吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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杭打ち機よ、お前もか。

既に夜のニュースなどでも報道されていましたのでご存じの方も多いかと思いますが、今日の午後2時頃、名古屋市東区の工事現場で杭(くい)打ち機が横転する事故がありました。事件のあらましは以下の通りです(中日新聞の夕刊より)。

くい打ち機横転、専門学校生けが 名古屋

2008年5月28日 夕刊

 28日午前8時半ごろ、名古屋市東区葵1のビル新築工事現場で、移動中のくい打ち機(高さ22メートル、重さ60トン)が横転し、現場西側の歩道(幅6メートル)をふさいだ。先端部分が、通りかかった中国人の女子専門学校生(25)の自転車の前輪部を直撃し、専門学校生は右足を打つ軽いけがをした。
 東署や工事関係者によると、くい打ち機は自走式。午前8時半から作業を始め、オペレーターの男性(55)が現場内を移動させていたところ、突然バランスが崩れて倒れ、くい打ち機は現場を囲む高さ3メートルのトタン塀を押し倒して歩道をふさいだ。当時は約20人の作業員がいた。
 専門学校生は日本語学校に行く途中。自転車は前輪が完全につぶれていた。歩道に駐輪中の自転車も複数台が押しつぶされたり下敷きになったりした。
 当時は朝の通勤、通学時間帯で人通りが多く、一歩間違えば惨事になりかねなかった。現場近くの和菓子店の男性従業員(33)は「大きな交通事故のような音がした。けが人が1人だったのは奇跡だ」と話した。飲食店に勤める男性は「街中で人通りが多い場所での工事。こんな事故はあってはならない」と怒りの表情を浮かべた。



最後の男性のコメントは、ここ吉祥寺東町の法政跡地マンションにそのまま使いたい位、素直な周辺住民の気持ちを言い表していますね。この他、(いつまで見られるのかは分かりませんが)フジテレビNHKのサイトでは動画も見ることができます。

以前のエントリで、クレーン横転の危険性を指摘していましたが、杭打ち機はノーマークでした。けがをした専門学校生は「くい打ち機が直接、自転車にあたった」と話しているそうですので、ほんの少しタイミングが狂えば死亡事故になっていたところです。軽いけがで済んだのが本当に不幸中の幸いでした。因みに、この事故を起こしたのは竹中工務店です。長谷工ではありませんので、念のため。

ここで、杭打ち機横転事故は珍しいのかと少し調べてみると、やっぱり結構起きているんですね、例によって。昨年7月の大阪市天王寺区のマンション工事現場での事故の様子は、

クレーン横転 ... アームが車直撃、1人けが 大阪

7月26日 毎日新聞

 26日午後3時20分ごろ、大阪市天王寺区空清町のマンション建設工事現場で、コンクリート柱のくい打ち作業をしていた「豊川基礎」のクレーン車 (高さ 21m、重さ 35t)=山藤登運転手 (37) =が横転し、アーム部分が工事現場わきの道路に停車中のワゴン型普通乗用車のボンネットに激突した。
 車内にいた建設作業員の男性 (37) が軽傷。
 府警天王寺署はクレーン車の横転を防ぐ措置をしていたかなど、業務上過失傷害容疑で捜査している。
 調べでは、クレーン車はコンクリート柱のくい (長さ 13m、直径 60cm) をつり上げ、車体部分を回転させて、打ち込む場所に移動させた直後、北側に向かって倒れた。
 クレーン車の山藤運転手は「作業中にバランスを崩し、倒れた」と話している。 現場では計6人が作業していたが、他にけが人はなかった。けがをした男性は車内の運転席で休憩中だった。



