吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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マンション業界救済は不要な政策

センスないことで定評のある吉祥寺レジデンシアの広告ですが、外観パースを基にした新たなキャッチコピーが加わったようです。それは、「吉祥寺を込めた208邸」(笑)。最早、その意味するところすら不明です。吉祥寺アドレスしか売りがないのは分かりますが、あまりに「吉祥寺」を連呼するバナナのたたき売りのような姿勢には哀れさすら漂います。

新設された看板(看板が増えました、クリックで拡大)

なお、あるニュースサイトに「吉祥寺レジデンシア」のバナー広告が出ていました。後にも先にも一度きりしか見たことがありませんので、結構貴重かも知れません。ここでも「吉祥寺」を連呼する下品な広告を、ご興味のある方はご覧下さい。

バナー広告(吉祥寺連呼の広告、クリックで再生)

吉祥寺レジデンシアについてはこれ位にして、話は止まるところを知らないマンション不況に変わりますが、それをもたらしたのはマンション業界の非常識なまでの強欲さです。規制緩和を悪用して、周囲との均整のとれない巨大マンションを次々と供給した結果、実需を大幅に超過する大量供給を全国的に展開して需要を先食い。自分たちが勝手に土地の買値をつり上げた分は、「新価格」、「新・新価格」と称して顧客に転嫁しようと目論んだ結果、顧客からそっぽを向かれて値下げの嵐。これ程までに身勝手な業界を、私は他に知りません。

このような業界は、一旦徹底的に浄化して需要と供給のバランスをとることが必要だと思いますが、何故か必ず業界と癒着した政治による救済が図られることは、以前の不況期における規制緩和の嵐が示す通りです。今回も、既に御用学者による規制緩和キャンペーンと、それを受けた容積率緩和というワンパターンな業界へのアメが配られようとしていることは、以前のエントリ「御用学者、出動。」「バラマキ追加経済対策と容積率緩和」でも触れましたが、政府およびその忠犬たる御用学者たちによるキャンペーンは止まるところを知りません。

いくつか例を挙げましょう。先ずは、第一生命経済研究所が11月12日に発表した「容積率緩和が住宅投資に及ぼす影響」というレポートから。このレポートは、サブタイトルの「20%の緩和で名目GDP1.3兆円分の潜在需要創出」が示す通り、「容積率緩和→内需拡大」というワンパターンな主張ですが、その内容は実に稚拙なものです。

内容については、「バラマキ追加経済対策と容積率緩和」でも紹介済の御用学者・八代尚宏氏による週刊東洋経済11月1日号の「容積率の引き上げで内需拡大を」参考文献に挙げていることでも分かる通り、その単なる焼き直しです。細かく引用する価値は皆無ですので、ご興味をお持ちの方はリンクを辿ってご覧下さい。

しかし、冒頭から引用する総務省による統計名を間違えており((誤)「住宅・土地基本調査」、(正)「住宅・土地統計調査」)、論文としての体をなしていません。更には、築30年以上を経過した老朽化共同住宅が「全体の7.9%もあり、安全面からもその建て替えが緊急の課題となっている」とありますが、同じ統計中の住宅の空室率は13.0%に上り、老朽化住宅を全て解体しても依然として総世帯数を上回る住宅が供給済であることは見事にスルーされています。何故、この手の輩の主張する共同住宅の終末処理は、建て替えしかないのでしょう?

確かに、老朽化した住宅に住み続けることは酷な面もありますが、だからといってアメを与えないと建て替えができないような「分譲マンション」というシステム自体に問題があることは明白です。戸建住宅は自己責任で建て替えを求められる一方で、マンションだけが特別扱いされる。これでは「共同住宅が普遍化した」とは到底言えないでしょう。普遍化した存在だと主張するなら、特別扱い自体止めるべきです。上で見た住宅の空室率を見ても分かる通り、これだけ住宅供給超過の中で、敢えて分譲マンションのような欠陥だらけのシステムに固執するのは、持家幻想の弊害とまで言ったら言い過ぎでしょうか。

