吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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第5回長谷工説明会

遅くなりましたが、26日(日)に開催された長谷工主催の説明会の様子についてご報告したいと思います。

のつもりだったのですが、実は第4回の説明会で約束された住民側の要望事項に対する長谷工側の回答は、この日は提示されませんでした。但し、これは別に長谷工の怠慢という訳ではなく、武蔵野市が地区計画原案を急に一部変更した影響によるものです。冒頭、2Hの会(地区計画協議会?)の方が、長谷工の了承のもと、23日に開催された建設委員会で公表された地区計画の修正内容について報告されました。それによると、

1. 法政本校舎部分の高さの最高限度を、25→24mに引き下げる。
2. 女子大通り側と東側の隣地境界線からの離隔距離が、一律4→6mとなった。

の変更があったとのこと。長谷工は、建設委員会に先立って(20日頃?)、邑上市長が説明に来たとのことで、高さが変更になるので設計変更するかどうか、現在社内で急遽検討中のため、住民要望事項に対する回答ができなくなったそうです。本当に地区計画の一部変更を知らされていなかったかどうかはともかく、一応説明としては筋が通っていますので、ここではこれ以上の追求はしません(そもそもできませんけど…)。

但し、本来は回答ができないことが判明した時点で、今回の説明会は中止するという判断もあった筈ですが、とにかく先を急ぎたい長谷工は、解体工事の説明に切り替えてこの日の説明会をやってしまいました。この内容については、別途詳細な解体工事説明会を開催すると公言していましたので、その時点でまとめてご報告させていただきます。

なお、印象深い遣り取りを二つほどご報告させていただきます。

一つめ。当日配布された解体工事協定書案について、「工事開始予定日(9月18日)までに協定書が締結されなくとも、工事は開始するのか」という質問が出た際、長谷工の遠藤課長が「協定書は締結されなくとも工事は開始します」とはっきり回答しました。

二つめ。長谷工の協定書案に、協定事項が守られなかった場合にどうするかの記載がないことを問い質す質問に対し、同じく遠藤課長が「お互いの信頼関係に則って、協定書に沿ってやっていくということであり、協定書が守られないということは想定していないので、そのような条項を入れるのはご容赦願いたい」とペナルティ条項の挿入をはっきり拒否しました。

要は、長谷工の意に沿う協定内容以外は締結しないし、守らないことで責任が発生するような契約はしないと宣言したようなものです。以前のエントリ「長谷工と工事協定」でご報告した通りなので何の違和感もありませんが、冷静に考えると何という不誠実な態度なんでしょうね。

長谷工の説明会関係はここまでです。もう一つの武蔵野市関係ですが、少なくとも本日までのところ、武蔵野市の公式HP内に地区計画案の変更についての告知は一切見当たりません。長谷工には市長自ら説明に出向いたようですが、住民側は建設委員会を傍聴したからそのことを知り得ただけで、市からそのような説明を受けた形跡はありません。この対応の違いは何なんでしょうか。武蔵野市が誰の方を向いているかを如実に示していると感じます。

もし、少しでも高さを下げて欲しいという住民側の要望に応えて高さを引き下げたのだとしたら、真っ先に説明を受けるのは住民側でないとおかしい筈です。それが、長谷工が先に説明を受けたというのは、「これで、少しでも高さを下げて欲しいという住民側の要望に応えた形となるから、少し我慢して欲しい」とお願いに行ったと取られても仕方ないのではないでしょうか。「長谷工が不利益を被るから先に説明した」という反論があるかも知れませんが、そもそも地区計画の発端は住民提案であることを考えれば、その内容変更がこのような形でしか住民側に知らされないのは明らかにおかしいです。そこのところを、武蔵野市はもう少し良く考える必要があると考えます。

最後に、恒例?の「市長の活動日誌」チェックです。8月23日に、「建設委員会」というタイトルで三鷹のツインタワー問題と法政跡地問題についての記載が見られます。最近話題となっている、地区計画説明会におけるシミュレーションのミスについては一切触れず、不都合なことは隠蔽するという役人気質を存分に炸裂させているのが笑えます。三鷹ツインタワーの件といい、残念ながら事業者と武蔵野市の強力タッグは、これからも続きそうですね。

 まちづくりの大きな課題となっている,三鷹駅北口開発計画ならびに法政一中高跡地地区計画に関する陳情審査がありました。三鷹駅北口開発計画は高さ103mの超高層マンションの建設が予定されていますが,高さを周辺の高さ(約40~50m)に合わせてほしいという陳情です。今まで武蔵野市内にはなかった高さのビルですので,当然高さに対する違和感はあるものと思います。しかし,広大な商業地域の中央部の開発ということ,市が求めていた緑豊かな公開空地や道路用地が提供されるなどゆとりある計画で,まちづくりの方針にかなう計画であることから,一定の高さは容認せざるを得ないと考えています。陳情は審査の結果,不採択となりました。
 法政一中高跡地地区計画案については,8月になって該当地区周辺の住民の方と懇談をしました。そこで出された課題・要望を含め,事業者に対しては地区計画が定まるまで工事着工をしないよう要請しました。また,高さ25m以内の地区計画案も24m以内へ,壁面の後退距離も4mから6mへと変更する予定です。今後は実施に向け,地域の皆さんの要望を聞きながら,事業者に対して可能な指導をしていきます。なお,これに関する陳情は継続審査となりました。

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環境破壊の元凶は法政!

先日、法政通りを歩いていたら、グラウンド横に一枚の張り紙を見つけました(下の写真)。いつから張られているのかはちょっと分かりませんが、内容は、

みなさんへ
吉祥寺校地(グランド等含む)の利用は、8月30日までです。
(31日より一切の入校ができなくなりますのでご注意ください)
事務室(総務)



張り紙070824(クリックで拡大)

というそっけないものです。しかし、いよいよ長谷工への引き渡しが迫っていることを感じさせ、改めて法政に対する憤りを覚えずにはいられません。

しかし、ちょっと不思議に思うことがあります。8月19日に開催された住民集会の席上で、既に8月9日付にて法政長谷工の所有権移転登記がなされたことが報告されていました。とすれば、長谷工法政跡地の売買代金を全て支払ったということになりますので、法政が今現在も体育館やテニスコートを使用しているのは不自然です。一方、住民側からの2度に亘る(法政宛)抗議により中断していたボーリング調査は、自分のものになった途端に再開していますので、長谷工の所有になったことだけは間違いなさそうです。一体、どういうことでしょうか?

