの教訓を全面的に生かして、新マンション建設について総点検し、指導を徹底する必要があるのではない」かと、「市民の生命、財産を守る責任ある立場で直ちに誠実な対処を」求めています。

これに対する川崎都市部長の答弁は、相変わらず木で鼻をくくったようなもので、「シティアのクラック問題の現状について市の認識を問うについては、昨年現地調査と併せて業者から事情聴取を行った結果、現在生じているクラックを修復するために発生原因を究明するためのボーリング調査を行っていること、また、この調査結果を踏まえてマンション管理組合と協議を進め、修復工事を行う予定であるとのことから、適切に対処していると判断し」ており、「この問題は住民が納得する形で業者と直接話し合って解決すべきものであり、市が双方から事情を聞いて対処できる問題ではないと」一方的に宣言するなど、行政として市民の手助けをするという考え方は皆無であることを明らかにしています。

更に、「新マンション建設についての総点検と指導についてですが、このことについては開発許可の段階でも建築に際しても、今回のクラックの問題を踏まえて工事を行うよう事業者に指導しております。事業者もそのことを十分認識し、必要な手続を経た上で新マンションを建設していることから、改めて関与できるようなものではないと考えて」いると述べ、徹頭徹尾、事業者を信頼するというスタンスで通しています。しかし、この事業者(=長谷工)は現に地盤沈下を起こしたマンションを建設している訳ですから、これではあまりに性善説に過ぎると感じざるを得ません。

これに続く再質問の中で、関口議員は「市民を守るために、今ある法律をすべて活用して、何とか市民を守って」欲しい、「シティアと同じ轍を新しいマンションの方々に踏ませない、同じ苦労をさせない。こういった行政側の態度が私は欠けていると思」うと行政の不作為を指摘します。

しかし、これに対しても、川崎都市部長は「市が発注する公共事業であるならば、当然設計の段階から地質の調査など行ってチェックし、施工に当たっても必要な検査はその都度行」う「が、市が責任を持って設計、施工管理を行った工事であるならば、市が責任を持ってその原因究明をきちんと対応してやることができますけれども、民民の工事ではそこまで介入してなかなか対応できないと」回答します。

「民民の問題には介入しない」、というのは行政がよく使う逃げ口上ですが、これは警察権の「民事不介入の原則」を曲解した行政の詭弁という気がしてなりません。実際には民民の利害調整まで行政が行うという過剰な介入事例は枚挙に暇がありませんし、ここで求められているのは「市民の安全を守るために行政として相応の役割を担って欲しい」という、本来の行政があるべき姿な訳ですから、なおさらです。

この点については、関口議員の再々質問でも、「建ててじきにいろいろと問題が出てくるというようなことは、建築確認のときに不備があった」のかも知れないので、「市民を守る法律というのは必ずあるはずですから、そういうものを見つけ出して何とか守ってほしいという」、ほとんどお願いに近い声として繰り返されますが、残念ながらそれに応える答弁は得られずじまいでした。

さて、先述の通り、以上で我孫子市議会の議事録に登場するシティアのクラック問題は終了しています。残念ながら、クラックの修繕や地盤沈下に対する対応策がどのようになったのかは明らかになっていません。しかし、一連の議論の中で、いかに長谷工の工事が綿密性を欠くものか、そして、そのような工事がほとんど何のチェックも受けずに進行していくのか、その内情が実に露になっていると感じられたのではないでしょうか?

欧米並みの厳しいインスペクション(建築工事の検査・監視)制度が導入されておらず、建築業者1社で設計・施工・監理を完結できることの弊害を、まざまざと見せつけられた思いがします。建築基準法の厳格化で、建築業界は汲々としているようですが、正直、改正内容が枝葉末節な部分に拘泥し過ぎており、本質が見失われている気がしてなりません。

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ここで、今回のエントリのタイトルの解題です。ほとんど長谷工の問題だけを採り上げている今回のエントリが、なぜ興和不動産の売主資格を云々するのか。それは、マンションの購入者はあくまで売主と契約したのであり、施工業者たるゼネコンと契約したのはあくまでも売主たちであって、購入者に対して責任を負うのは、一義的には売主たちの筈だからです。

