吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

突貫工事で安普請仕上げの吉祥寺レジデンシア

昨日は土曜日にも関わらず、ほぼ終日コンクリート打設工事を行っており、ひっきりなしに現場を出入りするコンクリートミキサー車が女子大通りを多数通過し、コンクリートを流し込むポンプの騒音が周囲にそのまま垂れ流されていました。

コンクリート打設作業の様子(ひっきりなしに出入りするコンクリートミキサー車、クリックで拡大)

これまでは、土曜日にコンクリート打設工事を行ったことはなかったように記憶していますが、いよいよ突貫工事モードに突入したということでしょうか。多くの人が休日となり、在宅率もうんと高まる土曜日すら、安息の日ではなくなってしまうようです。長谷工に少しでも防音対策を強化しようという気があれば、ここまで周囲に騒音がまき散らされることもないと思うのですが、現場を見る限り、長谷工にそうした配慮を行う気持ちは皆無のようです。

そんな突貫工事の甲斐あってか、南東側のD棟を中心に、吉祥寺レジデンシアの無粋な姿が徐々に現れて来ました。下の写真は、現地をやや遠方から撮影したものに、大まかな吉祥寺レジデンシアの躯体を書き入れてみたものです。その周囲の低層住宅街から浮き上がる異様な姿が良くご理解いただけることと思います。今からでも遅くはないので、このような周囲に調和しない建築物は、根底から抹殺されれば良いのですが…

吉祥寺レジデンシアの外観ボリューム(周囲と全く調和しない外観ボリューム、クリックで拡大)

それは無理としても、せめて長年この地に存続することになる建物だから、少しでもマシなものが建ち上がることを期待しているのですが、残念ながら、工事現場を観察したり、HP等で公開される情報を見る限りでは、それはおよそ期待できないことのようです。いくつか、気になる安普請さを指摘してみたいと思います。

先ず、外階段です。何故か、ここの現場では必ず先に外階段が組まれ、その後に躯体が造られるようです。下の写真は、一番北東側の外階段の姿です。これを見ると、鉄骨が剥き出しの状態の階段であることが分かります。

鉄骨剥き出しの外階段外階段の様子、クリックで拡大)

実は、吉祥寺レジデンシアの配棟図などを見て、勝手に外階段は全て鉄筋コンクリート造だろうと想像していました。何しろ、まがいなりにもそれなりのお値段のする吉祥寺レジデンシアですから、最近では相当の安値マンションでしかお目にかかれない鉄骨剥き出しの外階段の訳がないと思い込んでいたのです。

しかし、こうして先に鉄骨だけの外階段を造り付けてしまえば、後からコンクリートを打設することなど不可能でしょうから、これはこれで確定なのでしょう。鉄骨剥き出しの外階段について、以前にもご紹介した碓井民朗著「マンションの常識・非常識」ではこう指摘しています。どう判断されるかは、皆さんにお任せします。

 (前略)しかし、このマンションを拝見して気になったことがありました。それは外廊下・外階段が鉄骨でできていたことです。デザイン的にはきれいにできていましたが、入居者の身になって設計していないな、というのが私の印象でした(中略)。

 鉄骨階段は、工場で製作し、錆止めされたものでも、建築現場で組み立てると、若干の調整が必要です。この組み立て調整の時にビス穴を若干削ったり、階段本体を若干削ったりして、錆止めが剥がれてしまいます。そこから錆が発生して錆汁が垂れてきます。このメンテナンス費用が結構かかります(中略)。

 こういうクレームがあちこちの分譲マンションからあり、最近の分譲マンションの外部階段は、90%近く鉄筋コンクリート造(RC造)です。また、大手デベロッパーの設計基準書でも外部階段の鉄骨階段仕様は禁止しています(中略)。

 外部階段を鉄骨で美しくデザインすると、きれいで工事費も鉄筋コンクリート造よりも安いです。でも、分譲マンションではご法度です(後略)。(P.177-179)

マンションの常識・非常識 (QP Books)マンションの常識・非常識 (QP Books)
(2005/06)
碓井 民朗

商品詳細を見る



次に、吉祥寺レジデンシアのHP内にある「設備・仕様」についての記載について。その中の、資産の礎という所には、吉祥寺レジデンシアの設備について、色々と説明があります。このうち、「24時間換気システム」についての説明については、こうあります。

