吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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市議会における法政跡地問題討議経緯について(6)

前回、平成18年第3回定例会のご報告が長くなり過ぎてしまいましたので、その後半部分です。前回ご案内した通り、山本ひとみ議員の一般質問から再開させていただきます。

山本議員:「今、吉祥寺東町では、法政大付属中学校・高校の跡地を長谷工コーポレーションが取得して、高層マンション建設が大変懸念されております。周辺は低層の閑静な住宅街であり(中略)、これまでの住環境が大きく損なわれるために、今、住民が自発的にまちづくり協議会を結成して、吉祥寺東町文教地区を目指して大変熱心に活動されていらっしゃいます(中略)。
 しかし、先ほどの小林議員の質問に対する市長の答弁ということに関しては(中略)、15メートルの高さ制限に関して、まだこれについては住民の皆さんが正式な提案もしていない(中略)状態で、そのような動きに水を差す、市民との協働や連携に水を差すような行為というふうにも私は受け取りましたので、この点に関しては大変残念に考えております。
 また、15メートルの高さに関しては困難ではないかということをはっきりおっしゃいましたけれども(中略)、現在の環境よりも悪化させないということであって、これは大変合理的な主張であると私は考えております。また、市長の発言の中で、特定の者に著しい利益や不利益を受ける者が存在しているというようなお言葉がありましたけれども、これは、では開発業者のもうけを損なってはいけないということなんでしょうか(中略)。
 また、損害賠償があるということも予想されるなどとおっしゃいましたけれども(中略)、正式な手続、住民が署名を集めて、そしてきちんと市がそれにのっとって議会で建築条例を議決して、その条例をわざわざ破るということを裁判所が認めるでしょうか。それに関して、どちらの側に立っているのか、先ほどの御答弁は私としては大きな疑問を感じました。」

邑上市長:「まちづくり条例の検討の進捗状況でございますが(中略)、ベースは開発指導要綱ということになりますが(中略)、その中身を見ますと、事業者に対して一定の義務を課し、権利を制限するところもあり、このことからも条例化が必要という認識を持ってございます(中略)。近隣との協議の早期化と機会を拡大する(中略)、そういった行政協議に先立つ住民調整手続の制度化や事業計画の公開など、透明性の高い手続を確立するなど、事業者と近隣住民との調整機会をこの条例の中で充実させていきたいなというふうに考えております。これらの協議の実効性を確保するためにも、公表なのか罰金なのか、まだわかりませんが、ある一定のペナルティーは必要だというふうに考えております。
 さらに、高さ制限の件でございますが(中略)、いろいろ方法は出てきたわけでございますが、高さ制限を行う場合は、高さだけではない、やはりまちづくりを考えていく視点が必要でございまして、通常の今、ベースとなっている建ぺい、容積が果たして高さ制限によってどのような影響を受けるのかということも大きく考える要件ではないかなというふうに思います。高さ制限ということで規制が強められるということもありますので、法の規定やほかの自治体での事例とともに、今まで本市が使っておりました宅地開発指導要綱等の成果も踏まえながら、今後検討していきたいなというふうに思います。」



かなり長文の遣り取りですので、枝葉の部分は大幅にカットさせていただきました(それでもこの長さです)。しかし、ここでも法政跡地問題という具体事例に絡めてまちづくり条例の進捗状況を質問している訳ですが、それに対して一般論での回答に終始しており、どうも法政跡地問題について言及して後で言質を取られないようにしている気がします。また、気になるのは、ここでも事業者と近隣住民の調整機会の充実を表明しており、市が主体となる気はないのかという疑問が生じてしまいます。山本議員の一般質問は更に続きます。

