吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

突貫工事が残すもの

いよいよ、2008年も残すところあと1日となりました。1年中、長谷工の撒き散らす騒音、振動、土埃などの被害を受け続けた忌まわしき年も終わります。しかし、来年もまだこの迷惑工事が続くかと思うと、安寧の日々が訪れる時は遠そうです。

長谷工の環境破壊活動も先週の27日で一旦休みに入っており、見違えるように静かな環境が戻ってきました。これがずっと続けばいいのに、そう願わずにはいられません。いっそのこと、正月休みの間に長谷工がこの世から消え去ってくれればいいのですが…

そんな長谷工の工事ですが、休みに入る直前の26日は、コンクリート打設工事をやっていたようです。工事説明会の時から、「コンクリート打設の際は夜遅くまで作業する」と声高らかに宣言していた通り、夜9時を過ぎても皓々とライトを照らして何か作業を行っていました。騒音は撒き散らしていなかったものの、住宅街での9時を過ぎての工事はあまりに非常識でしょう。もっとも、長谷工に常識を求めるのは、犬に人間の言葉を話せと言うようなものですから、どだい無理な話かも知れませんが…

夜間作業の様子(夜8時半頃の様子、クリックで拡大)

週間工程表0812(週間工程表、クリックで拡大)

しかし、この時点から夜遅くまで作業工程を詰め込まないといけないとは、どれだけこの会社は突貫工事をやるつもりなのでしょうか? 過度な工事期間の短縮は、手抜き工事を誘発するだけです。吉祥寺レジデンシアのクオリティには大きな疑問符が付いているようです。

長谷工は、突貫工事であることを否定するでしょうが、同時期に建設が進む三井不動産の「パークホームズ吉祥寺グランテラス」と比較すれば、その突貫工事振りは明らかです。物件概要を比較すれば、そのことは嫌でも分かります。

吉祥寺レジデンシア物件概要を見ると、建物竣工時期は平成21年12月下旬となっています。一方、パークホームズ吉祥寺グランテラス物件概要による建物竣工時期は平成21年11月上旬と、約1ヶ月強の差はあるもののほぼ同時期に完成することが分かります。しかし、吉祥寺レジデンシアは8階建てで、現在まだ地下の工事中。一方のパークホームズ吉祥寺グランテラスは4階建てで、現在1階の鉄筋・型枠工事をやっているようです。それなのに、ほぼ同時期に完成するって一体?

また、建物竣工から引渡までの期間にも、その突貫工事振りがくっきりと現れています。パークホームズ吉祥寺グランテラスが11月上旬の竣工から1月下旬の引渡まで2ヶ月以上空けているのに対し、吉祥寺レジデンシアは12月下旬に竣工し、1月下旬には引き渡すという、年末年始休暇を考慮すれば1ヶ月にも満たない期間しか取っていません。何が問題かと言えば、竣工後の内覧会で発見された不具合を十分に直す時間すら満足に取っていないということです。まあこれが「長谷工クオリティ」ってやつですね。長谷工としては、土地を高値で買い過ぎて、どう転んでも赤字のプロジェクトでしょうから、少しでも赤字を縮小すべく、過度なコスト削減に走る気持ちも分からないでもないですが、そのツケを購入者に負わせるのはどうかと思いますが…

そんな長谷工の突貫工事の代償は、思わぬところにも現れているようです。先日、善福寺公園を散歩していたら、非常に興味深いものを見付けました。善福寺公園サービスセンター名によるお知らせには、こうありました。

遅之井の滝より水が出ておりません。只今調査中ですが、揚水は池に入っている模様です。年明けに再度確認調査を行いますので、ご心配をおかけしますが、いましばらくお待ちください。

お知らせ(遅之井)(お知らせ、クリックで拡大)



何と、善福寺の湧水が涸れているとのこと。もともと、地下水汲み上げや工事の影響からか、既に遅之井の滝は大分前から自噴はしておらず、ポンプで汲み上げていたようですが、それすらできなくなってしまうとは… 原因は特定されていませんが、これと以前のエントリ投書をいただきました(写真付)でご紹介した長谷工工事現場での大量の地下水放水が無関係とは、とても思えません。下の図は、外環道の環境への影響について記載されているサイトに掲載されていた地下水の流向を示した図に、周辺の地図を重ね合わせたものです。武蔵野市周辺の地下水は、ほぼ等高線通りに西南西方向から流れてきているようです。遅之井の滝と長谷工現場(図の下部、ピンクの箇所)とは直線距離で約900mほど離れていますが、同じ水脈に位置している可能性は十分にありそうです。一箇所で過度に地下水を費消すれば、もう一方の水流が弱まることは自明です。

