吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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9割が売れ残り!? 冷え込む新築マンション市場

扇情的な見出しでスタートしますが、これは私が考えたものではありません。日経BP社の「SAFETY JAPAN」というサイト中のコラム「不動産の達人が教える『失敗できない時代の住宅選び』」第73回分のタイトルです。

コラムの細かい内容は上記リンクからお読みいただくとして、内容をかいつまんで引用してご紹介すると、

 国土交通省は9月19日、2007年の基準地価(7月1日時点)を発表した。
(中略)
 東京圏では、旺盛なマンション需要や不動産投資の活発化を背景に、2年連続で都区部の住宅・商業地の調査地点すべてが上昇したとされる。
(中略)
 ところが、実態はかなり違う。新築マンションの販売現場には今、報道とは大きく異なる異変が起きている。新築マンションの販売現場では一体、何が起きているのか。
(中略)
 新築マンション市場は、販売絶好調だった昨年度までとはうって変わって、春先あたりから潮目が急速に変化し始めたという。郊外で売り出されたマンションはそのほとんどが、販売に苦戦している。
(中略)
 異変は郊外だけではない。「世田谷にある300戸強のマンションが、まだ15戸しか売れていないようだ」。デベロッパーの販売担当者は、ライバル他社の用地仕入れ・販売動向をにらみながら自身の用地仕入れの材料にするが、東京23区内、それも南西部なら大丈夫だろうという神話も、もはや崩れつつある。
(中略)
 今後、吉祥寺では坪400万を大きく上回る新築マンションが複数販売される。その結果が果たしてどうなるのか、業界では注目が集まるところだ。このブランド立地での失敗がもし明白になれば、新築マンション市場はいっそう冷え込むことにもなりかねない。
(中略)
 現在の新築マンション市場では、旧価格と新価格、新々価格の物件が入り乱れているが、多くのケースで新価格物件には購入者がついてきていない。8月の契約率は70%弱といわれているが、実情はもっと厳しいのだ。
(後略)



如何でしょう。正に、法政跡地マンションはここに言う今後販売される吉祥寺物件です(下記追記参照)。坪400万円超ですか。問題外ですね。それだけ出せば、マンションなぞに固執する必要は全くなくなります。100平米で1億2千万円のマンションを購入する予算があれば、ここ吉祥寺でも戸建てが買えます。私は別に、マンションより戸建てが絶対的に良いとは思っていませんが、資産価値を考えれば、相応のグレードを有するマンションでなければ、それだけの価格はとても正当化できないでしょう。マンションデベロッパーは、そうしたマーケティングの基本から考え直した方が良いのではないでしょうかね。

(10月13日追記)この記事の吉祥寺物件とは、御殿山1丁目のJR社宅跡地の長谷工落札物件と、御殿山2丁目の横河社宅跡地(ルフォン吉祥寺)のことのようです。誤解を招く表現をお詫びします。なお、10月13日のエントリ)「こんな値段で長谷工さん大丈夫?」法政跡地の価格の検証を行っていますので、ご興味をお持ちの方は併せてご覧下さい。

「この記事ちょっと極端では」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、新築マンションが売れていないことなど、ちょっと関心を持っていればすぐ分かることです。販売はどんどん長期化して完成在庫が増加、小出しにして数字を捏造しても低下が止まらない初月契約率などについては、本ブログでもお伝えしてきた通りです。更には、大事な広告主であるマンションデベロッパーに対するネガティブな情報をあまり書かない(と思われる)新聞ですら、マンション販売には厳しい目を向けつつあります。

9月14日付の日経新聞では、「首都圏マンション 契約率70%割れ 8月、購入者が選別」の見出しで、初月契約率が65.6%まで下がったことを伝えています。もっとも、この期に及んでも「都心や神奈川など人気の高い地域では『デベロッパー各社が売り渋り傾向を強めた』(不動産経済研究所)ため、優良物件の発売が減少」という○○の一つ覚えの大本営発表を鵜呑みにして掲載しているのはご愛敬ですが。

この他、同業者でも心ある方は既にこの異常な状況に対して警鐘を鳴らしています。「建築閑話」というブログを書かれている建築家・飯沼竹一さんは、8月31日のエントリ「こんなマンションデベロッパーはもう要らない!」で、「数年前より分譲マンションは供給過剰であることなど周知の事実であ」り、「今年に入り、千葉市内でも新築分譲マンションの販売不振が顕著になってきているように感じる」こと、そして、「一企業の杜撰な事業企画から新築分譲マンションは格安に販売され、その周辺の既存マンションの資産価値が下落する」という理不尽さを指摘しておられます。

更に、「住環境の悪化、急激に生じる人口過密の問題、学校、ゴミ、駐車場、防犯、そして景観の問題… 多くのデベロッパーが街を創るという考えをほとんど持たない」ため、「マンションデベロッパーの社会的な役割は、疾うの昔に終わっている」と結ばれています。慧眼と言う他ありません(もっとも、私個人としては、大手不動産会社、大手商社も含めた「マンション建設に携わる全ての企業の社会的な役割」に変えるべきだとまで思っています)。

本来、メーカーには諸悪の根源である在庫を極力圧縮すべく、生産調整を行うということが、経営の最も基本的なノウハウとして備わっています(これをはずした会社がどうなっているかは数々の倒産事例が如実に物語っているでしょう)。その中で、「住宅(マンション)を造って売る」というメーカー的機能を有するデベロッパーのみが、将来の販売物件が枯渇することを過度に恐れて、ろくに採算も考えずに闇雲に土地を仕入れ、「売り出す頃には地価が上昇して販売価格に転嫁できるだろう」という極甘な見通しの元に突っ走ってきたツケが、今まさに噴出し始めている訳です(生産調整したくとも、次から次へと竣工するので調整しようがない)。自業自得という他ありません。この機を捉えて、今度こそ大幅にマンションデベロッパーの淘汰が進むことを、心から願わずにはいられません。

但し、特殊なノウハウなど一切不用(用地さえ仕込めば、企画・設計・施工・販売、全て外注可能)なマンションデベロッパーですから、淘汰された分だけ新興勢力がのし上がってくるだけです。根本的に、入り口の部分で公益の一部を担う住宅供給業者としての適性をチェックする仕組みを整えない限り、残念ながら抜本的な解決を図ることは難しいのが現実です。善良な市民の無駄な犠牲は、いつになったらなくなるのでしょうか。
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解体工事協定書締結

26日に、工事対策連絡会名で解体工事協定書を締結する旨の挨拶状が、協定書の最終案とともに投函されていました。紆余曲折はあったようですが、取り敢えず締結までこぎ着けたことは評価できると思います。

また、挨拶状には、市の都市整備部の井上部長・伊藤担当課長の立ち会いの下で調印することになった旨が報告されていましたので、今後の長谷工解体工事に係る作業内容についての強力な指導も期待したいところです(協定書の写しを渡したようですので、内容についても十分了知している筈です)。

ここでは、協定書の最終案を全て掲載するのは二度手間なので、変更があった条項のみ抜粋して掲載させていただきます。変更前の協定書案は9月22日付エントリ「協定書を巡る攻防」を併せてご参照下さい。変更箇所は、下線で示してあります。

第2条(基本方針)
1.(略)
2.乙は当計画地の住環境の特質である静穏な環境及び本工事現場周辺の道路が本宿小学校、第三中学校の通学路であることを十分認識した上で、近隣及び周辺住民の建築物等の現状維持、並びに甲住民の日常生活の安定保持を念頭において工事を行い、甲住民の不安感・迷惑感を生ぜしめぬよう最大限の努力を行う。 特に隣接住民から直接苦情を受けた場合には、乙は当該迷惑行為の発生を防止するために有効な対策を講じるよう最大限の誠意を持って努める。
3.尚、記念講堂及びプールの解体工事を行う場合は、本協定書を基本とし、乙は甲に説明の上、甲・乙別途協議し当該協定を締結するものとする。