ボーリング070824(クリックで拡大)

ここで、一つの推論が成り立ちます。それは、以下のようなストーリーです。

当初の引き渡し期限は8月末となっている(らしい)ことから、法政としては予定通り8月一杯は旧校舎の体育施設を使用したい。しかし、2度にも亘り、引き渡し前に長谷工にボーリング調査を許可したことから、近隣住民の抗議を受けた(世間体だけは気にする)法政は、さっさと吉祥寺キャンパスの所有者という地位から解放されたいと考えた。一方の長谷工も、住民の抗議ですぐボーリング調査の許可を反故にするチキン法政の態度に業を煮やし、早期の所有権移転を求めた。結果として両者の利害が一致し、取り敢えず代金支払い・所有権の移転だけは早期に完了させ、体育施設の使用だけは、当初予定通り、8月末まで引き続き許可することとなった。

どうですか。あくまでも推論に過ぎませんけど、見事に全ての理屈が符合するとは思いませんか。どうやら、法政という学校は、最後の最後まで、地域から長年に亘って受けてきた恩恵に対して少しでも感謝の念を持ち、自分たちが立ち去った後の地域環境について多少なりとも配慮するということよりも、たった3週間程度の引き渡しすら早め、自分たちの責任から早く開放されたいという身勝手さを優先させたようです。

モラルという言葉とは無縁の劣悪事業者・長谷工とセコさ爆発の小役人集団・武蔵野市の陰に隠れて今一つ目立ちませんでしたが、そもそもの問題の発端を引き起こしたのは法政の身勝手さにあり、住民の中にも法政の責任を問う声が消えたことはありません。個人的には、今更、法政などに何の期待もしてはいませんでしたが、やはり最後にもう一度、地域住民の声として、横断幕に掲げられたこの言葉をぶつけずにはいられません。

「環境破壊の元凶は法政!」と。
(因みに、この言葉が掲げられていた横断幕は盗難にあったまま、未だに戻っては来ていないようです。この調子では誰が盗んだものやら…)

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長谷工と工事協定

ここのところ、工事関係の話題のエントリが多くなっていますが、まだ長谷工の提示した建築計画を容認した訳では決してありません、念のため。自分のスケジュールしか頭にない長谷工が、今後工事関係の説明会になし崩し的に突入する自体も想定されることから、建築関係でも長谷工長谷工だ(=約束を守らない)ということを注意喚起しているものです。その点、ご承知置き下さい。

さて、工事開始に先立っては、好き勝手に工事を施工されることを避けるため、近隣住民と事業者及び施工業者の間で工事に関する協定書を締結するのが普通です。この点については長谷工も、解体工事及び新築工事に関する協定書の締結自体は、これまでの説明会でも応諾していました。

この点、ろくに説明もせずに解体工事に着手することも少なくない長谷工にしては、一応誠意ある態度を見せています。これは、協議会や跡地の会をはじめとする方々が長期間に亘って交渉を重ねてきた結果と言えなくもありません。建築計画が突然判明するようなケースでは、説明会すら行わず(個別説明で済ます)に工事に着手しているケースも見受けられます。例えば、台東区根岸5丁目のマンション建築計画では、長谷工の工事協定締結なしでの工事着工強行に対して、台東区議会に工事協定締結に対する指導を求める陳情が出されています。陳情の一部を抜粋するだけで、長谷工の不誠実さが良く分かります。

【陳情に至った理由】
 平成16年10月から施行された新築予定地に既設されていた建物の解体工事におきましては、隣接住民に対する個別の口頭による説明しか行われず、不在宅には工事の予定の案内書をポストに投函するだけで工事が強行され、また、説明会開催も近隣住民の請求によって行われるといった住民無視の状態でした。解体工事では近隣住民に、常識の範囲を逸脱した騒音・振動、埃による周辺家屋の損傷ならびに地域住民の健康被害が散見されております。
(中略)
 下根岸の良好な住環境を守るために、住民の意向を汲み、計画を修正することを望み、建築主である長谷工コーポレーションとの話し合いを求めてまいりましたが、長谷工コーポレーション側は十分な説明を行わないまま、解体工事を強行したのみならず、建設についても、工事協定を結ばないまま着工を強行しており、近隣住民の理解を求める努力を全く行っておりません。
 以上のような、住民軽視の工事が行われていることをかんがみ、至急、台東区において、長谷工コーポレーションの工事には、住民の要望を取り入れ早期に工事協定を締結するよう指導していただくようお願い申し上げます。



まあ、例によって例のごとしですね。この会社は、黙っていると何をしでかすか分かったもんじゃありません。次には、ちょっと古いですが、サイゾーという雑誌の2001年1月号に掲載された記事「江戸情緒をぶち壊す迷惑マンションが建つ」から、「ルネ上野桜木」建築にまつわるトンデモ話を。なお、同マンションに対する計画見直し運動の経緯については、ルネ上野桜木と谷中・上野桜木の町を考える会のHPもご参照下さい。

 異変の始まりは、昨年12月、元の日本医科大学看護専門学校校舎の解体工事だった。「はじめは、『日医大跡地に上野のホームレスが入ると困るからとりあえず壊させてほしい、今後の予定は未定』と長谷工(長谷工コーポレーション)から説明があった」と、『上野桜木マンション建設計画と谷中・上野桜木の町を考える会』事務局の関満雄氏が振り返る。

「ところが、これが猛烈な壊し方をする。すぐ裏のお宅では石油ヒーターの自動消化装置が誤作動を繰り返す、ご病人を風呂に入れるのもままならないというぐらい、朝から晩までもの凄い振動だった。なにより、幕を張っただけで防護壁もロクにない」。これでは迷惑も甚だしく、危険きわまりない。そこで近隣住民らは「考える会」を結成し長谷工側と交渉を始めるとともに、現場のウォッチを開始した。その過程で、他所の工事で出たガレキの粉砕もついでに行っていることを住民側が発見。抗議を行って詫び状を取りつつ、解体工事協定の交渉の段階で、少しずつ工事公害の改善を勝ち取ってきた。実際の協定が締結されたのは、今年3月になり工事が8割がた終わってからだった。



