吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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協定書を巡る攻防

前回のエントリでお約束した通り、今回は長谷工が修正した工事協定書の中身について考えてみたいと思います。先日、工事連絡会によって投函されていた協定書案の長谷工修正バージョンは次の通りです(スキャナーで読み込んでおり、誤字等残っていたらご容赦下さい)。

法政大学第一中・高等学校解体工事に関する協定書


この協定書は、東京都武蔵野市吉祥寺東町3丁目314番5号外7筆における「法政大学第一中・高等学校」解体工事(以下「本工事」という)に閑し、長谷工マンション建設工事対策連絡会(以下「甲」という)と事業主兼施工者株式会社長谷工コーポレーション(以下「乙」という)とが協議した結果、下記の通り合意したので本協定書を締結する。

第1条(建物の概要)
1.工事場所:東京都武蔵野市吉祥寺東町3丁目314番5号外7筆
       (本校舎敷地、記念講堂敷地及びプール敷地の一切をいう)
2.工事名称:法政大学第一中・高等学校解体工事
3.解体業者:株式会社長谷工コーポレーション

第2条(基本方針)
1.甲、乙は、互いに信義、誠実、互譲の精神を持って、円滑な近隣関係を保持するよう努め、乙は本工事に当たり、甲への迷惑を最小限にとどめるよう安全管理に万全を期し、本工事完了まで関係法令を遵守した安全確実な施工に努める。
2.乙は当計画地の住環境の特質である静穏な環境及び本工事現場周辺の道路が本宿小学校、第三中学校の通学路であることを十分認識した上で、近隣及び周辺住民の建築物等の現状維持、並びに甲住民の日常生活の安定保持を念頭において工事を行い、甲住民の不安感・迷惑感を生ぜしめぬよう最大限の努力を行う。
3.尚、記念講堂及びプールの解体工事を行う場合は、本協定書を基本とし、乙は甲に説明の上、甲・乙別途協定を締結するものとする。

第3条(工事期間と事前作業)
1.本工事の工事期間は、平成19年9月18日より平成20年3月31日までの予定とする。(記念講堂及びプールの解体時期が決定次第、乙は甲に通知するものとする)但し、天候等、乙の責めを負わない不可抗力、安全確保のため作業工程の変更等の理由で、工事期間内に完了しない事態が生じた場合は、乙は甲に事前に工事延長理由、延長期間の説明を行うものとする。
2.本工事の着工前に、ねずみ・害虫等の駆除及び拡散防止処置を行う。

第4条(休日及び作業時間)
1.作業時間は、午前8時~午後6時30分とする。
但し、下記作業については記載された時間帯で行う。
(1)ジャイアントブレーカーを使用する作業は、近隣に対する振動・騒音の迷惑が大きい事を自覚し、棲力使用しない作業手順とする。但し、使用する場合は、午前9時~午後4時半とし、出来る限り短時間の作業となる様努める。尚、事前に週間作業内容を甲に周知するものとする。
(2)コンクリートの解体作業及びガラのダンプへの積載作業、その他振動・騒音の影響が大きい作業は午前8時45分~午後5時30分とする。
2.土曜日は、ジャイアントブレーカーを使用しない。
3.作業開始前の朝礼等は迷惑のかからないように午前8時00分より行うものとする。
4.日曜日、祝祭日は作業全休とする。
5.昼の休憩時間は正午より午後1時までとし、重機を使用する作業は行なわない。
6.年末年始休暇は、平成19年12月28日より平成20年1月6日までとする。
7.乙は、本工事を着工する前に、甲に解体工事全体工程表を提出するものとする。尚、天候等やむを得ない事情により工程を変更する場合は、改めて解体工事全体工程表を甲に提出するものとする。
8.乙は、前月末までに月間工程表を甲に提出する。また、乙は作業内容を明記した週間予定表を道路面仮囲い等に掲示する。
9.天災等緊急時の防災作業(例;台風接近に伴う養生シート取外し、足場緊結、点検、補強、資材の飛散防止対策等)、又は工事の進行上やむを得ない作業が発生し、作業時間外又は休日に作業を行う場合は、甲に事前に説明の上、行うものとする。

