吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

バラマキ追加経済対策と容積率緩和

10月30日のノエルに続き、31日にも康和地所ダイナシティマンションデベロッパーが相次いで倒産しました。お馴染みの帝国データバンクの大型倒産速報によりますと、

不動産販売、介護事業 康和地所株式会社 民事再生法の適用を申請 負債143億5300万円

 康和地所(株)(資本金5億2054万円、千代田区麹町4-8、代表夏目康広氏、従業員120名)は、10月31日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた(中略)。

 当社は、1999年(平成11年)2月に設立。「リリーベル」のブランド名でファミリーマンションの自社開発分譲を主力に、その他不動産開発・企画および仲介・販売代理を展開。外断熱工法(断熱材を外壁の外に配す手法で、冷暖房効率の向上や結露の予防が見込める工法)を使ったマンション「リリーベルサーモス」シリーズを2002年2月末に首都圏で初めて販売。高付加価値機能を取り入れたマンション開発による他社との差別化に加え、2003年10月から新たに介護事業にも参入し、東京都世田谷区内3ヵ所にて「ケアステーションすずらん」の運営ほか、2007年5月に「デイサービス梅丘」を開設するなど訪問介護、通所介護事業を展開し、2007年9月期には年売上高約135億1700万円をあげていた。

 しかし、改正建築基準法による建築確認の遅延、分譲住宅価格上昇に伴う顧客の買い控えに加え、サブプライムローン問題に端を発した金融市場の混乱など、不動産業界を取り巻く急激な変化で、2008年9月期に入り売り上げが減少、金融機関からの借り入れ負担も重く資金繰りが悪化していた。こうしたなか、10月末の決済資金が確保できず、支えきれず今回の措置となった(後略)。


マンション開発・販売 ジャスダック上場 株式会社ダイナシティ 民事再生法の適用を申請 負債520億7700万円

 (株)ダイナシティ(資本金114億9764万966円、港区虎ノ門4-3-1、代表吉田雅浩氏、従業員190名)は、10月31日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(中略)。

 当社は、1994年(平成6年)9月に設立。コンパクトマンションの開発・販売を主体に「ダイナシティマンションシリーズ」などの企画・開発・販売を手がけていた。開発物件は、独身・夫婦世帯などジュニアファミリー層向けに都心駅近くの物件を得意としており、2001年12月には店頭公開(現・ジャスダック)を果たし、その後も関係会社の設立や大阪支店の開設、上場投資会社との事業提携など積極的に事業を展開、2001年3月期に約169億1600万円だった年売上高は2005年3月期には約506億2600万円に達していた。

 こうしたなか、2005年6月には当時の代表取締役社長、中山諭氏が覚せい剤取締法違反により逮捕される事件が発生。同氏は社長を解任されたほか、同年8月には子会社の前代表が強制わいせつ容疑で逮捕されていたことが報道されたことで信用悪化を招いていた。同年12月にはライブドアグループと資本・業務提携したものの、翌2006年1月には(株)ライブドアが東京地検特捜部と証券取引等監視委員会から証券取引法違反容疑で家宅捜査を受ける事態となっていた。同年6月にはライブドアグループが所有する当社株式を(株)インボイス(東京都)に譲渡されることが決議され、同社グループの傘下に入り再建を図っていた。

 この間、本業面においては2006年3月期に年売上高約604億7500万円を計上するなど堅調な推移をみせていたが、得意としていたコンパクトマンション市場への大手マンションデベロッパーの参入や同業界を取り巻く環境の悪化から2008年3月期の年売上高は約315億6000万円にダウン、損益面はソリューション事業(物件のバリューアップ)において保有している物件および収益性が低いプロジェクト物件の評価見直しなどで多額の特別損失を計上したことで約92億2100万円の当期損失を余儀なくされていた。今期に入り、不動産市況が大幅に悪化したことで保有物件の売却も進まず、資金調達も急速に厳しくなったことで今回の措置となった(後略)。



