吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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MSCB、キタ━(゚∀゚)━!!!!!

前回のエントリをアップした後も、連日長谷工は夜遅くまで金属打音を響かせながら、深夜の工事に勤しんでいます。

掲示されている工程表を見ても「躯体工事」とあるだけで、「作業時間が延長されると予想される工事に」関する記載は一切ありません。別のお知らせ看板には、決まり切ったコンクリート打設についてのお知らせが掲示されていますが、工事を行っているのが既にコンクリート打設済である低層階であることから、「週間工程表に記載」せずに時間外の工事を行っていることは明白です。

今更、「ルールを守る」という人間としての基本的な素養すら持ち合わせていない長谷工に、このようなことを言うだけ無駄なのかも知れませんが、その無神経ぶりにはほとほと呆れさせられます。

そんな長谷工に、今日は別の観点から呆れさせられました。長谷工が公表した「第三者割当による第2回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正条項付)の募集に関するお知らせ」という長ったらしいタイトルのプレスリリースがそれです。内容は、ライブドア事件でワイドショーにまで登場した悪名高き「MSCB」を発行するというものです。

MSCBの内容については、検索すれば解説がたくさん見つかると思います(例えば、こちらの野村證券の証券用語解説集など)が、簡単に言えば「株式に転換できる権利を持つ社債で、その転換する株価が時価に伴って変動するもの」のことです。元々、以前から転換社債はその発行期間中に1~2度の転換価格の見直し条項が含まれているのが普通でした(発行後の株価が低迷した場合、全く転換が進まないことを防ぐためのもの)が、この転換価額の修正を極端に多くしたものが、一般的にMSCBと呼ばれているようです(日本証券業協会の規則では、「6か月間に1回を超える頻度」で転換価額が修正されるものと定義されています)。

MSCBの発行が乱発されていた頃(ライブドア事件の頃と言い換えてもいいかも)、MSCBについては、「MSCBを引き受けた投資家が株の空売りを仕掛けて株価を下落させ、自分たちが手にする株式数を増加させるので、既存株主は損失を被ってしまう」という主張が盛んになされ、「MSCBは株価下げ要因になる」というイメージが定着しました。

実際は、「発行後の株価が下落一方になるかどうかは、発行会社の業績等にもよるので、一概に下げ要因と決めつけるのは良くない」という主張もあるようなので、ここではこの点には触れません。但し、必ず投資家が儲けられる仕組みとなっているMSCBの発行は、通常の新株予約権付社債の発行と異なり、明らかな有利発行ですから、株主総会の特別決議を経ていない発行は会社法違反だと、個人的には思っていることは付け加えておきます。

しかし、一般にMSCBのイメージが悪い最大の理由は、それを発行した会社に、あまりにも倒産予備軍が多かったことにあると思われます。規制が強化される前の一時期は、新興市場の倒産待ったなしという企業が次から次へとMSCBを発行していましたし。つまりは、「真っ当な手段で資金調達できなくなった企業の駆け込み寺がMSCBである」というイメージが定着してしまったことにあるのでしょう。

そんなイメージの悪いMSCBを、長谷工は敢えて発行することを決議しました。そのプレスリリースを見てみますと、冒頭から言い訳のオンパレードです。先ずは、「募集の目的及び理由」の中の<資金調達の主な目的>で、

 (前略)当社のコア事業である建設事業の分譲マンション工事受注においては、新規着工物件の減少に伴い、従来の土地持込受注に加え、事業主様の仕入済用地における特命受注など土地持込以外の受注の獲得にも注力している状況であります。これらの受注工事においては、当社に工事費用の一時的な資金負担が生ずる入金条件となるケースもあるものの、優良取引先からの受注についてはこれらの受注も積極的に拡大していく方針であるため、この資金負担に耐え得る資金を十分に確保しておくことが課題となっております。
 (中略)現下の経営環境においては株主価値の向上・安定化のためには自己資本の充実が必要と判断しており(中略)、本件新株予約権付社債の普通株式への転換による自己資本の量的及び質的な増強により、経営環境の変動に耐えうる財務体質の安定化を図り、取引先及び金融機関からの信用の維持向上につなげることは、長期的な株主価値向上に資するものと考えております(後略)。



と、「土地持込による特命受注のビジネスモデルが破綻したので、一般受注を増やすことにした。しかし、先立つものがなく、金融機関からの信用もないので、既存株主の損失を無視してMSCBの発行を決めた」ことを明らかにしています。更に、<本新株予約権付社債の商品性>として、

 本社債の発行価額総額は150億円、償還期限は発行期日の3年後、利息は付されないこととされており、当社が多額かつ長期間の資金を利息の負担無く調達できることとされています。
 (中略)本新株予約権付社債では転換価額の下限値が60.5円に設定されているため本新株予約権の行使により交付される株式数は限定されています。また、本新株予約権付社債の転換価額の修正条項には上限値の定めがないため、株価が上昇する局面では交付される株式数は常に減少し、希薄化を抑制する効果があります(後略)。



と、一方的に利点だけを述べ立てています。現状の株価の1/2まで転換価額が下落する可能性があるのに、「交付される株式数は限定」的とはよく言ったものです。しかし、一番呆れるのは「ゼロクーポンだから有利に調達できる」という主張です。この主張は、この後にも「本新株予約権付社債には利息が付されない(ゼロクーポン)ため、負債コストを抑制することができる」、「利息は付されないこととされており、当社が多額かつ長期間の資金を利息の負担無く調達できる」と、何度も登場します。

正直、未だにこんな主張をする経営者がいるとは思いませんでした。正に、バブルの頃に「調達コストが低いから」という間違った認識のもとにエクイティファイナンスを乱発し、その後の資本コストの増大に苦しんだ数多くの日本企業の教訓から何一つ学んでいないことを露呈しています。今や、負債コストよりも資本コストの方が割高なのは、ファイナンス理論の基本中の基本です。この程度のことも知らない経営陣が発行を決議したMSCB、それは既に株主に対する背信行為以外の何者でもないでしょう。

もっとも、長谷工という企業は、以前も自らの生き残りのために99%減資をやってのけた会社ですから、株主の利益保護などという観念はおよそ持ち合わせていないのでしょう。だからこそ、最大19.7%にも及ぶ希釈化率(下限転換価額60.5円で行使された場合の議決権の増加割合)を「既存株主への希薄化の影響に配慮した設計」などと言い切れるのでしょう。

また、「調達する資金の具体的な使途」として、

 概算手取額14,970百万円については、下記の通り全額を、当社のコア事業である建設事業における、工事費(外注費・労務費・材料費)及び人件費経費等の運転資金に充当する予定であります。



とありますが、これも企業運営としては著しい誤りです。上述の通り、割高な資本調達で増加運転資金をまかなうことなど、株主利益の極大化の観点からはあり得ません。運転資金の増加は、本来は短期借入などでまかなうべきであり、百歩譲っても、数年後には全額償還される長期借入等でなければおかしいでしょう。その程度のことも分からないのか、それとも、背に腹は代えられないほど、台所事情が苦しいのか…

何れにせよ、以前のエントリ「いつまで続く? 会員限定分譲」で長谷工の受注高の凋落ぶり、手元現預金の急減ぶりを指摘していますが、正に自らの行動でそれを裏付けた訳です。発行期日は9月28日、第2四半期決算には間に合う期日が設定されています。決算内容を楽しみに待つこととしましょう。
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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1808 長谷工

今時、MSCBかよ!

  • 2009/09/11(金) 10:50:43 |
  • ●湾岸・首都圏タワーマンション・高層ビル●

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