第4条(休日及び作業時間)
1.作業時間は、午前8時~午後6時30分とする。
但し、下記作業については記載された時間帯で行う。
(1)ジャイアントブレーカーを使用する作業は、近隣に対する振動・騒音の迷惑が大きい事を自覚し、棲力使用しない作業手順とする。但し、使用する場合は、午前9時~午後4時半とし、出来る限り短時間の作業となる様努める。尚、事前に週間作業内容を甲に周知し、隣接住民には個別に通知するものとする。
(2)(略)
2.土曜日は、ジャイアントブレーカーの使用およびコンクリートガラの振り分け作業は行わを使用しない。
3.~6.(略)
7.乙は、本工事を着工する前に、甲に解体工事全体工程表を提出するものとする。尚、天候等不可抗力によるやむを得ない事情により工程を変更する場合は、改めて解体工事全体工程表を甲に提出するものとする。
8.(略)
9.天災等緊急時の防災作業(例;台風接近に伴う養生シート取外し、足場緊結、点検、補強、資材の飛散防止対策等)又は工事の進行上やむを得ない作業が発生し、作業時間外又は休日に作業を行う場合は、甲に事前に説明の上、行うものとする。

第5条(騒音、振動、塵埃等の抑制)
1.~5.(略)
6.乙は、作業内容の改善策(騒音・振動・塵埃等の抑制)を主たるに生かすことを目的として、振動計と騒音計を建築敷地内に2箇所設置し、本工事に起因する振動及び騒音を常時測定すると共に、そのデータを常にデジタル板にて表示する。また、その振動及び騒音が「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に定める基準値を超えぬ様、努力するものとする。
7.(略)

第6条(交通安全)
1.工事中、乙は工事車両(工事関係者の使用する車両も含める)の出入りに際しては、一般車両及び歩行者の交通安全、道路渋滞の防止等のため、所轄警察署の指示に従うと共に、必要に応じて最低1人以上の誘導員の適正な配置等の安全対策を講じて、甲および一般通行人に対して安全な通行を確保する。
2.(略)
3.工事車両の通行については次の通りとする。
(1)法政通りは、原則として工事車両は通行しない。午前7時30分~午前8時30分の間は原則として通勤車両もを含め、工事車両は通行しない。
(2)市道118号線(計画敷地の東側通りは、原則として工事車両は通行しない。
(3)(略)
4.~5.(略)
6.建設重機・大型車両の搬出入は、主として女子大通りから行い、原則として、市道第5号線(法政通り)及び市道第118号線からの出入りは行わない。但し出入りする場合は車両台数を明確にし、事前に甲に通知説明の上通行するものとする。

第9条(家屋、付属物の損傷)
1.~4.(略)
5.地下解体の山止め方法、埋め戻し方法については家屋の不等沈下及び土壌汚染などが起こらないように慎重に行う。尚、埋め戻す土は良質土とする。(新設)

第12条(重大被害の対処)
1.(略)
2.現在甲が使用している井戸水について、乙は被害が生じる恐れのある工事開始本工事着工前に使用状況を調査(調査範囲は、概ね敷地境界から50m2Hの範囲)し、本工事に起因して異常・障害が生じた場合には、乙は、誠意を持って甲と協議の上速やかに損害復旧をするか、修復費用を支払う。

末尾
以上、本協定の証として、本書2通を作成し、甲・乙記名押印の上、各1通を保有する。なお、武蔵野市都市整備部に本書の写しを一部提出するものとする。



細かい解釈上の疑義を修正したような箇所が多く、内容自体に大きな変更は見受けられません。最終交渉の成果としては、土曜日の作業内容に少し制約が付け加わったことと、市の立ち会い・写し提出が加わったこと位でしょうか。先日ご紹介した協定書締結のポイントに変化は見られませんでした。

しかし、このことはある程度長谷工という会社の姿勢を考えれば予測できたことです。限定的とは言え、工事中断条項を盛り込むなど、住民側の一定の努力は認められる内容ではないでしょうか(本来、もっと法令上の規制が厳しければ、こうした住民の不毛な努力は全く不用になるのですが…)。

後は、長谷工言うところの誠意ある工事と、武蔵野市の毅然とした指導姿勢に懸かっています。お願いしますよ、ご両人。

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雑誌で長谷工ウォッチング

先日(木曜日)の日経夕刊に、プレミアムレジデンスという長谷工施工物件の広告が掲載されていました。例によって、この物件自体には何一つ関心はありませんが、この広告には一つだけ目を引く箇所がありました。それは、「週刊ダイヤモンド『マンション評価』ランキング 茨城エリア第1位」と非常にでっかく書いてあったことです。

プレミアムレジデンス
(クリックで拡大)

私は、正直長谷工という会社を全く信用していませんので、この広告の信憑性も疑ってかかり、掲載誌('06.12.9特大号)の掲題記事を見てみました。すると、案の定、嘘でこそないものの、限りなく誇大広告臭いことが分かりましたので、この会社の体質を示す一つの証左としてご紹介させていただきます。

当該記事は、首都圏の分譲中マンション100物件を立地・全体計画・建物構造・専有部分の計画・資産価値から成る全20項目(各項目5点満点で合計100点満点)を採点し、ランキング形式で紹介したものです。これを見ると、確かに茨城エリアの物件の一番上に「プレミアムレジデンス」が載っており、嘘ではないことがすぐ分かります。

しかし、よく見ると、茨城エリアは4物件しか載っておらず、うち3物件が同点第1位(74.5点)、且つ第4位とされた物件も点数はわずか0.5点差という最小得点差で、とてもじゃありませんが「第1位」などと大きく広告に書くほどのものではないことが分かります。

さらに言えば、この74.5点という点数自体、全100物件中77位(同順位7物件)ととても高いとは言えない順位で、これを広告にデカデカと謳う神経が分かりません。土浦という立地上、都心へのアクセスという項目で低評価(2.0点)なのは仕方ないと思いますが、その他の項目は関係ありませんので、低評価の理由は他のところにあるようです(ご興味のある方はバックナンバーをご覧下さい)。どうも、隣がパチンコ屋だったりして売れ行き不振なので、急遽このランキングを売りにした広告を掲載したという気がします。

マンションに係るランキングということで、別の雑誌記事を思い出しました。日経ビジネスの'06.6.26号特集記事「まだまだあった売りっぱなしの罪」の中に、「初調査で見えた怒りの声マンション編 追随許さぬ低評価」というマンションのアフターサービスに関する満足度調査結果が掲載されています。記事の内容については後ほどご紹介するとして、先ずはランキングをご紹介したいと思います。

順位企業名満足度指数(%)回答者数
1リクルートコスモス46.354
2大和ハウス工業45.824
3穴吹工務店42.921
4三井不動産34.894
5三菱地所26.842
6大京20.583
7近鉄不動産15.819
8ゴールドクレスト14.315
9住友不動産13.539
10東京建物13.315
11野村不動産12.160
11藤和不動産12.133
13扶桑レクセル11.118
14東急不動産8.834
15丸紅0.018
16長谷工コーポレーション▲3.392
17ダイア建設▲13.622
18日本綜合地所▲20.020
 全体6.91231


この記事は、次のような書き出しから始まります。「平均満足度指数6.9%。今回、初めて調査したマンションのアフターサービスのレベルは、15分野の中でダントツに低いものだった。ワースト2位の洗濯機(スコア23.2)と比較しても、16ポイントの大差がついた。マンションは、サポート体制に深刻な問題があると言えそうな調査結果だ。」

マンション業界全体として、いかに顧客を軽視しているかを示すデータと言えるでしょう。その中でも、最下位でこそないものの、顧客満足度がマイナスの長谷工って一体… 回答者数は、全18社中僅差で第2位ですので、長谷工グループの管理会社である長谷工コミュニティの宣伝文句「マンション管理ランキング5年連続第1位」は、どうやら数のことを言っているだけのようです。劣悪物件をおっ建て続けるより、この会社にはもっと優先すべきことがあるように思うのは、私だけでしょうか?

なお、この記事の中に、「ほとんどの消費者にとって、住宅は一生に一度の買い物。逆に言えば、企業はリピーターを考えないでよいから売りっぱなしでも困らない」との記述があります。これは、本ブログの過去のエントリ「なぜマンションデベロッパーは不法行為を止めようとしないのか?」で指摘した通りです。マンションという存在について、皆がもう一度真剣に考えてみる必要があるのではないでしょうか?