今回のエントリの最初に採り上げた通り、シティアの売主の筆頭は興和不動産です(なお、売主のラストに長谷工も登場しますが、売主間の発言力・責任の度合いは出資比率に比例するのが通例ですから、ここでは売主としての長谷工の立場は無視します)。通常の商慣習で考えれば、(管理会社からの連絡を受けて)売主の代表である興和不動産が販売物件の問題に対して最初に対応し、その意向を受けて初めて(売主から仕事を請け負った)ゼネコン、すなわち長谷工が登場してくるのが筋でしょう。そして、長谷工が登場してきても、なおも購入者に対する直接の責任を負うのは売主たちですから、その後の議論に全く登場してこないということは、本来あり得ない事態です。

しかし、現実にシティアを巡る議論の中に売主たち(代表たる興和不動産以外の各社も含めて)は一切登場して来ません。単に途中のプロセスが省略されているだけで、本当は売主たちが対応したなどということがないであろうことは、吉祥寺レジデンシアを巡る一連の流れを見ても明らかです。本来あるべき売主としての義務すら果たすことなく、長谷工のお財布として金だけ出す。このような事業者に、果たして売主としての資格はあるのでしょうか?

また、遡って施工段階においても、一体この売主たちは自分たちが発注した仕事に対して、どのようなチェックを行ったのでしょうか? 途中経過は長谷工の報告を鵜呑みにし、竣工前の施主検査で表面的なチェックを行っただけ? それでは、到底躯体の瑕疵など見抜ける訳がありません。このような杜撰な事業者たちが建てるマンションが、今この瞬間にも次々建て続けられている。このような業界構造をどこかで断ち切らなければ、長谷工のような不心得な企業がのさばり続けるだけです。

どうか、赤字圧縮が至上命題となっているであろう吉祥寺レジデンシアにおいても、このような杜撰な構図が繰り返されていませんように… 地域にこれ以上の厄災がもたらされることだけは、勘弁して欲しいものです。

P.S. シティア問題に関する一連の討議の中で、関口議員が長谷工による風環境シミュレーションについて、専門家の見解を得た上でシミュレーションの問題点を明らかにしています。その内容を以前のエントリマンションと風害~西宮市の「横長マンション」規制に想うに追記しました。ご興味をお持ちの方は、併せてご参照下さい。

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【GW特別企画】興和不動産に売主たる資格はあるか?(その2)

ゴールデンウィークもあっという間に過ぎ去り、長谷工の工事も再開する時がやって来てしまいました。つかの間の平穏な日々を懐かしまずにはいられません。

ところで、吉祥寺レジデンシアの販売予定時期がまた一段と後倒しになったようです。最近の情報では、6月中旬となっており、既に半年近く販売開始時期が先送りされています。どう考えても、パークホームズ吉祥寺グランテラスとのバッティングを回避するためとしか思えませんが、駄目なものはいくら待っても駄目なんですから、さっさと腹をくくって(損失覚悟で)適正な価格で売り出せばいいのにと感じてしまいます。大きなお世話でしょうけど。

前回は、本題に入るまでが長くなり過ぎてしまいましたが、今回はやっと本題に入ります。今回問題としたいのは、竣工早々シティアに生じたクラック(建物のヒビ)を巡る長谷工と住民のやり取りです。

この問題については、我孫子市議会において、平成18年6月開催の第2回定例会以降、日本共産党の関口小夜子議員が、再三に亘って採り上げています。その質疑応答内容はかなり膨大な量になりますので、いちいち引用することは避けます。以下、必要な部分をかいつまんで引用していきたいと思います。

最初にこの問題が登場する平成18年6月開催第2回定例会において、関口議員は「シティアの(マンション本体につけ足した建造物及び附属棟など)30数ヵ所にわたりクラックなどが生じ、長谷工が調査・補修工事を行うこと」、その原因は「マンションの沈下に伴う段差」であること、そして長谷工の資料によると「6ヵ月弱の間に沈下量が一番大きなところは8.7ミリ」、「(竣工時からの)沈下量が一番大きなところは40ミリ」に達することを市は知っているのか、そしてどう指導するつもりかと質問しています。

これに対して、我孫子市の川崎都市部長は、千葉県マンション管理士会による個別「相談会において、シティア関係者の方が相談されたところから、マンション管理士より必要な助言があったと思われ」ると述べた上で、「相談内容が民事にかかわることから、詳しい内容やその後の経過については把握して」いない旨を回答しているに止まっており、話は他の質問に移ってしまいます。