地下水脈の様子(地下水脈の様子、クリックで拡大)

現段階では、長谷工による地下水大量放水と遅之井の滝の枯渇との因果関係は立証されておらず、これはあくまで推論に過ぎません。しかし、偶然の一致とはとても思えず、今後の影響が心配です。工事進行に伴って放水がストップしたとしても、水脈に与える影響から、引き続き遅之井の滝が枯渇するような事態もないとは言い切れません。長谷工には、また一つ「遅之井の滝を完全に涸らした会社」という不名誉な勲章が加わるのでしょうか?

P.S. 井の頭公園の湧水(お茶の水)は、先日見た際には涸れていませんでした(ここも既に自噴しておらず、ポンプで汲み上げていることは善福寺同様)。色々と地下水は複雑なようです。
スポンサーサイト

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

来年は何社のデベロッパーが生き残れるか?

昨日(19日)、また一社マンションデベロッパーが倒産しました。その名はダイア建設。「ダイアパレス」ブランドで有名な老舗ですが、以前も倒産の危機に陥り、今度は本当に倒産しました。株価もずっと5円前後という悲惨な状態でしたから時間の問題だと見られていましたが、年は越せなかったようです。恒例のTDB・大型倒産速報マンション分譲 東証2部上場 ダイア建設株式会社 民事再生法の適用を申請 負債300億円によれば、

 ダイア建設(株)(資本金71億8100万円、新宿区新宿6-28-7、代表加治洋一氏、従業員322名)は、12月19日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(中略)。

 当社は、1976年(昭和51年)3月に設立された中高層マンション建築分譲業者。77年6月に現商号となり、89年12月に東証2部へ上場を果たした。「ダイアパレス」シリーズのマンションブランドは全国的に知名度が高く、ピーク時の91年3月期には年売上高約2306億8100万円に達していた。バブル期にはリゾート事業およびゴルフ場事業にも進出、新潟県苗場地区、山梨県山中湖地区などにおけるリゾートマンション販売や海外でのコンドミニアムなどの販売も手がけていたが、バブル崩壊以降はこれらが重荷となり業況は低迷。98年3月期は年売上高約2003億3500万円にとどまり、資産リストラの一環として完成在庫と未事業化用地に対する評価損などで約377億6600万円の最終赤字となっていた。

 その後、主力行が特別公的管理(一時国有化)の決定を受けたことで動向が注目されたが、準メーン行をはじめとした支援のもと再建が進められ、2000年には米大手投資ファンドのサーベラスグループと資本・業務提携で合意するとともに整理回収機構と債務弁済協定を締結。2002年には整理回収機構の債権がサーベラスグループに譲渡されたうえで、その一部は金融機関に再譲渡することで合意していた。

 しかし、その後も不動産価格下落に伴い所有不動産が含み損を抱える事態となり、2003年には大幅債務超過となったことで、同年5月には「ダイア・リバイバル・プラン」を発表。同年8月に産業再生機構の支援第1号の決定を受け、同年末には金融機関より900億円を超える債務免除を受けていた。

 この間、支店の統合・廃止、関係会社の整理などリストラを断行、マンション事業に特化し立て直しに努めてきたが、売り上げは年々減少。昨今においても販売市況の低迷から2008年3月期は販売戸数が計画を大きく下回ることとなり、年売上高約409億7600万円に対し、約31億9500万円の経常赤字を余儀なくされていた。さらに3月には子会社株式を売却することで資金を捻出、仕掛物件や完成在庫の販売に注力していたが、10月以降、マンション販売がさらに落ち込むこととなり資金繰りはひっ迫、今回の措置となった。



