吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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第9回長谷工説明会(協議会)

法政跡地は、年明け以降、校舎から体育館にメインの解体対象を移して工事が進められています。あっという間に体育館が消えていく様は、いつもながらに一抹の寂しさを憶えます。

さて、遅ればせながら9日(水)に開催された長谷工との協議会の内容についてご報告させていただきます。なお、長谷工側は一方的にこれまでの説明会から協議会に名称を変更して案内状を出状していますが、住民側は説明が尽くされたとは全く考えていないこと、名称変更の合理的な説明がなされていないことから、これまで通り、本ブログでは紛争予防条例に基づく説明会と見なして回数等を表示させていただきます。

会に先立って、昨年末に長谷工に対して住民側より回答要望事項(プライバシー対策、風害、駐車場、電波障害等)を書面で再提出していたため、それらについて長谷工が説明する形で会は進められました。というと聞こえは良いですが、相変わらずの長谷工の段取りの悪さで、最初に(これまでも散々やり合った)プライバシー問題から入ったため、ここで大きく時間をロスしてしまい、要望事項の半分も説明しないままに会場(本宿コミセン)の閉館時間が来てしまい、またもや尻切れとんぼで終わってしまいました(それも、住民側から一旦プライバシー問題をペンディングとし、先へ進むよう要請して漸く先に進んだ始末)。一体、長谷工には住民側の貴重な時間を浪費させているという罪悪感はないのでしょうか(まあ、ある訳ないですか。こんなマンション建設して平気な位ですし)。

一応、会の進行に沿って進めていきます。プライバシー対策については、バルコニーの目隠しのために、トップレールの形状を一律変更する(不透明化またはルーバー付に変更、高さ引き上げ等)ことは拒否するが、1~3階部分についてはトップレール内側に曇りガラスを設置するという譲歩案が提示されました。これ自体は、一応ゼロ回答ではないので評価しますが、4階以上への拡大や少しでも高さを引き上げて欲しいという住民側要望には応じず、議論は平行線を辿りました(途中でペンディングとなったのは先述の通り)。また、ルーフバルコニーについては何ら進展は見られませんでした。

ここで、ただトップレールの形状やら高さやらと言うだけでは具体的なイメージが湧きませんので、同じ逆梁工法の物件の写真をご紹介してみたいと思います。資料は勿論、マンションデベロッパー各社がスポンサーの「住宅情報マンションズ」。何部取ろうが、デベの広告費が嵩むだけですから気楽なものです(笑)。

マスターヒルズ横濱
(マスターヒルズ横濱、クリックで拡大)

東京地球区。
(東京地球区。(笑)、クリックで拡大)

逆梁工法説明図
(東京地球区。の逆梁工法説明図、クリックで拡大)

パークホームズ志木
(パークホームズ志木、クリックで拡大)

最後のパークホームズ志木のみ長谷工物件ではありません(他は長谷工)が、逆梁工法を採用した場合のバルコニーのイメージが良く分かりますので併せて掲載しました。トップレールが、視界を遮る上で何の役にも立たないことが良くお分かりになるのではないでしょうか。因みに、手すりメーカーの製品を見る限りにおいては、ルーバータイプのトップレールを見つけることは(残念ながら)できませんでした。勿論、特注すれば簡単に手に入ると思いますが。ついでと言っては何ですが、他社例ながらルーフバルコニーからの眺望もご参考までに紹介します。設計等異なりますので、あくまでもイメージですが、周囲は丸見えですね。

ルーフバルコニーのイメージ
(ミオカステーロ石神井公園、クリックで拡大)

残り30分ほどになったところで漸く、次の話題である風害問題に入りました。これについても、以前より要望していた高さ10m地点における風速増加領域予想図がやっと提示されました。但し、高さ1.5m地点より風速増加領域が小さくなるという、ちょっと違和感のあるデータです。長谷工の説明では、10m地点では西棟がやや低くなっているため、風が回り込むために風速増加領域がそれ程大きくならないということでしたが、素直に納得するには説得力に欠ける説明という感は否めません。

また、風害が発生した場合に、誰に対して請求(交渉)するのかという質問に対しては、「施工者として、因果関係が立証されれば補償する。立証責任は互いが負う旨を、協定書で約する」との発言がなされました。席上、遠藤氏は「製造物責任法が云々で、この辺は専門的にも色々ありまして…」とか分かったようなことを言っていましたが、製造物責任法(PL法)は動産にしか適用されません(マンションは不動産です)し、そもそも立証責任の転換は規定されていませんので、本件は民法の不法行為における一般原則通り、被害者側に立証責任があります。遠藤氏は、これを新築工事の協定書で、加害者側でも立証責任を負うようにすると公約したものと解釈します。後で、「そんなことは言わなかった」とか、「双方協議の上でという意味だった」とか言うのは駄目ですよ。知ったかぶって、無関係なPL法まで持ち出して説明した位なんですから(笑)。

因みに、マンション風害について、因果関係を否定されて、結局補償しないのではないかという懸念が席上で示されましたが、この点について非常に心強い判例(大阪高判平15.10.28判時1856-108、一審判決は大阪地判平13.11.30判時1802-95)があります。上告は棄却され、確定済の有名な判例ですので、Web上にも情報は多数ありますが、代表的なものをご紹介しつつ、内容をかいつまんでご説明します。