とのこと。なお、横転している杭打ち機の写真をこちらのasahi.comで見ることができます。

この他、少し古いですが、日経コンストラクション2002年3月22日号には、

杭打ち機が横転して民家を直撃、神奈川県の地盤改良工事で

2002/03/15
 
 3月11日午前9時20分ごろ,神奈川県横浜市栄区長尾台町の柏尾川の河川内で,作業中の杭打ち機が転倒。リーダーの先端が対岸の民家を直撃した。この事故で,杭打ち機のオペレーターが左足に軽傷を負った。直撃を受けた民家は一部が壊れたが,住人は不在で難を逃れた。
 事故が起きたのは,神奈川県横浜治水事務所が発注した地盤改良工事の現場。信友建設(本社,横浜市)が元請け会社として施工している。栄警察署や横浜西労働基準監督署の調べによると,現場では事故当時,杭打ち機のベースマシンである移動式クレーンの補助フックを使い,河川内に仮設構台を組み立てていた。
 河川内に仮置きしたH形鋼を補助フックで吊り上げようとしたところ,ほかのH形鋼に引っかかった。H形鋼の運搬には別のクレーンを使い,杭打ち機はH形鋼を建て込む穴の掘削だけに使う予定だったという。
 杭打ち機は,二次下請け会社の西村産業(本社,東京都墨田区)のオペレーターが操縦していた。



という事故も紹介されています。法政跡地では未だに始まらない杭打ち作業ですが、今後の長谷工の動きは十分に監視しておく必要がありそうです。

なお、上2つの事故の共通点として、杭打ち機が「自走式」だということが挙げられます。長谷工法政跡地マンションの工事で使用しようとしているのも、「自走式」のクレーン車です。こうした自走式の重機の安全性に問題はないのでしょうか?

工事現場のクレーンと言えば、タワークレーンをよく見かけます。しかも、高層・超高層ビルの建築現場だけでなく、中層階のマンション建設現場でも、建築物の外部に仮設する(外部建て)タワークレーンを見ることが多いような気がします(と言うか、移動式クレーンを使ってマンション造っている現場をあまり見たことないような気がします。気のせいでしょうか?)。

安全性確保のためにも、長谷工にタワークレーンへ切り替えさせるというのも一法かも知れません。まあどうせ、長谷工の回答が「コスト面から難しい」なのは、聞く前から分かり切ってますけどね。幾多の実例が示す通り、安全性よりコスト削減を優先する企業体質ですから。

5月31日追記
タワークレーンなら安全なのかと思っていたら、こんな例もありました。建設業界にはびこる手抜き体質の前には、安全という言葉はどこを探しても見つからないようです。近隣住民は、一体どうやって安全を確保すれば良いのでしょうか。ひたすら我慢するしかないとすれば、やはり日本は土建体質から脱却できない後進国だということなのかも知れません。

マンション工事現場のタワークレーンが住宅を直撃

2002/02/01

 1月23日午前11時40分ごろ,大阪市天王寺区大道2丁目のマンション建設工事現場でタワークレーンが転倒。市道を走行中のトラックを下敷きにしたうえ,アームが市道の反対側にある市営住宅を直撃した。クレーンの操縦席から投げ出されたオペレーターが重傷を負ったほか,市営住宅の住民2人とトラックの運転手が軽傷。
 マンションは,三井建設が元請け会社として施工していた。タワークレーンの本体の高さは33mで,アームの長さは約40m。最大積載荷重は10tで,転倒直前には重さ約900kgの覆工板を搬送中だった。当日,大阪市内は強風注意報が発令中で,午前11時24分には毎秒17mという最大瞬間風速を記録した。
 地下25mの深さまで打設した4本の杭で,タワークレーンを地盤に固定していた。杭は,アースオーガーで地盤を掘削し,孔内にセメントミルクを充てんしてからH形鋼を挿入して築いた。大阪中央労働基準監督署によると,4本のうち1本でH形鋼を地下22mまでしか挿入できず,他の3本に比べて3m短い状態だったという。この長さの不足した杭が地中に沈み込み,クレーンが転倒したらしい。他の3本の杭は地上付近で切断。地上に露出したH形鋼の残がいにセメントミルクが付着していなかったことから,充てん不足の可能性もあるとみて,同署は調査を進めている。

