吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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「浅草寺マンション問題」はマンション問題の縮図!

いよいよ、10月4日の武蔵野市長選挙に向けて、立候補者の告示がなされました。立候補した邑上守正・現市長と田中節男・前市議の主張・略歴については、以下の毎日jpの記事「選挙:武蔵野市長選 現職、新人一騎打ち 秋空に第一声--告示 /東京」が参考になります。

 任期満了に伴う武蔵野市長選(10月4日投開票)は27日、告示され、前市議の新人、田中節男氏(64)=自民、公明推薦=と元都市プランナーの現職、邑上守正氏(51)=民主、共産、社民、生活者ネット支持=が、いずれも無所属で立候補を届け出た。1期4年の邑上市政への評価を最大の争点に、現新一騎打ちの7日間の選挙戦に突入した。

 投票は10月4日午前7時から午後8時まで、市内23カ所で行われ、同日午後9時から市総合体育館で開票される。2日現在の有権者数は11万6172人(男5万5401人、女6万771人)。【野口由紀】

 ◇誇りある武蔵野市作る--田中氏
 田中氏は午前9時、武蔵野市西久保1の選挙事務所前で前市長の土屋正忠前衆院議員らと並んで第一声を上げた。「私は市民参加の名の下に政策決定を引き延ばしません」と邑上氏を批判。「誇りある武蔵野市を作る」と訴え、近隣自治体に比べて多い職員数を100人削減し、その財源で子育てや高齢者支援を行うことを提言した。土屋前市長は「市民参加は当たり前で、今必要なのは経営能力。それがあるのは田中候補」と援護した。

 ◇市民参加の街づくりを--邑上氏
 邑上氏は午前10時半、JR三鷹駅北口で第一声。邑上氏は「市民参加の街づくりをこれからも進めていきたい」と訴えた。鳩山新政権の発足に触れ、「地方分権を待つのではなく、自ら市民自治の街を実現し、新政権にプレゼントしたい」と述べた。午後には、菅直人副総理が衆院選後初の遊説としてJR吉祥寺駅北口を訪れ、「邑上さんに2期目の4年間をいただき、市民参加の市政をより発展させていただきたい」と支持を呼びかけた。

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 ◇武蔵野市長選立候補者(届け出順)
田中節男(たなか・せつお) 64 無新

 不動産会社役員▽市ボウリング連盟会長[歴]不動産会社員▽市議5期・議長▽明大=[自][公]

邑上守正(むらかみ・もりまさ) 51 無現(1)

 市長▽1級建築士[歴]都市計画会社員▽保育園父母会役員▽市立中PTA役員▽早大=[民][共][社][ネ]



本ブログ的にはどうしても、地区計画策定の経緯における邑上現市長のリーダーシップ欠如に辛口になってしまいますが、市政は法政跡地問題だけではないので、この4年間のそれ以外の実績等も勘案して判断したいと思っています。一方の田中前市議については、正直全くと言っていいほど存じ上げません。自身のHPやブログもないようで、日常の主義主張についてはほとんど情報がありません。市議会の会議録で発言を辿れば、どのような考え方の持ち主かはおよそ分かると思いますので、一度関心のあるテーマで会議録の検索をしてみるのが、投票する候補者を決めるためには参考になると思います。

因みに、本ブログでも法政跡地問題についての市議会の討議内容を検討しましたが、その中に田中前市議の発言がありました。ご興味をお持ちの方は、事業主の忠実なパートナー、武蔵野市をご参照下さい。

さて、武蔵野市長選挙の話題はこれ位として、本題に移ります。新聞やニュースでも紹介されていましたので、ご存じの方も多いと思いますが、浅草寺の近隣で計画されている高層マンションに関し、浅草寺と周辺住民が東京都と建築確認機関(ベターリビング)を相手取った訴訟を起こしました。その概要は、47NEWSの浅草寺が高層マンションで都提訴 「周辺環境悪化」と東京地裁にが詳しく伝えています。

 東京・浅草で着工された高さ約133メートルのマンションをめぐり、景観などの住環境が悪化するとして、浅草寺や周辺住民らが24日、東京都に対し、建築物の高さ制限や容積率などを緩和できる「総合設計許可」の取り消しを求め、東京地裁に提訴した。

 総合設計許可は建築基準法に基づき、500平方メートル以上の敷地に一定以上の空き地を持つ建築物について、市街化環境改善への見返りとして容積率や高さ制限などの緩和を認める制度。

 原告側はマンション建設自体に反対ではなく、総合設計許可の適用による高層建築の是非が争点となりそうだ。

 浅草寺は「都市開発に関する制度の乱用で、大規模建築が無計画に行われれば街のたたずまいの急激な変質を招き、寺の荘厳さも損なわれ、東京のまちづくりや観光にも悪影響を及ぼす」とのコメントを発表した。