この会社も、破綻前にマンション管理の子会社を売却しています。これは、破綻に至るマンションデベロッパーの資金捻出の常套手段で、シーズクリエイトなども実施しています。その他、親会社支援組の大京、藤和不動産なども親会社に管理子会社を売却しており、管理子会社を売却するデベロッパーは逃散警戒水域に位置していると言えそうです。

ここで名前の出た藤和不動産ですが、管理子会社を売却したのには訳があります。12月12日には、上記管理子会社売却のプレスリリース以外にもう一つ、「特別損失の計上に関するお知らせ」というプレスリリースが出されています。それによれば、「東京都江東区潮見2丁目において計画中のマンション事業について、その事業性を再検討した結果、当計画からの撤退を決定」し、「4,393百万円の特別損失を計上することとな」ったため、その埋め合わせとして子会社売却による特別利益を計上せざるを得なくなったことが分かります。

この潮見の土地というのは、実はアパレルの三陽商会の潮見商品センターであることが、同社のプレスリリース「固定資産の譲渡契約の解除に関するお知らせ」から判明します。それによると、「当初の譲渡契約先である(株)長谷工コーポレーション(現契約持分10%)及びその地位譲渡先である藤和不動産(株)(現契約持分90%)の都合により、契約解除の申し出があ」ったとのこと。つまりは、長谷工持ち込み案件に乗ったばかりに、最終的な損失をドーンと負担させられたというのが、藤和不動産の特別損失のカラクリという訳です。

因みに、当初の「固定資産の譲渡に関するお知らせ」によると譲渡価格は215億円となっており(譲渡先は当然長谷工一社)、2割の手付金(43億円)を没収されたことが特別損失の中身です。

藤和不動産にとっては、長谷工持ち込み案件などに飛びついた自社の判断の甘さを後悔しても、長谷工などと付き合った代償だと思って諦めるしかありません。三菱地所というスポンサーのいる藤和不動産だから倒産せずに済みましたが、こんなの食らったら、他の会社なら確実に倒産でしょう。噂によれば、長谷工には他にもこのような案件がゴロゴロしているとのこと。デベロッパーにリスクを転嫁してうまく立ち回ってきたつもりでしょうが、最後はバブルのツケを自分で購う必要がありそうですね。

そんなマンションデベロッパーの窮状を示す面白いものを見付けました。住宅情報マンションズの12月16日号に「不動産会社ガイド 2009年版」と銘打たれた特集記事が掲載されています。毎年、年末になると掲載されている恒例の記事ですが、これを昨年の「全90社掲載! 有力不動産会社最強ガイド 2008年版」と比較してみると、実に愉快な結果となりました(タイトルの力強さがなくなっていることも実に象徴的です)。以下、2008年版と2009年版の比較表を掲載します(五十音順)。