(日経コンストラクション2002年2月8日号)

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(続)長谷工またも事故を起こす

足場倒壊の時と同じですが、事故の翌日(先週金曜日)は、朝から長谷工社内からのアクセスが急増しました。どのように社内で情報が伝達されているのかは知りませんが、「吉祥寺東町 解体工事」、「吉祥寺 解体工事 鉄筋」、「法政 解体 吉祥寺 東町」、「法政通り 解体」などの検索キーワードを通じて本ブログを訪問するというパターンも前回と全く一緒です。そんな情報が素早く広まる位なら、事故を起こさないようなノウハウも全社で共有しておいて欲しいものです。野次馬根性だけ旺盛でも、事故防止には何の役にも立ちません。

さて、事故の少し詳しい状況について、九浦の家ホームページ内の法政跡地のページに紹介されていました。ついでに桜の移植情報と併せてご紹介します。

◎女子大通りに面して毎年目を楽しませてくれていた桜の大樹3本が、クレーンで吊り上げられ、東側へ移植されました。4本のうち1本は、すでに根元から約1mをセメントで埋めてあり、移植は無理と判断されました。

◎5月22日 またしても解体工事事故。
 22日の13時30分頃、記念講堂の女子大通り側2階部分の壁の解体時に、コンクリートに入っていた約40cmの棒状の鉄筋(約1kg)が防音パネルの外に飛び出し、女子大通り通行中の乗用車のボンネットを直撃しました。幸い怪我も無く不幸中の幸いでした。
 すぐに工事を中断し、住民の了解が得られるまでは重機を使用しないことになりました。
 市役所からまちづくり推進課の職員が駆けつけてくれて、23日の朝、市役所に「今後の工事の安全改善策を持参する。住民が納得するまで工事を中断すること」を長谷工に伝えたそうです。
 重機を扱っていたのは30年のベテランで無線で連絡をとりながら工事を行なっており、佐藤所長を含めこんなことは今まで経験したことがないとのこと。

 23日9時に長谷工が市へ提出した事故に対する安全対策案で、正確には13:30に向かいの住民と佐藤所長とが同時に事故を発見、2Hの役員の方々や市役所に連絡したということです。
 解体工事連絡協議会長が23日宮田所長と調整した結果、28日の工事連絡会の折に安全策についての説明と協議を行なうことになりました。
 住民の了解を得なければ作業の再開はしない約束です。



速報では落下物を鉄パイプとお伝えしましたが、実際に落下したのは解体現場の鉄筋だとのこと。これが解体作業中に現場の防音壁を飛び越えて道路に落下したのが真相のようです。

鉄筋落下の軌跡
(イメージ図、クリックで拡大)

1kgもある鉄筋が落下しながら、人の頭や車のフロントガラスに激突しなかったのは、正に不幸中の幸いです。長谷工は神様に感謝しないといけません。

しかし、これは足場の鉄パイプが緩んで落ちたという事故以上に重大な事故です。「こんなことは今まで経験したことがない」などと呑気なことを言っている場合ではないでしょう。落下原因は明確になっていませんが、重機で引っかけて跳ね上げたとしか考えられません(そうでなければ壁を飛び越えないでしょう)。そのような人為的なミスに対する備えが、この解体現場(否、現場監督の発言によれば長谷工の全ての現場)では何一つなされていなかったということが露見した訳ですから、これはもう論外と言う他ありません。

落石注意
(現場には「長谷工注意」の道路標識が必要?)