山本議員:「まちづくり条例に関して高さ制限の問題について(中略)、特定の者に著しい利益や不利益を受ける者が存在する場合に関しては、なかなか課題が大きいというようなことをおっしゃいました。それで、高さ制限の研究はいろいろされているようですけれども、高さ制限をすることによって、例えば特定の業者が、これは自分にとっては著しい不利益だというふうに主張することだって、それはあると思うんですけれども、だからといって景観上、また住環境を保全するために規制をかけるということは市にとっては必要であると思いますが、それはどのようにお考えなんでしょうか。
 それから、7月以降、長谷工と土地を買うかどうかではなくて、マンション建設の問題に関しては具体的にどういうやりとりがあって、どのような指導や、規制をこういうふうにしたいんだけれども、どうなんだと。住民の方たちに対して、これはきちんと周辺との調和をあなたたちも考えるべきじゃないかというようなことはおっしゃっているんでしょうか。」

邑上市長:「地区計画というのは規制をするというのが第1目的ではなくて、地域のまちづくりを進めていく中で共通認識のものをルール化していくんだということでございますので、当然のことながら開発業者を含む地権者の意向というのも、まちづくりの中に大いに意見を出していただかないといけないのではないかなというふうに思います。ですので、ルール化に当たりましては、地権者の3分の2以上の同意というのは、なるべく地権者で合意しようという趣旨でございますので、大いにこれから地権者と話し合いができればいいのではないかなというふうに思っております。
 それから、長谷工に関しまして具体的な協議のプロセスに入ってございませんが、当然この間、地域の環境に最大限配慮してほしいといったような趣旨で話は進めているわけでございます。」



住環境の保全上、市として規制が必要ではないかという質問の主旨に対して、まちづくりの共通認識をルール化するのが地区計画だと答弁し、ここでも問題を住民間の話し合いにすり替えています。どうしても、市としては事業者に対して直接規制を行うことに及び腰のようです。また、事業者も含めた地権者の3分の2以上の同意が必要とわざわざ発言する辺り、どうせ同意を集められないと高をくくっていたのではないかという気もします。山本議員の質問が続きます。

山本議員:「高さ制限の問題に関して伺いますけれども、私がちょっと問題だなと思いましたのは、市長の考え方の中で、何か規制をかけることに関して及び腰になっている(中略)。市民の皆さんが自分たちの力で地区計画をつくって、関係者の方たちに判こを一生懸命とって歩いているときに、一定の立場でそれと違うことを主張するということは、これは私は非常におかしな行為だというふうに思うんですね。それはどうなんでしょうか(中略)。
 新しい質問として、損害賠償があるかもしれないというふうに予想されるとおっしゃっていましたけれども、これはなぜそんなふうに考えるんですか(中略)。それが住環境の保全にとって、もしマイナスな裁判の提訴だったら、きちんと受けて立って勝つように頑張るべきなんじゃないですか。それに負けるような可能性があるみたいなことを今からおっしゃるのは、非常によくないと私は思うんですけれども、それは高さ制限のことを研究されて、なぜそういうふうに思っているのかお答えいただきたいと思います。」

邑上市長:「地区計画の件につきましては、この間、市としましても大いに心配している件でございまして、法律事務所等にも御相談しております。法律事務所の見解を少し申し述べますと、地区計画は建築条例により規制がかかるものであるが、法令や条例は一般性が求められ、普遍的なものである必要があり、特定なものをねらい打ちしたものではない(中略)。素案では対象を特定していることが明らかで、条例の違法性が問われる可能性が大きいということを述べられています。さらに、財産権の侵害ということで、特定箇所に規制がかかるものであると、事実上の財産権の侵害となる。また、これは高さの最高限度だけでなく、機械駐車場、壁面線の後退、公園の配置などの制限なども特定の制限となっている。売買契約時点以前の規制ではないため、事業採算性の問題などについても地区計画の合理性に問題が生じるといったような見解もありますので、今後こういった見解も含めて慎重に対応していきたいなというふうに思っております。」