住戸内の汚れた空気・湿気等を排出し、新鮮な空気を取り入れます。慢性的な換気不足を解消して、常に室内をクリアな状態へと導きます。

換気システム(24時間換気システム概念図、クリックで拡大)



しかし、この「24時間換気システム概念図」は、「マンションの常識・非常識」では「ピンからキリの24時間換気システム」の「キリ(安価)」として紹介されている「第三種機械換気」です。このシステムの特長とデメリットについては、こう記載されています。

 (前略)「第三種機械換気」とは、排気のみ機械で強制的に外部に排出するシステムです。吸気はどうしているかというと、昔ながらの外壁面についている吸気口(レジスター)から外気を導入しているわけです。これですと入居者は冬場、吸気口を開けていますとモロに寒いので、ほとんどの方が吸気口を閉めています。
 吸気口を閉めていますと、「第三種機械換気」では機械で強制排気いたしましても、マンション等は高気密ですので、入ってくる空気がなければ排気ファンは空回りしているだけです。住戸内の汚れた空気を排気いたしません(後略)。(P.203)



碓井氏は、吸気と排気を、双方別々のダクトと機械を設置して、強制的に吸排気する「第一種機械換気」で、かつ、熱交換器をつけて、冬場の冷たい外気と部屋の暖まった汚れた空気を強制排気によって熱交換するものがベストとしています。どちらが良いかは、言うまでもないでしょう。

なお、ついでながら、この「資産の礎」の中にある戸境壁の説明には、明らかな嘘が含まれています。

戸境壁の厚さは約180mm。さらに内装仕上げの下地材をコンクリート壁から離すことで隣戸間の遮音性能を高めています。
二重壁の説明図(二重壁の説明図、クリックで拡大)



二重壁が遮音性能で著しく劣ることは、「吉祥寺レジデンシア」の広告から透けて見えるものに既に記載しましたので、そちらをご参照下さい。このような嘘を平然と書き記す神経が理解できません。

なお、一応補足しておきますと、吉祥寺レジデンシアは長谷工標準仕様の直床仕様ではなく、二重床仕様です。この点だけは、一応ましな仕様だと評価しておきます(他社では当たり前ですが)。

他の安普請振りについては、ここまでご紹介した通りです。これが、2千万円台の格安物件ならともかく、7~8千万円もする高額物件です。高いのは土地代が高かったからで、建物は格安物件並みでは、ちょっと悲し過ぎるとは思いませんか?

最後に、余談ながら、前回ご紹介したプレミアムプランですが、個人的には全く「プレミアム」ではないと思っています(単に専有面積が多少広いだけ)。これまた「マンションの常識・非常識」の中で、「安っぽい"億ション"に注意」として、以下のように書き記しています。

 (前略)ここまでは良かったのですが、住戸の中に入ってびっくりです。まずプラン(間取り)が、高級マンションのプランではないのです(中略)。玄関を入って真正面に洋室のドアがあり、絵を飾る壁もないのです。通常「億ション」の住戸プランは、最低でも住戸内のプライベートゾーンとパブリックゾーンを分離(P・P分離)いたします。そうすれば、当然、玄関ホールはパブリックゾーンですので、プライベートゾーンの洋室の扉が正面に来ないはずです。
 さらに中に入ってよく見ますとびっくり仰天でした。なんとLDKなのです(中略)。
 高級マンションの台所は、クローズドキッチンにすべきです。居住者がお客様をお呼びした時には、一流ホテル等からケータリングサービス(食事の宅配でシェフも一緒)をしてもらいますので、台所の中が見えないように設計します。このマンションの設計者は、全く高級マンションに住む人のライフスタイルがわかっていませんでした(後略)。



吉祥寺レジデンシアの売主の一社である興和不動産が真っ当だった頃に手掛けていたホーマットシリーズをはじめとする高級マンションに入ったことのある方なら、この指摘がもっともだということはご理解いただけることと思います。個人的には、吉祥寺という立地でここまでする必要はないと思いますが、何が「プレミアム」なのか、その点についてはしっかりと考える必要がありそうです。
スポンサーサイト

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

プレミアムプランの行方

関東地方もいよいよ梅雨入りとなり、不快指数の増す日々が続いています。そんな中、吉祥寺レジデンシアの不快な姿が徐々に高くなってきており、さらに不快さが増していくのを感じてしまう今日この頃です。

建築中のD棟(建築中のD棟の様子、クリックで拡大)

