吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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なぜクレーン転倒事故は頻発するのか?

最近、法政跡地に置かれている吉祥寺レジデンシアの広告が新しくなっていました。あの悪評高い黒装束夫婦の写真はどこへともなく消え去り、代わりに現地周辺の空撮写真に建物のCGを合成したものになりました。一体、あの悪趣味な夫婦の写真は何だったのでしょうか? 今更ながらに、黒装束カップルを確認したいという方は、過去のエントリ迷惑マンションは「真の吉祥寺アドレスを継」いでなどいない!をご参照下さい。

吉祥寺レジデンシアの広告(新しくなった広告、クリックで拡大)

しかし、この広告、よく見ると非常に不自然です。建物の一部がやけに光っているCG加工がわざわざ施されています。「マンション・チラシの定点観測」の3月22日付エントリ「案内図の吹き出し部分や白地部分を要チェック」では、「本日の教訓」として、「案内図の一部が吹き出しなどで覆われていたら何か隠されていないか、あるいは白地の部分に何か消されていないかよくチェックしよう」とあります。そして、この広告も、よく光っている部分に目を凝らすと、そこには高圧線の鉄塔が隠されていることが見て取れます。実にセコい隠蔽工作です。

広告建物アップ(建物周辺を拡大すると…、クリックで拡大)

この空撮写真を見れば、如何にこの吉祥寺レジデンシアが周囲の低層の町並みから浮き上がった存在かが、いやというほど分かります。こんな写真を自慢げに掲載するところに、長谷工という企業の住環境を一顧だにしない企業姿勢が透けて見えてしまいます。

さて、そんな吉祥寺レジデンシアの工事現場ですが、先週大きな変化が見られました。現場の真ん中あたりに、タワークレーンが設置されたのです。連日、クレーン車がけたたましい騒音をまき散らしながら作業を行っており、近くを通るたびに「倒れて来ませんように」と祈らずにはいられなかったことを考えれば、(工事が中止されない以上)安全性が少しでも高くなるタワークレーンの設置はわずかながらも安心材料と言えるでしょう。

タワークレーン(写真奥にタワークレーンが設置されています、クリックで拡大)

しかし、残念ながら4月は工事現場のクレーンが如何に危険なものかを世間に知らしめるような事故ばかりが起きてしまいました。14日に東京都千代田区麹町のマンション工事現場で起きた大型クレーンの横転事故は、大きな事故でしたのでかなりニュースでも報道されました。今更ながらですが、事故の概要を毎日jpの記事クレーン転倒:2人が重体、4人負傷 東京・千代田区で振り返ってみますと、

 14日午前11時10分ごろ、東京都千代田区麹町4のマンション工事現場で、大型クレーンが現場前の国道20号(新宿通り)側に向かって倒れ、走行中のトラック1台が下敷きになった。東京消防庁によると、トラックの運転手(29)ら男性3人と、クレーンのオペレーターの男性(38)の計4人が一時それぞれ車内に閉じ込められ負傷した。オペレーターは意識不明の重体。さらに通行人の男女2人が負傷し、うち40代の女性が心肺停止状態で搬送され意識不明の重体。警視庁捜査1課と麹町署は、施工業者らの安全管理に問題がなかったか業務上過失傷害容疑で捜査を始めるとともに、負傷者の身元の確認を急いでいる。

 麹町署などによると、クレーンは総重量104トン、アームの長さ約27メートル。アームを伸ばして作業中に、北側を走る国道20号の約3車線分をふさぐような形で突然倒れたという。

 トラックに乗っていたのは、運転手のほか39歳と40歳の男性。39歳の男性は助手席に乗っていて両足を挟まれた。3人の詳しい容体は不明だが、いずれも搬送時に意識はあったという。歩行者の男性(33)は軽傷という。

 工事の設計を担当する三菱地所設計(本店・千代田区)と東京都によると、現場は地上19階、地下2階のマンションと商業施設が入る複合施設を建設していた。施工主は東亜建設工業(千代田区)で、工事の発注者は三菱地所だった。同社担当者は「現場に自社の者はおらず、安全対策は施工者の東亜建設工業に任せていた」と話している。クレーンは基礎工事会社「大洋基礎」(東京都中央区)の所有。

 現場はJR四ツ谷駅の東約500メートルのオフィスビルなどが建ち並ぶ一角。



残念ながら、事故に巻き込まれた吉祥寺北町の方は、24日にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。この他にも事故は頻発しており、16日付YOMIURI ONLINEの記事今度は川崎でクレーン転倒、道路わき電柱に接触…けが人なしでは、

 16日午後1時50分頃、川崎市宮前区犬蔵のマンション建設現場で、作業中の25トンクレーン車がバランスを失って倒れ、長さ約30メートルのアームの先端が敷地外に飛び出し、道路脇の電柱に接触した。

 けが人や停電、交通への影響はなかった。約6時間後に電柱からアームを離した。

 現場では、東急建設(東京都)などが地上5階建て約300戸のマンションを建設中。同社によると、クレーン車は下請け業者が扱っており、資材をつり上げている最中に倒れた。原因は調査中という。子供を連れて通りかかった近所の主婦(33)は「公園が近く、子供とよく通る場所。何事もなくてよかった」と話した。同社は「近隣の皆様にご迷惑をかけ、深くおわびします」としている。



と、わずか2日後にも同様の事故が起こったことを報道しています。更には、遡って1日にも山口県下関市でクレーン横転事故が発生したことを、毎日jpの記事下関のクレーン横転事故:「危うく大惨事」 市民ら驚きでは伝えています。