最後に、直接長谷工とは関係ないですが、読売ウィークリーの'07.6.3号に掲載された記事「スクープ!! ここまでひどいかマンション販売 伊藤忠お粗末『不適格』億ション」をご紹介します。

この記事の内容は、大田区山王に伊藤忠都市開発と新日本建物が建築・分譲した「山王プレイス」について、両社が地下室マンションを禁止する条例が2006年6月に施行されることを購入者に説明せずに分譲したというものです。伊藤忠は、「条例改正の動きを知らなかった」としらばっくれているようですが、国土交通省は宅建業法違反での処分を検討していると報じられています。

この事件、本当に問題外ですが、ここでお伝えしたいのはこの事件のことではありません。記事中、次のような記載があります。

「実は、戸建て住宅やマンションが完成後に、建築関係の法令などの改正で、違法状態になることはよくある。規制がより厳しくなると、以前なら問題なかった物件も基準に沿わなくなる。こうなると、物件は『既存不適格建築物』とされ、建て替える際には、新基準に適応するよう求められるわけだ。
既存物件ではよくある話でも、新築なのに完成時点で、『不適格』が”約束”されるというのは異例だ。」

本ブログを良くお読みの方、及び連日本ブログを訪問しに来る長谷工社員の方は、何が言いたいのか既にお分かりでしょう。そうです、長谷工物件にはここで言う「異例」な出来事が頻発しているのです。地域住民、行政を無視して迷惑大規模マンション建設を強行する、結果として後追いながら成立した高さ制限を定めた条例に反する状態で竣工し、竣工時点から違法建築物(既存不適格)になるという事例は、枚挙にいとまがありません。本ブログで紹介済の物件だけでも、「深大寺レジデンス」、「プレティナージュ御池東洞院」。他にも近隣では、小平市の「エクスアン一ツ橋学園」。そして何と言っても有名なのは、駒沢公園横の劣悪物件「深沢ハウス」。切りがないので止めましょう。

読売ウィークリーの記者さんには、もう少し掘り下げて、是非この長谷工問題を採り上げることをオススメしておきます。

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協定書を巡る攻防

前回のエントリでお約束した通り、今回は長谷工が修正した工事協定書の中身について考えてみたいと思います。先日、工事連絡会によって投函されていた協定書案の長谷工修正バージョンは次の通りです(スキャナーで読み込んでおり、誤字等残っていたらご容赦下さい)。

法政大学第一中・高等学校解体工事に関する協定書


この協定書は、東京都武蔵野市吉祥寺東町3丁目314番5号外7筆における「法政大学第一中・高等学校」解体工事(以下「本工事」という)に閑し、長谷工マンション建設工事対策連絡会(以下「甲」という)と事業主兼施工者株式会社長谷工コーポレーション(以下「乙」という)とが協議した結果、下記の通り合意したので本協定書を締結する。

第1条(建物の概要)
1.工事場所:東京都武蔵野市吉祥寺東町3丁目314番5号外7筆
       (本校舎敷地、記念講堂敷地及びプール敷地の一切をいう)
2.工事名称:法政大学第一中・高等学校解体工事
3.解体業者:株式会社長谷工コーポレーション

第2条(基本方針)
1.甲、乙は、互いに信義、誠実、互譲の精神を持って、円滑な近隣関係を保持するよう努め、乙は本工事に当たり、甲への迷惑を最小限にとどめるよう安全管理に万全を期し、本工事完了まで関係法令を遵守した安全確実な施工に努める。
2.乙は当計画地の住環境の特質である静穏な環境及び本工事現場周辺の道路が本宿小学校、第三中学校の通学路であることを十分認識した上で、近隣及び周辺住民の建築物等の現状維持、並びに甲住民の日常生活の安定保持を念頭において工事を行い、甲住民の不安感・迷惑感を生ぜしめぬよう最大限の努力を行う。
3.尚、記念講堂及びプールの解体工事を行う場合は、本協定書を基本とし、乙は甲に説明の上、甲・乙別途協定を締結するものとする。

第3条(工事期間と事前作業)
1.本工事の工事期間は、平成19年9月18日より平成20年3月31日までの予定とする。(記念講堂及びプールの解体時期が決定次第、乙は甲に通知するものとする)但し、天候等、乙の責めを負わない不可抗力、安全確保のため作業工程の変更等の理由で、工事期間内に完了しない事態が生じた場合は、乙は甲に事前に工事延長理由、延長期間の説明を行うものとする。
2.本工事の着工前に、ねずみ・害虫等の駆除及び拡散防止処置を行う。

第4条(休日及び作業時間)
1.作業時間は、午前8時~午後6時30分とする。
但し、下記作業については記載された時間帯で行う。
(1)ジャイアントブレーカーを使用する作業は、近隣に対する振動・騒音の迷惑が大きい事を自覚し、棲力使用しない作業手順とする。但し、使用する場合は、午前9時~午後4時半とし、出来る限り短時間の作業となる様努める。尚、事前に週間作業内容を甲に周知するものとする。
(2)コンクリートの解体作業及びガラのダンプへの積載作業、その他振動・騒音の影響が大きい作業は午前8時45分~午後5時30分とする。
2.土曜日は、ジャイアントブレーカーを使用しない。
3.作業開始前の朝礼等は迷惑のかからないように午前8時00分より行うものとする。
4.日曜日、祝祭日は作業全休とする。
5.昼の休憩時間は正午より午後1時までとし、重機を使用する作業は行なわない。
6.年末年始休暇は、平成19年12月28日より平成20年1月6日までとする。
7.乙は、本工事を着工する前に、甲に解体工事全体工程表を提出するものとする。尚、天候等やむを得ない事情により工程を変更する場合は、改めて解体工事全体工程表を甲に提出するものとする。
8.乙は、前月末までに月間工程表を甲に提出する。また、乙は作業内容を明記した週間予定表を道路面仮囲い等に掲示する。
9.天災等緊急時の防災作業(例;台風接近に伴う養生シート取外し、足場緊結、点検、補強、資材の飛散防止対策等)、又は工事の進行上やむを得ない作業が発生し、作業時間外又は休日に作業を行う場合は、甲に事前に説明の上、行うものとする。

第5条(騒音、振動、塵埃等の抑制)
1.乙は、工事用機械、器具については、騒音・振動等を最小限に止める機種を選定し、甲に対する生活の被害を最小限にすべく十分注意して工事を行う。
2.乙は、騒音・振動を伴う作業については、騒音規制法、振動規制法の特定建設作業の規制基準を遵守し、騒音・振動の減少に努めるものとする。
3.本工事中、粉塵・塵埃等が飛散しないよう、十分な散水等の処置をする。又、休日で乾燥等により粉塵・塵埃等の飛散が想定される場合は、十分な散水等の措置をする。
4.乙は、特定建設作業に該当する作業については、騒音作業の内容について事前に甲に説明する。
5.本工事の現場内には、連絡用のスピーカーは設置しない。
6.乙は、作業内容の改善策に生かすことを目的として、振動計と騒音計を建築敷地内に2箇所設置し、本工事に起因する振動及び騒音を常時測定すると共に、そのデータを常にデジタル板にて表示する。また、その振動及び騒音が「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に定める基準値を超えぬ様、努力するものとする。
7.作業用の照明は、近隣に配慮して設置する。

第6条(交通安全)
1.工事中、乙は工事車両(工事関係者の使用する車両も含める)の出入りに際しては、一般車両及び歩行者の交通安全、道路渋滞の防止等のため、所轄警察署の指示に従うと共に、必要に応じて誘導員の適正な配置等の安全対策を講じて、甲および一般通行人に対して安全な通行を確保する。
2.道路上に工事車両を駐車しない。
3.工事車両の通行については次の通りとする。
(1)法政通りは、午前7時30分~午前8時30分の間は原則として通勤車両を含め、工事車両は通行しない。
(2)計画敷地の東側通りは、原則として工事車両は通行しない。
(3)女子大通りは、午前7時30分~午前8時の間は原則として工事車両は通行しない。尚、誘導員を午前7時30分~午前8時30分の間、法政通りと女子大通りの交差点に1人、児童の安全確保の立場で立たせる。
4.工事車両は車両本来の目的以外には使用せず、不必要なアイドリングを行わない。
≪第5項として、建設重機・大型車両の搬出入時間規制(午前9時以降)が規定されていたが、丸ごと削除≫
5.乙が管理する所轄警察署の認定を受けた工事車両については、警察の許可証を運転席の見やすい場所に掲示する。また、本工事の関係車両であることがすぐに判別できる様にする。
6.建設重機・大型車両の搬出入は、主として女子大通りから行い、原則として、市道第5号線(法政通り)及び市道第118号線からの出入りは行わない。但し出入りする場合は車両台数を明確にし、事前に甲に説明の上通行するものとする。