前代表が覚醒剤所持で逮捕されたような非常識なワンルームマンション業者の倒産などどうでもいいですが、外断熱マンションにこだわりを持って事業展開していた康和地所の倒産は残念な気もします。知名度、割高感などで仕方ない面もあるのでしょうが、すくなくとも安普請の大型マンションを造り続けて平然としている某社がのさばる業界に、良いものを造れば消費者は評価してくれるという変化を起こしてくれればと期待していたのですが。あれ程高額の物件の中身が、依然としてきちんと評価されていないことが、マンション業界のモラルのなさを助長している気がしてなりません。

さて、そんな深刻なマンション不況が続く中、30日に政府の追加経済対策が発表されました。その中身は首相官邸のHP内に紹介されています(概要1(2ページ)概要2(11ページ)概要2の詳細版(25ページ))し、報道でも再三解説されていましたので、いちいち詳しく言及しませんが、バラマキ型だとの批判が強いことはご承知の通りです。

最大2兆円の生活支援定額給付金(仮称)という「史上最大の愚策」として定評のある地域振興券の失敗から何も学んでいなかったとしか思えない愚策や、ETCに限定した高速道路1000円乗り放題(大都市圏除く)という需要喚起の衣を被ったETC普及策など、突っ込みどころも満載ですが、本ブログ的には無関係なので割愛します(なお、同時に3年後の消費税率引き上げを明言するなど、追加経済対策の名を借りた各省庁の要望実現を感じさせる点が多い点に、麻生政権の底の浅さが見え隠れしていますね)。ここでは、「住宅投資・防災強化対策」という施策の中心である住宅ローン減税と、そこにどさくさ紛れに盛り込まれた容積率の緩和について採り上げたいと思います。

先ずは、住宅ローン減税について。減税の規模を過去最高水準に引き上げるという方針がマンション需要を刺激するという声がありますが、非常に眉唾ものです。先ず、そもそも減税で需要を喚起できるということは、相応の需要があるということが前提ですが、現在のマンション販売低迷は過去の大量供給によって需要を先食いしてしまった部分が相当に大きいと見るのが妥当でしょう。そのようなニーズ自体が減少している中で、一体何の需要を喚起すると言うのか? 単に、たまたま今購入する人が漁夫の利を得るだけではないのか? そんな疑問を感じて仕方ありません。

唯一救いがあるとすれば、減税の中身として「環境・高齢化問題等のための省エネ・バリアフリー等の住宅リフォーム減税の検討」が謳われていることでしょうか。最早、「建て続けることで景気を高揚する」という高度成長期の経済施策が時代遅れであることは明白です。こちらに減税の主眼が置かれるようなことになれば、日本も成熟した社会へと変貌を遂げたのだと実感できるのですが… 報道を見る限りは難しそうです。

そして、今回の本題とも言えるどさくさ紛れに盛り込まれた「容積率の緩和」についてです。景気対策としての容積率緩和の荒唐無稽さは、以前のエントリ「御用学者、出動。」でも見た通りですが、そこでも紹介した御用学者・八代尚宏氏は、週刊東洋経済11月1日号の「経済を見る眼」という記事でも、「容積率の引き上げで内需拡大を」という業界の陳情そのまんまな主張を性懲りもなく繰り返しています。

そのワンパターンな内容を詳しく紹介することは時間の無駄なので止めますが、「規制改革の効果が表れるまでには長い時間がかかるという『常識』があるが、その例外が容積率規制の改革である」、「納税者の負担で整備された公共性の高い都市空間では、地権者の財産権についても一定の制約を設けることが必要になる」、「建物の前面道路の幅員規制の見直しも合わせて行うことで、現状の容積率自体が、たとえば東京都区部では半分強しか活用されていない状況を改善できる」、「もし未利用容積率がない場合でも、住民の安全性が確保できるならば、特例として容積率を割り増すことが建て替えに有効な手段となる」といった部分を引用しただけでも、「これって不動産業界の陳情書?」と思わざるを得ない内容です。

