吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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マンションデベロッパーのモラル~大京編

もう何度も書いてきましたので、いい加減いやになってきましたが、地区計画案に対する市の最終原案は未だ提示されることがありません。ここまで放置されると、お役所の常とは言え、アカウンタビリティ(説明責任)の観点からも看過できない問題だと思うのですが… まあ、市としてはギリギリに提出、時間がないことを理由にそのまま成立に持ち込むという作戦を描いていることと思いますので、2週間程度の縦覧期間等を考慮すれば、そろそろ最終案を提示してくる頃だとは思います。内容に期待できない点は、もはや言うまでもありませんね。

しかし、地区計画法政跡地問題の最終地点ではありません。目的はあくまでも地域にそぐわない高層マンション建築を阻止することにあります(建たないに越したことはありませんが、マンション建築そのものを阻止することが目的ではありません)。今後も、建築物が少しでも地域に調和するものになるよう、最善の努力を尽くしていくべきと考えます。

その観点から、最近明らかにマンション建築に対する空気が変わりつつあります。かつては、マンションデベロッパーの脱法行為も黙認状態だったのが、最近は開かずの扉と言われた建築審査会で建築確認を取り消される事例が出てきていることは、以前に川越市のタカラレーベンの例でご紹介しました。また、マンションデベロッパーに対する損害賠償請求も認められる事例は少なかったのが、あまりのモラルのなさに、腰の重い裁判官すらようやく請求を認容する事例が増えてきています(それでも、どちらも庶民感覚からすればまだまだ不十分ですが)。今回は、そのような事例を2件、ご紹介したいと思います(何れも最大手マンションデベロッパー大京の事例です)。

先ずは、建築確認取消例から見ていきましょう。物件は、「ライオンズ中野ミッドサイト」。2年ほど前に建築審査会で建築確認を取り消され、工事が中断。最近になって設計を変更(8→5階建て)し、販売を再開したようです。建築確認取消の経緯は、平成17年10月4日付朝日新聞に詳しく載っています。以下、ご紹介します。

マンション前だけ道広げ「建築確認」 建築審が「違法」裁決 中野区 /東京都

中野区内で建設中の地上8階地下1階建てのマンションをめぐり、付近住民が「建築は違法」として区建築審査会に審査請求し、審査会は建築確認を取り消す裁決をしたことがわかった。都建築安全条例は隣接する道路の幅で建物の規模を制限しているが、このマンションは予定地に接する部分だけを拡幅して建築確認を受けていた。一部分だけ膨らむため「へび玉」と呼ばれ、同区内ではこうした手法が慣例化していたという。裁決により、建設計画は宙に浮いた形だ。
問題とされたマンションは、中野3丁目で大手不動産会社が計画。延べ床面積6746平方メートル、高さ24メートルで、79世帯が居住できる予定だった。これが「条例違反」だとして、上智大名誉教授の蝋山道雄さんら付近住民でつくる「桃園まちづくりを考える会」が2月に審査請求した。
同条例4条2項では、防災上から「延べ面積が3千平方メートルを超え、高さが15メートルを超える建築物は、幅員6メートル以上の道路に接していなければならない」と定めている。
審査会の裁決文によると、このマンションの前面に接する道路は4メートル弱~5メートル強。同社が建設予定地を削る形で道路を拡幅し、マンションに接する部分だけを6メートルに広げた。その上で04年12月、国土交通省が指定する民間の確認検査機関に建築確認を受け、着工した。
審査請求を受けた審査会は今年7月13日、「道路の敷地に接する部分をのぞき、道路自体は幅員6メートルに達している部分が全く見あたらない」「4条2項の要請する火災時の避難、消火活動や緊急車両の円滑な進入条件が確保されているとは到底いえない」として条例違反と判断した。
工事は中断され、同社は8月、裁決結果を不服として国交省に再審査請求をした。
同社によると、これまで同区内では、同様の手法で、同社も含め10件ほどのマンション建築が許可されてきたという。そのため「これまで行政の方針に従ってきた経緯から裁決は全く予想外」と当惑する。
建設予定地は、農林水産省の宿舎跡地。同社は入札の際、区に建築条件などを聞いた。同区は同社計画が条例の条件を満たすと判断したという。
同社は「もし区がそのような判断をしていなければ、そもそも入札に応じないか、応札価格を大幅に下げていたはずだ」と指摘する。
一方、同区の担当者は「建築確認は民間機関が行った。区はあくまで相談に乗っただけ」と説明。だが、同様のケースで区が建築確認をした例もあるとし、「今後は区のスタンスも変えざるを得ない」と話す。
この問題に関連し、同区は他の22区に調査した。同様の条件で「6メートル道路として扱う」とする区はなく、15区は「6メートル道路として扱わない」とした。2区は「具体的な建築計画の内容により総合的に判断する」とし、その他が5区あったという。
都建築企画課は「以前は他の自治体でも、同様の手法で建築を許可していたが、最近は審査会の判断が厳しくなった。(中野区の手法は)本来の条例の趣旨からすればおかしい。条例を守って頂きたい」としている。