第7条(周辺道路の維持管理)
1.乙は、本工事中、常に周辺道路の維持管理に留意し、道路の損傷と汚染防止に努める。
2.乙は、工事関係者が、タバコの吸い殻、飲食物の残飯及びその包装物等を公道上に投棄せぬよう、また仮設トイレ以外で排泄行為を行なわぬ様、マナーの指導を徹底する。現場責任者は、毎日作業終了前に必ず周辺道路を確認し、清掃を実施する。
3.工事車両の交通等により道路に損傷が発生した場合には、道路管理者の指示を受けて、速やかに補修復旧を行う。
4.工事車両の交通等により道路上に汚染が発生した場合には、その都度速やかに清掃を行い、周辺への汚染の拡散を防止する。
5.乙は道路法に基づき、公道上に資材などを放置しない。

第8条(災害防止)
1.乙は、工事期間中に甲の建物及び付属物を破損、汚損しないよう、また、甲並びに通行人の安全を図るため、現場の周囲に仮囲い養生、金網、シート等を設け、安全かつ十分な対策を講じて、作業所内より資材の落下、粉塵・塵埃等の飛散を防止するよう努める。
2.乙は、仮囲い等に周辺の美観を損ねることのないようなものを採用し、景観に十分配慮する。
3.乙は、火災事故防止のために十分に配慮を行う他、火気を伴う作業を行う場合、管理責任者を定め、消化設備の整備を行う等防火体制に万全を期す。

第9条(家屋、付属物の損傷)
1.乙は、本工事施工に起因して、甲の建物及び付属物その他の所有物に損傷を与えたときは、甲、乙協議の上、速やかに修復または補償する。
2.乙は、本工事着工前、工事期間中に甲の立会いのもとで、本工事現場周辺(家屋調査の範囲については、解体敷地に隣接する家屋を中心に希望する家屋)の近隣住民の建物・構造物等について、第三者調査専門企業による写真撮影及び文書等必要な記録を取り、後日、万一損傷が生じたときの資料とし、写しを甲に交付する。
3.乙は、本工事完了後、家屋等調査の資料に基づき甲の立会いのもと家屋、付属物に損傷がないか確認する。万一損傷が起きていれば甲、乙協議の上修復または補償する。
≪第4項として、因果関係の立証責任が乙にあることを明記していたが、丸ごと削除≫
4.第2項の建物・構造物等の現状の確認と記録の調査費用は乙の負担とする。

第10条(アスベスト対策)
乙は、公的機関に吹き付けアスベスト調査を依頼し、甲にその結果を発表し、粉塵の飛散防止対策を講じる。

第11条(人身に係る補償)
1.乙は、工事に関して甲の安全を優先し、万一甲の人身に係る事故が生じた場合には、それに要する治療費・入院費等、当事者の方と協議の上速やかに賠償等を行い、回復に向けて誠意ある解決をする。
2.乙は、高齢者、病人等が、本工事による身体的な異常を訴えた場合には、甲と協議の上必要に応じ適切な処置をとる。

第12条(重大被害の対処)
1.甲の生活に支障をきたすような重大な被害、および生活ライン(ガス、上下水道、電気等)が断たれた場合には、乙はその復旧を第一に行い、甲、乙協議し補償する。
≪第2項として、樹木の立ち枯れについての規定がなされていたが、丸ごと削除≫
2.現在甲が使用している井戸水について、乙は本工事着工前に使用状況を調査(調査範囲は、概ね2Hの範囲)し、本工事に起因して異常・障害が生じた場合には、乙は、誠意を持って甲と協議の上速やかに損害復旧をするか、修復費用を支払う。

≪第12条(災害補償)として、営業補償条項が規定されていたが、丸ごと削除≫

第13条(現場管理)
1.乙は、工事期間中、現場に工事責任者を常駐させ、連絡先を明確にし、甲の苦情処理等の窓口等にあたると共に、現場及び現場周辺の管理を十分行い、甲に迷惑をかけないようにする。また、工事責任者不在の場合にも代理人を置いて業務を行わせるものとする。尚、工事責任者及び代理人の氏名、所属会社の住所、電話番号を本協定書締結までに甲に書面にて通知する。
2.乙は、衛生面に注意し、簡易水洗トイレ・手洗い等の設備を設け、甲に迷惑をかけない。尚、当作業所敷地内には、作業所員宿泊施設は設置しない。
3.乙は、作業員の教育・指導監督を十分行い、甲に不謹慎な言動・行動により迷惑をかけないようにする。
4.夜間、作業休日等の作業時間外は工事現場は閉鎖し、工事関係者以外立ち入ることの出来ないようにする。

第14条(連絡窓口)
1.本協定を円滑に実施し、連絡体制を密にするために乙は現場事務所を近くに設置し、連絡責任者を次の通りとする。
現場所長      中村雄二
現場事務所電話番号 0422-20-9261
開発推進4部    開発課長 遠藤敦史
               中村 裕
2.乙は、甲からの苦情については、下請け業者に関するものを含め迅速に対応し、処理する。
3.夜間・早朝・休日・緊急時の連絡先は以下の通りとする。
株式会社長谷工ナヴィエ
電話番号 03-3255-0061

第15条(過失があった場合の対応
乙の重大な過失により、甲に迷惑を掛けた場合は、乙の状況判断の上、一旦工事を中断し、甲・乙協議の上で工事を再開する。

第16条(工事連絡会の開催)
甲、乙は毎月1回、工事連絡会を行うものとする。

第17条(定めなき事項)
本協定書に定めなき事項、疑義等が生じた場合は、甲、乙は誠意をもって協議し解決を図るものとする。

以上、本協定の証として、本書通を作成し、甲・乙記名押印の上、各1通を保有する。

平成19年  月  日

甲〔長谷工マンション建設工事対策連絡会代表〕

住 所

氏 名

乙〔株式会社長谷工コーポレーション〕

住 所

氏 名



下線部は、先日のエントリでご紹介した住民側の協定書案からの変更が見られる箇所です。また、≪≫で囲った部分は、条項そのものが削除されたことに対する注釈です。修正・削除箇所には、明らかに共通した傾向が見て取れます。

先ず、「甲(連絡会)の了解を得る」という表現がことごとく「説明する」、「通知する」という一方的なものに変更されています。住民側の了解などお構いなしに、一方的な通告で工事は進めていくという身勝手さが溢れています。また、工事中断についての条項もことごとく削除されています。唯一残っている第15条も「乙(長谷工)の状況判断の上」で工事中断するか否かを決められるようになっており、非常に一方的です。そもそも、長谷工に重大な過失があれば、工事を中断することなど当たり前のことです。

このような重要な変更を、住民側から持ち出す筈は勿論ないでしょう。とすれば、長谷工お得意の「このような内容なら協定書は結ばない」という脅しがなされ続けたことは容易に想像がつきます。本当、どうしようもない会社ですね。

他にも、作業時間は午前8時~午後6時半を譲らなかったり、騒音計・振動計の設置箇所を2箇所に減らしてみたり、はたまた車両通行台数規制を削除したり、営業補償に係る条項を削除してみたり… 都合の悪いところは全て認めないというスタンスで貫き通されていますね。

しかし、代表メンバーの交渉の結果か、多少(あくまで多少ですよ)の譲歩は長谷工から引き出しているようです。この点について、少し考察してみたいと思います。ここでの考察は、根来冬二さんの著書「マンション建物紛争解決ノウハウ」に工事協定のポイントとして挙げられている事項がどの程度盛り込まれているかを、当初長谷工案、当初住民案、長谷工修正案の3つについて比較してみることとします(ポイントをそのまま転載するのはちょっとどうかと思いますので、当方にて適宜簡略化しています)。