どうです、この非常識振り。「長谷工の辞書にモラルという文字はない」といったところでしょうか。

まあ、こうした数々のハードル(?)を越えて、漸く工事協定書の締結と相成る訳です。工事協定書のひな形は、ネット上にも多数掲示されており、いくつかリンクをご紹介すると、

・行政が提示する例→横浜市役所中高層調整課
・長谷工締結例(其の一、解体工事)→ルネ上野桜木
・長谷工締結例(其の二、新築工事)→(仮称)矢部駅前プロジェクト
・長谷工締結例(其の三、新築工事)→(仮称)ダイア八千代中央

などです。他社事例も含めれば、他にも多数見つかると思います。しかし、こうして締結された工事協定も守られなければ何の意味もありません。そして、長谷工は工事協定を遵守しないことでも有名な企業だったりします。

一例を、上の協定書例で見たダイア八千代中央で見てみたいと思います。同マンションに反対している「(仮称)ダイア八千代中央建設反対ブログ」では、協定書上の作業時間が8時から18時30分までとなっているにも関わらず、朝7時半にはクレーンが動いていたり、夜中の12時45分になっても作業が終わらないという、非常識極まりない現実が暴露されています(他にも、クレーンを下ろさずに帰るという危険極まりない行為も…)。

これらは、ひとえに協定書に罰則規定が存在しないことに起因していると思われますが、何も住民側が長谷工を信頼してそうしている訳ではなく、

工事協定書の締結前に行った協議についても守れなかった場合についての罰則をかたくなに拒んでいましたからね。「破るつもりだから罰則定められないんでしょ?」とのこちらからの問いにも「そうではない」という長谷工&ダイアの返答でしたが、やはり破るつもりで約束していたのですね。



という上記ブログの記載からもお分かりの通り、最初から工事協定など遵守する気のない事業者側が、後でペナルティを負いたくないが故に罰則規定を断固拒否することに起因するものです。罰則規定のない契約なんて、精神論以外の何者でもありません、残念ながら。とにかく、今後の工事協定締結に向けては、色々と検討すべき事項がありそうですね。

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事業主の忠実なパートナー、武蔵野市

武蔵野市では、現在法政跡地問題の他に、三鷹駅北口のツインタワー問題というマンションデベロッパーと武蔵野市の水面下の結託による地域環境破壊型マンションプロジェクトが進行中であることは、本ブログでも何度かお伝えしてきた通りです。

そんな三鷹ツインタワー問題を追っている小林信也氏によるWeb連載「駅前の空はだれのものか | Web草思」の第12回 武蔵野市と事業主の茶番劇は、そこで伝えられる建築審査会の様子が、余りにも法政跡地問題における一連の武蔵野市の対応そっくりで、怒りを通り越してあきれ果ててしまいました。詳細は上記記事をお読みいただくとして、ここでは印象に残った部分をご紹介します。是非、本部ログの7月5日付エントリ「地区計画原案説明会」などと併せ、武蔵野市がいかに事業主と二人三脚で事業を遂行しているかをご理解下さい。

 午前10時15分すぎ、小石原課長が概要説明を始めた。事業主から提出されたツインタワーの建築計画の概要書を資料にしながら、要所に説明を加える。小石原課長は、この計画がいかに武蔵野市が取り組んでいるまちづくりの方針に沿ったもので、三鷹北口の活性化に貢献する計画かを懸命に訴え続けた。そして、風害や防災などへの備えも万全で、「このビルが建つことで生じる周辺の交通渋滞への影響も軽微である」と、事業主が提出したデータをそのまま読み上げて断言した。市が独自に検証したデータなどは一切示されなかった。景観だけでなく、大地震などの災害時に心配される防災対策など、市民が市に訴えている様々な不安には一切触れなかった。
 市役所の担当者(小石原課長)は、事前に綿密な打合せを済ませ、事業主との間で練り上げた台本通り、建築計画を提案する事業パートナーそのものだった。
 40分以上、建物について説明したあと、事前に行われた公聴会の報告をした。
 「公聴会の公述人(意見を述べた人)は11名。傍聴人40名。このうち反対の方が9名、賛成の方が1名、中間的な意見の方が1名。反対意見は、100メートル超の高さは容認できないというものでした。賛成意見は、道路の拡幅もできる、北口の活性化にも貢献するので……」
 反対者の訴えは、たった一行に集約されて終わった。



事業者の主張を鵜呑みにする態度、市民の反対の声をあっさりと抹殺する市民の方を全く向いていない態度など、これが「住みたい街」上位の常連である武蔵野市の実態です。先ほどの「駅前の空はだれのものか」の中に登場する、

 初めて市の公の会議を傍聴したという中年のご婦人が、呆れ顔で言った。
 「邑上市長が言っている『市民が真ん中』なんて、全然ウソじゃないの。私、武蔵野市がこれほどひどいとは思わなかった」



という声がすべてを物語っていますね。法政跡地問題でも、「邑上市長の『大事なことは市民と決める』なんて嘘っぱちだ」という声が何度となく地域住民から挙がっています。邑上市長率いる武蔵野市に、果たして明日はあるのでしょうか?

話の枕が非常に長くなってしまいましたが、武蔵野市の市民無視振りを伝える格好の材料として、最近登録された6月20日付建設委員会の議事録をご紹介しようと思います(同委員会では、三鷹ツインタワー問題も議題に上っていましたが、ここでは法政跡地問題に絞ってご紹介いたします)。同委員会には、吉祥寺東町文教地区地区計画協議会より「市長のまちづくりに対する姿勢をただすとともに、地区計画早期制定に関する陳情」がなされており、この陳情に基づく討議がなされました。陳情要旨を転載すると、

 今年1月21日、住民に示された市の地区計画市素案は、住民が提案した地区計画案と大きくかけ離れた内容であり、都市計画審議会でも問題提起されたばかりでなく、各種報道でも大きく取り上げられています。
 現在、地区計画案は「市素案」という状態で、今後、市原案を作成し市議会説明、住民説明の後、公告縦覧を行い、広く市民から意見書を募ります。この意見書を勘案し、都市計画案を作成して、都市計画審議会へ説明します。その後、都の同意を得て再び公告縦覧を行い市民から意見書を募ります。そして、市議会に説明した後、都市計画審議会に付議し、都市計画決定されます。さらにこの案をもとに市議会において関係条例の変更が議決されることにより、やっと建築規制の法的根拠が備わった地区計画になります。
 本来、これだけの手続きが必要な地区計画案を、「素案」の段階で市長と事業者が地区計画の最大のポイントである「最高高さ、壁面後退など」について取り決めてしまった旨の新聞報道が出ました。言いかえれば、「都市計画審議会や市議会の審議は、今後の結果がどうであれ無視します」と言っていることと同様であり、民主主義の否定にもつながります。
 住民軽視、都市計画審議会軽視、市議会軽視といった市長の都市計画の進め方に私たちは強い憤りを感じています。
 市長は来年1月に地区計画の制定を目指すと新聞報道にありましたが、事業者からの説明によると「できれば今年10月末までに着手したい」旨の話があり、10月までに地区計画を制定しなければ、その後に地区計画をわれわれの代表である市議会が民主的に議決したとしても、何の効力も発揮できないおそれも生じます。そこで、以下のとおり陳情いたします。