さて、そんな吉祥寺レジデンシアですが、いくつか動きがありました。先ず、入居時期が早まっています。「物件概要に記載の入居時期については平成22年4月上旬予定と掲載しておりましたが、平成21年6月9日をもって平成22年3月下旬予定に変更となりました」とあり、3月末に間に合わせるべく、スケジュールを前倒しにしたことが分かります。マンション工事が大幅に減少しているので、大幅に余っている人員を、残った数少ない現場に集中投下することにしたのでしょうか? それにしては、建物竣工時期は3月上旬と、相変わらず引渡しまで長くても3週間程度しかないタイト過ぎるスケジュールのままですが…

もう一つの動きとしては、スケジュールとして「6/13(土)より会員限定分譲」が謳われるようになりました。会員限定分譲なるものに何のメリットがあるのか知りませんが、長谷工一味の提示するバカ高い値段をそのまま受け容れる上顧客向けの分譲というほどの意味でしょうか? そんな人いるとも思えませんが…

因みに、販売戸数91戸、販売価格5,110万円~9,990万円、専有面積60.24m2~94.70m2といったデータもようやく開示されました。この数値に基づけば、販売坪単価は2,804~3,487千円/坪と、ほぼ吉祥寺レジデンシアの価格差が意味するもので検証した通りの結果となります。はっきり坪30~50万円程度は割高でしょう。将来的に1千万円前後の値引きは必至と推測しますが、果たしてどうなりますことやら… 販売第1期から第1次、第2次…と延々と分割せざるを得ないような悲惨な結果になるかも知れません。水面下の大幅値引きで好調を装うのかも知れませんが。

ここで、この物件概要を見て、非常に不思議に感じたことがあります。それは、わざわざモデルルームまで用意しているプレミアムプランの分譲が1戸もないことです。「Premium Planは全邸100m2超」とHPに謳われている以上、最大で94.70m2の今回の分譲住戸にはプレミアムプランの対象住戸は1戸も含まれていないようです。これは一体どういうことでしょう?

プレミアムプランのページには、「オーダーメイドシステム(Premiun Plan限定)」と銘打って、「設備・仕様や間仕切りの変更などが可能」ということがアピールされています(これ自体は、「スケルトンインフィル仕様」として全面的に採用されているマンションもありますので、特筆するほどのことではありませんが)。そこにはわざわざ注釈として、「オーダーメイド(設計変更)のお申し込みには期限がございます」と記載されており、普通に考えれば早期に販売開始するのが筋というものでしょう。にも関わらず、第1期には1戸もプレミアムプラン住戸は販売されない。実に不思議な気がします。

ここに、一つの仮説があります。それは、長谷工プレミアムプランを売りにはしているが、もしかして、実際に販売する気はそれほどないのではないか。プレミアムプランの存在は、モデルルームの質感等を増すための方便なのではないか、というものです。

この仮説には、いくつかの根拠があります。一つは、長谷工の工事の進捗度合いです。現在、最も建物が立ち上がって来ているのは、長谷工言うところのD棟(東南側)です。しかし、残るA~C棟のうち、プレミアムプランが用意されているのは、北側のA、C棟だけです(B棟は低層なのでちょっと性質が異なります)。つまり、穿った見方をすれば、プレミアムプランの対象となる住戸の工事進捗を意図的に遅らせているようにも見えます(因みに、プレミアムプランがあるのは5階以上です)。

単なる工程上の都合なのかも知れませんが、それ以外にもそう思わせる根拠はあります。実は、吉祥寺東町の地区計画が導入される前後で、吉祥寺レジデンシアの総戸数は209戸から208戸に1戸だけ減少しています。絶対高さ制限が25→24mと強化されたことによるものと説明されましたが、非常に不自然な感は否めません。というのも、高さ制限が強化されても、それによってわざわざ1階の部屋を地盤面より低くしてまで戸数を維持しようとしたほど強欲な長谷工です。この程度のことで戸数を自発的に削減する訳がありません。

このとき削減された1戸というのは、7階西棟の北端妻側住戸なのですが、このとき、他にも一部の住戸の分離・統合がなされています。それは、6階東棟の北端妻側住戸が1戸から2戸に(e-75Dとpremium-A1に分離)、6階西棟の北端妻側住戸が2戸から1戸に(2戸を現在のpremium-Cに統合)と変更されました。つまり、これらの住戸は間取りの関係上、使い勝手の悪い部分をむりやり1戸にくっつけたから床面積が広い訳です(下の図は、やや見辛いですが、5階と6階のルームプランを重ね合わせたもので、右上のw-75Dとw-80Cがpremium-Cにぴったりと重なることが分かります)。こうした観点から見ると、長谷工言うところのプレミアムプランが北端の妻側住戸と西棟の最上階に集中している理由も理解できます。