現在工事は中断中ですが、単に形だけの再発防止策を提示して、それをもって工事再開を一方的に宣言するという前回のようなやり方ではなく、本当に周囲に負荷を掛けない工事とは何かを心底理解できるまで、半永久的でも工事を中断して猛省することを望みます。

話は変わりますが、桜のうち一本は既に移植が断念されたようですね。桜の件にしても、掘り出した後、数日間に亘ってその場に転がしてありました(現在は敷地東側に移植済の模様)。こんなことで、本当にこの桜はまた咲くことができるのでしょうか? マンション市況は奈落の底に向けて落ち続けようとも、この桜たちには再び元気になって、来年もきれいな花を咲かせて欲しいと願わずにはいられません。

転がされたままの桜たち
(これはちょっとどうなの?、クリックで拡大)

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【速報】長谷工またも事故を起こす

本日、長谷工がまたも法政跡地解体工事で事故を起こしたようです。前回の足場倒壊に続き、今回は記念講堂の解体現場の鉄パイプが上の方から道路に落下。丁度、下を通っていた車にパイプが激突し、車に相当の損傷が生じたとのことです(人伝に聞いた話なので多少の違いがあるかも知れません。正確な状況が分かり次第、ご報告いたします)。

事故の原因など詳しいことは現時点では分かっていませんが、わずか3ヶ月の間に同一現場で二度も人命に関わるような重大事故を起こすとは、一体長谷工という会社の安全管理体制はどうなっているのでしょう?

前回の事故後(2月15日)に開かれた事故報告会で、長谷工はこう説明しています(配付資料からの引用)。

再発防止策
足場の浮き上がりを防ぐために、下図≪省略≫のように控えの形状を変更する。
既存建物の壁にコアボーリングで穴をあけ、単管パイプを通し、クランプにてカンザシパイプ及び足場と固定する。2Fと3F部分に3箇所設置する。
コアの穴と壁端部は25センチ程度はなす。
妻壁部分も現状の控えのほかに、上記と同様に数箇所に控えを取り補強する。
毎日作業中・終了時の足場の点検をより念入りに行い、天候の変化に気を配り危険が予想される時は事前の対策(点検、補強、養生)を実施する。また、夜間も宿直体制をとる。



また、記念講堂及びプール解体工事概要説明の際にも、長谷工は次のような説明を行っています。

*外部足場養生浮き上がり防止対策

外部足場養生浮き上がり防止対策として、通常の単管パイプによるカンザシの壁つなぎの補強として下記3種類の補強を行う。

(1)、窓(パラペット)部の壁つなぎの下側にコアドリルで壁に穴を開け単管パイプを通し、下でも壁つなぎを取る。

(2)、無開口壁部はコアドリルで壁に穴を開け単管パイプを通し、下でも壁つなぎを取る。

(3)、窓(壁開口)の上下に単管パイプで壁つなぎをとる。



足場倒壊の再発防止に関する対策が色々と述べられていますが、今回の事故で、全く反省は生かされていない、いや、そもそもそこまでの水準にすら達していないことが判明したようです。

前回の事故後のエントリ「続・足場倒壊」の中で、こう書き記しました。

事故の本質は、強度不足の足場が組まれていた(または組んだ後に足場が緩んできた)ため、ちょっと強い風が吹いただけで防音壁が風を受けて動いてしまった、という人災ではないかという気がしてなりません。現場の定期的なチェックは、どのような業種であれ、原則中の原則だと思うのですが、そのような基本が守られていない施工現場だとすれば、その品質は推して知るべしでしょう。

解体工事の再開に際しては、相応の再発防止策を講じるようですが、同様の問題は新築工事の際にも発生します。果たして、この会社が過去から学んで万全の安全対策を講じると言うことはあり得るのでしょうか? 私には期待薄に思えて仕方がありません。



私は予言者でも何でもありませんが、ここまでピタリと当てはまるとは… いくら口で何と説明しようと、現実がこんなに杜撰ではまるで説得力などありませんし、所詮は口先ばかりと思わざるを得ません。「吉祥寺東町の近隣住民などおとなしいので、対策など適当に済ませておけばそれでいい」、そうとでも考えているとしか思えない話です。

この調子で、新築工事の杭打ちやらクレーン車の設置やら始められては、とてもじゃないがたまったもんじゃありません。最早、住民の安全を一顧だにしない長谷工に対しては、こう叫ぶしかないのかも知れません。