第5条(騒音、振動、塵埃等の抑制)
1.乙は、工事用機械、器具については、騒音・振動等を最小限に止める機種を選定し、甲に対する生活の被害を最小限にすべく十分注意して工事を行う。
2.乙は、騒音・振動を伴う作業については、騒音規制法、振動規制法の特定建設作業の規制基準を遵守し、騒音・振動の減少に努めるものとする。
3.本工事中、粉塵・塵埃等が飛散しないよう、十分な散水等の処置をする。又、休日で乾燥等により粉塵・塵埃等の飛散が想定される場合は、十分な散水等の措置をする。
4.乙は、特定建設作業に該当する作業については、騒音作業の内容について事前に甲に説明する。
5.本工事の現場内には、連絡用のスピーカーは設置しない。
6.乙は、作業内容の改善策に生かすことを目的として、振動計と騒音計を建築敷地内に2箇所設置し、本工事に起因する振動及び騒音を常時測定すると共に、そのデータを常にデジタル板にて表示する。また、その振動及び騒音が「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に定める基準値を超えぬ様、努力するものとする。
7.作業用の照明は、近隣に配慮して設置する。

第6条(交通安全)
1.工事中、乙は工事車両(工事関係者の使用する車両も含める)の出入りに際しては、一般車両及び歩行者の交通安全、道路渋滞の防止等のため、所轄警察署の指示に従うと共に、必要に応じて誘導員の適正な配置等の安全対策を講じて、甲および一般通行人に対して安全な通行を確保する。
2.道路上に工事車両を駐車しない。
3.工事車両の通行については次の通りとする。
(1)法政通りは、午前7時30分~午前8時30分の間は原則として通勤車両を含め、工事車両は通行しない。
(2)計画敷地の東側通りは、原則として工事車両は通行しない。
(3)女子大通りは、午前7時30分~午前8時の間は原則として工事車両は通行しない。尚、誘導員を午前7時30分~午前8時30分の間、法政通りと女子大通りの交差点に1人、児童の安全確保の立場で立たせる。
4.工事車両は車両本来の目的以外には使用せず、不必要なアイドリングを行わない。
≪第5項として、建設重機・大型車両の搬出入時間規制(午前9時以降)が規定されていたが、丸ごと削除≫
5.乙が管理する所轄警察署の認定を受けた工事車両については、警察の許可証を運転席の見やすい場所に掲示する。また、本工事の関係車両であることがすぐに判別できる様にする。
6.建設重機・大型車両の搬出入は、主として女子大通りから行い、原則として、市道第5号線(法政通り)及び市道第118号線からの出入りは行わない。但し出入りする場合は車両台数を明確にし、事前に甲に説明の上通行するものとする。

第7条(周辺道路の維持管理)
1.乙は、本工事中、常に周辺道路の維持管理に留意し、道路の損傷と汚染防止に努める。
2.乙は、工事関係者が、タバコの吸い殻、飲食物の残飯及びその包装物等を公道上に投棄せぬよう、また仮設トイレ以外で排泄行為を行なわぬ様、マナーの指導を徹底する。現場責任者は、毎日作業終了前に必ず周辺道路を確認し、清掃を実施する。
3.工事車両の交通等により道路に損傷が発生した場合には、道路管理者の指示を受けて、速やかに補修復旧を行う。
4.工事車両の交通等により道路上に汚染が発生した場合には、その都度速やかに清掃を行い、周辺への汚染の拡散を防止する。
5.乙は道路法に基づき、公道上に資材などを放置しない。