プレミアムC(premium-Cのカラクリ、クリックで拡大)

要は、日影規制等で削らざるを得なくなり、下の階と同じ間取りを確保できなくなった余りの部分をくっつけて、専有面積が広くなっただけの部屋を、プレミアムプランと称して高値で売りつけようとしている訳です。「プレミアム」と称してみても、所詮は長谷工仕様の二重壁物件です。住戸としての基本性能の劣る物件を、設備・仕様や間仕切りの変更だけで割高に売りつけようとする。こういうものを世間では「プレミアム」とは呼ばないと思いますが…

何れにせよ、販売不振を極めるであろうミスプライス物件ですから、このプレミアムプランが売り捌けるとはとても思えません。最後には、先ほどのpremium-Cのように1戸を以前の2戸に分ける計画変更を行って、強引に売り切るかも知れません。吉祥寺レジデンシアの総戸数の変化には注意が必要かも知れませんね。

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

ジョイント破綻は何を意味するのか?

連日、タントンタントンとコンクリートを流し込む木枠を組み立てる音を周囲に響かせ、騒音をまき散らし続ける吉祥寺レジデンシアですが、また販売開始時期が延期されました。本日現在、公式HPは販売予定時期が6月中旬のままですが、住宅情報ナビなどでは既に販売開始予定が7月上旬に修正されています。どこまで販売開始を引き延ばすつもりなのでしょう?

所詮は、価格に見合う価値のない物件と判断されており、要望書が集まらないのがその原因のようですが、販売開始前からアウトレットマンション化が決定的ということでしょうか。戸数の確保だけを最優先し、南向きの部屋は皆無。わざわざ電磁波をたくさん浴びるために、高圧線至近の部屋を設ける無理な配棟計画。そこまで経済効率を追求した結果は、顧客の支持を得られずに販売開始前から大幅値引き必至の不人気具合。まあ、これが長谷工クオリティということでしょう。

建物が大分立ち上がって来ましたので、周囲からも建物の姿を見ることができるようになって来ました。その結果、改めて東側を中心とする周辺住宅に対する並々ならぬ圧迫感を、いやでも再確認せざるを得ない状況が生まれつつあります。下の写真は、東側の公開空地と住宅の間から建築中の建物を撮影したものですが、まだ2階までしか立ち上がっていないにも関わらず、この圧迫感です。離隔距離7mなど、気休めでしかないことが良く分かります。

東棟の様子(公開空地より)(東側の様子を公開空地から、クリックで拡大)

東棟の様子(隣接家屋より)(まだ2階までなのにこの圧迫感、クリックで拡大)

いや、本当に7m確保されているかどうかも怪しいところです。何しろ、「当初の図面より約10度西側にずれていたこと」に気付かずに建築してしまう(第4回長谷工説明会をご参照下さい)ほど、高い施工能力を有する長谷工さんですから。1mや2mのずれなど、軽く無視できることでしょう。

さて、既に1週間ほど前の出来事になってしまいましたが、5月の月末となる29日の金曜日に、また一社、マンションデベロッパーが逝きました。帝国データバンクの大型倒産速報新興マンションデベロッパー 東証1部上場 株式会社ジョイント・コーポレーションなど2社 会社更生法の適用を申請 負債1680億円によれば、

 東証1部上場の新興マンションデベロッパー、(株)ジョイント・コーポレーション(資本金208億3404万8050円、東京都目黒区目黒 2-10-11、代表東海林義信氏、従業員160名)と、(株)ジョイント・レジデンシャル不動産(資本金30億円、同所、代表川島勝文氏、従業員166 名)は、5月29日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請した(中略)。