「出て行け長谷工!!」

と。いやそれすらも生ぬるいかも知れません。

「この世から消え失せろ、長谷工!!」

位でなければ、最早この企業には効き目はないのかも知れません、残念ながら。

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桜の木からマンションデベロッパーの落日を思う

今日、日が暮れてから法政跡地の横を通りかかると、女子大通り沿いの桜の木が4本とも、ほとんど枝を剪定されて実に無惨な姿に変わり果てていました。敷地の外壁に張り出されている週間工程表によれば、今日から桜の木の移植作業をすることになっており、それに伴うものだということは分かりましたが、これはちょっと… 果たしてこの桜たちは、無事移植することができるのでしょうか?

週間工程表(桜移植)
(今週の工事は桜の移植、クリックで拡大)

移植前の桜
(翌朝撮影した坊主四兄弟、クリックで拡大)

そもそも、落葉樹である桜の木は、葉が落ちている冬期に移植することが望ましいようです。この新緑の季節に移植せざるを得なかったことから、葉からの水分蒸発を防止するための剪定ではないかと推測はしますが、あの無惨な姿を見ると、正直もう一度元気な姿を見せてくれることは難しそうな気もします。

しかし、移植に負けることなく生き長らえ、マンション建設後に同じ場所に戻ってきたとしても、あそこまで枝をそぎ落とされてしまっては、それは既に以前とは異なる景色でしかないでしょう。「桜の木を残して欲しい」という地域住民の願いは、「地域の風景の連続性を少しでも残しておいて欲しい」という願いでもある訳ですから、長谷工も(既存樹を残すだけという)単なる形式だけではなく、一歩踏み込んだ対応をしてくれれば良かったのに、そう感じます。

とにかく、それが以前とは異なる風景だとしても、解体工事の騒音・震動を耐え抜いた桜の木が、再び同じ場所で花を咲かせる日が来ることを願わずにはいられません(誤解のないように申し添えておきますが、桜の移植については、コストを掛けてでも住民の要望を聞き入れた長谷工の対応は一応評価しています。やり方が拙いと言っているだけです)。

解体工事といえば、記念講堂の解体も大分進んできました。建物としての形状を留めているのも、あとわずかの間という気もします。

解体の進んだ記念講堂
(すっかり解体されました、クリックで拡大)

話はガラッと変わります。先週後半は、3月決算の企業の決算発表が相次ぎました。本ブログでも何度か書いていますが、マンションデベロッパー各社の決算内容の悪化振りには顕著なものがあります。一部例外はありますが、表面上は増収増益を記録していても、完成在庫が大幅に増加しており、今期以降の業績悪化が必至という会社ばかり。また、既に業績の悪化が表面化している企業も数多く、ダイア建設のように赤字転落しているところもあります。

その中でも、個人的な注目銘柄はシーズクリエイトです。平成20年3月期の決算短信を見る限り、この会社の動向はしばらく要注意ですね。前期決算が売上高が3分の2に減少して赤字に転落しているなど、既に業績の悪化振りは顕著ですが、注目点はそこではなく3月末の現預金残高です。何と、737百万円と(前々期末の86億円はともかく)200億円以上の事業を展開する企業の手許残高としては、相当に心許ない水準まで減少しています。

コミットメントラインでも設定されていて、余計な現預金は持たないようにしているのかとも思いましたが、そのような注記は一切なく、純粋に手許が薄いようです。今もこの会社が倒産したというニュースは流れていませんので、何とか繰り回しはできているようですが、前期末に大量に積み上がっている完成在庫を何とかしないと、色々とやっかいなことになりそうですね。

消費者の購入マインドは冷え込む一方で、値引きが横行する販売状況。他方、建築資材の高騰には全く歯止めが掛からず、利益率の低いマンション工事はゼネコンからもそっぽを向かれるなど、マンションデベロッパー各社にとっては「泣き面に蜂」状態です。全ては「身から出た錆」ですから仕方ありませんが、マンションデベロッパーが高値掴みした土地の価格はまだまだ下がります。損切りしたくても売るに売れない状態という奴ですね。

法政跡地も、新築工事は一向に始まる気配を見せません。桜の移植作業をする辺り、長谷工はまだ諦めずに事業化しようとしているようですが、以前にも見た通り、長谷工の買値ではおよそ利益の出る事業にはなり得ないでしょう。住宅情報マンションズの「今週のクローズアップ」を見れば分かる通り、長谷工の大規模マンションが大量に売れ残っているのは誰の目にも明らかです。撤退も一つの英断ですよ、長谷工さん。

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用途地域の抜本的見直しを!