続く、平成18年9月開催の第3回定例会でも関口議員はこの問題を採り上げており、「シティアクラック問題は、当初長谷工側は地盤沈下によるものとして、補修工事計画を示して解決をしようとし」た「が、その後多くの住戸のバルコニーにもクラックが生じるなどの被害が広が」ったため、「長谷工側と管理組合側の双方が原因追及のための調査を行っており、8月末になってエレベーター外回りの修理が始まった段階で、個人住居部分についてはいまだに補修工事は手つかず」という状態にあることを指摘した上で、前回約束した市の事業者に対する指導結果と、長谷工の住民側への原因説明である地盤沈下についての市の見解を問うています。

これに対して、川崎都市部長は、「本年7月と9月に現地で建設事業者から状況を聞」いた「結果、市としては、シティアクラック問題については、建築確認や開発許可制度に基づいて指導する内容ではないと判断し」、「事業者側と管理組合側は、協議の上、問題解決を図ってきているとのこと」という事業者側の主張を一方的に鵜呑みにして、それ以上の調査をせずに終わらせてしまいます。

また、地盤沈下についても、「市は7月と9月に現地に行き、事業者が2005年8月から行っている地盤沈下の調査結果について聞き取りを」行い、「シティアに発生しているクラックは、高層のマンション及びこの本体の出入り口に併設されている低層の建物との接合部付近に生じている床の段差と壁のクラックで」あるという事業者側の主張(「基礎ぐいのある高層マンション本体は、コンクリートの乾燥収縮で発生した微細なクラックであり、後者のくいのない低層の建物は、地盤沈下が原因である」)をそのまま報告する一方で、「事業者側は地盤沈下の原因究明と将来予測のために行ってきたボーリング等の調査を本年8月末に終了したところであり、10月中旬には管理組合に調査の分析結果と今後の対策を示した上で、恒久的な改修工事を進めていくとのこと」と発言するなど、事業者側の主張の根拠が一体何なのかすら明らかではない中での答弁であることを自ら露呈させています。

関口議員は、この定例議会の1週間後に行われた都市建設常任委員会でも、川崎都市部長に対してシティア問題を問いただしています。そこでは、委員会という専門的な場であるためか、かなり突っ込んだ議論が交わされています。重要な点を含んでいるので、やや長くなりますがご紹介させていただきます。

先ず関口議員は、「シティアの地盤沈下の問題で、議会での答弁によりますと、一方では、我孫子市ではここ10数年間、沈下の発生が確認できる目安となる年間2センチを超える沈下は見られないので、生活環境に影響を与えていることはないのではないかと考えている」という新田(環境生活部長の)答弁と、「シティアはかつて軟弱地盤を盛り土したための沈下であり、約2センチの段差やクラックが発生したと」いう川崎答弁の矛盾を指摘しています。

これに対する川崎都市部長の回答は、「生活環境に影響するかという話になりますと、当然それを買った人は、建て主さんがそこの家主さんでしたらその人の責任になって、生活環境上影響があれば直すしかありませんし、また販売した事業者さんが売って買った方がそこで支障があるときには、当然その販売責任といいますか、瑕疵担保の範囲に入るのかなと、そのように考えて」いるという、およそ関係のないものでした。

この点を更に追及された結果、「シティアと同じような、田んぼを埋めたとか、そういうところは、当然そういう現象は出るだろうというふうに考えて」おり、「当然初期沈下といいますのは急激に起きます。現実に今業者の方に聞いていると、ある程度その沈下の進みぐあいは少なくなっているといった内容は聞いてい」ると回答します。

関口議員の質問の意図は、「我孫子市内全域では(地下水くみ上げなどによる)生活に影響を及ぼすようなもの(地盤沈下)は起きていないけれども、シティアでは生活環境に影響を及ぼすような地盤沈下が起きている」のかどうかという簡単なことだった訳ですが、とにかく自らの発言の非を認めない役人気質が、発言を迷走させてしまっている様子がよく分かります。法政跡地の議論を見た際に、武蔵野市議会でも何度も見た光景です。

続いて関口議員は、シティアに続いて「グランドレジデンスというのが第1期工事で、あと第2期、第3期と、同じ続きに大きなマンションが建っていく」に際して、「シティアと同じような被害は生まれないと市は考えている」のかどうか、「シティアの開発許可に当たって、今2年や3年で地盤沈下が起きてしまって、住民の方々は非常に困っていらっしゃるんですけれども、このときの指導はどのようにされたの」かということを質問しています。

これに対して川崎都市部長は、シティアに続く「2ヵ所のところなんですが、そこは地図上で調べたところ、一応地山になっております。そういった点から見ると、地盤沈下はないものと考えられます」と回答する一方、シティアについては「造成につきましては、当然堅固な建物の、高層の建物を建てるということで、当然くいとかそういうもので対応するだろうということで、細かい地盤についてまでの指導はしていなかった」ことを認めています。地盤沈下がないとする根拠が、単に地図で見ただけというのはどうなんでしょう?