 (株)ジョイント・コーポレーションは、1973年(昭和48年)3月に(株)大として設立され、97年4月に旧・(株)ジョイント・コーポレーション(昭和61年9月設立)と合併し、現商号となった。90年代半ばから販売を拡大し、98年に株式を店頭公開。99年に東証2部へ、2001年には東証1部へ上場を果たした。マンション分譲と不動産流動化事業を手がけ、分譲事業については首都圏を中心にブランド名「アデニウム」シリーズを展開、流動化事業では賃貸マンション、商業施設、オフィスなどを手がけるほか、グループとして不動産の企画・開発のほか、中古物件のバリューアップ、ファンドや投資家への売却も行っていた。2000年以降は、米投資ファンドと不動産投資信託向けの賃貸マンション供給で合意するほか、外資系証券会社と不動産投資ファンドを設立することで合意するなど業容を拡大、2001年には(株)エルカクエイ(2000年2月会社更生法、現(株)ジョイント・レジデンシャル不動産)の株式を取得して子会社し、2003年3月期の年売上高は約617億4200万円を計上していた。その後もマンションブームに乗りマンション供給が高水準で推移、近年は都心部での土地仕入れは厳しさを増していたものの千葉、埼玉での事業展開を増やし、2008年3月期の年売上高は約997億900万円にまで達していた。

 しかし、用地取得に伴う有利子負債が膨らんでいたうえ、2007年後半からはサブプライムローン問題による資金の停滞、資材価格上昇によるマンション価格の高騰、不動産販売市況の悪化など事業環境は厳しさを増し、2008年9月にはオリックスグループから100億円の出資と200億円の融資枠の設定契約も受ける一方、リストラに取り組んでいたが、2009年3月期の年売上高は約704億9400万円にまで低下し約552億5100万円の欠損を計上、今回の措置となった(後略)。



ジョイント・コーポレーションといえば、マンションデベロッパーと分類されていても、いわゆる不動産流動化事業やリゾートマンションの比率が高い、およそ地道に事業を行っているとは言い難い、バブルの飛沫のような会社です。危ない不動産銘柄の代表格として再三取沙汰されている中、昨年9月のオリックスによる出資で生き延びたと思われましたが、所詮は半年強の延命策に過ぎなかったようです。駄目なものはいくらやっても駄目、ということでしょうか。

しかし、不思議なのは、一体オリックスは何がしたかったのかということです。オリックスの出資については、そもそも当初から何のための出資なのかが疑問視されていました。不動産市況が凋落の一途を辿る中での倒産待ったなしの企業に対する出資、傍から見れば無謀というほかありません。一説には、大京への出資でしこたま儲けたオリックスが、二匹目の泥鰌を狙ったんだとか、はたまたジョイントが持つ事業用地に関心があるだけで、それらを掠めとったら後はお払い箱だとか、色々な噂が飛び交っていたのを思い出します。

しかし、結果から言えば、破綻までにオリックスがジョイント株を売却した事実はないようですし、経営破綻前に公表された最後の決算短信を見る限り、100億円の投資に見合うだけの不動産を売却したようには(棚卸資産の残高推移を見る限り)思えません。あの守銭奴と揶揄される政商・宮内会長が率いるオリックスらしからぬ失態です。

この点について、福岡の信用調査会社データ・マックスが運営するNet-IBに、興味深い記事が掲載されていました。記事へのリンクを掲載しておきますので、ご興味ある方は、是非ご覧下さい。

オリックスグループの解体が強まる M&A9ヵ月で更生法申請したジョイント(1)
オリックスグループの解体が強まる M&A9ヵ月で更生法申請したジョイント(2)

規制緩和を主張して、その成果を自らのM&Aで果実として刈り取るという宮内商法は、典型的な政商そのものです。その注力分野が、金融・不動産という規制だらけの業界であることも、実に象徴的です。しかし、そんな宮内商法も、オリックス自身の信用力に疑問符が付く今、徐々に破綻への道を歩んでいるようです。

オリックスと不動産の関わりと言えば、今や倒産寸前の武蔵野タワーズ売主の一社・ランドと組んだ一連の地下室マンション問題をはじめとして、モラルの欠片もない劣悪な足跡だらけです。所詮は、脱法的なことを続ける者には、それ相応の報いが来るということを、オリックスの苦境が示しているように思えます。正に、「天網恢々粗にして漏らさず」です。

そして、それは当然、「数の偽装」をはじめとする脱法行為の総合商社・長谷工にも当てはまるでしょう。マンション業界の苦境が続く中、業界の衰退とともに長谷工の命脈が尽きる日が、一日も早く到来することを願ってやみません。

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

吉祥寺レジデンシアの価格差が意味するもの

売れ行き不振の続くマンション業界、週末ごとの新聞折り込み広告の数も半端ではありません。正確に数えた訳ではありませんし、全ての新聞をチェックした訳でもありませんが、折り込み広告の半分以上はマンション広告ではないでしょうか。しかも、中身も竣工後相当の期間が経過しているにも関わらず完売にはほど遠い物件や、期分け販売の戸数から推定すると、一体何回に分けて販売する気なのかと呆れてしまう物件ばかり… 自業自得とはいえ、悲惨の一言に尽きます。

