しかし、今までの経緯からすると、必要なデータを十分に開示しない可能性が相当高いと思います。今日は、中でも東側の隣接地の圧迫感について、簡単に検証してみたいと思います。
以前のエントリ「条例によるマンション建設断念事例」にてご紹介した「千現1丁目の住環境を守る会」の方がExcelのマクロを使って、建物の圧迫感を表す「形態率(=天空遮蔽率)」を簡単に算出できるプログラムを発表されているのを見つけました(プログラムはこちらよりダウンロード。Vectorにもkeitai6という名前で登録されていました)。作者のmaswakeさん、ありがとうございます。
使い方は簡単。建物の形状を3次元の座標軸の数値で入力して、形態率を算出する視点を指定するだけです。下図は、管理人が入力した数値に基づく(東側から見た)長谷工マンションの形状です(数値は長谷工が説明会で配布した資料にほぼ基づいていますので、正確性に問題はない筈です。また、東側の「出部屋」は無視しました)。

(クリックで拡大)
この3次元モデルに基づいて、具体的な形態率を算出してみました。視点は、東側の敷地境界線と建物の壁面までの距離(7.2m)後退させ、地上から1.5mの高さに設定しました。この視点の位置を建物の一番南側から徐々に北方向へと移動させていくと、形態率は次のように変化していきます。
| 建物南端からの距離 | 形態率 | 備考 |
| 0m | 17.4% | 一番南端 |
| 5m | 24.4% | |
| 10m | 29.0% | |
| 25m | 32.2% | |
| 50m | 35.0% | 南側の平面駐車場に隣接(南側)する敷地 |
| 70m | 35.2% | 平面駐車場に挟まれた敷地 |
| 95m | 34.4% | 北側の平面駐車場と提供公園に挟まれた敷地 |
| 120m | 31.9% | 提供公園の真ん中あたり |
| 127.75m | 19.5% | 一番北端 |

(0m地点、クリックで拡大)

(70m地点、クリックで拡大)

(127.75m地点、クリックで拡大)
どうです、圧迫感を感じる4%はおろか、受忍限度を超えるとされている8%をも軽く上回るこの数字の数々。しかも、センスのない長谷工設計のモノリス(一枚板)状のこのマンションは、端からすぐに形態率が上限値に近付くことが見て取れます。こんな数字、長谷工が正直に出してきますかね? 因みに、この分野の権威である武井正昭東京理科大学名誉教授の講演録の中に、国立マンションの例(大学通りの歩道の真ん中で算定したもの)が紹介されていますが、その形態率は32%となっています。東側隣地は、それを上回っている訳ですね(視点の取り方によって数値は変わってきますが、ここでは細かい議論は割愛します)。
なお、「仙台の住環境を考える」というサイト内の「(高層マンションによる日照被害・圧迫感等に関する)調査報告・意見書」の中に、「過去の判例でも昭和58年8月29日名地裁判決は、形態率19%の建物が受忍限度を超える圧迫感を与えることを認め損害賠償を命じています」との記載があり、下級審判例で損害賠償請求だけとはいえ、迷惑マンションの圧迫感を断罪した判決も存在することを明らかにしています(名古屋地裁昭和58年8月29日判決(判例時報1101号91頁))。
現状の法政校舎による形態率は、具体的な数値がないため、すぐに出すことはできませんが、それは長谷工にやらせれば良いでしょう。肝心なのは、これだけの具体的な数値に基づく明確な圧迫感を、長谷工にどのように認めさせ、また軽減させるのかということです。それに、この圧迫感は、単なる壁ではなく、夏になれば室外機から熱やら騒音やらを発する非常に迷惑な壁なのです。その点も十分考慮する必要があります。
取り敢えずは、週末の長谷工の説明会で、これだけの圧迫感をはじめとする具体的な数値に基づく迷惑マンションの被害度合いについて、長谷工がどのように説明する気なのか、お手並み拝見と行きましょう。是非皆さんの積極的なご参加をお願いします。
最後に、コメント欄でご紹介いただきました7月12日付河北新報の記事「8―14階取り壊して 仙台、隣接住民が訴訟で追加請求」をご紹介しておきます(以下はGoogleのキャッシュから拾いました)。
8―14階取り壊して 仙台、隣接住民が訴訟で追加請求
仙台市宮城野区の高層マンション「シティハウス榴ケ岡」の南棟(19階)と東棟(14階)をめぐり、隣接マンションの住人19人が、建築主で販売元の住友不動産などに、南棟の14階以上と東棟全階の建設差し止めを求めた訴訟で、住人側は11日、東棟の8階以上の取り壊しを請求に追加した。
南棟は昨年12月、東棟は今年3月に完成。完成物件の取り壊し請求は異例だが、住人側代理人の弁護士は「東棟による日照・圧迫感被害があまりにひどく、建築主のモラルを問うため取り壊しをあえて求める」と話している。被告側は「受忍限度を超える被害はない」などと主張している。
追加請求では、冬至のころには住人らのマンション全体が午前8時ごろ東棟の日陰に入り、南棟の影響もあって午後3時ごろまで日が当たらなくなると指摘。さらに建物の圧迫感を示す「形態率」が、東棟の8階以上で受忍限度(8%)を大きく上回る35%超に達するとして「厳しい日照阻害と閉塞(へいそく)感で居住環境が破壊されている」と訴えている。
形態率は、魚眼レンズで建物を真下から撮影した際に視野の中に建物が占める割合。建物が空を覆う度合いを示すことから、人が建物から感じる圧迫感の指標とされる。
2007年07月12日木曜日
マンション紛争に関わる全ての者が、「建築主のモラルを問うため取り壊しをあえて求める」運動をするのも良いかも知れませんね。それ位しないと、絶対に奴らは考えを変えませんよ。自浄作用など、およそ期待できない腐りきった連中ですから。