社名2008年版2009年版寸評
旭化成ホームズ
アゼル×H21/3期2Qは96億円の大赤字、忠犬
アートプランニング忠犬
穴吹工務店×非上場、H21/3期は25億円の大赤字
アールエー
アンビシャス×テレ東「ガイアの夜明け」出演でお馴染み
伊藤忠都市開発×意外と忠犬
栄泉不動産忠犬
NTT都市開発マンデベの金蔓
エルクリエイト×10月2日自己破産済
FJネクスト×
オリックス不動産地下室マンション業者
風と大地×
近鉄不動産忠犬
グローバル住販×H21/6期1Qは4億円の赤字
グローベルスH21/3期2Qは41億円の大赤字
京阪電鉄不動産
康和地所×10月31日民事再生申請済
興和不動産吉祥寺レジデンシア、忠犬
コスモスイニシア
近藤産業×5月30日自己破産済、忠犬
サンケイビルルフォン吉祥寺完売の日は来るか?
三交不動産×忠犬
サンピア×
JFE都市開発ちょっと忠犬
シーズクリエイト×9月26日民事再生申請済
ジョイント・コーポレーションオリックスに身売り
章栄不動産×広島地盤
新星和不動産日本生命系、ちょっと忠犬
新日鉄都市開発忠犬
新日本建設×忠犬
新日本建物H21/3期2Qは15億円の赤字、忠犬
住友商事
住友不動産
西武不動産×
セコムホームライフマンション開発からの撤退を表明済
ゼファー×7月18日民事再生申請済
セントラルサービス×大阪地盤
セントラル総合開発H21/3期2Qは66億円の大赤字、忠犬
創建ホームズ×8月26日民事再生申請済
総合地所忠犬
双日忠犬
相鉄不動産ちょっと忠犬
大京H21/3期2Qは440億円という凄まじい大赤字
ダイナシティ×10月31日民事再生申請済
ダイヤモンド地所×
大和ハウス工業×
タカラレーベン
中央コーポレーション忠犬
TFDコーポレーション
東急不動産
東急電鉄
東京建物
東京レジデンシャル不動産×中山豊社長は元・ダイナシティ社長
東新住販
東邦ハウジング×福岡の不動産屋
東レ建設×忠犬
藤和不動産三菱地所に身売り済
トーシンパートナーズ×本社は吉祥寺
ナイスユニヴェルシオール学園の丘でお馴染み
ニチモH20/9期は103億円の大赤字、忠犬
日鉱不動産忠犬
NIPPOコーポレーションH21/3期2Qは14億円の赤字
日本エスコン
日本ワークス
野村不動産
ハウジング大興×7月30日民事再生申請済
阪急不動産
ヒューマンランド×
フォーユー
フージャースコーポレーション×H21/3期2Qは33億円の大赤字
扶桑レクセル×大京の完全子会社化
プロバイスコーポレーション×栄泉不動産に事業譲渡済、忠犬
プロパスト×
平和不動産忠犬
丸紅×
三井物産
三井不動産レジデンシャル
三菱地所
三菱商事
名鉄不動産吉祥寺レジデンシア、忠犬
明豊エンタープライズH21/7期1Qは7億円の赤字
明和地所×
モアコーポレーション×
モリモト×11月28日民事再生申請済
山田建設×
有楽土地×忠犬
ユニカ×福岡の不動産屋
ユニホー×名古屋の不動産屋
陽栄
ランドコム×9月29日民事再生申請済
リスト×
リビングライフ
リブラン×
菱重エステート三菱重工系
合計9057


3分の2以下に激減した社数をはじめ、改めて倒産件数の多さに驚かされます。この調子では、来年は何社掲載されることやら…

15日の不動産経済研究所発表によれば、新築マンション販売戸数は15ヶ月連続で前年割れとなり、バブル崩壊直後(90年11月~91年12月)の14ヶ月連続を超えて過去最長となったそうです。新聞の論調は、その原因を地下や資材の高騰による価格上昇が顧客離れを起こしたこと、景気の減速感の広がりで購入に慎重な家庭が増えたことに求めていましたが、それはあまりに表層的な見方でしょう。

そもそも、(資材高騰はともかく)地価の上昇はバブルに踊った不動産業者が勝手に買値をつり上げた結果です。また、下のグラフは、16日の日経新聞に掲載されていた90年以降の販売戸数の推移ですが、94年以降、適正水準といわれる5万戸を大幅に超過した戸数が供給され続けてきたことが見て取れます。これが需要を先取りして刈り尽くし、潜在的な顧客を減少させていることが「下げても売れない」状況を作り出しているのですから、全てはマンション業界の自業自得なのです。「100年に一度の経済危機」などと、環境のせいにする資格は、ことマンションデベロッパーについては全くありません。「山高ければ谷深し」です。今後もマンションデベロッパーの淘汰は高水準で持続すると断言しておきます。

販売戸数の推移(供給過剰は明らかです、クリックで拡大)

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

投書をいただきました(写真付)

12日に、麻生首相自らが記者会見して「生活防衛のための緊急対策」なるものを発表しました。総額23兆円に上るというその中身は、10月に発表してこき下ろされた追加経済対策とほとんど一緒であり、審議が来年1月の通常国会からスタートするというスピード感のなさと相俟って、早くも効果が疑問視されています。

今回の発表では、以前のエントリ「バラマキ追加経済対策と容積率緩和」で指摘した火事場泥棒的な容積率緩和がどうなったのか分かりませんが、この施策が全く不必要であることは再三指摘した通りです。これ以上迷惑マンションの被害に苦しむ人を増やさないためにも、この愚策の動向については今後も注視が必要です。