「裁決結果を不服として国交省に再審査請求をした」そうですが、その結果が計画変更ですか… 本当に不服なら、行政訴訟にまで持ち込めば良さそうなもんですが、それは何かまずいんですかね? 因みに、中野区建築審査会の裁決内容はこちらで見ることができます。

高値で仕込んだ物件を、最近のミニバブルの中でどさくさまぎれに処分しようとするという、非常にセコい魂胆が見え見えです。しかも、工事中断中の2年近く雨ざらしとなっていた物件ですよ。普通のモラルある人は、こんなもの売ったりしないと思いますがね…

さて、もう1件の損害賠償事件です。こちらも、先ずは4月21日付東京新聞の記事をご紹介します。

大京に2400万賠償命令 江東区のマンション 「夢奪われた」認定

東京都江東区のマンション住民五十六人(四十二戸)と入居法人二社が「屋上庭園や水の流れるエントランスホールが計画と異なり、夢を壊された」などとして、販売元の大京(東京)に約二億七千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は二十日、大京に計約二千四百万円の支払いを命じた。
日下部克通裁判官は「住民は高級感や安らぎが欠けていると感じ、夢を奪われ、失望していると認められる」と判断。改修工事の騒音被害なども認めた。
判決によると、マンションは一九九八年に完成し、四十五戸が入居。パンフレットでは、空中庭園は植物が多く、入り口に段差がなかったが、実際は植物は少なく、段差があった。



もう少し詳しい解説が、日経BP社の不動産情報サイト「ケンプラッツ」内の記事「【訴訟】中庭の改修などでマンションの高級感が低下、分譲した大京に慰謝料支払いを命じる判決」にあります。それによると、「竣工時の中庭には池と水流があった」が、「98年4月、中庭の地下の駐車場で漏水が見つかり、大京側は対策として中庭から水流をなくすなどの改修工事を施した。東京地裁はこの工事について、改修で中庭の水流がなくなり、マンションの高級感が低下したことで、住民は精神的損害を受けたと認定した」とのことです。更に、「東京地裁は屋上庭園についても、発売時のパンフレットと比べて植栽が少なく、段差があったために、住民を失望させたと判断した」が、「住民側の主張のうち、中庭の改修などがマンションの資産価値を低下させたことや、住戸の部材の一部(ボードとビス)が竣工図通りではないことによる損害は認めなかった」そうで、「住民側は判決に満足しておらず、5月7日に控訴した」そうです。

ケンプラッツには、同マンションの管理組合理事長のインタビュー「【訴訟】中庭改修マンションの管理組合理事長が心境を語る、『不良品を買った失望感をわかってほしい』」も掲載されています。「販売価格はこの辺りの相場より高額だったが、それでも買った。ユニークな中庭が購入意欲をそそったことは間違いない。大京の営業マンも中庭をセールスポイントの一つにしていたと記憶している」という声は同情に値します。このような販売方法がまかり通れば、いくらでもアピールポイントを後から撤回できることになってしまいますから。マンションデベロッパーは、真剣に自らの行動を省みる必要性がありそうですね。残念ながら、その兆候は一向に見られませんが…

《追記》本日の記事を書いてから気付きましたが、ご紹介した事例についてコメント欄でご紹介下さっている方がいらっしゃいますね。4/25付のコメントですが、当初は違う内容だったと記憶しています。コメントの内容を後日編集されても、当方では逐一フォローしておりません(新規コメントは通知が来るので分かります)ので、せっかく情報をご紹介いただいても生かすことができません。できれば、新規コメントでお願いします。
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