今日の話題は、法政跡地問題とは直接の関係はありません。しかし、私がマンション問題の本質と考えていることを、別の切り口からあぶり出している記事を、今朝(5/14)付の日経朝刊に見つけましたので、そのことについて考えてみたいと思います。

ご紹介する記事は、住宅接近、工場街悩む・騒音に苦情、移転なら雇用維持できずというもので、NIKKEI NET上でも記事の最初の方だけ紹介されています。

 東京や大阪の中小製造業が隣接する住宅やマンション住民との共存に悩んでいる。工場街は交通の利便性から空き地が住宅として活用されているが、引っ越してきた住民にとっては工場の騒音などが悩みの種。中小企業の方もトラブルを避けるため、設備増強などが進められない。中小は住民との対話の場を作ったり、繁忙期の作業場の提供を地方の企業に求めたりと、住民との共存に知恵を絞っている。
 大阪府大東市では昨年7月、地元企業と住民の代表双方が参加し住宅と工場の「調和」を目指す協議会を発足した。市内の工場集積地の工場跡地に大型マンションや住宅の建設が相次ぎ、騒音トラブルなどが顕在化し始めたためだ。地元社員の雇用を維持するため、工場移転は難しい。



Web上の記事紹介は、この出だし部分のみで終わっています。しかし、本当に重要なのは紙面でこれに続いている次の1センテンスです。

 工場集積地は都市計画法用途地域で「工業地域」や「準工業地域」に指定されるが、住宅建設は制限されない。そのため工場移転などで広大な敷地が空くと、住宅開発会社が取得し大型物件を開発する流れがここ数年続いている。モデルルームがにぎわう週末は機械が止まるため、音などの実態を知らずに購入するケースもあるという。



以下は具体的な事例の紹介が続きますが、それは本ブログの関心とは無関係なので割愛します。ここまで引用すれば、もう何を言おうとしているかは明白でしょう。被害者が地域住民か中小工場主かの違いはあれど、マンションデベロッパーの「自分さえ良ければそれで良し」という身勝手な姿勢の代償を、地域に先住するものが支払わなければならないという理不尽さが、そこには存在しています。

そして、このような理不尽さの根源となっている制度こそ、都市計画法に基づく「用途地域」だと考えます。用途地域の本来の目的は、地域特性を考慮して土地の利用方法を定め、用途の混在を防ぐことにある筈です。しかし、実情は現状を追認して制定されているため、周辺が全て戸建中心の住宅街であっても、既に大手メーカーの工場があれば工業系の用途地域に指定されたり、大学があれば大学用地だけ用途地域が緩和されたり(大学は最も規制が厳しい第一種低層住居専用地域には建設できない)しています。

現に、ここ法政跡地にしても、吉祥寺東町はほぼ全域が一種低層地域であるにも関わらず、武蔵野美大があるために武蔵野美大・法政跡地・市立第三中学校を含むエリアのみ、第一種中高層専用住居地域に緩和されています(それが証拠に、元・法政一中高と同程度の校舎が建っている吉祥女子中高は(建ぺい率・容積率は緩和されているものの)一種低層地域です)。

吉祥寺東町の都市計画図
(駅周辺を除き、ほぼ全域が一種低層。中央黄緑部分が法政跡地、右端の斜線部分が吉祥女子。クリックで拡大)