さて、そんな政治にすがるしか生き延びる道のないマンション業界ですが、同じ12日にはマンションの資産性の根幹に関わるような重要なニュースがありました。大阪・千里ニュータウン内の「千里桃山台第2団地」の建て替え計画に反対して住み続けていた最後の1世帯に対して、大阪地裁が強制執行を行ったというものです。同日付の読売新聞記事によれば、

老夫婦宅を強制執行…千里のマンション、建て替え反対

 大阪府吹田市の千里ニュータウンにある分譲マンション「千里桃山台第2団地」(380戸)の建て替え計画に反対し、最後まで住み続けていた夫婦(いずれも81歳)宅に対し、大阪地裁が12日、明け渡しのため強制執行した。夫婦は既に、支援者らが用意したマンションにほとんどの荷物を運び出し、この日は不在で、大きなトラブルはなかった。

 この日午前9時ごろ、同地裁の執行官2人が団地5階の夫婦宅に入った。支援者約5人が室内にいたが、すぐ外に出され、業者が残っていた荷物を運び出した。

 同団地は2005年3月、住民が多数決で建て替えを決め、一斉退去したが、夫婦ら2世帯は高齢などを理由に拒否。別の1世帯は今年11月、強制執行された。

 計画を進める不動産会社(東京)は05年9月、2世帯に売却を求めて提訴。2世帯は1、2審でいずれも敗訴し、最高裁に上告して係争中。弁護士は「判決を待たずに、こんな真冬の執行は許せない」と話した。



この老夫婦については、以前にもご紹介した山岡淳一郎著「マンション崩壊 あなたの街が廃墟になる日」の第三章「ニュータウン開発の残照」にも登場します。老夫婦の「使える建物をなぜ取り壊すのか。最高裁の判断を待ってほしい」という主張と、業者(コスモスイニシア)の「先に退去した住民が、仮住まいの家賃など、先の見えない負担に悩まされている」という主張、どちらが正しいのかを判断するような見識は持ち合わせていませんが、確かなことがあるとすれば、「業者の欲が、住民を建て替えを巡って対立させたこと」と「マンションは決して終の棲家ではない」ということでしょう(この点については、以前のエントリ「マンションは『終の住処』?」もご参照下さい)。マンションという矛盾に満ちた居住システムを無責任に建て続けるのではなく、そろそろ終末問題にきちんと向き合うことこそ、マンションデベロッパー各社に求められていると思いますが…

マンション崩壊 ?あなたの街が廃墟になる日マンション崩壊 ?あなたの街が廃墟になる日
(2006/03/23)
山岡 淳一郎

商品詳細を見る


さて、本題に入ります。先日、法政跡地の現状について、さる方からメールを頂戴しました。以下、内容をご紹介させていただきます。

工事現場の写真をお送りします。

近所の人から伝え聞いた話では、北側の駐車場部分を掘り下げた際、地下8m付近の水脈から湧水があり、毎日大量に水が汲み出されているようです。

北側の駐車場部分で涌いた水を、南側に設けたプールに一旦汲み上げ、そこからパイプラインを介して東側騒音計表示板脇の排水溝に捨てています。
水は一日中捨てられているようで、夜中でも排水溝の近くに行くと水の流れるザーという音が聞こえてきます(中略)。

このようなことが通常の工事であり得ることなのか分かりませんが、こんなに大量の水を毎日捨ててしまうことが許されるのでしょうか?
また水道料金に含まれない排水を下水道に流すことは違法ではないのでしょうか?
その他、近隣の井戸の枯渇、地盤沈下などの心配はないのでしょうか?

もしよろしければブログで取り上げてください(後略)。



後段の部分の問題提起についてはちょっと分かりませんが、確かに水を捨てる音は今でも聞こえています。長谷工がマンション工事において地下水脈をぶち抜いてしまい、大量に地下水が流れ出していることだけは確実なようです。一緒に送っていただいた写真を、以下掲載させていただきます。

工事現場の風景(ここから水を汲み出し、クリックで拡大)

   ↓

貯水槽?(ここに溜めている訳です、クリックで拡大)

いやー、凄い水の量です。実にもったいないというか何というか… 工事説明会において、マンション建設によって(日常的に利用している)井戸水が枯れることを懸念する声が多数挙がっていましたが、どうやらそれは現実になる可能性もありそうです。どのような対策を講じる気かは知りませんが、この点についてきちんとした説明がなされた気配は全くありません。秘密裏に処理しようとしていたことは明白でしょう。