コメント

 有用な情報をアップくださっているので、ちょくちょく訪れさせていただいております。

 状況の変化を見るには、多々ある業者のなかでの個々の業者のスタンスの違いも見る必要があるように思います。

 大京が台東区谷中で地域住民との話し合いのうえで計画を抜本的に変更して、周辺住民からも入居者からも喜ばれた事例は、よく知られているところですね。
 また、昨年夏には、茅ヶ崎で、地域住民の反対を受けとめて、ブライダル業者に土地を売却して撤退しました。
 川口でも、55階の2棟建について、南側は周辺住民に配慮して32階にしたと言われています(理由はいずれにしても南側の棟は32階です)。

 (地域住民の反対にもかかわらず建築を強行した例もありますから、もろ手を挙げて大京をヨイショするつもりはありません。)

 さらに言えば、国立明和マンションや都立大跡地マンションでは、土地を落札して紛争を引き起した業者と落札できなかった他の業者とのあいだでは、入札価格に大きな差がありました。入札価格の相違は、札びらを切って土地を手に入れて目一杯の販売床面積で元をとろうとする業者と地域調和的で紛争回避的なマンションを建てようとする業者との相違であるように思います。

 当該業者に土地を売ったというだけで土地を売却した側のモラルが問われるような業者は、広くCSRが重視されていくなかで市場(仕入市場、労働市場、販売市場、資金市場など)からの撤退を求められていく可能性がありうるのではないかと思います。

  • 2007/05/16(水) 17:15:52 |
  • URL |
  • 町田の一市民 #LOQrGV0g
  • [ 編集]

コメントありがとうございました

貴重なご意見をありがとうございました。計画変更をして住民側に歩み寄った例が(大京に限らず)あることは私も承知しています。しかし、それ以上に近隣住民無視のケースが多過ぎることに、私はマンションデベロッパーのモラル欠落を見るのです。

(因みに、茅ヶ崎の例は邑上市長が、再三自分の成功体験として語っている事例ですね。残念ながら、市長就任後の市長にその片鱗は見受けられませんが)

効率優先で、全く規制としての意味をなしていない建築基準法しか持ち合わせていないこの国で、秩序ある開発を行う命綱は「業者のモラル」であり、そのようなモラルを持ち合わせていない業者に対して厳しく応じる「社会の規範」であると思います。そのような、健全な常識が通用する社会になって欲しく、引き続きマンション問題を取り扱っていく所存ですので、引き続き宜しくお願い申し上げます。

特定物件についての特定日以降の文書の不開示決定(存否応答拒否)に関する件 (諮問庁 :住宅金融公庫)

http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h18-d01/d044.pdf

諮問庁は,文書1及び文書2の着工期限の延期の申請理由の項目には,当該法人が着工を延期することとした個別・具体的な理由が記載されており,文書3の本文の上から4行及び文書4の事業承認の取消理由の項目には,辞退届を提出する又は辞退することとした個別・具体的な理由が記載されていることから,それらを開示することにより当該法人に対する風評被害の発生等のおそれがあり,このことにより当該法人の正当な利益が害されるおそれがあると認められるため,法5条2号イの不開示情報に該当すると説明する。

当審査会において本件対象文書を見分したところ,本件対象文書におけるその内容は,いずれも一定規模以上の住宅団地の建設準備過程においては,一般的に起こり得ると考えられる状況が特定物件に生じた旨,それを踏まえた事業者の一般的と考えられる判断,対応方針等が記入されているものであり,特定物件に特異なものとは考えられず,さらに,異議申立人の説明によれば,特定物件については建築審査会において建築確認が取り消されており,特定物件についての事業の期限の延期あるいは辞退の理由の一端は,既に公になっているものとみられることから,少なくとも本件対象文書の当該部分が公になったとしても,このことだけで殊更に当該法人に対する風評被害が発生するなど,特定物件の事業主体である法人の正当な利益を害することとなる特段の事情は認められず,法5条2号イの不開示情報に該当するとは認められないことから,当該部分は開示すべきである。

  • 2007/06/19(火) 19:08:45 |
  • URL |
  • 住宅金融公庫のモラル #xPy6jVsQ
  • [ 編集]

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