吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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長谷工と不愉快な仲間たち

法政跡地問題の経緯、武蔵野市や市議会の対応について分析を行っていますが、そもそもの諸悪の根源たる教育機関としての矜持のかけらもない法政、そして建築紛争を起こすことを自らのレーゾンデートルとする最低事業者・長谷工については、表立った動きが少ないため、あまり採り上げてきませんでした。それでは片手落ちだと思い、先ずは長谷工について分析を行ってみたいと思います。

長谷工問題に関心をお持ちの方ならご存じの通り、長谷工は二度にわたる銀行による債権放棄(正確には二度目は債務の株式化)を受けたどうしようもないゼネコンです。本来はとっくの昔に潰しておけば、これ程社会に迷惑をかけ続けることもなかったのですが、銀行の不良債権処理の都合上か、潰さずに債権放棄という形で生かされてしまいました。なお、債権放棄の問題については日を改めて詳しく考察してみたいと考えていますが、長谷工のメインバンクは大和銀行(現・りそな銀行)です。りそなと言えば、2兆円もの公的資金が注入された銀行で、長銀や日債銀のように一時国有化という明確な形態は取っていないものの、実質的に国有化された銀行です。つまりは、長谷工の債権放棄には巷間言われるところの国民の血税が使われている訳です。恩を仇で返すとは正にこのことでしょう。

そんな長谷工ですが、債権放棄の代償として策定した再建計画の中で、マンション建設への特化を打ち出します。この点、長谷工はマンションデベロッパーではなく、マンション建設に特化したゼネコンなのです。では何故、そのゼネコンである長谷工が建築業者としてだけでなく、用地を取得して、マンションプロジェクトの遂行主体として登場してくるのでしょうか。

実は、長谷工は単にマンションデベロッパーから建築を請け負うだけの存在ではなく、自ら仕入れた土地に建築プランまで用意して、デベロッパーにそれを提案しているのです(特命受注方式と呼んでいます)。よくマンションは用地情報が命などと言われますので、既に物件を確保している長谷工側が強者の立場となり、通常の建築請負と比較して長谷工の言い分が十分に通ることとなります。普通は民間建築を請け負うゼネコンは工事欲しさに受注額をたたかれてしまいますが、物件は長谷工が押さえていますので、デベロッパーは長谷工の言う条件を呑むしかありません。近時の長谷工の受注は、ほぼ100%がこの特命受注方式であり、長谷工は清水建設などの大手4社を上回る収益性を誇るようになっています。

これだけ見れば、見事な再生事例でしょう。しかし、話はそんなきれい事だけで終わろう筈もなく、この特命受注方式が長谷工が建築紛争を起こしまくる最大の原因なのです。長谷工が厚い利ざやを確保するということは、デベロッパーが余程薄い利ざやで我慢しない限りは周辺相場より高いマンションが出来上がってしまいます。それを覆い隠すために、長谷工は学校跡地や企業の社宅・グラウンド跡地などの大規模用地を買いあさり、そこに違法すれすれ(というよりは脱法)設計によるマンションを建築するというやり方に走ったのです。

この辺りは、以前にもご紹介した岩波新書の「建築紛争ー行政・司法の崩壊現場」や、同じ著者による「『都市再生を問う』ー建築無制限時代の到来ー」に戸数水増しのカラクリが詳しく解説されていますので、是非ご一読いただきたいのですが、簡単に言えば「一団地認定制度」という制度を悪用し、個別の建物を渡り廊下で結んだだけで一棟の建物として認定されるという理屈をもって戸数の水増しを図っているのです。その割合は、同書でも紹介されている都立大学跡地に建設された環境破壊型マンション「深沢ハウス」の場合ですと、本来は269戸しか建築できないものが772戸(実に3倍近く)まで増加するのです。正に現代版・錬金術です(この他にも、地下部分や共用部分の容積率不算入などの意味不明の特典も心ない業者に悪用されまくっており、特に地下マンションについては、傾斜地の多い神奈川県などで非常に多くの係争案件となっています。また、当然ながら、モラルのない長谷工は、吉祥寺東町のマンション建設計画でもお約束のように地下1階の住戸を予定しています)。

建築紛争―行政・司法の崩壊現場 建築紛争―行政・司法の崩壊現場
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「都市再生」を問う―建築無制限時代の到来 「都市再生」を問う―建築無制限時代の到来
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この事例における長谷工の確信犯ぶりが現れているのが、土地の入札価格です。都が付けた参考価格190億円に対する入札結果は、
 1. 長谷工グループ(計8社) 265億円
 2. 大京グループ 210億円
 3. 野村不動産グループ 208億円
という、2位以下を大きく引き離すものでした。入札時点で、脱法設計を行う前提で入札した姿勢がありありです。吉祥寺東町の法政跡地でも、正式な価格は不明ですが、市の提示価格の2倍程度で購入したと言われています。まったく、建築紛争の絶えないマンション業界の中でもダントツで評判が悪いのも頷けるというものです。おそらく、長谷工の内規では「近隣紛争が起きないような建築計画は甘すぎるので再考すべし」とでもなっているに違いありません。

そして、このようなならず者長谷工から持ち込まれた物件を、長谷工の言いなりになって販売する情けないデベロッパーが後を絶ちません。長谷工のHPの中には竣工作品として主なマンションが紹介されていますが、三井不動産、住友不動産といった財閥系から、NTT都市開発、新日鉄都市開発、有楽土地(大成建設の子会社)といった大企業の関連会社、そしてコスモスイニシア(旧リクルートコスモス)、野村不動産のような業界大手まで、様々な企業が建築主として紹介されています。

これらの企業の多くは、長谷工の問題ある設計の結果として近隣紛争が生じる可能性が高いことを知りながら販売業者として名乗りを挙げた訳ですから、いわば長谷工と同罪です。最近では、自社の物件開発力の弱いデベロッパーが長谷工持ち込み案件を積極的に手掛けるような傾向すら散見されます。新日本建物、プロバイスコーポレーション、総合地所、双日(旧日商岩井不動産)などがよく見かけるお得意さんでしょうか。このような存在意義のないデベロッパーが無駄に多数あることが、長谷工をのさばらせている一因かも知れません。マンション紛争を根絶するためには、マンション業界そのものに抜本的な浄化策が必要不可欠なのではないでしょうか。
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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