吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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因果応報

まず最初に、前回のデベロッパー倒産劇はいよいよクライマックスへにコメントを寄せて下さった方がいらっしゃいましたので、それに関する補足から。コメントの内容は、「千葉市幕張の物件では、『オープンエアリビングバルコニーが床面積算定から除外されていることは建築基準法違反である』として、『日本綜合地所オープンエアリビングバルコニーに審査請求』とな」ったことを伝えるブログ●経過報告「日本綜合地所のオープンエアリビングバルコニーに審査請求」をご紹介いただいたものです。

この点については、この「オープンエアリビングバルコニー」というコンセプトを初めて見た時から、「建築基準法に違反していないのか?」という疑問を持ちました。通常、バルコニーの奥行きは2mまでしか容積不算入にならないのに、何故これについては4mもの奥行きが実現できるのかという自然な疑問です(余談ですが、そもそもこの2mもの容積不算入自体、マンションに対して甘過ぎると思っています)。

では何故、「オープンエアリビングバルコニー」は容積不算入になるのかといえば、答えは簡単、「隣り合う住戸のバルコニー側に、奥行き4m、幅2m以上の吹抜けを設けることで、容積不算入を実現した」ということです。両端の吹き抜けから2mずつの部分が容積不算入となるため、4m×4mのバルコニーであれば「容積不算入」となる訳です(これについての説明は色々なところでなされていますが、こちらの不動産流通の記者の目が図入りで分かり易いと思います)。

これをどう評価するかは人それぞれだと思いますが、一つだけ確かなのは、「オープンエアリビングバルコニーは違法とまでは言い切れないが、限りなく脱法性は高い」ということでしょうか。建築基準法の規定はこのようなケースを想定していないでしょうから、条文を素直に読めば違法とは言えないものの、それは条文解釈を悪用した脱法性の高い設計ということです。

この点については、エキスパンションジョイントを悪用して複数の建物を「一の建築物」だと言い張って戸数を大幅に水増しした、一連の長谷工物件と同じ匂いを感じます。長谷工の「数の偽装」も、当初は建築審査会で肯定されていましたが、違法と判断されたケースも出てきています。オープンエアリビングバルコニーのような脱法性の高い設計が、将来的な法改正によって明確に違法とされ、既存不適格となる可能性は相応に高いのではないでしょうか。

さて、本題に移ります。日本綜合地所の倒産を受けて、同社をいいカモとしてきた長谷工債権の取立不能又は取立遅延のおそれに関するお知らせというプレスリリースを出しました。それによれば、工事債権等の金額は約119億円にも上ること、債権に対する保全はないこと(商事留置権のみ)などが明らかにされています。

「回収可能性については現在精査中」とのことですが、商事留置権が存在していても、竣工・引渡間際の物件は、売れなければ回収できませんし、竣工までにまだ時間のある物件は、完成させなければ資金化できません。日本綜合地所が、再建のために大幅にプロジェクト数を絞り込み、建設途中でも中止を選択する物件が出てきたりすれば、他の売り主を探して来るか、自らリスク丸抱えで(土地もろとも)引き取るかしかありません。長谷工の、デベロッパーにリスクを負わせて自らは甘い汁を吸うというビジネスモデルは、ここへ来て急速に歯車が逆回転しているようです。

ここで、長谷工の工事債権額について、ちょっとした試算をしてみました。前回お伝えした通り、日本綜合地所が分譲中の物件中、長谷工施工物件は10物件。このうち、竣工時期が古い「ヴェレーナ茅ヶ崎海岸」以外の9物件について、それぞれの債権額を計算してみたものです。

 
物件名戸数(戸)建築確認竣工予定進捗度未収分総工費(百万円)未収額(百万円)備考
ヴェレーナ王子3512008/82010/528.8%8.8%6,669590
ヴェレーナ青梅新町3382007/122009/2100.0%80.0%6,4225,138 
ヴェレーナ東戸塚2162008/82010/233.5%13.5%4,104555 
ヴェレーナ追浜902008/122010/214.5%4.5%1,71077 
ヴェレーナ北久里浜2462008/122010/412.8%2.8%4,674129 
ヴェレーナ久里浜海岸2262008/42009/391.6%71.6%4,2943.075 
ヴェレーナ幕張五丁目1572008/102009/1131.1%11.1%2,983330 
マスターズレジデンスおおたかの森3152008/82009/1237.8%17.8%2,993532当社持分50%と仮定
レイディアントシティ印西牧の原1082007/122009/1100.0%80.0%2,0521,642フォレストヴィラ分のみ
合計2,113    37,15512,067 


この試算には、以下のようないくつかの仮定を置いています。

  1. 戸当たり建築単価は19百万円(平均70m2/戸として施工単価90万円/坪)。
  2. 工期は、建築確認取得から竣工予定まで。その間、均等に建築費用が発生。
  3. 建築費の支払条件は、いわゆるテンテンパー(1:1:8)。


かなり大雑把な仮定ですが、算出された未収工事代金(120億円)は長谷工発表のものとほぼ一致しています。単なる偶然かも知れませんが、一応これを基に話を進めます。長谷工は、「商事留置権があるから一定の回収は可能」と主張したいようですが、それは原価以上できちんと売れた場合の話です。このマンション市況では原価割れでの販売の可能性も高いでしょうし、おそらく土地には銀行の抵当権が設定されているでしょうから、その残りしか回収できない可能性もあると思います。つまりは、その差額が損失となる可能性が高いということです。

そして、それ以上に深刻なのは、顧客宛の引渡までまだ時間の掛かる建築中の物件です。この環境下、プロジェクトを最後まで遂行して販売しても損が出るだけだと日本綜合地所が判断すれば、プロジェクト自体を途中で中止することもあり得るでしょう。その場合、長谷工が工事代金を回収する方法は、他の事業主を見付けて来るか、自らが(土地も買い受けて)事業を続けるかしかありません。この環境では、前者は非常に難しいでしょう。名乗りを挙げる事業者がいたとしても、相当に買い叩かれることは容易に想像できます。そして、後者であれば、更なる持ち出しが発生することになります。

最近倒産しているデベロッパーのほとんどは、資金繰りに行き詰まって倒産しているケースです。その最後のツケは、徐々にですが確実に、今までデベロッパーを散々食い物にしてきた長谷工に向かいつつあるようです。

最後に、長谷工の第3四半期決算発表は2月12日の予定とのこと。その時点で、特別損失の計上、棚卸資産減損による大幅利益減少、繰延税金資産取り崩しによる自己資本大幅減少の3点セットが公表されることでしょう。長谷工の命運が尽きる日は、確実に近付いているようです。

P.S. 現場の近況もお伝えしておきます。吉祥寺レジデンシアは相変わらず地下部分の工事を続けており、地上部分の工事が始まる気配すら見られません。一方、パークホームズ吉祥寺グランテラスの方はと言えば、既に4棟あるうちの東西の2棟は地上階の躯体工事が進んでいます。これだけ工事進捗に差があって、かつ階数は2倍の差。なのに完成時期はほぼ一緒。これで同等のクオリティが出せるほど、長谷工の施工技術は抜きんでて高いのでしょうか?

グランテラス工事風景(方やグランテラスは地上階の工事中、クリックで拡大)

レジデンシア工事風景(方やレジデンシアはまだ地下の工事中、クリックで拡大)
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