この辺りは軟弱地盤ではないでしょうから、この湧水が直接マンションに影響を及ぼす可能性は低いと思いますが、きちんとした防水対策を講じないと、地下駐車場に浸水する可能性もありそうです。また、それ以上に地下水脈をきちんと保全することが、迷惑マンションの地域への被害を少しでも減らすためには必須の対策です。地域に一切説明がないところを見ると、長谷工にそうした認識は皆無のようですが。

この写真を見て、一つ思い出したことがあります。マンション反対運動を業者が訴えたとして有名になった福岡の「サンライフ足立公園」についてのブログ中に、ほとんど同じような写真が掲載されていたのです。以下、リンクを掲載しますので、是非その目でご確認下さい。

  1. ブログ「泰平建設マンション・サンライフ足立公園建設反対!@北九州足立」のエントリ「現実」
    「この池のような場所にいまマンションは建っている。そんなことは今は全くわからない。でも地域の住民はみんな知っている。」というコメントが秀逸。


  2. ブログ「泰平建設サンライフ足立公園なんていらない!」のエントリ「もうすぐ竣工・・・?」
    「『足立山系の伏流水を無視したら大変!』と繰り返し警告してきた地域住民の声を、業者は最初から無視してたし、聞く耳を持たなかった」という部分、長谷工と全く一緒です。


あ、因みに業者の訴え(マンション建設反対の立て看板や幟の撤去)ですが、当然裁判所に却下されました。さすがに、業者の嫌がらせに耳を貸すほどには、業者の味方であり続ける裁判所も不公正ではなかったようですね。

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

三菱地所も吉祥寺に参入?

11月末にもモリモト民事再生手続開始を申し立てるなど、マンションデベロッパーを取り巻く環境は悪化の一途を辿る一方です。モリモトと言えば、やたらとグッドデザイン賞受賞を喧伝するなど、デザイン性と立地条件での差別化を謳い文句にして事業展開していました。そんなモリモトですら倒産せざるを得ない状況ですから、最早マンション業界全体が崩壊の危機にあると言えるでしょう。一日も早い某マンション専業ゼネコンの淘汰を祈念いたします。

因みに、リクルート社のフリーペーパー「住宅情報マンションズ」の12月2日号は、モリモトの掲載予定全13物件を突然に掲載ストップしたためか、やたらと空きページが多くなっていました。巻頭の全掲載物件紹介のページの校正は間に合わなかったのか、全ての物件が特定できる状態のままという混乱ぶりは悲惨の一言に尽きます。全197物件のうち13物件が突然の掲載見送り、マンション広告は貸し倒れの危険と紙一重のようですね。

さて、恒例のTDB・大型倒産速報マンション分譲 東証2部上場 株式会社モリモト 民事再生法の適用を申請 負債1615億2000万円によれば、破綻に至る理由は以下の通りです。

 (株)モリモト(資本金57億7176万9460円、渋谷区恵比寿南3-7-4、代表森本浩義氏、従業員324名)は、11月28日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(中略)。

 当社は、不動産事業を目的として1983年(昭和58年)7月に設立した(株)モリモトが前身。主として、都内世田谷区、大田区、目黒区のほか横浜市、川崎市などを主力地域としてファミリーマンションの分譲事業を展開してきた。その後、98年2月に将来の株式上場を目的として当社を買収、2000年4月に当社が旧モリモトを吸収合併し、現商号となった。株式上場に関しては2001年11月を計画していたが、当時の株式市況動向などから一時中止、その後再び上場計画が進行し、2008年2月に東証2部へ上場を果たしていた。

 債権債務および営業基盤など、旧・モリモトを全面的に引き継いでおり、毎期1000~1500戸のマンション分譲を展開、ファミリータイプの「クレッセント」、高級ブランドの「ディアナガーデン」などのほか、賃貸不動産開発事業として住居系の「イプセ」シリーズや住宅、オフィス、商業施設を融合させた「クイズ」シリーズを手がけるなど積極的に展開、2003年3月期に約690億5700万円だった年売上高は2008年3月期には約1150億5800万円にまで伸長していた。