その結果、工場や大学が移転した跡地を心ないマンションデベロッパーが購入し、用途地域が緩和されている経緯など完全に無視して、「用途地域上建築可能であり、何ら違法性はない」と称しては、周囲に大変な迷惑を及ぼす巨大マンションを建築しているのが、ほとんどのマンション建設紛争の本質だと思います。そして、そのような紛争を最も多く、且つ大規模に起こしている企業こそ、長谷工なのです。

先の中小工場街の問題も本質は全く一緒です。本来工場密集地である地域特性を無視してマンション建設を強行し、しかもその地域特性に起因する騒音問題等は顧客に説明しないままに販売。結果として、本来売り主であるマンションデベロッパーが負うべき責任を、先住者である工場主たちが負わなければならない。この理不尽さは、どこかで歯止めを掛けなければ、マンションデベロッパー各社のモラルに任せていても決して解決しないことは、既にここ数年の乱開発の歴史が雄弁に物語っています。

お願いの看板
(こんな看板見つけました、クリックで拡大)

このような無法状態を早急に解消するため、都市計画法を改正し、用途地域に一定の制限を課すことが必要でしょう。とは言え、一方的に用途地域の規制を厳しくすることは、既に居住している人の権利を侵害することになりますので、なかなか難しいと思います。

そこで、地域特性から判断して、明らかに特定の施設のためだけに用途地域が緩和されているエリアについては、当該施設が存続する間だけ当該用途地域を適用し、その施設が移転等した場合には、その時点で周囲と同様の用途地域に変更するという、いわば用途地域版「(大相撲の)一代年寄株」とでも言う制度を創設して欲しいと思います。

勿論、土地利用を制限することは既得権者の反発も強く、一朝一夕ではなしえないとは思います。しかし、これ以上の乱開発を抑制するために、そして(法政のように)本来の(用途地域緩和)経緯をわきまえずに「金儲けをして何が悪い」と言い放って、土地をモラルなきマンションデベロッパーに売り払って去っていくような「逃げ得」を許さないためにも、是非このような歯止めが必要だと考えます。

ともかく、実態にそぐわない用途地域規制が、マンションデベロッパー各社の脱法行為を助長していることは動かしがたい事実です。何とかこの現実を変えていくために、できることを少しでもやっていきたいと思う今日この頃です。

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住宅密集地でのクレーン車使用の是非

法政跡地のうち、記念講堂の解体工事が本格化してきました。それに伴って、また振動と騒音の日々がやって来てしまいました。本当にご勘弁を願いたいものです。下の写真は連休中に撮影したもので、記念講堂の土手っ腹に穴が空いています。今では前面の壁が全て取り壊されており、見る影もありません。

穴あき記念講堂
(クリックで拡大)

個人的には、この記念講堂の解体については、非常に理不尽さを感じています。武蔵野市議・川名ゆうじ氏のブログの2005年12月27日付エントリ「買い取れるか? 法政中・高校跡地」に、記念講堂内部の写真が掲載されています。川名氏自身も、記事中で「講堂を見ましたが、築20年とまだまだ使えるように思えました。公共施設となるとエレベーターがないので、改造費が必要でしょうが、このまま壊すにはもったいないと思いました。見た目ですが、吉祥寺駅南口にある武蔵野公会堂よりも良いように思えたからです」と述懐しておられますが、全く同感です。あれだけの建物ですから、公共的な施設として十分有効利用できた気がしてなりません。この辺り、地下に貯水槽を造るという目的ありきの用地取得であって、市民の声が本当に反映されているとは言い難いものを感じてしまいます。

話はガラッと変わりますが、ゴールデンウィーク後半は、6日未明の強風や8日深夜の地震など、色々と自然の力を再認識させられました。そして、その都度、今後必ず懸念事項として持ち上がるであろう「あること」を想起せずにはいられませんでした。その「あること」こそ、今後の新築工事に伴って設置されるクレーン車による転倒・落下などの災害発生の危険性です。