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(2003/11)
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工事協定のポイント当初長谷工案当初住民案長谷工修正案
1. 住民との協議に応じる義務××
2. 定期的な協議会開催×
3. 事故発生時の工事中止(再開は住民との協議後)×△(長谷工の判断次第)
4. 協定違反をしない旨の確約××
5. 家屋調査
6. 工事責任者の決定
7. 営業補償××
8. ガードレール等の移動についての住民合意×××
9. 作業時間
10. 騒音・振動について(測定義務・使用機材等)×
11. 工事の安全について
12. 道路使用について


いかがですか。ここでの○×は、あくまで条項の有無であって、内容については基本的に考慮していません。ですが、当初の長谷工案よりは前進していることが見て取れます。協定違反についての確約は是非とも欲しいところですが、きっとYesとは口が裂けても言わないんでしょうね、長谷工は。

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解体工事着工

昨日(9月18日)、法政跡地周辺に長谷工から以下のような挨拶状がポスティングされていました(一部、個人名・連絡先等省略しています)。

平成19年9月18日


各 位
株式会社長谷工コーポレーション


着工のご挨拶


拝啓 初秋の候、皆様におかれましては御健勝のこととお慶び申し上げます。
 今般、弊社にて(仮称)法政大学第一中・高等学校解体工事を下記予定工期にて着工させて戴く運びとなりました。
 着工後は締結予定の工事協定書の内容を遵守して工事を致します。
 また、9月20日に事務所ハウス設置工事のため、2トン車3台が法政通りを通行しますので、よろしくお願いします。
 何かとご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
                                     
敬 具



1.工事名称  (仮称)法政大学第一中・高等学校解体工事
2.予定工期  平成19年9月18日~平成20年3月31日
3.現場責任者 株式会社長谷工コーポレーション
4.解体業者  株式会社関口興業
5.その他工事に関する連絡先
        株式会社長谷工コーポレーション
以 上



しかし、8月26日の解体工事説明会で高らかに宣言した通り、工事協定書を締結しなくとも解体工事には平然と着工しましたね。今のところ、校舎内の内装等を除去しているようで、周囲が完全に仮囲いで覆われてはいないため、いかにも着工したという雰囲気は醸し出されていませんが、周辺を通ると何やらがたがた作業している音が聞こえてきます。

この調子では、説明会でのもう一つの宣言であるペナルティ条項の挿入拒否も、どのような結果をもたらすかについては火を見るよりも明らかだと言えるでしょう。ペナルティのない協定書を結んで満足した長谷工が、どのような態度に出るか。健全な想像力を有した方なら、容易に想像できると思います。

工事協定書の中身については、工事連絡会の代表メンバーが長谷工と協議した結果、住民側の協定書案に修正が加えられたようで、案文が先日配布されました。この内容については、後日検証してみたいと思っていますが、ここでは協定書の焦点の一つである低騒音型の工事について、少し考えてみたいと思います。

解体工事の際に発生する騒音・振動の中でも、長谷工が地下の基礎部分の解体作業での使用を明言しているジャイアントブレーカーによる騒音・振動被害を懸念する声が一際高いように感じます。確かに、東海カッター興業のHP内に掲載されている「解体工法比較」などを見ても、ジャイアントブレーカーの項には短所として「1.騒音・振動が大きい、2.粉塵が多く、多量の散水が必要である」などの記載が見受けられます。長谷工は、「ジャイアントブレーカーの使用がベストである」の一点張りで、他の工法については紹介すらしませんが、騒音・振動ともに(ほとんど)ない工法も存在するのです。

百歩譲って、工期・コストの観点から、低騒音・振動型の工法は採用できないとします(実際、どの工法が短工期・低コストなのかまでは書いていないので、ちょっと分かりませんが)。しかし、ゼネコンの中でも、近隣環境に配慮する企業はもっと異なるアプローチを採っています。こちらの戸田建設のプレスリリース「近隣配慮型解体工法(NEOカッター工法)を開発」では、「従来の油圧圧砕機と比較して、騒音で-12dB、振動で-14dB(計測距離10m)の低騒音、低振動施工が可能とな」り、「都市部の地下工事では近隣に対する配慮から解体工事の稼働率が45%程度と低くなっているものを、80%程度まで高められる」と書かれています。

戸田建設といえば、バブルにまみれて金融支援を受けた長谷工と違い、堅実経営で知られる優良ゼネコンです。個人的に一番興味深かったのは、「近隣に対する配慮から解体工事の稼働率が45%程度と低くなっている」の行(くだり)です。これって、長谷工だったらジャイアントブレーカー使用時でも、一体何%位まで行くんでしょうね? 騒音・振動の絶対値もさることながら、それがどの程度連続するのかという点も非常に重要な問題です。是非一度、この点(戸田建設のように騒音・振動に配慮して稼働率を下げるつもりがあるか)について長谷工に問い質してみたいものです。まあ、どうせ「当社には解体工事の稼働率という概念はない」とか何とか言って、まともな答えは返ってきそうにありませんけどね。

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クレームも本社直結で!!

今日は、ちょっと趣向を変えて、ちょっとした小ネタにお付き合い下さい(いつもヘビーな話題だけだと疲れてしまいますから)。

日経BP社の建設・不動産専門情報サイト「KEN-Platz」の中の「イエイリ建設ITラボ」というコーナーに、「全現場を本社直結の会議室に!長谷工がテレビ会議システムを本格導入」という記事が掲載されていました。

別に、私にとって長谷工なぞ、何をしようがどうなろうが知ったことではありません(この世から消えてなくなることについては別)が、これについてはちょっと興味を持ちました。

記事の内容については、長谷工自身のプレスリリースとほとんど同内容です。要は、現場も必要に応じて本社に集合して会議を行っていたため、移動に時間を取られていたのを、テレビ会議システムを導入することで現場に居ながらにして会議を行うことが可能になったというものです。8月中には首都圏の全現場に導入予定とされていましたから、今後、法政跡地の現場にも導入されることになる筈です。

テレビ会議
(クリックで拡大)

それがどうしたと思われるかも知れませんが、これ、今後の工事における住民側のクレームツールとして活用できませんかね? 工事で違反や尋常じゃない騒音・振動を引き起こしたら、すぐに現場事務所に駆け込み、本社に接続させる。そして、徹底的な抗議を行うことで、協定書を遵守させる。工事の中断についての判断も、すぐに本社を呼び出し、即断即決させる。せっかくのシステム、活用してもらわないと損ですもの。

宜しくお願いしますよ、長谷工さん。

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事業主の忠実なパートナー、武蔵野市(其の二)

武蔵野市のHPを見ていたら、変更後の吉祥寺東町地区計画案(原案が案に変更されています)が漸く公式に発表されていました。変更内容は、事前に判明していた通り、

・法政本校舎跡地の高さ制限を25→24mに引き下げる。
・隣地境界線及び道路境界線からの離隔距離を4→6mに変更する。

の2点です。これを理由に、長谷工は未だに建物の最終設計案を住民側に提示していません。ほんの少しだけ住民側に有利な変更内容ではありますが、果たしてこの変更があった方が良かったのかどうか…

さて、この変更内容と同時に、地区計画原案に対する地権者等からの意見書の要旨が併せて公開されています。総数93通(80名)の意見書を、地区計画区域内の地権者(16通(13名))とそれ以外に分け、地区計画区域内の地権者以外の意見書は、あくまで「参考として取り扱」うという身勝手振りです。住民提案の地区計画案の対象区域を勝手に狭めて、元々の案では地区計画区域内だった者まで対象外とするとは… 手続き的に瑕疵がなくとも道義的にはどうなんですかね。

この意見書の要旨ですが、例によって事業者と市の癒着振り、住民の要望を無視する姿勢を随所にかいま見ることができる、大変ユニークなものとなっています。順番に見ていきましょう。

先ずは、地区計画区域内の地権者分の意見書です。最初にいきなり、「地区計画全体に関連する意見」として「市原案の内容には賛成であり、よりよいまちづくりのために協力する」という意見が紹介されます。「誰がこんな馬鹿なこと言うのか」と思われるかも知れませんが、これは勿論長谷工しかいません。彼らも、意見書出していたんですね。確かに地権者(厳密には、意見書募集期間中はまだ法政が地権者だったので、長谷工は利害関係者)ではありますけど。これ以外に長谷工の意見らしきものは見当たりませんでした。