1 武蔵野市都市計画審議会や武蔵野市議会の審議を無視するような都市計画の進め方に対し、市長にその姿勢をただし、今後は市議会や都市計画審議会の意見も反映された「市民が主役であるまちづくり」を進めるよう、市民代表である市議会において決議すること。
2 武蔵野市議会で慎重に審議を行い、事業者が着工する前に地区計画を制定すること。



市の地区計画素案の内容についての不満はさておいて、「住民軽視、都市計画審議会軽視、市議会軽視」で事業主との密約を優先する邑上市政のスタンスを糾す内容です。これに市側はどう答えるのでしょう? 討議内容を見ていきたいと思います(地区計画原案の内容等は本ブログでも報告済ですので割愛します。また、ここで重要なのは、各議員がこの問題をどう考えているかより、市がどのような答弁をしているかですので、各議員の質問は要点を箇条書きし、市側の答弁は(冗長表現を省略する程度で)極力そのままとする形でご紹介します)。

先ずは、橋本しげき委員(日本共産党)の質問からスタートします。質問の要旨は、(1)都市計画審議会会長が、市民の声を聞く必要があると発言しているが、それについて、市はどのように考えているのか、(2)市原案に対する意見書提出を受けて、住民の声を最大限尊重して市の原案を変更する可能性があるのかどうか、(3)建設事業者が10月末までに着手すると言っている中、建築規制条例の案を12月の議会に出すというスケジュールで間に合うのか、の3点です。これに対する市側の答弁は、

【恩田まちづくり推進課長】7月2日から意見書の提出をいただくという形になってございますが、(中略)いただいた意見については集約し、都市計画審議会の方に図っていきたいと思っています。今の時点で変更を考えているのかという話でございますが、それは当然、意見を聞いた中で、どのように対応するかは、今後、詰めていきたいというふうに考えております。
 それから、前回の都市計画審議会でいろいろな意見があった中で、会長が最後にまとめた御意見でございますけれども、地区計画案をさらに検討していく過程で、次回の都市計画審議会までにはいろいろな意見を反映できるような形でという話は出ているところでございます。
 それから、10月までの着工という形で事業者から出ているもので、市が1月の建築規制条例で間に合うのかというお話がございますが、文書上の話ではございますけれども、今の時点で長谷工としては地区計画が定まるまでという書き方はできないと。ただし、今の状況においては10月までというお約束はできるという話でございまして、その後の着手の時期云々の話についてどこまで詰めているかというところでございますが、こちらのスケジュールも公になりますので、今後はそれに沿って協力いただくような形で交渉していきたいというふうに思っています。



だらだらくどい役人言葉のオンパレード(この後もずっとそう)ですが、要は一般論とこういう事実があるということの羅列でほとんど中身がありません。質問は市の考えを問うているのに、言質を取られないようにと曖昧な表現に終始する様は、小役人の滑稽さを感じずにはおれません。

続いては、田中節男委員(自民党)の質問です。質問内容は、(1)さきの代表者会議で示された案(市の素案)が10日そこそこで変更(市の原案)になった理由、(2)変更項目の中の武蔵野美大が25mから15m制限に入ったことについて同大の了解は得られているのか、(3)高さ規制が最初から25mありきということで進んだ理由が全く分からない(壁面後退とのトレードオフなのか)、(4)初めて武蔵野市で住民主導で策定された地区計画案に対して、何故もう少し丁寧に議論のキャッチボールができなかったのか、(5)来年1月の条例化を9月議会に何とか前倒しすることはできないのか(できなければ、後は事業者に延ばしてもらうしか方法はないのか)、の5点です。これに対する市側の答弁は、

【恩田課長】先般の代表者会議と今回の建設委員会への報告の中で、高さの制限の範囲が変わった、なぜこの期間で変わったかということでございますが、こちらにつきましては、(中略)最終的な判断をする段階で武蔵野美大にも確認をとりまして、15メートル制限の範囲の中で何とか一定の理解を得られるということが確認できましたので、急遽でございましたけれども、変更させていただきました。
 それから、25メートルの根拠でございますけれども、(中略)基本的には、私どもが考える住戸面積75平米を基本として、あの土地に住戸を配置した場合、60/200という建ぺい率、容積率でどの程度の建物が成り立つのかということを(中略)私どもなりに検討した結果、8階のプランニングが容積200%に近い状況で成立するという結論を得ましたので(中略)、25メーターという設定をさせていただいたところでございます。
 それから、なぜ住民の方とキャッチボールができなかったのかという御質問でございますけれども、まず協議会の方々とは、当初、私どもも地区計画とはどういうものかということで御説明に上がったり、お話しをさせていただきました。(中略)その後、協議会の方々もいろいろ勉強なさって、いろいろな地区のお勉強もされて、ある程度プランが固まってきたという段階におきまして、こんな形でどうだということが出てきたときに、私どもと意見の衝突がございました。これは、はっきりここで申し上げさせていただきます。それで、市もその辺の協議をやっていても時間は限られているので、我々は成り立たないということで、申し出に向かって協議会の方々は走っていったと。我々も、それに対して積極的なアプローチをしたかということになりますと、その部分では、申しわけないですけれども、足りなかった部分もあると反省するところでございます。
 そういう形で10月2日に申し入れ案が上がってきたわけでございますけれども、申し入れ案そのものの規制のかけ方が恣意的な部分もかなり強いというふうに我々も判断しましたので、最大権利を持っている今の事業者に対して、どのようにこの計画を納得させていくかというところを争点にしながら、我々なりに検討した結果が1月中旬にお示しした素案の考え方でございました。ただし、その素案の考え方、素案を示した段階では、当然のことながら事業者は合意を得ている状況じゃなかったので、その状況の中で都市計画審議会に諮ったものですから、審議会の委員の先生方からも、やはりその辺の合意は丁寧にやれというお話もございましたので、この間を使わせていただいて事業者に対しても当たってきたという経過でございます。
 (中略)それから、事業者との交渉のお話でございますけれども、(中略)うちの方で積み上げたボリュームの確認においては、8階でもあそこの土地は要綱等を守った場合でも行けるという判断をしましたので、それを示しました。それから交渉が始まったわけでございまして、結局その時点では20メーターという線は市の方としても出す数字ではなくて、(中略)8階であれば容積をある程度消化できるという形ですので、これなら事業者も当然のことながら、交渉する上では何とか理解を示していただけるだろうということで交渉に入らせていただきました。
 それで、その中で壁面の後退ですとか、我々の方としては、(中略)武蔵野市の非常に土地余力に乏しい地域においては、空閑地をとっていくまちづくりが重要であるということをこの四十数年やってきているわけでございまして、その考え方はこの吉祥寺東町においても継承していきたいというふうに考えてございましたので、ある意味壁面の後退においても、それから地区施設の公園の設置についても、我々としてはまちづくりの意味で必要だという判断をしましたので、この部分については事業者との交渉においては譲ることのできないものであるという提示の仕方をずっとしてきておりました。
 ですので、それに際して、当然のことながら8階であってもかなり厳しいという状況の中で、相手に対して20メーターはどうなのかという話は、交渉において口頭ではありますけれども、はなからその辺の話は事業者の方は乗っていないと、話にもならないというような状況でございます。
 (中略)時間的・物理的な流れから言うと、最大やっても12月議会への上程という時間の流れになると思います。

