吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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マンションは「終の住処」?

法政跡地問題に動きがないと、ついついマンション業界そのものの問題点に話がいってしまいます。逆に言えば、それほど問題を多く抱えた業界であるとも言えるのですが… 今回は、マンション区分所有権を通して、マンションデベロッパーのモラルのなさについて考えてみたいと思います。

最近のマンションの分譲広告には、「永住仕様」、「永住型レジデンス」などの長く住めることを謳い文句にしたものが増えています。実際にそれほどの高耐久力を有しているのかは知りませんが、マンションがかつての一戸建てを購入するまでの仮住まいというイメージから脱却して、永住型住居として認識されてきたトレンドを踏まえた販売戦略であることは間違いないでしょう。実際、国土交通省の「マンション総合調査」では、平成5年度の調査を境に永住派が住み替え派を上回るようになっています。

マンションのクオリティが向上すること自体は、社会資本の充実という観点からは望ましいことでしょう(本ブログで再三主張している通り、周辺環境への配慮がなされていることが大前提ですが)。しかし、本当にマンションは"永住"可能な資産なのでしょうか? ここに、今回問いかけたい問題が潜んでいます。

一戸建ての場合、家屋が老朽化すれば建て替えて住み続けるというのが普通の選択肢でしょう。マンションの場合も、「区分所有」という制度は同様の建て替えを前提にしているように思えます。しかし、この「マンションを建て替えて住み続ける」という発想は実は日本独特のもので、諸外国のマンション法制では建て替えは全く想定されていないそうです。この点を含めた日本の区分所有権の問題点を考察しているのが、富士通総研の米山秀隆主任研究員による「マンションの終末期問題と新たな供給方式」というレポートです。要旨部分を引用させていただきます。

 全国のマンションストックはすでに500万戸近くに達しているが、今後はこれらの老朽化が急速に進展していく。老朽マンションの処理については、これまでは建て替えを円滑に進める方向で、政策措置がとられてきた。しかし、容積率を割り増した上、保留床に分譲することによって費用を賄う方法で建て替え可能なマンションは限られている。
 今後、建て替えができずスラム化する可能性があるマンションは潜在的に多数あると考えられる。このようなマンションについては、区分所有権を解消し、建物を解体して土地を売却する処理方法が現実的となる。解体費用さえ賄えないマンションも続出する可能性があるが、区分所有権解消の枠組み作りに加え、解体費用の公的支援が必要になる。
 このような問題が発生するに至ったのは、そもそも共同住宅を区分所有という形態で保有させるという仕組みに原因があったと考えられる。マンションを区分所有権の分譲で持たせる仕組みは、不動産価格上昇が持続する中、一戸建ての取得がかなわない層にも、持ち家保有のメリットを享受させる仕組みとして機能してきた。しかし現在は、将来の値上がり益は見込めない上、建て替えもままならず、マンションの資産価値は失われている。
 もはやマンションを区分所有することのメリットは失われており、それどころか現在では、区分所有権がマンション終末期の処理で足かせになるという弊害が現われている。今後は、分譲マンションに代わる、所有より利用を重視した共同住宅の新たな供給システムを普及させる必要がある。定借マンションや、証券化を活用した賃貸マンションの供給などが考えられるが、今後はこうした仕組みを政策支援していくべきである。



マンションについて考える上で非常に興味深い考察がなされていますので、是非一読をお勧めしますが、ここで言いたいのは、何も区分所有権自体の問題ではありません。実は、現在の区分所有法は、平成15年の改正で、建て替え決議にかかわる客観的要件をすべて排除し、5分の4という特別多数決が成立すれば建て替えできる形に緩和されました(つまり、「理由の正当性など一切関係なく、特別多数決の割合さえ満たせば、一部の区分所有者の権利を強制的に奪えるようになった」(マンション管理新時代「区分所有権は、もはや所有権とはいえない!?」より)訳です)。

にも関わらず、さも永住型住居であるかのように喧伝することは、多いに疑問があると言わざるを得ません。所有権という言葉が持つ「絶対不可侵性」とはおよそ不釣り合いな話です。しかし、この事実がマンションデベロッパーから語られることは絶対にありません。購入時点ではかなり遠い将来の話だから説明しなくてもいいと考えているのかも知れませんが、「重要事項説明書」なりで十分に説明する必要があるリスク事項なのではないでしょうか(この点、同じくマンション管理新時代の「モデルルームで区分所有権のリスクが説明される?」に面白い話が載っていますのでご一読下さい)。

そもそもこの改正については、法制審議会の区分所有法部会における議論では客観的要件として「築後30年経過」が入っていたのを、政府の総合規制改革会議や自民党の関係議員が同要件の削除を要求して現在の形になったという経緯があります。ここに、モラルなど持ち合わせておらず、自らのビジネスを最優先するマンション業界からの強い働き掛けがあったことは容易に想像できます。

ここまで自らの顧客を欺き続けるマンションデベロッパーに、企業として存続していく資格は果たしてあるのでしょうか? 疑問は尽きません。
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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  • 2007/04/18(水) 20:00:54 |
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