容積率緩和が、時によって景気低迷対策、地価高騰対策と全く正反対の場面で主張されてきたことは無視して、根拠のない容積率の緩和の経済対策としての有用性を説くところや、高層建築物の被害を受ける側の財産権の制約だけを一方的に主張するところ、はたまたマンションの終末処理は建て替えしか頭にない点など、流石は業界の利益の代弁者たる御用学者の面目躍如たるところです。このようなエセ経済学者をいつまでものさばらせておくのは、はっきり言って日本の恥ですね。

話が追加経済対策から逸れてしまいました。一般の報道の中では、追加経済対策の中身としてこの「容積率の緩和」に触れたものはほとんど見られません。首相官邸のプレスリリースの中でも、「住宅ローン減税や容積率の緩和などを通じて住宅投資等を促進するとともに、省エネ、子育て等に資する住宅の普及を支援する」として、具体的施策の中に「容積率の緩和(高度な環境対策を行う建築物、優良な都市開発プロジェクト等)」と簡単に書かれているに過ぎません。

しかし、過去の総合経済対策や緊急経済対策に盛り込まれた容積率の緩和や、地下室の容積不算入が、都市景観にどのような問題を引き起こしたかを考えれば、この施策が如何に国民生活に多大なる負荷を与えるものかは一目瞭然でしょう。それを更に緩和しようとする。熱心な規制緩和論者である森ビルをはじめとする一部都市型不動産業者や、長谷工のような脱法巨大マンション群を建てまくる環境破壊型事業者だけに多大なるメリットのある容積率の緩和を、更に推し進めようとすることが本当に必要なのでしょうか。先程の住宅ローン減税の箇所でも指摘した、住宅の質的向上を図る方向にシフトすることが、環境への負荷を軽減するサステイナビリティに配慮した対策だと思うのですが。

このような観点の指摘を行っている、さくら事務所・長嶋修会長の「今こそ内需拡大を、住宅政策を」をご紹介して、本日のエントリを終わります。世界的に低成長時代に突入していることが顕著な今、これまで以上に税金の使い道には目を光らせる必要があることを今一度真剣に銘々が考え、このような火事場泥棒的な規制緩和に断固反対する必要があるのではないでしょうか。

「量の追求」より「質の追求」へ

 テレビのとある政治討論番組で中川財務相が、「建物の耐震」「容積率の緩和」について触れていた。

 「建物の耐震」を推進するのはとてもいいことだ。現在、オフィスビルや学校はもちろん、既存住宅の耐震診断、耐震補強はほとんど進んでいない。「お金がかかるから」がその主な理由だ。一般的な住宅について耐震補強を施せば、平均的に120万円以上かかる。これに対する補助をいくつかの自治体が行っているが、補助額はせいぜい50万円が上限で、あまりにも低すぎるため、耐震診断・耐震補強はなかなか進んでいない。補助金の増額や、固定資産税の減免、ローン金利補助などについて、思い切った策を講じたい。住宅の安全性も高まり、災害対策としても非常に有効であり、必要のない道路を造るよりはよほどマシだ。

 一方、「容積率の緩和」は、主に都心部・都市部のオフィスをイメージした政策と見られるが、これは、ほかから需要を吸い取る「ストロー現象」を生み出すため、今度はそれに対処しなければならならない。効果は限定的だし、政策としてはやや苦しい。局地的な地価上昇を生み出し、需要を吸い取られた地域との格差を拡大させてしまう。

 もし新築需要を生み出したいなら「容積率緩和」のような「量の追求」より、先述した「耐震性」や断熱などの「省エネ性」、修繕や更新のしやすさとしての「メンテナンス性」など、「質の追求」に向かったほうがいいだろう。これはオフィスだけなく、住宅についても言えることだ。将来に建物という確実な資産を残すことにつながるし、省エネルギーな国づくりができる(後略)。

スポンサーサイト

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://higashichomanshon.blog86.fc2.com/tb.php/134-d030d37a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。