【井上都市整備部長】先ほどからずっと説明させていただいていますように、代表者会議に御説明したときは、素案をそのままという形で、今回直したということにつきましては、大変申しわけないと思っています(中略)。
 それは、1つは、(中略)私どもが最終的な同意をもらう東京都等とも協議しまして、最終判断として法政を除いたところについては、限りなく住民の皆さんの提案に沿った15メーターを今回取り入れたということでございます。
 それから、2月21日都市計画審議会以降、(中略)事業者とさまざまな協議を進めてきました。1つは、この前、代表者会議で市長の方から説明いたしましたけれども、5月17日に一定の理解を得たと。1つは、素案に対しての理解、高さ25メーター。それと、着工については10月末だということで、ここまでは確認は得てございますけれども、今、田中委員おっしゃったように、それ以降の確認について、例えば文書とかもらってございません。
 ただ、着工等につきましても、法政と事業者は夏休みまでは引き渡しがないんだということを聞いてございまして、恐らく9月以降に建物の壊し等が入ってきていると思います。(中略)今の時点ではそれ以降についても着工はやめてくれと。私どもの地区条例が議会で議決されたものについて着工をお願いすると。このスタンスについては、今後についても継続してお願いしていくという形で考えてございます。



珍しく、「意見の衝突」があったことだけは「はっきり」明言していますね。それが諸悪の根源だとでも言わんばかりに。規制のかけ方が恣意的だと言ってますが、規制の緩和(法政本校舎部分のみ25m)は逆の意味で恣意的じゃないんでしょうか? 審議会の丁寧な合意形成は、事業者とのみ行うという趣旨なんでしょうかね? 議事録非公開なので分かりませんけど。

また、事業者が容積率を消化できる高さとして25mという説明はもう何度も聞きましたが、この恩田課長の答弁には根本的な欠陥があります。ビジネスにおける交渉で、最初から落とし所を正直に提示するような間抜けは、この厳しい競争社会で生き残っていける訳がありません。25mが事業者との妥協点と見極めたのであれば、より厳しい規制をちらつかせつつ、(最終的に25mを容認するにしても)他の譲歩を引き出す、または、他の点で事業者にアメを渡すにしても、高さ引き下げは容認させる。こうした交渉の基本術も知らない小役人が長谷工のような手練と交渉すれば、長谷工からすれば赤子の手をひねるようなものでしょう。まあ、これは市側が真摯に規制を検討していればとの前提に立っての話ですけどね。

それと、「最大やっても12月議会への上程」とか言ってますけど、当初の6月議会での条例化はどこへ行ったんでしょう? その時のスケジュールの方が、今よりよっぽど厳しかったと思いますが、そもそも6月議会上程という当初の説明は、全くのでまかせだったのでしょうかね?

続いては、桑津昇太郎委員(市民クラブ)の質問です。質問内容は、(1)2月10日の市素案説明会の後、市に対して協議会の方から発言(注:市職員個人への中傷)に対する公式な謝罪はあったのか、(2)その後、改めて協議会と市がお互い歩み寄って、合意点を見出すような話し合いをする努力はなされたのか、(3)地区協議会と市の現場の対応のすれ違いについて、市長はどのような指示をし(ようとし)ていたのか、(4)仮に法政校舎の跡地に高さ20mの建物を建てた場合、長谷工がB・C地区で採算を取ろうと、そこにも建物を建築することを望ましいと思うか、(5)法政の練馬区のグラウンドに、長谷工が来ていろいろ調査したという話があるが、市にはその辺の情報が入ってきているのか、(6)地区計画協議会に対する補助金(30万円)の交付は1回だけか、の6点です。これに対する市側の答弁は、

【井上部長】(前略)2月16日に(中略)2月10日以降について説明させていただきました(中略)ときに松本代表も来ておられまして、ああいう発言については非常にまずいと思っているという形で私に申されたと記憶してございます。
 それと、いろいろな形の中で協議会と市と懇談会をやってくださいという中でも、松本代表の文章の中で、はっきり私、覚えていないから申しわけないんですが、それについては反省しているというんですか、そういう言い方をした文章があったように記憶してございます。