 「けが人がなかったのは奇跡的だ」。1日午前、下関市田中町で起きたクレーン車の横転事故は、一つ間違えば大惨事だった。現場に面した病院などの建物にクレーンが倒れていたら……。人が下敷きになっていたら……。工事業者や発注元の市、周辺の人々は胸をなで下ろしながらも、危機一髪の事態におののいていた。

 ピーッ、ピーッ。午前11時過ぎ、異変に気付いた交通整理員のホイッスルが現場に鳴り響いた。「スローモーションのように倒れてきた。下にいたからとっさに笛を吹いて、走って逃げた」とその男性。近くにいた人が「ドーンと雷でも落ちたようだった」と口をそろえるごう音とともに、長さ約10メートルのクレーンは横倒しになった。

 工事は市発注の雨水管敷設。事故時は地面に埋め込まれた鋼材をクレーンで引き抜く作業中だった。

 現場は病院や店舗、住宅が密集する市街地。クレーンはそばの病院をかすめる形で倒れ、信号機と公衆電話のボックス、軽ワゴン車を押しつぶして止まった。引っかかった電話線などに引き倒された電柱は近くの神社の鳥居や住宅のベランダを破壊。停電などの影響は周囲に及んだ。

 横転の理由は、クレーン車を固定する脚元の車道陥没だが、陥没の原因は不明だ。

 市河川課によると、工事業者の届け出では、油圧で地面への圧力を軽減しながら引き抜く重機を使うことになっていた。しかし、横転したクレーンは地面に震動を与えながら引き抜く方式で、市は使用を認めていなかったという。一方、業者側は「これまでは問題なかった。車道の陥没など予測できず、不可抗力だ」と主張する。

 市は2日から現場の復旧と並行して原因の調査を進める。



わずか1ヶ月の間だけでもこれだけクレーン横転事故が頻発するのは、建築業界の構造的な問題と言わざるを得ないでしょう。麹町の事故でも、クレーンを操縦していた作業員が「クレーンと資材の間に残土があったことや、次の作業のことを考え近づかなかった」と発言しており、クレーンとつり上げる対象物とが離れ過ぎた結果、クレーンに想定以上の荷重が掛かったことが事故原因と考えられています。

これが、この業界に染み付いた「安全よりコスト優先」という体質に起因することは言うまでもないでしょう。そうでなければ、これだけ事故が頻発する筈はありません。多大なる危険が伴う作業を「もう少しなら大丈夫だろう。作業が遅れるとまた(元請けが)うるさいし…」という安易な発想でやってしまう。結果として、そのツケは大きな事故となって返って来てしまうという悪循環。重層的な下請け構造による建築業界の劣悪な労働環境あってこその起こるべくして起こっている事故という気がしてなりません。

最近の事故は長谷工以外のゼネコンによるものですが、長谷工もクレーン横転事故を何度も起こしていることは以前のエントリ長谷工施工現場は危険がいっぱいでお伝えしている通りです。また、長谷工の安全管理の杜撰さについても、校舎解体工事の際の事故をお伝えしたエントリ足場倒壊続・足場倒壊【速報】長谷工またも事故を起こす(続)長谷工またも事故を起こすなどでお伝えして来た通りです。

何度事故を起こしても、一向に安全性が改善されない建築業界。工事による精神的な苦痛を何年もの長期間にわたって一方的に押し付けられた挙げ句、周囲と全く調和しない迷惑マンションという負の遺産を更なる長期間にわたって押し付けられる近隣住民。このような非道が許されるという点にこそ、土建国家・日本の国民無視の本質がある気がしてなりません。度重なるクレーン横転事故を契機に、それを生み出す安全軽視の建築業界の体質を徹底的に糾弾する世論が盛り上がれば良いのですが… 決して弱者の味方ではないマスコミにそれを期待するのは、酷というものでしょうか?

最後に、先週末、コスモスイニシアが私的整理に踏み切ることで銀行団と調整に入ったことが報道されました(こちらの記事コスモスイニシア、債務軽減で銀行と調整 再建へ私的整理を参照)。事実上の倒産と言えるでしょう。ゼネコン・不動産会社の債務免除が相次いだ10年ほど前とは異なり、情報開示の徹底が求められる現在では、銀行も簡単には債権放棄には応じないかも知れません。

最早、マンションを建てて売り続けるというビジネスモデル自体が、既に破綻を来しているのではないでしょうか。プレーヤーの数を大幅に絞る必要がありそうです。そのためには、マンション専業ゼネコンを謳う某・反社会的企業を消滅させるのが、最も効果的かつ社会のためだと思うのですが…

<4月29日追記>
住宅情報マンションズ4月28日号に、とうとう吉祥寺レジデンシアの情報が掲載されました。予定価格帯(5,000~18,000万円台)を公表するなど、いよいよ損失確定に向けた活動に余念がないようです(もっとも、高値で土地を仕込み過ぎているので、3月決算で評価損を計上し、見かけ上は利益が出る物件になっている可能性もありますが(笑))。予定価格がアバウト過ぎるのではっきりとは分かりませんが、330~350万円/坪前後と思われる価格設定は、明らかなミスプライスですね。

因みに、マンションズの記事中のCGは、上述した隠蔽工作が更にエスカレートしています。光だけでは隠し足りないと見て、「現地」という吹き出しを追加し、完全に高圧線の鉄塔を消去するという荒技を発揮しています。現地を見れば一発で分かるものを、ここまであざとく隠すとは、ちょっと消費者を馬鹿にし過ぎてはいないでしょうか?


マンションズの建物アップ(住宅情報マンションズでは隠蔽工作度がアップ(笑)、クリックで拡大)
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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  • 2009/04/29(水) 16:14:28 |
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