更には、「少しでも建物高さを低い規制にしてほしい」という切実な意見に対して、「『少しでも低くしてほしい』という意見から、案では、高さの最高限度を24m に変更します」という素晴らしい武蔵野市の見解が示されています。「意見は『少しでも』だから『少し(1m)だけ』下げました、文句はないでしょ」という論法ですね。言葉尻をとらえた卑怯なやり方です。他の10m、15m、20mといった一段と厳しい規制を望む声には、従来の「既に事業者が現行の規制の中で土地の開発権利を取得しているため、(中略)一定の配慮が必要であると考えて」おり、「8階建て程度であれば、(中略)良好な住環境を確保できるものと考えてい」るという相変わらずの論法で一顧だにしないというスタンスです。

また、シミュレーションのミスについての、「瑕疵があり、偽造の疑いがある」という厳しい指摘に対しては、「意図的な偽造の事実はありません」の一言で済ませています。

続いて、地区計画区域外からの意見書(参考)です。当たり前ですが、地区計画案に対する批判的な意見・要望事項ばかり(というか肯定的意見は一つもなし)という惨状であり、市の地区計画に賛成しているのは長谷工だけということを図らずも露呈する結果となっています。

重複になりますので、細かい内容のご紹介はしませんが、一つだけ。シミュレーションの瑕疵について、「7月5日の説明会で東側からの修正した静止画をスクリーンで見せなかったのは圧迫感が増大したためか」という質問に対して、「修正後の案では、東側の圧迫感がわずかながら増大する結果となりましたが、その結果として地区計画案に影響を与えるものではありません」と言い切っていますが、これは市が判断する事項ではないと思います。結果としての影響を判断するのは、あくまでシミュレーションを見せられる、住民側なのですから。この辺りにも、市の傲慢さが良く現れていますね。

市に、真摯に住民の声に耳を傾ける姿勢があれば、このような意見書の内容をこのまま捨て置くことはあり得ないと思うのですが… やはり、「武蔵野市は事業主の忠実なパートナー」のままなのでしょうか?

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解体工事説明会

7日の金曜日、法政校舎の取り壊し工事に係る説明会が開催されました。平日の夜の開催にも関わらず、7~80人程の出席者がいたのは、アスベスト、大型車両の通行の問題等、近隣住民に危害が及ぶ可能性のある事項が多数あることから、この問題に対する関心の高さを示していたようです。

肝心の説明会は、急遽実施された前回説明会における解体工事についての説明と重複する部分が多く、特に新味はありませんでした。但し、前回説明会の内容について詳細は書き記しませんでしたので、主なポイントをご紹介します。

解体工事は、騒音・振動低減の観点から、バックホウによる圧砕工法を採用するが、地下の基礎部分の撤去工事には、一部ジャイアントブレーカーを使用する。なお、重機の台数は3機の予定。土曜日は、重機は使用しない。

・防音パネルは、既存建物に沿うように設置する。そのため、校舎間の中庭及び北側の大型車両進入路部分には十分な防音パネルは設置しない。

・大型車両の進入ゲートは、女子大通り側に2箇所設置する。事前交通調査の結果、大型車両は女子大通りを東側に抜け、青梅街道に抜けるようにする予定。なお、東側の市道及び法政通りは大型車両の通行は原則として行わない。

・アスベストについては、レベル2、3の飛散性の少ない建材が使われていることが判明している。行政への届け出等も行い、飛散防止に努めて作業する。

なお、説明内容の不十分さ等に対して、少なくとももう一度説明会を開催して欲しいという要望が複数の方から出されましたが、解体工事の説明会は今回限りという姿勢を崩さず、説明を打ち切りたいという態度がありありでした。いよいよ本性を現してきたということでしょうか。

その後、解体工事協定書案についての説明があり、2Hの会の代表メンバーが作成して事前に長谷工に渡してあった住民側協定書案に対して、長谷工の見解が示されました。細部は、代表メンバーとの協議で詰めていくという説明でしたが、色々と興味深い遣り取りが見られましたので、両者の協定書案を掲載します(一応チェックしましたが、スキャナーで読み込んだため、誤字等残っていたらご容赦下さい)。

先ずは、第5回の説明会で配布された長谷工協定書案から(何ヶ所か、明らかな誤字・脱字がありましたが、そのまま残してあります。この会社のチェックの杜撰さを示す良い証拠だと思いますので)。

解体工事協定書(案)


東京都武蔵野市吉祥寺東町3丁目314番地5他における法政大学第一中・高等学校本校舎の解体工事(以下「本件工事」という)に関し、吉祥寺東町2Hの会(以下「甲」という)と株式会社長谷工コーポレーション(以下「乙」という)とは協議の結果、以下の内容で合意したので、協定書を締結する。



第1条(建物の概要)
1.工事場所:東京都武蔵野市吉祥寺東町3丁目314番地
2.工事名称:(仮称)法政大学第一中・高等学校本校舎解体工事
3.解体業者:株式会社長谷工コーポレーション

第2条(関連法規の厳守)
1.乙は、建築基準法、環境確保条例、騒音規制法等を厳守し、その他、行政指導に従うものとする。
2.乙は、本件工事において、甲からの苦情等については誠意をもって対応するものとする。

第3条(工事の期間等)
1.解体工事期間は2007年9月14日から2008年3月31日の予定とする。
但し、天候等やむを得ない事情により上記期間を延長する場合は、予め甲に通知するものとする。
2.乙は、週間工事予定表等を仮囲いに掲示すると共に、月間工程表を甲に提出するものとする。尚、やむを得ない事情により、工程が変更になった場合は変更後の工程表に理由を添え、甲に提出するものとする。
3.乙は工事を着手する前に、全工程予定表を甲に提出するものとする。
4.乙は、作業内容を明記した「週間予定表」を甲の見やすい場所に掲示するものとする。

第4条(作業時間及び休日)
作業時間
1.作業時間は、午前8時~午後6時30分とする。
但し、下記作業については記載された時間帯で行なう。
(1)ジャイアントブレーカーの使用する場合は午前9時~午後5時とする。
(2)コンクリートの解体作業及びガラのダンプへの積荷作業 その他振動・騒音の影響が大きい作業は午後8時30分~5時30分とする。
2.作業開始前の朝礼等は迷惑のかからないように午前8時00分より行うものとする。
3.下記の作業については作業の変更(早出・残業・夜間等)が必要な場合は、予め甲に連絡の上行うものとする。

(1)天災等緊急時の防災作業
(例:台風接近に伴う養生シート取外し、足場緊結、点検、補強、資材の飛散防止対策等)
(2)予測不能な突発事項(交通事故、交通渋滞、機械故障等)が生じ、尚且つ、中止できない作業。

作業休日
日曜日、祝祭日は作業全休とする。

第5条(危険防護措置)
1.乙は施工に際し、別添総合仮設計画図の通り、仮囲い・養生シート・防護網等により事故防止の保護設備を設け、安全確保に万全を期すものとする。
2.乙は、作業所内には消火器などを常備し、万全の火災防止策を講じるものとする。
3.乙は、道路上及び近隣付近に工事資材その他を放置しないものとする。また、本件工事によって道路上等に塵埃やゴミ等が散乱した場合、または万一、甲の敷地内にゴミ、資材破片、泥等が飛散した場合は必ず清掃等を行うものとする。

第6条(騒音、振動等の防止)
乙は、本件工事に伴う甲に対する影響を最小限にする様に努めると共に以下の事項に留意するものとする。
1.工事用機械、器具については、騒音、振動等を最小限に止める機種を選択するものとする。また、出来る限り防音パネルを設置し、工事中の騒音、振動については、騒音規制法等の法令に定めた基準を超えないものとする。
2.工事車輌は近隣住宅に接する道路には駐車しないものとする。また、敷地内に駐停車する場合はエンジン、ラジオ等はかけないものとする。
3.乙は、粉塵、土砂、火花等の飛散を防止する細心の努力と工夫をするものとする。
4.道路に工事用資材及び機械、器具を置かないものとする。