先ずは、asahi.comの「風害が高層マンションによって起きたと証明するにはどうしたらいいのですか。」から。弁護士による分かり易い解説ですのでご一読をお薦めしますが、重要な箇所を抜粋しますと、

【質問】 風害が高層マンションによって起きたと証明するにはどうしたらいいのですか。

【答え】 風害については民法709条による不法行為に該当するかどうか、つまり受忍限度を超えるかが争われるものですが、不法行為の要件として、加害者側の故意・過失の証明が被害側から立証しなければならない法律構成となっています。したがって、起こった風害つまり被害が、高層マンションによってもたらされたものであることを建築主側に証明させるという協定書を、建築主から勝ちとることも大事なことでしょう。

 立証を建築主側が行う協定書を作成しておいた住民側が、大阪地方裁判所、大阪高等裁判所で損害賠償請求を起こしたところ勝訴した事件があります。この事件は、20階建ての高層マンションの建設によって起された強風のため(1)住環境を侵害された精神的苦痛に対する慰謝料の請求(2)風害による所有土地・建物の価格低下による損害賠償――を求めたものでした。

 大阪地方裁判所、同高等裁判所は(1)の慰謝料は各戸につき60万円を認めたものの(2)については認めませんでした。

(中略)

 そして風力の被害については、次のように各学説を基準としました。

 「(1)原告ら宅付近の風環境は、本件マンション建築前、村上基準によればランク2、風工学研究所基準によれば領域Bであったところ、本件マンション建築後、村上基準によればランク3を超えてランク4に、風工学研究所基準によれば領域Dに近接した領域C(ただし、これは累積頻度95パーセントの風速であって、累積頻度55パーセントの風速は領域Bである)になり、原告らが感じた風による被害を考慮すると、人が生活する上で障害のある風環境に変化したと推測されること」



文中の「村上基準」については、国民生活センターの「ビル風害による不動産価値下落について損害賠償請求が認容された事例」中に解説があります。また、「風工学研究所基準」については、(難しくて読む気はしませんが)鹿島のHP内の「風環境評価基準」についての論文中に解説があります。本判例のポイントは、上記国民生活センターの解説によれば、

 本件では、風環境の悪化の程度が相当著しいものであったことに加え、一審原告らが着工前から風害を懸念して風害予測のための風洞実験を行うよう求めていたのに対し、一審被告らは、風害が生じた場合について因果関係の立証責任を負担し、生じた損害はすべて賠償することを一審原告らに約束したうえで、より簡易な風環境予測システムを利用することとして風洞実験を行わなかったこと、一審被告側が着工前から風速・風向計を本件マンションの敷地内の2カ所(1つは原告ら居宅の近く)に設けて竣工後まで計測していたため、一審原告らはその測定結果により風環境の悪化を明らかにすることができたこと、一審原告らは風環境の悪化を嫌い、住居を他へ売却したなどの事情があったことがうかがわれる。そのため、本件は、不法行為の成立を認めやすい事案であったといえるが、事例が少ない風害に関する判断を示したものとして、注目される。



ということです。解体工事説明会の際に、住民側から「風速・風向計を設置して欲しい」という要望が出ていたにも関わらず、長谷工が頑ななまでに拒否したのにはこうした事情もありそうです。本当、誠意の欠片もない事業者ですね。

大阪高裁判決については、同訴訟を担当したあべの総合法律事務所のHPに有用な資料がある他、自由法曹団通信1112号内の「風害訴訟で勝つ」や、日経住宅サーチの「高層マンションの隠れた懸念材料『風害』 判例から教訓を学ぶ」などもご参照下さい。

この他、風害・日照被害に基づく慰謝料が認められた事例(広島地判平15.8.28)の解説や、ケンプラッツの「マンション建設に伴う風害の調査と賠償求めて住民が調停申請」でも紹介された藤和不動産を相手取った風害裁判の経緯が紹介されている「建設井戸端会議」の掲示板(他にも有用な情報あり)なども参考になります。

話が説明会から大幅に逸れてしまいました。風害に続いては、GLについての説明がありました。女子大通りの高さ9.40m(数字の根拠は不明。この辺りの標高は53m前後なので、標高でないことだけは確か)に対して平均GLは9.75m(1階のFLは9.60m)となっており、道路面からの実質的な建物の高さは24.35mであることが明らかにされました。この論点は、一部の人以外の関心は薄いようで、1階が地面にめり込んでいる点の確認以外には、質問もあまりありませんでした。

最後に、駆け足で駐輪場と駐車場の問題を説明しようとしましたが、駐輪場を静穏タイプに変更した旨の説明の途中(駐輪場の防音壁の有無は不明)で、バイク置き場が地上(敷地内の南東角辺り)にあることが判明。バイクの騒音を懸念する声が高まり、「バイク置き場は地下に持っていけ」という声が強まって議論は紛糾。会場の時間制限で、尻切れとんぼに終わりました。

確かに、以前に配布された図面にもバイク置き場は記載されていましたが、説明されたことは一切なく、意図的に隠していたことは明らかです。バイク置き場をなくせとまでは言いませんが、設置場所・騒音対策については、更なる協議が必要になりそうです。何度説明会が開催されても、隠していた新たな問題点が発覚し、議論が尽きることのない長谷工という会社は、どこまで地域に負荷を掛けるつもりなのでしょうか?
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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