邑上市長】昨年10月に地域の皆さんから地区計画の案を提案いただきましたが、それ以前にこういうまちづくりについて大いに地域の皆さんと話し合いをした中で、ともにルールづくりができるといいといった発言を私もしてまいりまして、その結果として地区計画というのが一つの方向性として大いに評価すべき提案だったのではないかなというふうに思っております。しかし、(中略)その最終提案がなされる前に、どういう地区計画案に関するかというのが、その段階では大いに議論すべき段階だったと思いますが、提案制度で出されたものは、これはきちっとしたルールのもとに判断していくという場面になってきますので、判断の場面でその中身について、もう少し高さを上げようとか下げようとか、そういう議論ではないというふうに思っております。
 したがいまして、私どもとしては、(中略)住民の案では市の今までの考えから不都合な点もあるので、市の素案を提案していこうということで、都市計画審議会に正式に素案という形でお示ししたわけでございます。ですので、(中略)以降は都市計画審議会での議論を踏まえた進行と意見交換ということがふさわしいのではないかなというふうに理解しております。よろしいでしょうか。
 それで、私どもとしては、こちらの陳情書に掲げられているような、都市計画審議会や市議会の審議を無視するようなということは全くやっておりませんで、むしろ都市計画審議会でのいろいろな意見を踏まえて、どうしたらいいか、あるいは議会での意見を踏まえて、どうしたらいいかと常に対応している次第でございますので、今回、地区計画の制定を6月に見送ったということも、1つは都市計画審議会での御示唆もいろいろあったわけですから、それを踏まえての対応でもあるわけであります。
 市の職員に対しましては、当然のことながら、地域からはいろいろ厳しい対応もあるかもしれないけれども、地域とのさまざまな意見調整の場は今後とも模索していこうというふうに言っております。地元の方からも、私との意見交換の場を求められておられましたが、(中略)冷静な話し合いの場としてはちょっと困難ではないかなというふうに思いましたので、お申し出がありましたが、まずは代表の方と今後の検討等について調整しようという趣旨でお会いをしたところでございますが、(中略)その時点で、今後どうしようかまでは議論が行きませんで、ちょっとお会いしてお話ししたにとどまっております。
 (中略)今まで私どもは、どういう規制基準が可能なのかを自分たちで検証してきたわけでありまして、その結果として、細かい説明はちょっと省きますけれども、25メートルという高さであれば、何とか市の指導要綱も、あるいは容積もクリアするということで理解を求められるのだろうという判断でそうしておりますので、(中略)その結果として、どういう計画をされるのか、まだ来てございませんので、何とも言えないのかなというふうに思っております。
 (中略)確かに吉祥寺東町地区というのは非常にオープンスペースが少ないということもありますので、特に西側敷地については、あそこに建物が建ってしまうと、より一層建て詰まったまち並みが形成されてしまうということもあるので、あの街区については、特にオープンスペースを強く創出したいなというふうに思っており(中略)、さらに空間、プラス防災の機能を持った拠点として、何とかあそこの場所を確保したいなという思いであります。ですので、最終的にどう判断されるかわかりませんが、一応前向きに調整をいただくという御回答をいただいていますので、何とか私どもの市の素案を進める中で、正式に購入に向けて交渉していきたいなというふうに思っています。

【中村交通対策課長】練馬区の三井不動産のグラウンドでございますけれども、当初は5月連休明けに説明会を予定していたということでございまして、最近聞いた話によりますとちょっとストップしているということなんですよ。大体秋ごろに説明会に入ると。それで、計画の方もまだ事前協議の前、事前調査の段階であると。それで、現在、交通量調査等もやっておりまして、(中略)説明会の方は、事前に十分やるということは私の方からも言っておりますし、また業者の方も十分承知しております。建物につきましても、現在検討中ですけれども、概略、地下1階の4階程度と聞いております。

【恩田課長】委員おっしゃるのは、地区計画等推進団体助成交付要綱に基づく助成ということでございますが、1年で限度額30万円という形で、3年を限度に市長は支給することができるという規定になってございます(中略)ので、昨年は協議会の方々が地区計画の原案の申し入れの案を研究、検討、作成するという活動に対して助成させていただいているところでございます。
 今年度につきましては、もう申し入れ案をいただいてございますので、その後の活動については、問い合わせはございましたが、正式な形での助成の要望はまだいただいておりません。



何と言うか、陳情で都市計画審議会や市議会無視を批判しているのは、それらの審議を経る前に事業者と合意していることについてなのですが、そのことは一切弁明せず、手続き的に問題ない旨を抗弁し続けています。問題点を的確に把握する能力に欠けているのか、はたまた分かっていながら無視を決め込んでいるのか…

練馬区のグラウンドの件は聞き逃せない情報ですね。実質5階建ての集合住宅が建設されれば、ただでさえ慢性的に渋滞している宮本小路がよりいっそう渋滞し、吉祥寺東町の交通環境は致命的なまでに悪化します。売りっ放しで地域環境の悪化など歯牙にもかけないマンションデベロッパーに、ここでもいいようにやられないことを願うばかりです。

続いては、松本清治委員(民主党)の質問です。質問内容は、(1)法政跡地は25メートルで、三中は15メートルで制限されるという理解で良いか、(2)都市計画図上、地区計画はどう扱われるのか、(3)新設する公園について、コミュニティ形成ができる公園にしていくという考えはどう思うか、(4)法政通りという名前は変えてもいいと思うがいかがか、の4点です。これに対する市側の答弁は、

【恩田課長】この制限が働けば、建築行為に対しては15メーターの規制が働くということでございます。ただし、今、三中におきましては、(中略)校舎そのものはその規定に既存不適格という形になります。ただ、さまざまな規制条例の中で、既存不適格に対する緩和措置というのは考えていきたいというふうに考えております。
 (中略)武蔵野市の都市計画図におきましては、地区計画という区域を設定するような色塗りになると思います。地区計画の内容そのものについては告示をしますので、告示決定が図書になりますので、それで内容が詳細が決まると。裏面にその地区計画の計画決定の規定の中身が乗ってくるという形になります。
 (中略)先ほどの公園の整備の仕方なんですけれども、段階では詳細はまだ当然のことながら、計画の中では求めてないんですが、当然のことながら防災面は機能するような形は、今後はまちづくりの意味でも必要でございますし、先ほど雨水貯留のお話も市長の方からありましたけれども、その辺の地下の部分の利用ということは当然必要だというふうに思ってございます。
 それから、法政通りでございますけれども、武蔵野美術大学とお話しをしに行った際も、武蔵野美術大学側からも武蔵美通りにしてくれというような要望も聞いておりますので、これは通称でございますので、今後は名称については当然検討していかなきゃいけないというふうに思っております。



あまりコメントするほどのことはありませんが、地域住民の感情としては法政通り(法政高校前のバス停名も)という名は即刻廃止して欲しいですね。「武蔵美(ムサビ)通り」は悪くないと思います。マンション名がバス停名になるようなことだけは勘弁願います。