第7条(工事車輌対策)
1.工事中乙は、工事車輌の出入りについては、その必要に応じて適切に誘導員を配置し、通行者(特に幼児、児童生徒、高齢者、身体障害者等)の安全確保に細心の注意を払うものとする。
2.乙は、関係車輌運転者に対して安全運転の教育、指導を行い、道路交通法の厳守を励行させ、作業所周辺では最徐行を行い、騒音、振動及び危険防止に努めるものとする。
3.工事車輌の駐車については、歩行者の通行及び甲の使用車輌の出入りを妨げない事とする。
4.工事関係車輌は、所定のルートの通行を行うと共に工事用大型車両の搬入は午前9時以降に行うものとし、学童の登校時間外に行うものとする。但し、レッカー及び一部大型作車輌は午前8時前に搬入し学童の登校に影響がないようにする。特車は所轄警察署の指導によるものとする。
5.工事関係車輌は、工事上必要以外はエンジンを止めるものとする。
6.作業上、道路を使用しなければならない場合は最小限に留め、道路使用許可範囲内とする。

第8条(人身に係る事故補償)
乙は、本件工事に関して甲の安全を優先し、万一、甲の人身にかかわる事故等が生じた場合には、それに要する治療費、入院費等、当事者と協議の上、速やかに賠償をし、回復に向けて誠意ある解決を図るものとする。

第9条(建物等の損害の修復)
1.乙は、本工事に起因し、甲の建物に損害等が生じた場合の確認と復旧に備える為、必要に応じ、本工事着工前に、乙の費用負担で第三者専門調査会社に委ね、立会いの上、家屋調査を実施し現状を確認し、資料2部作成の上、1部を甲に提出するものとする。尚、竣工時には事前資料にもとづき甲・乙立会いにより損傷の有無を比較確認するものとする。
2.乙は、本工事に起因して、甲の建物及び付属工作物等に損害を与えた場合は、甲・乙両者立会いの上、確認を行い、乙は誠意をもって甲と協議し、損害箇所の修復を図るか、損害賠償を行うものとする。

第10条(現場管理)
1.乙は、現場に工事責任者を常駐させ、連絡先を明確にし、甲からの連絡窓口にあたると共に現場及び現場周辺の管理を十分に行い、甲に迷惑をかけない様にするものとする。
2.乙は、衛生面に注意し、簡易水洗トイレ、手洗い場等の設備を設け、甲に迷惑を掛けないものとする。尚、当作業所敷地内には、作業員宿泊施設を設けない事とする。

第11条(連絡体制)
1.本念書を円滑に実施し、連絡を密にするために乙は現場事務所を近くに設置し、連絡責任者を次のとおりとする。
担当責任者 開発推進4部 中村裕
作業所長  中村雄二
現場事務所 設置後、連絡します。
電話    設置後、連絡します。
2.乙は甲からの苦情については、下請け業者に関するものも含め迅速に対応し、処理するものとする。
3.夜間、早朝、休日、緊急時の連絡先
株式会社長谷工ナヴィエ
TEL O3-3255-0061

第12条(その他)
本協定書に定めなき事項、疑義等が生じた場合は、甲、乙は誠意をもって協議し解決を図るものとする。

以上

平成19年 月 日


甲 住 所
  氏 名

乙 住 所
  氏 名



続いて、住民側の協定書案です。下線部分は、長谷工が今後の協議事項としたい旨表明した部分です。

(仮称)吉祥寺マンション建設に伴う既存建物解体に関する協定書


この協定書は、東京都武蔵野市吉祥寺東町3丁目314番5号外○筆における「法政大学第一中・高等学校」解体工事(以下「本工事」という)に関し、[(仮称)吉祥寺マンション建築工事対策協議会](以下「甲」という)と事業主兼施工者株式会社長谷工コーポレーション(以下「乙」という)とが協議した結果、下記の通り合意したので本協定書を締結する。

第1条(建物の概要)
1.工事場所:東京都武蔵野市吉祥寺東町3丁目314番地5外○筆
       (本校舎敷地、記念講堂敷地及びプール敷地の一切をいう)
2.工事名称:(仮称)法政大学第一中・高等学校解体工事
3.解体業者:株式会社長谷工コーポレーション

第2条(基本方針)
1.甲、乙は、互いに信義、誠実、互譲の精神を持って、円滑な近隣関係を保持するよう務め、乙は本工事に当たり、甲への迷惑を最小限にとどめるよう安全管理に万全を期し、本工事完了まで関係法令を遵守した安全確実な施工に努める。
2.乙は当計画地の住環境の特質である静穏な環境及び本工事現場周辺の道路が本宿小学校、第三中学校の通学路であることを十分認識した上で、近隣及び周辺住民の建築物等の現状維持、並びに甲住民の日常生活の安寧保持を念頭において工事を行い、甲住民の不安感・迷惑感を生ぜしめぬよう最大限の努力を行う。

第3条(工事期間と事前作業)
1.本工事の工事期間は、平成19年[9]月[18]日より平成[20]年[3]月[31]日までの予定とする。但し、天候等、乙の責めに負わない不可抗力、安全確保のため作業工程の変更等の理由で、工事期間内に完了しない事態が生じた場合は、乙は甲に事前に工事延長理由、延長期間の説明を行い、甲の了解を得る。
2.本工事の着工前に、ねずみ・害虫等の駆除及び拡散防止処置を行う。

第4条(休日及び作業時間)
1.本工事の作業時間は、午前[9]時より午後[5]時までとする。但し、工具・重機等を使用しない準備・片付け・清掃等は除く。
2.日曜、祝日及び第2・第4土曜日は全休とする。第1・第3・第5土曜日は建設重機による本工事は行わない。但し、やむを得ず作業を行う場合には、乙は事前にその旨及び工事内容を甲に通知する。
3.昼の休憩時間は正午より午後1時までとし、建設重機を使用する作業は行わない。
4.年末年始休暇は、平成19年12月[28]日から平成20年1月[6]日までとする。
5.乙は、本工事を着工する前に、甲に解体工事全体工程表を提出するものとする。なお、天候等やむを得ない事情により工程を変更する場合は、改めて全体工程表を甲に提出し、甲の了解を得る。
6.乙は、前月末までに月間工程表を甲に提出する。また、乙は作業内容を明記した週間予定表を道路面仮囲い等に掲示する。
7.緊急の場合または工事の進行上やむを得ない場合は、甲と事前に協議し、甲の了承を得た上で工事を行う。

第5条(交通安全)
1.工事中、乙は工事車両(工事関係者の使用する車両も含める)の出入りに際しては、一般車両及び歩行者の交通安全、道路渋滞の防止等のため、所轄警察署の指示に従うと共に誘導員の適正な配置等の安全対策を講じて、甲および一般通行人に対して安全な通行を確保する。
2.道路上に工事車両を駐車しない。
3.乙は、午前[9]時以前には工事車両によるスクールゾーンの通行を行わないものとし、その他の時間帯についても周辺学校の児童、生徒の安全を確保する。
4.工事車両は車両本来の目的以外には使用せず、不必要なアイドリングを行わない。
5.建設重機・大型車両の搬出入は、午前[9]時以降に行う。また、車両の通行方法等については、地域の道路状況を調査し、地元警察署とも協議の上、甲の通行の安全確保を優先し、関係法令を遵守する。これに反する行為があった場合は、直ちに工事を中止する。
6.乙が管理する所轄警察署の認定を受けた工事車両については、警察の許可証を運転席の見やすい場所に掲示する。また、本工事の関係車両であることがすぐに判別できる様にする。
7.建設重機・大型車両の搬出入は、原則として女子大通りから行い、市道第5号線(法政通り)及び市道第118号線からの出入りは行わない。また、大型車両は、1日当たり最大[40]台の通行を予定するとともに、主な工事内容を週間予定表に記入掲示する。本項の基本事項からはずれる場合、乙は甲と事前に協議し、甲の了承を得た上で通行する。