山本議員:「高さ制限の地区計画のことに関してなんですけれども、条例が違法かもしれないみたいなことを、市の人ではない法律事務所の方がおっしゃったそうですが、それは市役所自身で考えていただくことだと思いますし、住民の方たちはどこかをねらい撃ちにしたものではなく、マンション建設にも反対していないと。まちづくりを本当に自然との調和がとれた、住環境を守れるものにしたいという熱意でやっているものですから、そこは誤解が大きいと思います。
 最後に、邑上市長が6月の建設委員会で、密度の濃い開発というのはあの地域にふさわしくないというふうに思っていると。今後とも地域の皆様の声を聞きながら、まちづくりの方向性を大いに議論し、必要な規制誘導をしていきたいというふうに答弁があったわけですけれども、そのことをこれから生かしていくということに関してはしっかりやっていただきたいんですが、どうなんでしょうかお答えください。」

邑上市長:「法政跡地の件につきましては、あの地域は密度の濃い、オープンスペースの少ない地域でございますので、オープンスペースを確保したいな、緑をもっとふやしたいなという思いは地域の方と同じだと思います。しかし、密度論から申しますと、高さを抑えるというのは逆に建ぺい率を最大限使われると、建ぺい率、建物面積がふえるということにも直結してまいりますので、この辺は十分に考える必要があるかな。私は、密度が薄い方がいいと言ったのは、オープンスペースだとか緑だとか、そういうものをもっと主眼とした地区になってほしいなということでございまして、絶対的に何メートル以下にしなければいけないという考えは今のところ持ってございません。」



いみじくも、邑上市長が紹介した法律事務所の見解、これが市側の主張の全ての根源となっているとすれば非常に残念です。これらの見解は、いかにも実務知識の乏しい一般論としてのリーガルオピニオンにありがちな表現の羅列です。住民側の素案に(もし)そのような問題があるのであれば、それを治癒するためにはどうすればよいかを考えるのが、本来有能な弁護士がする仕事です。どこの事務所に相談しているのかは知りませんが、この程度の見識に基づいて住民側の財産権の侵害を容認されるのは、理不尽です。また、「密度の濃い開発」云々についても、ここで市長の考える適正なまちづくりを聞きたい訳ではありません。住民側が高層建築物はNoと言っているのに、高さを抑えると建ぺい率を最大限に使われますよというのは大きなお世話です。それに、建ぺい率は入居者の問題でしょう。全く、論旨が破綻しています。

山本議員の一般質問が長くなってしまいましたが、まとまった質問という形はこれで最後です。この他、武蔵野市の決算認定の質疑の中に、川名ゆうじ議員と島崎義司議員の法政関連の発言がありましたので、そちらをご紹介いたします。

川名議員:「前市長が突然辞職されたことにより、政策決定ができず、後に課題が残された年でもありました。例えば、境の郵政宿舎跡地は前市長時代からの課題でありましたし、法政跡地については職務代理者のもとでは判断ができずに先送りされてきた課題であったことが審査でわかりました。邑上市政になって降ってわいた課題ではないのです。このような状況下で邑上新市長となった年が17年度であり、財務状況の先行きが不透明な中でおおむね適正に市政が運営されたことは評価したいと思います。」

島崎議員:「旧武蔵境郵政宿舎跡地取得のチャンスをみすみす見逃したこと。すなわち、最も取得しやすく、安価で手に入る国有地の払い下げを、しかも緑地や都市公園などにすれば補助金なども期待できるものを、いとも簡単に断るという政策判断の間違いをあくまでも認めようとしないこと。そして(中略)、その後、低く見積もっても、境郵政宿舎跡地の数倍はする法政跡地について、何の裏づけもなく議会で簡単に買いたいと言ったものの、結局は買えず(中略)、土地取得の考え方の整合性は全くとれていないと言わざるを得ません。」



邑上市長を評価する声、指弾する声と両極端ですが、評価は皆様にお任せします。後は、平成18年第4回定例会です。できるだけ早く、討議内容をご紹介します。
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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