この日の最後は、建設委員会の委員長であるやすえ清治委員(自由民主党)自らの質問です。質問内容は、(1)住民から15mの地区計画案が市に提出された時に、なぜこれを受け取ったのか(出た時点で無理だというようなやりとりがなされなかったのか)、(2)業者と話し合い、一定の理解を得るに至ったという経緯について、もう少し丁寧に(住民に対しても)説明してもらいたい、(3)逆に、業者の理解が得られなかったという部分があるのかどうか、(4)条例をつくるのは1月で、着工が10月だが、業者と話し合いはできているので大丈夫だということを、可能ならばはっきり言ってほしい(逆に、条例の施行が1月で、10月から着工となった場合、どんな不利益が可能性として考えられるのか)、(5)住民から出た地区計画は、出た段階で第三者機関に諮る等の仕組み作りが必要だと思うがいかがか、(6)市長の判断で9月に頑張って条例化しようということはできないか、の6点です。これに対する市側の答弁は、

【恩田課長】(前略)実を言いますと、2月10日に説明して以降、長谷工、事業者の方とは数回にわたってずっと交渉してきているところでございます。特に、2月におきましては、まず長谷工の方から逆に申し入れがございまし(中略)て、それに対しては、市から3月1日に協力要請という形で、それに関する、再度ぜひまちづくりの委員からもこの素案に対して協力していただきたいというお話しをさせていただいているところでございます。
 また、3月には、再度、4月に法政が移転するということもございましたので、それに先立ちまして事前着手しないようにという形の申し入れをさせていただきました。あわせて、法政の方にも、地元に対して一定の説明をして出ていってくださいという形で市長の方から申し入れをさせていただいております。
 それから、3月の終わりには、文書でのやりとりも含めて、向こうの事業者のプロジェクトのトップを呼びまして市長と協議をさせていただいております。これについては、素案に対する考え方をぜひ事業者として御理解いただきたいというお話しをさせていただいているところでございます。
 また、4月に入りましては、事務レベルでの協議もさせていただいております。
 5月に入りまして、(中略)長谷工の意思も相当かたかったんですけれども、こちらの立場もわかっていただくような状況にだんだんなっていって、周りの住民の方々もああいう状況にあるということも長谷工も一定理解しておりますから、(中略)再度我々の方で申し入れを出して、最終的な判断として長谷工の方は5月17日に一定の理解を示すという形で申し入れがありました。
 ただ、その分、逆に理解が得られなかったのは何かと言いますと、先ほどの着手の話でございます。着手につきましては、地区計画が定まるまで、我々としては着手せぬようにというお話しをさせていただいておったんですが、事業者としては、今の段階では地区計画そのものがいつになるかわからない。それまで待てるというような回答は今の時点では出せないというスタンスから、今の時点で出せる10月というお話で文書をいただいているところでございます。ですので、これに関しましては、まだ正式な形で1月までは待てるという話もいただいてございませんので、引き続き長谷工には申し入れていきたいというふうに思っております。

【井上部長】10月2日に地区協議会の方から地区計画の15メーターの提案が出たと。その時点で、それを何で受け取ったのかということでございますけれども、これは地区計画の申し出の条例を議会の皆さんに議決していただきまして、平成16年1月から施行してきたと。その中で当然申し出を受けるという形になっていますので、必然的に受けたということでございます。

邑上市長】先ほど担当から説明したとおり、時間的な問題があって、ほぼ9月では難しいという判断をしております。ですので、1月に施行されるような形で何とか進めていきたいなというふうに思っておりますし、長谷工に対しましては事前着工のないようにこれからも申し出をしていきたいというふうに思っております。

【井上部長】(前略)地区計画につきましては、先ほども申し上げましたけれども、行政、市民、事業者が連携して、そこの地区をどうしていくんだというビジョンが大切だと思っています。今回の場合に非常にまずかったのは、市民の皆さん、行政、事業者、三者がみんなばらばらだという経緯がございます。このような形の中で相当な反省点がございますので、現在、まちづくり条例の中で、先ほどの大型の宅地開発等も含めてでございますけれども、この地区計画についてももう少し緩和するのがいいのか、逆に厳しくするのがいいのか等も含めて、手続、進め方も含めて、(中略)現在検討を進めていますので、より市民の皆さん、行政、事業者が連携してできるような条例等について今後策定していきたいと考えてございます。



やすえ委員の、そもそも市の考える地区計画と相容れない住民提案がなされた段階で受け取らないという選択肢もあったのではないかという指摘は実にもっともです。住民提案と市の素案の大幅な乖離もそうですが、住民側がもっとも不信感を持っているのは、市が無駄に時間を掛け過ぎていることにあると思います。10/2に地区計画案を提出し、2/10まで市の素案の内容も分からないままに放置されたこと、時間を要している理由の一つであったシミュレーションが実にお粗末であったこと、こうした行政の不誠実な態度が住民側の姿勢を硬直化させた面は否めないと思いますが、その点は一切放置ですか。それに、「ああゆう状況」って何ですかね? 要は、住民は勝手にエキセントリックになっているから、市と事業者でうまくやりましょうよ、こういう意思疎通があったとも読める内容ですね。

結局、この陳情は継続審査となり、結論は全く出ませんでした。こうしてただ時間だけが浪費されていく。それは、長谷工を利する以外には何の効果もないというのに。行政(そして市議会)には、悠久の時間が流れているようですね、残念ながら…

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長谷工施工現場は危険がいっぱい

前回のエントリから多少日にちが空いてしまいました。少し早い夏休みをいただいていました、という訳ではなく、単にちょっと忙しくて更新の時間が取れなかっただけなんですが… それに合わせる訳でもないのでしょうが、法政跡地マンション建築問題も、次回の長谷工説明会まで日数があることから、ここのところ小休止といったところです。

さて、取り敢えず現在は、建物に対する住民側の要望事項が長谷工に伝えられ、長谷工が検討するという状況になっていると思います。そこで今回は、今後開催が予定されている工事説明会に向けて、いかに長谷工の施工現場で危険なことが起こっているかをご紹介したいと思います。とは言え、長谷工施工現場の杜撰さについての内部告発はネット上に溢れているものの、情報の確度が保証されませんので、ここではクレーン横転という重大事故に絞って事実のみをご紹介します。

