吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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【GW特別企画】興和不動産に売主たる資格はあるか?(その3)

このエントリも都合3回目となってしまいましたが、一応今回で完結です。前回までのエントリで、市側と事業者側の双方がいかに甘い認識のままマンション建築に突入したか、そしてその結果としてシティアクラックが生じたかを見て来ました。そして、今回ご紹介する部分において、その点はよりいっそう明らかにされていきます。

先ずは、平成18年12月開催の第4回定例会から見ていきます。今回も質問者は関口議員、答弁者は川崎都市部長です。関口議員の質問は、一点目として「シティアクラック問題について長谷工が行ったボーリング調査の結果を受けて、市の見解、判断」、そして「市の調査の結果も併せて」問うています。

二点目として、「10月21日付、長谷工による『シティア地盤調査追加報告』によりますと、まず各棟における沈下要因について、『当敷地には台地と人工的に埋め立てられた谷部が存在することが判明した』などと、まるで今度の調査により初めてわかったかのように述べてい」る点を指摘した上で、「『沈下は終息傾向にある』『沈下は終息状態にある』との二通りのあいまいな言い方をし、長谷工の判定では、『対策を行う』『継続観察とする』としている敷地が」「ほぼシティアの全域に及んでい」る中、「同じ地続きの新マンションの建設地は、全く問題がないと言えるの」かと問うています。

更に三点目として、「市は、長谷工に対して、新マンション建設に当たってシティアクラック問題から何を具体的に、どう指導」したのかを問い質しています。

これらの質問に対する川崎都市部長の答弁内容は、以下の通りです。先ず一点目について、「報告では、マンション本体とサブエントランスの接合部分周辺にクラックが発生したのは、サブエントランス部は、くいで支持された高層のマンション本体とは異なり、直接地盤で支持された構造であり、地下深部にある腐植土層が建物の重さで圧縮されて地盤が沈下した結果、サブエントランス部分が沈下したことが原因であ」り、「事業者はシティアの管理組合にこの調査結果を説明し、今後施工することになる修復工事についても了承」を得ているが、「事業者は、市に調査資料を提出することについて、管理組合から了解が得られていないこと」を理由に調査資料を開示していないことを明らかにしています。

なお、市の調査については、「本年7月、9月及び12月に現地に出向き、事業者に対して事情聴取や状況確認を行」った結果、「クラック問題に対する事業者側のマンション住民や管理組合への対応は適切であると考えて」いると述べ、ここでも事業者の主張を鵜呑みにしたことを告白しています。

続いて二点目については、「事業者から、新マンション建設地のボーリング調査結果について聞き取り調査をしたところ、シティアの地盤沈下の原因であるとされる腐植土層は確認できなかったことから、新マンションについては地盤沈下によるクラック発生のおそれはないと判断し」たことを明らかにしています。しかし、これも問題が発生した後の対処方法としては恐ろしく甘いと言わざるを得ないでしょう。シティア建築の際も、当然ボーリング調査は行った筈です。にも関わらず、軟弱地盤の存在を認識できずにマンション建築を強行した事業者の主張を、全くそのまま鵜呑みにするなら、行政による建築指導など無用の長物以外の何者でもないでしょう。根本から認識が甘過ぎます。

最後に、三点目については、「市は事業者に対し、現在施工中及び今後工事着手するマンションについて、シティアと同様な問題が生じないよう設計内容を再確認し、十分注意して工事をするよう申し入れております。新マンション建築地においても事業者側はボーリング調査を行った上でマンションを設計し、工事に着手しております」と述べるに止まっています。これ以上の指摘は、二点目と重複するので割愛します。

続く、平成19年3月開催の第1回定例会でも、関口議員のシティア関連の質問は行われています。但し、クラック問題に関する質問はこの定例会が最後となっており、以降は地元小学校の増築に関する公共公益施設整備費用の長谷工負担に関する質問に焦点が移っています。そのため、この問題に関する我孫子市議会の討議内容を検討するのはこれが最後になります。

今回の質問内容は、先ず「12月議会で市は、『事業者側の対応には問題がない』と」述べたが、「2月3日に長谷工が住民に説明会を開きました。130人を超える住民が集まり、大変紛糾したと聞いています。長谷工の不誠実な対応が原因のようです。文字が虫眼鏡で見ないと読めないくらい小さくて、判読不能な資料。11ヵ月もかかる補修工事。工事中の生活道路、通学路の安全の保障問題等々に、住民側の怒りが次々とぶつけられた」にも関わらず、「長谷工からだけ聞いて、現状判断をされたのではない」かと問い質しています。

続いて、「調査結果に基づいて、シティアのクラック問題からの教訓を全面的に生かして、新マンション建設について総点検し、指導を徹底する必要があるのではない」かと、「市民の生命、財産を守る責任ある立場で直ちに誠実な対処を」求めています。

これに対する川崎都市部長の答弁は、相変わらず木で鼻をくくったようなもので、「シティアのクラック問題の現状について市の認識を問うについては、昨年現地調査と併せて業者から事情聴取を行った結果、現在生じているクラックを修復するために発生原因を究明するためのボーリング調査を行っていること、また、この調査結果を踏まえてマンション管理組合と協議を進め、修復工事を行う予定であるとのことから、適切に対処していると判断し」ており、「この問題は住民が納得する形で業者と直接話し合って解決すべきものであり、市が双方から事情を聞いて対処できる問題ではないと」一方的に宣言するなど、行政として市民の手助けをするという考え方は皆無であることを明らかにしています。