そして、重要な箇所ですが、関口議員は一連の質問の根拠が、「日立精機が工場をつくるときに、あの辺は湿地帯だった」ので「そこにあんな巨大なマンションをつくれば、沈下するのは当然だというようなことを(地盤沈下の所管課である手賀沼課に)言われた」ことを明らかにします。「そのような『当然だ』というような認識が市にあったならば、もっと業者を、くい打ちを念入りにするとか、沈下対策を強めるとか、そういう指導をするべきではなかった」のかと、市の指導不足を問い質します。

しかし、川崎都市部長の回答は、「今沈下している、御質問に出ていますが、そこの部分が谷津が入り組んでいるということで、他の地域は台地上で形成された土地だと思」うので、「たまたまそこの部分が、建物を建てて、入り口のところの低層部分がたまたまそこにくいを打たないで、縁を切れて段差が出たというような状況だ」ろう。「当然市の方でもわかってそういうような状況が出るという話になれば、指導することもあるんですが、開発の中では、中高層を建てるときには、当然業者もそういう建物の設計の中で対応して考えるべきかなと思って」いるというものでした。

このやり取りには、非常に重要な問題点が含まれているように思えます。市(行政)は、「事業者(長谷工)は、中高層の建物を建築する訳だから、地歴なども十分踏まえた上で適切な設計をしている筈だ」と一方的に思い込み、事業者(長谷工)は、「建物本体部分は(高層だから)杭を打ったりして地盤沈下に備えるが、エントランス部分は(低層だから)杭は必要ない」というステレオタイプ的な設計手法を適用して、地歴等を考慮せずに事業化を進めているという、双方の究極の無責任体質がここにははっきりと見え隠れしています。

地元の業者ならいざ知らず、各地で建て逃げを繰り返す長谷工が、我孫子の地盤について知悉している訳がありません。この点を、きちんとトラブル防止に努めるのが地元行政の役割でしょう。そして、本来はそこが本当に高層建築物の建築にふさわしい土壌なのかを徹底的に調査するという、本来は当たり前の準備すら行わない長谷工に、このような建築に携わる資格はあるのでしょうか?

これらの諸点についての双方の認識が、いかに甘いものだったかについては、平成18年12月開催の第4回定例会以降のやり取りが明らかにしていきます。2回目も大分長くなりましたので、その点については次回とさせていただきます。

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

【GW特別企画】興和不動産に売主たる資格はあるか?(その1)

世間のゴールデンウィークの喧噪も、ここ法政跡地については長谷工の工事が中断しているために、かえって静けさが戻って来ています。周囲から浮き上がったタワークレーンという不要物さえなければ、本当に心から落ち着ける連休となっているのですが…

タワークレーン2機(タワークレーン2機と高圧線鉄塔、クリックで拡大)

タワークレーンと高圧線(南側のタワークレーンと高圧線の位置関係、クリックで拡大)

そんな長期休暇中ですから、以前から関心を有しているテーマのうち、吉祥寺レジデンシアの筆頭事業主である興和不動産長谷工の関係について見ていきたいと思います(書いているうちに大分長くなってしまいましたので、何回かに分けてお送りします)。そこに見えるのは、およそ住宅という高額商品を販売する資格があるとは思えない、身勝手な事業者の姿でした。

最初に、興和不動産が売り主となって長谷工が施工している物件がどれ位あるかということを見てみます。そのために、興和不動産のHP内に掲載されている分譲実績を遡ってみようと思いましたが、このページは未だに平成17年(予定)となっているなど、全くやる気が見られません。そのため、平成17年以降は長谷工アーベストのマンション完売物件一覧にて最近の長谷工分譲実績を適宜補足しています。