第6条(周辺道路の維持管理)
1.乙は、本工事中、常に周辺道路の維持管理に留意し、道路の損傷と汚染防止に努める。
2.乙は、工事関係者が、タバコの吸い殻、飲食物の残飯及びその包装物等を公道上に投棄せぬよう、また仮設トイレ以外で排泄行為を行わぬよう、マナーの指導を徹底する。現場責任者は、毎日作業終了前に必ず周辺道路を確認し、清掃を実施する。
3.工事車両の交通等により道路に損傷が発生した場合には、道路管理者の指示を受けて、速やかに補修復旧を行う。
4.工事車両の交通等により道路上に汚染が発生した場合には、その都度速やかに清掃を行い、周辺への汚染の拡散を防止する。
5.乙は道路法に基づき、公道上に資材などを放置しない。

第7条(災害防止)
1.乙は、工事期間中に甲の建物及び付属物を破損、汚損しないよう、また甲並びに通行人の安全を図るため、現場の周囲に仮囲い養生、金網、シート等を設け安全かつ十分な対策を講じて、作業所内より資材の落下・粉塵・塵埃等の飛散を防止するよう努める。
2.乙は、仮囲い等に周辺の美観を損ねることのないようなものを採用し、景観に十分配慮する。
3.乙は、火災事故防止のために十分に配慮を行う他、火気に伴う作業を行う場合、管理責任者を定め消火設備の整備を行う等防火体制に万全を期す。

第8条(騒音、振動、塵埃の抑制)
1.乙は、工事用機械、器具については、騒音、振動等を最小限に止める機種を選定し、甲に対する生活の被害を最小限にすべく十分注意をして工事を行う。
2.乙は、騒音、振動を伴う作業については、騒音規制法、振動規制法の特定建設作業の規制基準を遵守し騒音、振動の減少に努めるものとする。
3.本工事中、粉塵、塵埃等が飛散しないよう、十分な散水等の処置をする。但し、強風時など散水による粉塵飛散の防止が図れない場合には、工事を一時中断する。
4.乙は、特定建設作業に該当する作業については、騒音作業の内容について事前に甲に通知する。
5.本工事現場内には、連絡用のスピーカーは設置しない。
6.乙は、振動計と騒音計を建築敷地内に[4]箇所設置し、本工事に起因する振動及び騒音を常時測定するとともに、そのデータを常にデジタル板にて表示する。また、その振動及び騒音が「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に定める基準値を超えた場合には、乙は速やかに工事を中断する。

第9条(家屋、付属物の損傷)
1.乙は、本工事施工に起因して、甲の建物及び付属物その他の所有物に損傷を与えたときは、甲、乙協議の上、速やかに修復または補償する。
2.乙は、本工事着工前、工事期間中に甲の立ち会いのもとで、本工事現場周辺(家屋調査の範囲については、建築予定敷地に隣接する家屋については必須。それ以外の建築予定敷地から50メートルの範囲については、当該家屋の所有者の希望に応じる)の近隣住民の建物・構造物等について、第三者調査専門企業による写真撮影及び文書等必要な記録を採り、後日、万一損傷が生じたときの資料とし、写しを甲に交付する。
3.乙は、本工事完了後、家屋等調査の資料に基づき甲の立会いのもと家屋、付属物に損傷がないか確認する。万一損傷が起きていれば甲、乙協議の上修復または補償する。
4.前項の因果関係については、甲は実害が本工事によって発生したとの可能性を、経験的事実を通して疎明すれば足りる。但し、乙が、その被害が本工事によるものでないことを証明したときは、この限りではない。
5.第2項の建物・構造物等の現状の確認と記録の調査費用は乙の負担とする。

第10条(アスベスト対策)
乙は公的機関に吹き付けアスベスト調査を依頼し、甲にその結果を発表し、粉塵の飛散防止対策を講じる。

第11条(人身に係わる補償)
1.乙は、工事に関して甲の安全を優先し、万一甲の人身に係わる事故が生じた場合には、それに要する治療費・入院費等当事者の方と協議の上、速やかに賠償等をし、回復に向けて誠意ある解決をする。
2.乙は、高齢者、病人等が、本工事による身体的な異常を訴えた場合には、甲と協議の上、必要に応じ適切な処置をとる。

第12条(災害補償)
本工事施工に当たり、甲の生業の遂行に著しい影響を及ぼし、結果として甲に損失を与えた場合には、甲と協議の上補償する。なお、この場合の補償については、金銭的な補償の他、生業の代替地の確保等も含まれる。

第13条(重大被害の対処)
1.甲の生活に支障をきたすような重大な被害、および生活ライン(ガス、上下水道、電気等)が絶たれた場合には、乙はその復旧を第一に行い、甲、乙協議し補償する。
2.本工事に起因して、周辺の樹木が枯れた場合は、乙は、誠意を持って対応する。甲の樹木が枯れた場合には、甲と協議の上、速やかに修復するか、修復費用を支払う。
3.現在甲が使用している井戸水について、乙は本工事着工前に使用状態を調査し、本工事に起因して異常・障害が生じた場合には、乙は、誠意を持って甲と協議の上、速やかに損害復旧をするか、修復費用を支払う。

第14条(現場管理)
1.乙は、工事期間中、現場に工事責任者を常駐させ、連絡先を明確にし、甲の苦情処理等の窓口等にあたるとともに、現場及び現場周辺の管理を十分に行い、甲に迷惑をかけないようにする。また、工事責任者不在の場合にも代理人を置いて業務を行わせるものとする。なお、工事責任者および代理人の氏名、所属会社の住所、電話番号を本協定書締結までに甲に書面にて通知する。
2.乙は、衛生面に注意し、簡易水洗トイレ・手洗い等の設備を設け、甲に迷惑をかけない。なお、当作業所敷地内には、作業員宿泊施設は設置しない。
3.乙は、作業員の教育・指導監督を十分行い、甲に不謹慎な言動・行動により迷惑をかけないようにする。
4.夜間、作業休日等の作業時間外は工事現場を閉鎖し、工事関係者以外立ち入ることの出来ないようにする。

第15条(連絡窓口)
1.本協定を円滑に実施し、連絡体制を密にするために乙は現場事務所を近くに設置し、連絡責任者を次の通りとする。
担当責任者 開発推進4部 [中村裕]
作業所長  中村雄二
現場事務所 [○○○]
電話    [○○○]
2.乙は、甲からの苦情については、下請け業者に関するものも含め迅速に対応し、処理する。
3.夜間・早朝・休日・緊急時の連絡先は以下の通りとする。
株式会社長谷工ナヴィエ
電話 03-3255-0061

第16条(工事の中止請求)
1.乙が本工事協定に違反した場合や、工事トラブル・不具合等が甲から指摘された場合は、乙は即時に工事を中止するとともに、[3]日以内に甲に対して協議会を開き、対応策を提示し、甲の了解を得た後、工事を再開する。なお、乙は、甲に対してそれに伴う損害賠償などの請求を行わないものとする。
2.乙は、前項に規定する工事中止が生じた場合には、1回につき[10]万円を迷惑料として甲に支払うものとする。

第17条(協議会の開催)
1.甲、乙は、少なくとも毎月1回、甲住民の良好な住環境の保持と本協定書の遵守の確認、及び苦情処理の対応策の検討等を行うために定例協議会を開催する。
2.緊急事態発生時には、甲、乙は甲からの申し出により、前項定例協議会とは別に、臨時協議会を開催する。
3.本条に基づく協議会については、甲は複数名の代表者を選定し、この代表者が乙との協議を行う。

第18条(定めなき事項)
本協定に定めない事で問題が生じた場合は、甲、乙はお互いに誠意および法令、判例を遵守し協議善処する。


以上、本協定の証として、本書3通を作成し、甲・乙・立会人記名押印の上、各1通を保有する。

平成19年 月 日

(工事対策協議会代表者)
住所
氏名

乙(長谷工)
住所
氏名

立会人(武蔵野市)



いかがでしょう。両者を見比べると、長谷工案と異なる住民側の要求事項はほとんどが協議事項となっており、住民側に譲歩する姿勢が全く見受けられないことが見て取れます。協定書を守らなかった時のペナルティを拒否していること、協定書の締結前でも工事着工する旨表明していることから判断しても、長谷工がこの協定書を遵守するつもりが本当にあるのか、個人的には大変疑問です。

今後も、協定書の内容については、変更が報告される都度ご報告させていただきます。

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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