更に、「新マンション建設についての総点検と指導についてですが、このことについては開発許可の段階でも建築に際しても、今回のクラックの問題を踏まえて工事を行うよう事業者に指導しております。事業者もそのことを十分認識し、必要な手続を経た上で新マンションを建設していることから、改めて関与できるようなものではないと考えて」いると述べ、徹頭徹尾、事業者を信頼するというスタンスで通しています。しかし、この事業者(=長谷工)は現に地盤沈下を起こしたマンションを建設している訳ですから、これではあまりに性善説に過ぎると感じざるを得ません。

これに続く再質問の中で、関口議員は「市民を守るために、今ある法律をすべて活用して、何とか市民を守って」欲しい、「シティアと同じ轍を新しいマンションの方々に踏ませない、同じ苦労をさせない。こういった行政側の態度が私は欠けていると思」うと行政の不作為を指摘します。

しかし、これに対しても、川崎都市部長は「市が発注する公共事業であるならば、当然設計の段階から地質の調査など行ってチェックし、施工に当たっても必要な検査はその都度行」う「が、市が責任を持って設計、施工管理を行った工事であるならば、市が責任を持ってその原因究明をきちんと対応してやることができますけれども、民民の工事ではそこまで介入してなかなか対応できないと」回答します。

「民民の問題には介入しない」、というのは行政がよく使う逃げ口上ですが、これは警察権の「民事不介入の原則」を曲解した行政の詭弁という気がしてなりません。実際には民民の利害調整まで行政が行うという過剰な介入事例は枚挙に暇がありませんし、ここで求められているのは「市民の安全を守るために行政として相応の役割を担って欲しい」という、本来の行政があるべき姿な訳ですから、なおさらです。

この点については、関口議員の再々質問でも、「建ててじきにいろいろと問題が出てくるというようなことは、建築確認のときに不備があった」のかも知れないので、「市民を守る法律というのは必ずあるはずですから、そういうものを見つけ出して何とか守ってほしいという」、ほとんどお願いに近い声として繰り返されますが、残念ながらそれに応える答弁は得られずじまいでした。

さて、先述の通り、以上で我孫子市議会の議事録に登場するシティアのクラック問題は終了しています。残念ながら、クラックの修繕や地盤沈下に対する対応策がどのようになったのかは明らかになっていません。しかし、一連の議論の中で、いかに長谷工の工事が綿密性を欠くものか、そして、そのような工事がほとんど何のチェックも受けずに進行していくのか、その内情が実に露になっていると感じられたのではないでしょうか?

欧米並みの厳しいインスペクション(建築工事の検査・監視)制度が導入されておらず、建築業者1社で設計・施工・監理を完結できることの弊害を、まざまざと見せつけられた思いがします。建築基準法の厳格化で、建築業界は汲々としているようですが、正直、改正内容が枝葉末節な部分に拘泥し過ぎており、本質が見失われている気がしてなりません。

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ここで、今回のエントリのタイトルの解題です。ほとんど長谷工の問題だけを採り上げている今回のエントリが、なぜ興和不動産の売主資格を云々するのか。それは、マンションの購入者はあくまで売主と契約したのであり、施工業者たるゼネコンと契約したのはあくまでも売主たちであって、購入者に対して責任を負うのは、一義的には売主たちの筈だからです。

今回のエントリの最初に採り上げた通り、シティアの売主の筆頭は興和不動産です(なお、売主のラストに長谷工も登場しますが、売主間の発言力・責任の度合いは出資比率に比例するのが通例ですから、ここでは売主としての長谷工の立場は無視します)。通常の商慣習で考えれば、(管理会社からの連絡を受けて)売主の代表である興和不動産が販売物件の問題に対して最初に対応し、その意向を受けて初めて(売主から仕事を請け負った)ゼネコン、すなわち長谷工が登場してくるのが筋でしょう。そして、長谷工が登場してきても、なおも購入者に対する直接の責任を負うのは売主たちですから、その後の議論に全く登場してこないということは、本来あり得ない事態です。

しかし、現実にシティアを巡る議論の中に売主たち(代表たる興和不動産以外の各社も含めて)は一切登場して来ません。単に途中のプロセスが省略されているだけで、本当は売主たちが対応したなどということがないであろうことは、吉祥寺レジデンシアを巡る一連の流れを見ても明らかです。本来あるべき売主としての義務すら果たすことなく、長谷工のお財布として金だけ出す。このような事業者に、果たして売主としての資格はあるのでしょうか?

また、遡って施工段階においても、一体この売主たちは自分たちが発注した仕事に対して、どのようなチェックを行ったのでしょうか? 途中経過は長谷工の報告を鵜呑みにし、竣工前の施主検査で表面的なチェックを行っただけ? それでは、到底躯体の瑕疵など見抜ける訳がありません。このような杜撰な事業者たちが建てるマンションが、今この瞬間にも次々建て続けられている。このような業界構造をどこかで断ち切らなければ、長谷工のような不心得な企業がのさばり続けるだけです。

どうか、赤字圧縮が至上命題となっているであろう吉祥寺レジデンシアにおいても、このような杜撰な構図が繰り返されていませんように… 地域にこれ以上の厄災がもたらされることだけは、勘弁して欲しいものです。

P.S. シティア問題に関する一連の討議の中で、関口議員が長谷工による風環境シミュレーションについて、専門家の見解を得た上でシミュレーションの問題点を明らかにしています。その内容を以前のエントリマンションと風害~西宮市の「横長マンション」規制に想うに追記しました。ご興味をお持ちの方は、併せてご参照下さい。
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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