<2006年竣工>
グリーンサラウンドシティ
住所:神奈川県横浜市港北区綱島
総戸数:945戸
竣工時期: 2006年3月
売主:双日都市開発、興和不動産、新日鉄都市開発、トータルハウジング、ナイス、ニチモ、平和不動産、プロバイスコーポレーション、双日、長谷工コーポレーション
備考:青山学院グラウンド跡地

<2005年竣工>
プライヴブルー東京
住所:東京都江東区豊洲
総戸数:513戸
竣工時期:2005年2月
売主:東急不動産、三交不動産、興和不動産、長谷工コーポレーション
備考:日新製糖豊洲工場跡地

<2004年竣工>
深沢ハウス
住所:東京都世田谷区深沢
総戸数:772戸
竣工時期:2004年6月
売主:双日都市開発、ジェネラスコーポレーション、ニチモ、興和不動産、トータルハウジング、日本中央地所、相鉄不動産、セコムホームライフ、日本開発、相互住宅、長谷工コーポレーション
備考:東京都立大学跡地

<2003年竣工>
citia(シティア
住所:千葉県我孫子市我孫子
総戸数:851戸
竣工時期:2003年7月
売主:興和不動産、トータルハウジング、ニチモ、三交不動産、近藤産業、長谷工コーポレーション
備考:日立精機工場跡地

まあ、目的物件まで遡ったことだし、この辺で終わりにしておきます。これで分かることは、興和不動産が年1棟前後のペースで長谷工の大型物件に参加する「パートタイム忠犬」であることでしょうか。しかし、上の物件リストを見ただけでも、小学校受け容れ問題で騒動を起こしたプライヴブルー東京、地域住民との係争が最高裁まで行った深沢ハウスと、本当にトラブルには事欠かない会社です、長谷工は。

さて、今回のメインテーマであるcitia(シティア)も、もちろんその一つです。このシティア、実は本ブログに以前も登場しています。長谷工の施工現場でクレーン横転のような重大事故が頻発していることをお伝えした長谷工施工現場は危険がいっぱいで、わずか1年ほどの間にパワーショベルの横転(1人死亡)、クレーン車横転(3人死傷)と重大事故を2件も起こしている事例としてご紹介しました。

しかし、今回この物件が登場するのは、この事故を再度ご紹介したいがためではありません。このシティアは、日立精機の工場跡地に建設されたマンションなのですが、本題に入る前に、日立精機跡地のマンション開発の経緯を振り返ってみたいと思います(以下の経緯については、我孫子市議会の会議録を主に参照しています)。

この日立精機は、バブル崩壊後の設備投資減退を受けて業績が低迷。リストラの過程で先ずグラウンドを売却。そこに、三菱地所が「エールの丘」という総戸数482戸の巨大マンションを建設します(2000年11月竣工、売主:三菱地所、東京建物、東急不動産、施工:大成・池田建設JV)。その後も、リストラの一環として土地を切り売り(長谷工が2001年2月に購入)し、そこに建設されたのが「シティア」です。

一連のリストラの甲斐なく同社は倒産(2002年8月民事再生法申請)。森精機製作所が資産の営業譲渡を受けて再起を図りますが、結局、森精機の方針で我孫子の工場は全面閉鎖となり、工場跡地は一括して売却される(長谷工が2003年12月に購入)こととなります。そして、長谷工は例によってワンパターンの巨大マンションを立て続けに建築します。具体的には、「グラン・レジデンス」(総戸数:738戸、2007年3月竣工、売主:双日、双日都市開発、東レ、明豊エンタープライズ、長谷工コーポレーション、施工:長谷工コーポレーション)、「アクア・レジデンス」(総戸数:424戸、2008年3月竣工、売主:双日、東レ建設、明豊エンタープライズ、長谷工コーポレーション、施工:長谷工コーポレーション)の2物件です。

シティア周辺の地図(驚異的なマンションの林立振り、クリックで拡大)

これらの巨大マンション群が林立した結果、わずか8年ほどの間に約2,500戸もの住戸が一挙に増加し、1万人近い人口増加が引き起こされます。この間の市議会の討議内容を見ると、渋滞発生、近隣の学校・保育所の受入問題、日照被害、土壌・地下水汚染などの様々な問題を巻き起こしたことが分かります。本ブログでも採り上げた後発マンションによる眺望被害(マンションデベロッパーのモラルで紹介)、土壌汚染とマンション問題など、およそ一箇所のマンションPJでこれだけの問題を引き起こせるとは、「流石は長谷工」と妙なことに感心してしまいます。