 訴状によると、マンション建設は藤和不動産(東京)が計画し、施工はフジタ(同)。今月、浅草寺から西に数百メートルの台東区西浅草3丁目で着工した。地上37階建て、高さ約133メートルで2012年完成予定。
2009/09/24 12:50 【共同通信】



藤和不動産、フジタという金融支援によって生き長らえたゾンビ企業が、「恩を仇で返す」行為に及んでいるという構図は、吉祥寺レジデンシアの興和不動産、長谷工と全く一緒です。全てこの世から抹殺しておいた方が、世のため人のためだったと言えるでしょう。なお、このマンション計画は、当初は事業主にモリモトも名を連ねていましたが、同社の経営破綻によって藤和不動産の単独事業になったようです。

この他、日経BP社のケンプラッツは、浅草寺が都を提訴、「総合設計制度の運用に問題」(閲覧には無料の会員登録が必要)で、専門サイトらしく具体的な景観の変化を写真で示すなどして、この問題を非常に分かり易く解説しています。

その眺望のシミュレーションを見ると、そもそもマンションの手前に既に浅草ビューホテルが所在しており、既に景観は充分に破壊されているようにも見えます。しかし、この浅草ビューホテルは築23年で、既に既存不適格となっているとのこと。景観に対する議論が高まってきたのがここ数年であることを考えれば、浅草ビューホテルが既に景観を破壊していることが、このマンションが肯定される理由にはならないようです。

率直に言って、このニュースを見たとき、現在の高層マンション問題の縮図を見た思いがしました。具体的には、景観破壊総合設計制度、マンション建て替え問題と、およそマンションに絡む問題がこれでもかと集まっているのです。

先ずは、問題の発端となっているのは、総合設計制度による容積率緩和です。提訴に先立って、台東区議会に対して近隣住民が行った陳情20-36によれば、このマンション計画は総合設計制度の活用によって、容積率が500→800%と何と1.6倍にも拡大していることが分かります。単純計算なら、高さ約133mの計画は、本来は約83mにしかならなかったことになります(現実は、公開空地等で建ぺい率(100%)を半分ほどしか消化していないようなので、もっと高さは下がる筈です)。

総合設計制度が、利益のためには景観や住環境破壊などものともしない事業者たちに悪用されてきたことについては、様々なところで言及されていますので、ここでは深入りしません。しかし、1.6倍という異常な容積率緩和については、到底容認できるものではないでしょう。現に、2002年に東大大学院の大方教授他によって表明された(総合設計制度一般則化を含む)建築基準法改正案に対する反対声明では、

(前略)たとえば、ニューヨーク市でも1960年から同様な制度を導入しているが、当初の容積率割増は2割増を限度としていた。その後、1970年代からは市の財政難を背景に容積率割増対象となる整備要素や割増の限度を大幅に拡大した時期もあったが、1980年代半ばからは、容積率割増による弊害が大きく、特に主要街路に面した広場の設置はむしろ街並みの形成を妨げる場合が多いとして、この制度の乱用を制限するため、容積率割増の限度を容積率で100%というきわめて低い量に下げ、これに代えて街区内部の(つまり開発敷地外の)ポケットパークの設置などに対し容積移転を認める改正を行い今日に至っているところである。

ところが日本では、「都心居住促進」を目的として、1980年代半ばから総合設計制度による容積率割増の対象と割増量の拡大が繰り返されてきたところである。2001年現在、たとえば東京都の都心居住型総合設計制度では、十分な空地を確保しかつ延床面積の3分の2以上が住宅である開発の場合、容積率割増の限度は基準容積率の2倍まで(ただし割増分の容積率は400%を限度とする)という制度創設当初の主旨からは相当逸脱した運用が行われている。こうした拡大は、法改正によらず、政令や準則の改正によって行うことが可能であったため、安易に行われてきた面があることを否めない。

その結果、今日の東京の総合設計制度による容積率割増は、周囲の市街地の実態とも、都市計画として決定された用途地域の想定する市街地の形状とも、大きくかけ離れた高さのマンション開発等を可能にしている(後略)。



と、日本の総合設計制度の異常な運用実態を指摘しています。こんな悪制度、即刻廃止ないしは適用を厳格化すべきでしょう。

次に、マンション建て替え問題です。実は、先の陳情と同じタイミングで、対象地に以前所在していた旧藤和西浅草コープ住民たちからも陳情20-40が出されています。この中では、「当該地の北側の一部住民より、法定根拠の乏しい反対の動きによって、本計画が遅延させられることを危惧してい」る一方、「竣工の遅れは即ち仮住いにおける膨大な諸経費が圧し掛かってくるなど、様々な障害が想定される」ことを訴えています。