第8条(災害防止)
1.乙は、工事期間中に甲の建物及び付属物を破損、汚損しないよう、また、甲並びに通行人の安全を図るため、現場の周囲に仮囲い養生、金網、シート等を設け、安全かつ十分な対策を講じて、作業所内より資材の落下、粉塵・塵埃等の飛散を防止するよう努める。
2.乙は、仮囲い等に周辺の美観を損ねることのないようなものを採用し、景観に十分配慮する。
3.乙は、火災事故防止のために十分に配慮を行う他、火気を伴う作業を行う場合、管理責任者を定め、消化設備の整備を行う等防火体制に万全を期す。

第9条(家屋、付属物の損傷)
1.乙は、本工事施工に起因して、甲の建物及び付属物その他の所有物に損傷を与えたときは、甲、乙協議の上、速やかに修復または補償する。
2.乙は、本工事着工前、工事期間中に甲の立会いのもとで、本工事現場周辺(家屋調査の範囲については、解体敷地に隣接する家屋を中心に希望する家屋)の近隣住民の建物・構造物等について、第三者調査専門企業による写真撮影及び文書等必要な記録を取り、後日、万一損傷が生じたときの資料とし、写しを甲に交付する。
3.乙は、本工事完了後、家屋等調査の資料に基づき甲の立会いのもと家屋、付属物に損傷がないか確認する。万一損傷が起きていれば甲、乙協議の上修復または補償する。
≪第4項として、因果関係の立証責任が乙にあることを明記していたが、丸ごと削除≫
4.第2項の建物・構造物等の現状の確認と記録の調査費用は乙の負担とする。

第10条(アスベスト対策)
乙は、公的機関に吹き付けアスベスト調査を依頼し、甲にその結果を発表し、粉塵の飛散防止対策を講じる。

第11条(人身に係る補償)
1.乙は、工事に関して甲の安全を優先し、万一甲の人身に係る事故が生じた場合には、それに要する治療費・入院費等、当事者の方と協議の上速やかに賠償等を行い、回復に向けて誠意ある解決をする。
2.乙は、高齢者、病人等が、本工事による身体的な異常を訴えた場合には、甲と協議の上必要に応じ適切な処置をとる。

第12条(重大被害の対処)
1.甲の生活に支障をきたすような重大な被害、および生活ライン(ガス、上下水道、電気等)が断たれた場合には、乙はその復旧を第一に行い、甲、乙協議し補償する。
≪第2項として、樹木の立ち枯れについての規定がなされていたが、丸ごと削除≫
2.現在甲が使用している井戸水について、乙は本工事着工前に使用状況を調査(調査範囲は、概ね2Hの範囲)し、本工事に起因して異常・障害が生じた場合には、乙は、誠意を持って甲と協議の上速やかに損害復旧をするか、修復費用を支払う。

≪第12条(災害補償)として、営業補償条項が規定されていたが、丸ごと削除≫

第13条(現場管理)
1.乙は、工事期間中、現場に工事責任者を常駐させ、連絡先を明確にし、甲の苦情処理等の窓口等にあたると共に、現場及び現場周辺の管理を十分行い、甲に迷惑をかけないようにする。また、工事責任者不在の場合にも代理人を置いて業務を行わせるものとする。尚、工事責任者及び代理人の氏名、所属会社の住所、電話番号を本協定書締結までに甲に書面にて通知する。
2.乙は、衛生面に注意し、簡易水洗トイレ・手洗い等の設備を設け、甲に迷惑をかけない。尚、当作業所敷地内には、作業所員宿泊施設は設置しない。
3.乙は、作業員の教育・指導監督を十分行い、甲に不謹慎な言動・行動により迷惑をかけないようにする。
4.夜間、作業休日等の作業時間外は工事現場は閉鎖し、工事関係者以外立ち入ることの出来ないようにする。