 しかし、昨年後半以降の不動産市況の大幅な悪化に伴い、今期の第1四半期連結ベースでは経常損失を余儀なくされるなど業績の悪化が顕在化。秋口には約定弁済の資金確保が厳しい状況を余儀なくされていたうえ、中間決算においても下方修正を明らかにしていたが、11月14日には予定していた中間決算発表を延期。動向が注目されていたが監査法人の監査意見も受けることが出来なくなったことで今回の措置となった(後略)。



当社のプレスリリースでは「本年10月になって(中略)、平成20年10月末日までに予定していた約定弁済資金の確保が厳しい状況」にあり、「本日(11月28日)、当社の監査法人からの監査意見がいただけなかった」ことが破綻理由とされています。

そんな監査法人によって破綻に追いこまれる事態を回避するためか、決算公表直前に監査法人の変更を発表する企業が目立ちます。地下室マンションで悪名を馳せ、三鷹のツインタワーマンションの事業主でもあるランドもそんな一社です。11月19日付のプレスリリース「会計監査人の異動および一時会計監査人の選任に関するお知らせ」によれば、監査法人を新日本監査法人から監査法人ウィングパートナーズへと変更(正確には一時会計監査人に選任)したことが発表されています。このウィングパートナーズですが、Wikipediaに記載されているクライアントの名前を見れば一目瞭然ですが、真っ当な会計監査を受けられない企業の駆け込み寺の様相を呈しています。潔く破綻を選択するか、二度と浮かび上がれないアングラな世界へと足を踏み入れるか、経営者の見識が問われる選択と言えそうです。

さて、話を本日の本題へと移します。11月27日に三菱地所「株式会社メックecoライフ設立について」というプレスリリースを出しています。これは、「三菱地所グループが開発する集合住宅の企画に対して、環境・デザインに関する様々な研究・提案を行う会社」とされていますが、当然ながらこの会社の事業内容には全く興味ありません。

それでもこの件をご紹介するのは、この子会社設立に関する日経産業新聞の記事に非常に興味深い記載を見つけたからです。11月28日付の同紙に掲載された記事には、同社の概要を紹介した後に以下のような記載を見ることができます。

 三菱地所はまず、東京・吉祥寺に建設するマンションにメック社が提案した環境技術の成果を採り入れる方針だ。将来的には標準採用も視野に入れている。
 メック社は二〇〇九年度に一億円の売上高を目指す。



第一弾の物件は吉祥寺で、メック社も来年度には売上が計上し始めるとのこと。とすれば、水面下では物件の仕入は終わっており、来年の早い時期には着工すると見るのが自然でしょう。そのような物件はどこなのかと思い、三菱地所や(子会社化されている)藤和不動産のHPを調べてみましたが、それらしい物件は見当たりませんでした。強いて近い物件を挙げるとすれば「パークハウス松庵」でしょうが、この物件は3月に竣工済です(完成後9ヶ月も経過しているのに、まだ全22戸中4戸も売れ残っています)。色々と注目されている御殿山のJR社宅跡地も、12月1日付の日経産業新聞によればアクセスが78億7千万円で購入したとのことで、これまた違うようです(話は逸れますが、このアクセスがIT企業のアクセスだとすれば、マンションは建たないことになります。市況の悪化を受けて、マンションデベロッパー各社が一斉に手を引いたのでしょうか)

12月31日追記
アクセスというのは、大阪のシステム開発会社でした。同社のプレスリリースにそのことが掲載されています。JR東日本→原弘産→HUMプロパティーズ→アクセスと、マネーゲームに翻弄されて短期間に所有者がコロコロと変わったこの土地は、今後どうなっていくのでしょうか? アクセスとしては本業と無関係なこの土地を早期に売却したいでしょうから、ここを三菱地所が購入する可能性もあるかも知れません。


という訳で、現時点では詳細は不明ながら、近い将来に吉祥寺近辺で三菱地所がマンションを分譲する可能性は高いものと思われます。某物件が吉祥寺アドレスの希少性を声高に喧伝するのも、このような事情があってのことかも知れません。住宅は高い買い物ですから、情報をよく収集して十分に検討しないと、「安物買いの銭失い」ならぬ、「安『普請』物買いの銭失い」になりかねませんよ。

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。