この関連討議は膨大な量になりますので、いちいち引用は致しません。ご興味のある方は、我孫子市議会の会議録検索システムに適当なキーワード(日立精機、シティア、長谷工など)を入れて検索してみて下さい。行政が事業者側にいいようにされている、武蔵野市でも見られた光景が繰り広げられたことが良く分かります。

因みに、この土壌汚染問題に絡んで、長谷工は暴力団から恐喝され、3千万円を支払って世間を騒がせています。

長谷工から3千万恐喝容疑 3幹部を再逮捕へ NPOを隠れミノに
2004年1月28日(読売新聞)

◆「敷地が汚染」と街宣
 マンション建設大手「長谷工コーポレーション」(東京都港区)から、環境問題を口実に3000万円を脅し取ったとして、警視庁組織犯罪対策部は27日、環境汚染防止を活動目的とするNPO法人(特定非営利活動法人)「消費者問題研究会」(東京都中央区)の幹部3人について、恐喝容疑で逮捕状を取った。3人は別の恐喝事件で起訴されており、28日にも再逮捕する。NPOを「隠れみの」にした企業恐喝グループに、東証1部上場企業まで屈していた。再逮捕されるのは、同研究会会長榎原(えのはら)一吉(55)、同理事長近藤薫(60)、同元理事藤川幸治(48)の3被告。
 調べによると、榎原被告ら3人は2002年7月ごろ、千葉県内のJR常磐線沿線で、長谷工コーポレーションが建設し、分譲中だったマンションについて、「敷地が汚染されている」などとして、建物周辺で街宣活動を行ったほか、中傷ビラを配布。
 また、同社の株式を所有していないにもかかわらず、「株主総会に出席して問題にするぞ」などと脅迫し、同社から3000万円を脅し取った疑いが持たれている。
 3人は同月、同社が東京都内で行っていた建物の解体工事現場周辺でも、「廃棄物の処理方法が違法だ」などと、街宣活動していたという。
 榎原被告らは、マンションの敷地が工場跡地で、かつては重金属類に汚染されていたことに目をつけ、その後、十分な浄化対策工事が行われていたにもかかわらず、因縁をつけて現金を脅し取ることを計画。街宣活動のほか、同年6月下旬には、「マンション開発への市の対応をただしたい」と、管轄の市役所を訪れ、市長に「浄化対策工事が不十分ではないか」と主張するなど、同社に対する嫌がらせを繰り返していた。
 同研究会関連の口座には、ほかにも大手ゼネコンなど十数社から3000万円近い入金があり、警視庁では、ほかにも不当な資金集めをしていた疑いもあるとみて調べている。
 長谷工は99年5月、取引金融機関に対し、総額3500億円の債権放棄を要請したほか、2002年には1500億円の金融支援を要請していた。榎原被告らが3000万円を脅し取っていたとされるのは、この時期だった。
 同社広報部は「街宣活動があったのは事実だが、その他のことは警察が捜査中であり、コメントできない」としている。
 榎原被告ら3人は、千葉県内の土木業者に「宅地造成地に汚泥を入れている」などと因縁をつけ、2001年7―8月、同業者から計300万円を脅し取ったとして、先月、恐喝罪で起訴されている。
 一方、内閣府は同研究会について、NPO法施行後初めての認証取り消しに向けて手続きを進めている。

<NPO法>
 1998年12月に施行された。環境や福祉分野などで社会活動を行うボランティア団体などが、内閣府や都道府県から認証を受けて、法人格を認められると、団体として事務所を借りたり、契約を交わすことができるようになる。昨年末現在、計1万4657法人が認証を受けている。



まあ、長谷工は恐喝に遭った被害者な訳ですが、その理由が土壌汚染のもみ消しとあっては同情の余地は全くありません。因みに、この脅し取られたお金の大半は水増し発注で捻出した裏金であることが判明しており、組織ぐるみの隠蔽工作であったことが分かります。本当にどうしようもない会社ですね。

長谷工のろくでなし振りが明らかになったところで、続きは次回とさせていただきます。実は、今回の本題はまだスタートしていないのです。本題に至るまでだけでも、これだけのトラブルを紹介しない訳にはいかない長谷工という企業に、一体何の存在意義があるのでしょうか?

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