第14条(連絡窓口)
1.本協定を円滑に実施し、連絡体制を密にするために乙は現場事務所を近くに設置し、連絡責任者を次の通りとする。
現場所長      中村雄二
現場事務所電話番号 0422-20-9261
開発推進4部    開発課長 遠藤敦史
               中村 裕
2.乙は、甲からの苦情については、下請け業者に関するものを含め迅速に対応し、処理する。
3.夜間・早朝・休日・緊急時の連絡先は以下の通りとする。
株式会社長谷工ナヴィエ
電話番号 03-3255-0061

第15条(過失があった場合の対応
乙の重大な過失により、甲に迷惑を掛けた場合は、乙の状況判断の上、一旦工事を中断し、甲・乙協議の上で工事を再開する。

第16条(工事連絡会の開催)
甲、乙は毎月1回、工事連絡会を行うものとする。

第17条(定めなき事項)
本協定書に定めなき事項、疑義等が生じた場合は、甲、乙は誠意をもって協議し解決を図るものとする。

以上、本協定の証として、本書通を作成し、甲・乙記名押印の上、各1通を保有する。

平成19年  月  日

甲〔長谷工マンション建設工事対策連絡会代表〕

住 所

氏 名

乙〔株式会社長谷工コーポレーション〕

住 所

氏 名



下線部は、先日のエントリでご紹介した住民側の協定書案からの変更が見られる箇所です。また、≪≫で囲った部分は、条項そのものが削除されたことに対する注釈です。修正・削除箇所には、明らかに共通した傾向が見て取れます。

先ず、「甲(連絡会)の了解を得る」という表現がことごとく「説明する」、「通知する」という一方的なものに変更されています。住民側の了解などお構いなしに、一方的な通告で工事は進めていくという身勝手さが溢れています。また、工事中断についての条項もことごとく削除されています。唯一残っている第15条も「乙(長谷工)の状況判断の上」で工事中断するか否かを決められるようになっており、非常に一方的です。そもそも、長谷工に重大な過失があれば、工事を中断することなど当たり前のことです。

このような重要な変更を、住民側から持ち出す筈は勿論ないでしょう。とすれば、長谷工お得意の「このような内容なら協定書は結ばない」という脅しがなされ続けたことは容易に想像がつきます。本当、どうしようもない会社ですね。

他にも、作業時間は午前8時~午後6時半を譲らなかったり、騒音計・振動計の設置箇所を2箇所に減らしてみたり、はたまた車両通行台数規制を削除したり、営業補償に係る条項を削除してみたり… 都合の悪いところは全て認めないというスタンスで貫き通されていますね。

しかし、代表メンバーの交渉の結果か、多少(あくまで多少ですよ)の譲歩は長谷工から引き出しているようです。この点について、少し考察してみたいと思います。ここでの考察は、根来冬二さんの著書「マンション建物紛争解決ノウハウ」に工事協定のポイントとして挙げられている事項がどの程度盛り込まれているかを、当初長谷工案、当初住民案、長谷工修正案の3つについて比較してみることとします(ポイントをそのまま転載するのはちょっとどうかと思いますので、当方にて適宜簡略化しています)。

マンション・建物紛争解決ノウハウ―徹底抗戦・増補版マンション・建物紛争解決ノウハウ―徹底抗戦・増補版
(2003/11)
根来 冬二

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工事協定のポイント当初長谷工案当初住民案長谷工修正案
1. 住民との協議に応じる義務××
2. 定期的な協議会開催×
3. 事故発生時の工事中止(再開は住民との協議後)×△(長谷工の判断次第)
4. 協定違反をしない旨の確約××
5. 家屋調査
6. 工事責任者の決定
7. 営業補償××
8. ガードレール等の移動についての住民合意×××
9. 作業時間
10. 騒音・振動について(測定義務・使用機材等)×
11. 工事の安全について
12. 道路使用について


いかがですか。ここでの○×は、あくまで条項の有無であって、内容については基本的に考慮していません。ですが、当初の長谷工案よりは前進していることが見て取れます。協定違反についての確約は是非とも欲しいところですが、きっとYesとは口が裂けても言わないんでしょうね、長谷工は。
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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