話をレポートに戻すと、別の箇所では容積率と地価の関係を回帰分析で求め、高い相関関係が認められると結論付けています。このこと自体は当然の帰結ですが、決定係数は0.997と異常に高い相関関係を示しており、個別性の高い地価・賃貸料からはにわかには信じられない結果となっています。どうも「結論先にありき」的な匂いがすると思ったら、回帰分析のサンプル数が23しかなく、その抽出方法も全く示されていません。また、容積率のt値が有意水準を10%に落としているにも関わらず-1.985と(有意性を棄却される)絶対値2を下回っていることもスルーです。

こんな穴だらけのレポート、よく公表したなと思ったら、その秘密は筆者にありました。筆者として名前が挙がっている主席エコノミスト・永濱利廣氏ですが、こちらに経歴が紹介されています。それによれば、1998年より2年間、(社)日本経済研究センターに出向しています。

この日本経済研究センターですが、こちらの概要を見れば分かる通り、歴代の会長・理事長には、八代尚宏のような御用学者をはじめとして、学者・エコノミストでも官僚・政府系金融機関出身者ばかりが名を連ねています(それ以外は何故か日経出身者)。これらの人物の共通した特徴は、官費で海外留学して博士号を取得し、その後学者やエコノミストに転じていることです(御用学者共通の特徴でもあります)。このような国に大きな借りのある人物が、政府の忠犬となってさも政府の施策を学術的にも正しいかのように喧伝しているのが、多くのマスコミに登場する学者・エコノミストの姿です。

話が逸れましたが、このエコノミストとして大した実績もない永濱利廣氏が色々と重用されるのも、こうした経歴が大きくモノを言っていることは想像に難くありません。別に処世術としてそれ自体は何ら批判されるものではありませんが、およそ門外漢の問題にまで首を突っ込んで、政府のマンション業界救済策に便宜を図るのは勘弁して欲しいものです。

この他にも、11月19日付の日経新聞に掲載された「経済教室」には、八田達夫・政策研究大学院大学学長による「不況期こそ規制改革推進」と銘打たれた小泉構造改革の自己弁護が掲載されています。小泉構造改革による規制緩和事例として、「都心の容積率緩和やタクシー台数の自由化などが(中略)不況時の失業拡大を食い止めるのに決定的な役割を果たした」と自画自賛する一方、「派遣労働の自由化は、不況が生んだ失業を抑制した」と規制緩和の負の側面には目もくれません。

また、タクシー台数の自由化について、「高齢者雇用が顕著に増加し(中略)、合算すると現役世代より高い収入が得られているという話を多くの年配の運転手から筆者は聞く」と書いていますが、ここではタクシー運転手の大宗を占める現役世代は完全に無視されています。タクシー乗車の際に「最近どうですか」と聞くことは多いですが、残念ながら八田氏が紹介するような声に接したことは一度もなく、「過酷なシフトによる長時間労働」、「厳しい歩合制による収入減」、「乗車率の低下による顧客減少」といった嘆きの声ばかりです。余程、八田氏は高齢ドライバーのタクシーばかりを選んで乗車されているようです。

そして、肝心の容積率緩和ですが、「不況対策として有効なのは(中略)住宅であろう。(中略)波及効果の大きさを考えて住宅部分の規制改革を進めることも重要だ」として、「都心のマンションの基準容積率引き上げ」を提唱しています。具体例として、「東京・八重洲地区を職住接近型に再開発するケース」を検証していますが、ここではその詳細は割愛します。

しかし、高層マンション建設に伴う居住人口増加に伴う公共インフラ(学校・病院など)をどうするかは完全に無視しており、机上の空論も甚だしい内容です。急速な居住人口増加に伴う公共インフラ不足が、住民に著しい不利益を与えるかについては、豊洲地区の巨大マンション林立が既に実証済ですが、その程度のこともご存じないままに書いているのだとすれば、八田氏の良識が疑われるというものでしょう。

八田氏については、もう少し真っ当な経済学者だと思っていたのですが、残念ながら八代氏との共著が多いことでも分かる通りの御用学者に過ぎなかったようです。拡大一方の経済政策が限界に達していることは明白です。同じ景気対策であれば、低炭素社会を目指した投資や、小中学校などの耐震化推進など、後世にも生かせる投資を拡充すべきでしょう。それが結果として景気の下支えになるのであれば、無駄な公共投資や住環境を破壊し尽くす容積率緩和とは違って、意義ある投資だったと後々までも評価されることになると思うのですが…
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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