業界あげて一生懸命、新規販売戸数を大幅に絞った上で、契約率が上昇しているように見せかける小細工を続けていますが、既にそのようなまやかしは消費者に見透かされています。マンションデベロッパー淘汰の波は、まだまだ続きそうです。

さて、そんなマンション広告ですが、吉祥寺レジデンシアも先週末は連日折り込み広告が入っていました。内容は相変わらず「真の吉祥寺アドレス」なる意味不明なものを連呼するお笑い広告(「偽の吉祥寺アドレス」なるものがこの世には存在するのでしょうか?)ですが、「吉祥寺の、新たな象徴となる」とか「『真の吉祥寺アドレス』にふさわしい邸のあり方を標榜すべく誕生します」とか、地域の94%から”NO!”を突きつけられた(迷惑マンションは「真の吉祥寺アドレスを継」いでなどいない!を参照)存在にあるまじきフレーズが並んでいる点にも要注目です。

それはさておき、先週末の広告の中では、代表的(と思われる)4タイプの間取りについて、予定販売価格の下限が掲載されていました。以下、それらを見てみますと、

w-75H(2~6階) 74.52m2 6,500万円台~ 坪単価:2,883千円
w-80C(2~5階) 81.92m2 6,900万円台~ 坪単価:2,784千円
w-85B(2~4階) 86.01m2 7,500万円台~ 坪単価:2,882千円
e-90H(2~8階) 87.68m2 8,600万円台~ 坪単価:3,242千円

となります。価格が割安に設定されている西棟中心に紹介しているのは、当然高過ぎるという批判が多いことから、少しでも安さを演出するためでしょうし、下限価格は当然2階住戸の価格でしょうから、現実の平均単価はもう少し上振れるでしょう(百万円未満の端数分も上昇します)。およそ、西棟が坪単価3,000千円、東棟が坪単価3,400千円とすれば、全戸平均では3,200千円/坪程度となり、およそ事前の噂通りとなります。やはり、土地を思いっきり高値掴みしたツケは、割高な価格設定に反映せざるを得なかったようです。

しかし、西棟と東棟でそれほどの価格差を設ける必要はあるのでしょうか? 個人的な見解は「大いにあり」です。吉祥寺レジデンシアの掲示板では、「南向きの住戸がほとんどない」配棟計画に対する非難の声が強いですが、これはひとえに効率だけを重視した長谷工の事業計画に起因するもので、もう諦めてもらう他はありません。しかし、個人的には、それに加えてこの西棟と東棟の採光の格差もかなり問題のある計画だと以前から感じていました。

下に示したのは、吉祥寺レジデンシアの時間別の日影図(冬至の日の建物の影を示したもの)です。一般的には、建物の造る影による近隣の影響を示すために用いられます(その点でも巨大な影を造ることが見て取れます)が、どの時間にどの方向から日が当たるかも良く分かります。

吉祥寺レジデンシアの日影図吉祥寺レジデンシアの日影図、クリックで拡大)

このような観点から図を見ると、東棟は13時過ぎまでバルコニーに日が差し込むのに対して、西棟は14時頃になってようやくバルコニーに日が差し込むことが見て取れます。しかし、実際は吉祥寺レジデンシアのバルコニーも容積不算入を最大限に悪用すべく、約2mの奥行きがありますので、室内に日が差し込むのは更に遅れるものと思われます。西向きの部屋は西日が長いので敬遠される方も多いようですが、こと吉祥寺レジデンシアについては、その心配はなさそうです。何しろ、冬の間は、午後3時頃からしか日が差し込まないんですから。

日当りに対する考え方は人それぞれですから、これでも安い方が良いという方もいらっしゃるでしょう。しかし、その点はしっかり説明されるべきでしょうし、何となく東、西に向いているということを認識しただけで部屋を選ぶと、後で後悔することにもなりかねません。

そもそもは、効率だけを重視した無理な配棟計画が住戸としての基本性能を劣化させている訳です。こんな物件が、「『真の吉祥寺アドレス』にふさわしい邸のあり方を標榜」しているとは、個人的にはとても思えないのですが…

P.S. ジョイント・コーポレーションの倒産についても書き記そうと思いましたが、かなり長くなりましたので、また次回以降に。

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。