既に、建て替えに向けて既存建物を取り壊しており、仮住まい生活に入っておられることを考えれば、陳情にも故なしとはしませんが、この主張には著しい穴があります。それは、「マンション建て替えには容積率緩和がつきもの」だということを前提にしている点です。いや、むしろ「容積率緩和なしにはマンション建て替えはほとんど実現不可能」と言った方が良いかも知れません。

そもそも、マンションは一つの建物を実質的に入居者全員で共有しているに過ぎないにも関わらず、それを「区分所有権」というまやかしの権利によって、あたかも各々が所有しているように見せかけている代物です。そのこと自体は、普段は自由に売買できるので意識されませんが、建物の終末期にはその矛盾が一気に顕在化します(この点については、以前のエントリマンションは「終の住処」?で考察しています)。

当初の購入時から何十年も経過して、入居者の置かれている立場も大きく変化する中、建て替えの費用を捻出できない人も多く、建て替えに必要な多数決が確保できない。そのため、容積率の緩和を実現し、増床分を分譲してその利益を立て替え費用に充当することで負担を軽減する。これが、マンション建て替えに容積率緩和が絡む理由です。住民主導のマンション建て替えとして注目された原宿のコープオリンピアも、総合設計制度による容積率緩和を利用しようとしていました(このケースについては、日経ビジネスの“日本初”、住民による住民のためのマンション建て替えが詳しく伝えています)。

しかし、自らの住まいを建て替えることが、何故自己責任で実現できないのでしょうか? 戸建住宅に住まう人たちは、皆が自分の費用で建て替えているにも関わらず、です。多くの利害関係者が存在するからだと説明するのであれば、そもそもその問題を過剰なアメ(容積率緩和)でしかクリアできないようなシステムは、完全に制度として崩壊していると言わざるを得ないでしょう。

そもそも、一旦アメを与えて緩和した容積率は、その後また建て替え問題が数十年後に発生したら、また容積率緩和でクリアしようとするのでしょうか? それは、単なる問題の先送りに過ぎません。終末期を迎えるマンションが増加する今、抜本的な制度の見直し(区分所有権幻想の解体)が必要とされていると感じます。

なお、余談になりますが、先の陳情は「陳情20-36」は不採択、「陳情20-40」は採択という明暗分かれる結果となったことを、一応付言しておきます。

最後の、景観破壊問題については、最早言わずもがなでしょう。高層マンションによる景観破壊は、近年その度合いをどんどん高めています。世界遺産に限っても、原爆ドーム(広島)、平等院鳳凰堂(京都)などの後背地に高層マンションが建設され、景観が著しく破壊されたことは記憶に新しいところです。今後、景観の破壊を理由に世界遺産登録が廃止される可能性だって、ないとは言えないでしょう(海外でもそのような実例が出ています)。そのような究極の事態が惹起されるまで、我々はマンションデベロッパーによる景観破壊活動を黙認し続けるしかないのでしょうか?
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コメント

鞆の浦景観訴訟の判決要旨

http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100101000464.html

鞆の浦の景観は、美しいだけでなく、歴史的、文化的価値を有し、近接する地域内に住み、その恵沢を日常的に享受する住民の景観利益は法律保護に値する。公有水面埋立法は、景観利益を保護に値する個別利益として含むと解釈される。住民は景観による恵沢を日常的に享受しており、法律上の利益を有する。埋め立てられれば、景観利益について重大な損害を生ずるおそれがあると認められ、これを避ける他の適当な方法があるともいえない。従って、景観利益を有する者の訴えは適法である。

  • 2009/10/01(木) 17:51:34 |
  • URL |
  • 景観利益に基づく訴え #xPy6jVsQ
  • [ 編集]

浅草寺提訴の主旨

浅草寺提訴
原告団による提訴主旨
http://asakusa.sc/n3m/pdf/090924_sosyo-gaiyo.html

完成時のイメージ
http://asakusa.sc/n3m/img/img.html
http://asakusa.sc/n3m/img/model.html

  • 2009/10/02(金) 13:15:34 |
  • URL |
  • STS #-
  • [ 編集]

銅御殿隣地マンション問題

http://blog.yutate.com/?month=200910

大学教授らが名を連ねる「銅御殿を守る会」は2009年4月10日、声明文を発表。建設計画を「景観を台無しにし、風害で銅御殿の庇(ひさし)の破壊が予測される無謀かつ利己的なものだ」と指摘、工事を中止し協議の席に着くように同社求めた。メンバーの前野まさる・東京芸大名誉教授は「計画を見直せば企業のイメージアップにつながる」と再考を促す一方で、「文化財を守るための法整備が必要だ」と訴えた。

  • 2009/10/02(金) 19:45:41 |
  • URL |
  • 歴史的景観を守れ! #xPy6jVsQ
  • [ 編集]

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