今後、説明会の内容が分かりましたら、本ブログでもご紹介したいと思います。そのうち、「駅前の空はだれのものか」にも内容がアップされると思いますが、もしご出席された方でその内容等お知らせ下さる方がいらっしゃいましたら、コメント欄にご記入いただけると幸いです。
さて、マンションデベロッパーがいかにモラルがないかについてご紹介しているシリーズですが、先日の大京編に続いて、今回はゼファーです。
この会社、そもそも紛争案件、販売方法など、非常に評判の良くない会社です。姉歯元建築士が関与した「最初の」耐震偽装物件が、当社の「ゼファー月島」だった(記事はこちら)ことでも有名です。
また、設立当初から、最近架空循環取引で世間を騒がせている加ト吉と非常に深いつながりがある(設立時より加藤義和氏(加ト吉元社長)が代表取締役会長に就任、株式公開時は加ト吉グループおよび加藤氏関連で65.9%の株式を保有していた等)ことも、仕手銘柄等に造詣の深い方はその意味が良くお分かりなのではないでしょうか(因みに、昨日のプレスリリースで加藤氏の取締役退任が発表されていますね、今更ですが)。
さて、今回、このゼファーを採り上げようと思ったのは、日経ビジネスオンラインの「もはや『団塊様、お断り』“移住景気”を喜べない石垣島の苦悩」という記事を見たからです。記事の内容をかいつまんでご紹介すると、
石垣島では、今、大量定年期に入った団塊世代を中心とする都市部からの移住者と地元住民とのあつれきという深刻な問題が持ち上がっている。
移住者に拒否反応を示す一番の理由は、人口急増による景観や住環境の悪化。大規模な宅地開発、リゾート開発による自然破壊への危惧も大きい。
ラムサール条約に登録された湿地「名蔵アンパル」近くでは、東京の不動産デベロッパー、ゼファーが合計130区画の住宅地の分譲を計画している。実現すれば、宅地造成のために山が2つ削られることになる。
というものです。大資本による地方のリゾート地の乱開発は、もう何十年と問題になり続けています(我らが長谷工も、きっちりと軽井沢で騒動を起こし、長野県から「不許可」を受けた履歴ありです)が、ここへ来て、団塊世代の大量退職による地方移住を見込んだ開発ブームが各地で起こっています。
この構図、何かに似ていませんか? そうです、「都心回帰」の号令のもとに、各地で地域住民との紛争をいとわず乱開発を進めているマンションデベロッパーと、場所が違うだけでやり方が全く同じなのです。キャッチコピーが、「都心に住まう」か「リゾート地に住まう」かの違いだけです。あまりの金太郎飴振りに言葉もありません。
しかもここでは、景観破壊のみならず環境破壊をものともしない、究極的に身勝手極まりない計画を平然とたてています。近隣住民を対象にした事業説明会の様子が 八重山毎日オンラインの2月10日付記事「東京の開発業者が元名蔵に130戸の分譲住宅建設へ」に紹介されています。それによると、
石垣市元名蔵の7万9858平方メートル(約8ヘクタール)の土地で宅地開発が計画されていることが9日わかった。獅子森の後背地の高台に130戸の分譲住宅を建設する計画で650人の入居を見込んでいる。開発地の近隣住民の一部が同日、山の切り崩しにより土砂災害や名蔵湾への赤土流出などを懸念し、災害や環境への影響がないとの調査報告が出るまで「開発許可を出さないよう」大浜長照市長に要望書を提出した。
開発業者は、不動産分譲事業などを手がける(株)ゼファー(本社・東京)。同社は1月30日、名蔵公民館で近隣住民を対象に事業説明会を開いた。
事業説明書によると、計画地は獅子森東の最高標高58メートルから最低標高7メートルの傾斜地(原野や山林など)。近隣住民によると、山を2つ切り崩すことになるという。同社では「宅盤をひな壇状に配置し極力土の搬入・搬出のないように計画」。切土量は10万7667立方メートル、盛土量は11万3499立方メートルを予定している。
施工に当たっては▽石垣市自然環境保全条例を順守し、自然環境の保全に努める▽景観形成については市の条例を順守するとともに指導に従うとしている。
同社は現在、石垣市自然環境保全条例(500平方メートル以上の開発行為が対象)に基づき、市の同意を得るための手続きとなる開発同意申請に向けた事前協議をしている。事前協議の段階では平屋の赤瓦しっくいを予定し、規制の厳しくなる景観地区指定を受けたいとの希望も示している。
近隣住民から要望書が提出されたことに対し、同社沖縄支店は「社内で検討する必要があるため、コメントは差し控えたい」としている。
同社はホームページ上で「石垣島・名蔵住宅開発プロジェクト」として紹介。「海辺に近いこの地で、自然と調和した暮らしを楽しんでいただくため、管理体制の整った高品質な住宅地として分譲を予定。沖縄らしさの演出といった、きめ細かな点にも配慮している」と説明している。
山2つ切り崩して「沖縄らしさの演出」ですか… ここはショートステイ用の宿泊施設じゃないような気がしますが、地域に住み暮らすのにも「演出」が必要なんですかね? 「郷に入りては郷に従え」という発想は、もう消え失せてしまったんでしょうか? その地の環境をあるがままに受け入れられない人がそこに住み暮らしても、結局は不幸な結末を迎えるだけのように思われてなりません。
同じことは、都市型のマンションについても言えると思います、住民増加による渋滞の発生等の問題を考慮しても、基本的に地域の人口が増えることは望ましいことだと思います。近隣住民だって、新住民との調和を本来は望んでいる筈です(現に、マンション建築そのものに対する反対ではなく、高さを抑えて欲しいという反対運動が大半です)。しかし、そうした想いを根底から覆すような、地域環境を破壊するマンションを建築し、後々までの住民の対立の根をまき散らしていく。マンションデベロッパーに、人が住み暮らす住環境に携わる資格は本当にあるのでしょうか?


