吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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用途地域の抜本的見直しを!

今日の話題は、法政跡地問題とは直接の関係はありません。しかし、私がマンション問題の本質と考えていることを、別の切り口からあぶり出している記事を、今朝(5/14)付の日経朝刊に見つけましたので、そのことについて考えてみたいと思います。

ご紹介する記事は、住宅接近、工場街悩む・騒音に苦情、移転なら雇用維持できずというもので、NIKKEI NET上でも記事の最初の方だけ紹介されています。

 東京や大阪の中小製造業が隣接する住宅やマンション住民との共存に悩んでいる。工場街は交通の利便性から空き地が住宅として活用されているが、引っ越してきた住民にとっては工場の騒音などが悩みの種。中小企業の方もトラブルを避けるため、設備増強などが進められない。中小は住民との対話の場を作ったり、繁忙期の作業場の提供を地方の企業に求めたりと、住民との共存に知恵を絞っている。
 大阪府大東市では昨年7月、地元企業と住民の代表双方が参加し住宅と工場の「調和」を目指す協議会を発足した。市内の工場集積地の工場跡地に大型マンションや住宅の建設が相次ぎ、騒音トラブルなどが顕在化し始めたためだ。地元社員の雇用を維持するため、工場移転は難しい。



Web上の記事紹介は、この出だし部分のみで終わっています。しかし、本当に重要なのは紙面でこれに続いている次の1センテンスです。

 工場集積地は都市計画法用途地域で「工業地域」や「準工業地域」に指定されるが、住宅建設は制限されない。そのため工場移転などで広大な敷地が空くと、住宅開発会社が取得し大型物件を開発する流れがここ数年続いている。モデルルームがにぎわう週末は機械が止まるため、音などの実態を知らずに購入するケースもあるという。



以下は具体的な事例の紹介が続きますが、それは本ブログの関心とは無関係なので割愛します。ここまで引用すれば、もう何を言おうとしているかは明白でしょう。被害者が地域住民か中小工場主かの違いはあれど、マンションデベロッパーの「自分さえ良ければそれで良し」という身勝手な姿勢の代償を、地域に先住するものが支払わなければならないという理不尽さが、そこには存在しています。

そして、このような理不尽さの根源となっている制度こそ、都市計画法に基づく「用途地域」だと考えます。用途地域の本来の目的は、地域特性を考慮して土地の利用方法を定め、用途の混在を防ぐことにある筈です。しかし、実情は現状を追認して制定されているため、周辺が全て戸建中心の住宅街であっても、既に大手メーカーの工場があれば工業系の用途地域に指定されたり、大学があれば大学用地だけ用途地域が緩和されたり(大学は最も規制が厳しい第一種低層住居専用地域には建設できない)しています。

現に、ここ法政跡地にしても、吉祥寺東町はほぼ全域が一種低層地域であるにも関わらず、武蔵野美大があるために武蔵野美大・法政跡地・市立第三中学校を含むエリアのみ、第一種中高層専用住居地域に緩和されています(それが証拠に、元・法政一中高と同程度の校舎が建っている吉祥女子中高は(建ぺい率・容積率は緩和されているものの)一種低層地域です)。

吉祥寺東町の都市計画図
(駅周辺を除き、ほぼ全域が一種低層。中央黄緑部分が法政跡地、右端の斜線部分が吉祥女子。クリックで拡大)

その結果、工場や大学が移転した跡地を心ないマンションデベロッパーが購入し、用途地域が緩和されている経緯など完全に無視して、「用途地域上建築可能であり、何ら違法性はない」と称しては、周囲に大変な迷惑を及ぼす巨大マンションを建築しているのが、ほとんどのマンション建設紛争の本質だと思います。そして、そのような紛争を最も多く、且つ大規模に起こしている企業こそ、長谷工なのです。

先の中小工場街の問題も本質は全く一緒です。本来工場密集地である地域特性を無視してマンション建設を強行し、しかもその地域特性に起因する騒音問題等は顧客に説明しないままに販売。結果として、本来売り主であるマンションデベロッパーが負うべき責任を、先住者である工場主たちが負わなければならない。この理不尽さは、どこかで歯止めを掛けなければ、マンションデベロッパー各社のモラルに任せていても決して解決しないことは、既にここ数年の乱開発の歴史が雄弁に物語っています。

お願いの看板
(こんな看板見つけました、クリックで拡大)

このような無法状態を早急に解消するため、都市計画法を改正し、用途地域に一定の制限を課すことが必要でしょう。とは言え、一方的に用途地域の規制を厳しくすることは、既に居住している人の権利を侵害することになりますので、なかなか難しいと思います。

そこで、地域特性から判断して、明らかに特定の施設のためだけに用途地域が緩和されているエリアについては、当該施設が存続する間だけ当該用途地域を適用し、その施設が移転等した場合には、その時点で周囲と同様の用途地域に変更するという、いわば用途地域版「(大相撲の)一代年寄株」とでも言う制度を創設して欲しいと思います。

勿論、土地利用を制限することは既得権者の反発も強く、一朝一夕ではなしえないとは思います。しかし、これ以上の乱開発を抑制するために、そして(法政のように)本来の(用途地域緩和)経緯をわきまえずに「金儲けをして何が悪い」と言い放って、土地をモラルなきマンションデベロッパーに売り払って去っていくような「逃げ得」を許さないためにも、是非このような歯止めが必要だと考えます。

ともかく、実態にそぐわない用途地域規制が、マンションデベロッパー各社の脱法行為を助長していることは動かしがたい事実です。何とかこの現実を変えていくために、できることを少しでもやっていきたいと思う今日この頃です。
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テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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  • 2008/10/25(土) 09:22:01 |
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