以前のエントリ「長谷工施工現場は危険がいっぱい」で、長谷工クレーン転倒事故の常習犯であることはご紹介済ですが、これは何も長谷工だけが特別な存在という訳ではなく、建設業界全体に蔓延する問題のようです。常陸機工というクレーン専門工事業者のHP内に、移動式クレーン事故情報としてクレーンによる事故情報が時系列的に紹介されています。これを見ると、その数の多さ自体にも呆れますが、転倒・落下などの重大事故も頻発しており、いかに業者が口先で「安全」を唱えようと、事例がその危険性を雄弁に物語っています。個別の業者名は開示されていませんが、当然、長谷工事例も含まれています。時間があれば、それぞれの事故を起こした会社がどこなのか、調べてみるのも面白いかも知れません。

また、国際サービスシステムという建設機械販売会社のHP内にある「メンテナンスニュース」というコンテンツには、VOL.46 クレーンの転倒事故の話VOL.68 クレーンの転倒事故の話(2)と「禁断のテーマ」を二度も採り上げています。それだけ、業界内から見ても転倒事故が多いということでしょう。紹介されている事例の事故原因は「過負荷防止装置を解除しての使用」、「アウトリガーを張り出す地盤の養生(不足)」、「リミットスイッチの調整不良」という何れも業者の危険性に対する認識が欠けているとしか思えないものです。これが業界全体を取り巻くモラルの低さだとしたら… 考えたくもありませんね。

次に、南流山鰭ケ崎・・死人坂のマンション物語というサイト(紛争を7年も継続しているという努力には頭が下がります)内の「死人坂資料室」には、クレーン車横転事故の模様を伝える(写真付の)新聞記事が2件保存されています(船橋市東中山1丁目柏市あけぼの4丁目)。特に、船橋の事例にある「左後輪が約3センチの段差にひっかかり、バランスを崩して」倒れたという記載には驚かされました。その程度で横転するようなものを住宅密集地で平気で使用する神経って… 3センチの段差など、ごく日常的に生じうるものです。住宅密集地でのクレーン車使用には、もっともっと厳しい安全規制が必要なのではないでしょうか。

最後に、ちょっとユニークなクレーン横転事故の様子を紹介したブログ「マンション屋さんの溜め息」から建設中の事故をご紹介します。横転したクレーンがマンションのセールスポイントにしていたシンボルツリーに倒れかかり、右半分がきれいさっぱり削られてしまった様子を紹介しています。ここまで来ると、苦笑せざるを得ませんね。

繰り返しますが、街中でのクレーン使用にはもっともっと厳しい規制が必要なのではないでしょうか? これだけ豊富な事例を目の当たりにすると、建築業界の自浄作用に期待することは、限りなく無理という気がしてなりません。何でも規制という考え方は、時代に逆行している面もありますが、無秩序なマンションデベロッパーの乱開発から住環境を保全することや、こうした人命に関わることについては、規制の強化が検討されるべきと思います。

新築工事の説明会を行っていた際には、「4月から着工、連休前には販売開始の予定。なので、これ以上の協議には応じられない」と繰り返し嘯いていたにも関わらず、本格的な工事は未だ始まらず、販売が開始される気配すら見られません。再三指摘している通り、最早マンションは建てるだけ売れ残りを増やすだけです。これらが、長谷工の撤退に向けての動きなら嬉しいのですが、どうせそんな理性は持ち合わせていないでしょうから、取り敢えず建ててしまって、売れ残りは値引いて売り切るといういつものパターンに陥るのが関の山でしょう。

吉祥寺計画
(取り敢えず看板は設置されてます、クリックで拡大)

本ブログで紹介済の物件だけを採ってみても、竣工後も未だに販売している物件ばかりです。既に、長谷工得意の大規模マンションは飽和状態です。加えて、ここ法政跡地のマンションは、敷地の制限から長谷工得意の(共用部分の容積不算入を悪用した)豪華共用施設を造ることもできないでしょうから、高級物件に縁のない長谷工では一体どんな物件を用意してくるのでしょうか? 売れ残りに向けたお手並み拝見といきましょう。

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