先ずは、2003年5月8日に我孫子市で長谷工が起こしたクレーン車横転事故についてです(因みに、記事中でマンション名は明らかになっていませんが、citia(シティア)という妙な名称のマンションです)。事件の概要は、以下の通りです。

クレーン車横転し、3人死傷 千葉・我孫子

 8日午前8時45分ごろ、千葉県我孫子市我孫子のマンション建設現場で、作業中のクレーン車横転した。男性作業員2人が下敷きになり、市川市富浜3丁目、国分聖司さん(54)が全身を強く打って間もなく死亡。横浜市南区の男性作業員(18)も全身を強く打つ大けがを負い、クレーン車から逃げようとした市川市の男性作業員(20)も右足を打つけがをした。

 我孫子署などの調べでは、クレーン車マンションの自転車置き場の塀をつくるための準備中で、クレーンを伸ばす確認作業をしていたところ横転したという。2人は台車から約40メートル離れた作業場にいて、約47メートル伸びたクレーンの下敷きになった。現場では15階建てマンションを建設しており、事故当時は強い風が吹いていたという。



この記事では横転の原因が明らかになっていませんが、5月10日付毎日新聞の続報では、おもりの付け忘れで横転したこと、更には1年前にもパワーショベルの横転で作業員1名が死亡していたことが報道されています。

我孫子・クレーン横転 昨年にもパワーショベルで死亡事故

◇再発に関係者戸惑い
 我孫子市我孫子の大規模マンション建設現場で8日朝、クレーン車が倒れ作業員3人が死傷した事故に関連し、昨年3月にも同じ現場でパワーショベルが横転して作業員1人が死亡する事故が起きていた。事故の再発に工事関係者や付近住民は戸惑
いを隠し切れない様子で、安全対策の不備を指摘する声も出ている。
 建設主体の「長谷工コーポレーション」(東京都港区)広報部によると、前回の事故では、パワーショベルで土砂の撤去作業をしていた男性(60)が、転倒したパワーショベルの下敷きになって死亡した。
 今回の事故は、クレーン操縦者(56)がアームを最大限の47メートルにまで伸ばした際、バランスを崩し横転した。我孫子署などの調べでは、操縦者がクレーンの操縦室後方に設置すべき鉄製のおもり(13トン)の装着を忘れたうえ、警報ブザーが鳴っていたのに操作を続けたのが原因とみられている。
 我孫子署は操縦者を業務上過失致死傷の疑いがあるとみて調べているが、操縦者は「おもりをつけていると思いこんでいた。なぜブザーが鳴っているか分からなかった」と供述しているという。
 長谷工広報部の担当者は「20年以上の経験者がこんな初歩的なミスをするとは」と話している。しかし、マンション近くの男性住民(66)は「ここはもともと地盤が緩く、足場が悪い。工事の安全対策に問題はなかったのか」と不安げな様子だった。【江畑佳明】



こんなに労災事故が頻発する現場って… この会社の安全管理は大丈夫なんでしょうか? おもりの付け忘れが直接の原因のようですが、強風の中で工事を強行しようとしたことが事故の遠因であることも忘れてはいけません。安全管理より、工事日程を優先した代償は大きかったようです。

もう一件ご紹介しましょう。今度は、2005年11月26日に川崎市高津区のスニーカータウン(溝の口ガーデンアクアス)工事現場で起こしたクレーン車横転事故です。このマンションでの長谷工の行動記録は、長谷工巨大ビル建設を考える会のHPに詳細な記録が残されています。このHPには、ここで採り上げるクレーン車横転事故の他にも、土壌汚染疑惑、隣接する日経新聞工場隠蔽広告疑惑など、注目すべき内容がてんこ盛りです。是非、ご一読下さい。

さて、本題のクレーン車横転事故ですが、同HP内に2005年11月27日付東京新聞の記事が紹介されています。「高津・マンション建設現場 府中街道に大型クレーン横転 高圧線切断 7000戸停電」の大見出しで始まる記事の詳細は、上記リンクからお読みいただくとして、ここでは「『倒れることない』反対住民に以前建設会社が説明」の小見出しで始まる部分をご紹介させていただきます。

 建設現場南側の丘陵部にあるマンションに住む会社員の男性(40)は「ズドーンという地響きのような音がして、外を見ると土煙が上がっていた」と当時の状況を話す。
 現場の建設中のマンションは、景観などへの影響を懸念した住民グループが建設反対や規模の見直しを求めた経緯がある。地震があった際、建設会社にクレーンの安全性について尋ねたが、「倒れることはない」と説明されたという。
 男性は「今日は強風が吹いていなかった。原因が分かるまで、作業はストップし、建設会社は住民にきちんと説明する必要がある」と話していた。



この記事には、具体的な建設会社の名前が出てきませんね。その理由の一つに、マスコミ取材陣が引き上げるまで、工事現場周辺の仮囲いに掲示された社名をシートで隠すというセコい隠蔽工作があったことが、上記「考える会」のHPで具体的な写真と共に暴露されています。ここまで来ると、この会社が哀れに思えてきます。

しかし、この話には更なる長谷工の非常識さを物語る後日談があります。またまた同HP内からの引用ですが、2005年12月15日付東京新聞の記事では、「高津・クレーン転倒建設現場 別車両できょう”強行” 文書のみで住民に通知」の見出しで、工事再開を強行したことを伝えています。

 川崎市高津区のマンション建設現場で11月26日に作業中の大型クレーン車が転倒した事故で、施工者の長谷工コーポレーション(東京都)が15日から事故車以外の大型クレーン車を使って工事作業を再開することが14日、分かった。
 川崎市はこれまで長谷工側に対し「大惨事になる恐れがあった」として、不安を感じている住民への十分な説明や再発防止策を実施するよう指導していた。作業開始について、同社は13日、住民にA4サイズの「お知らせ」と題した文書を配布しただけだった。このため、市は14日、同社に再度、住民に十分な説明をするよう指導した。
 文書では事故原因を、制御装置(リミット装置)などが作動しなかったためとしている。だが、なぜ装置が作動しなかったのかという根本的な原因についての説明はない。再発防止策としてはクレーンの専用監視員を配置するとしている。
 同社は今月4日に開いた住民説明会で事故原因や再発防止策について同様な説明をしたが、住民からは「安全が確保されたとはいえない」と不安視する声が出た。10日には地元町会役員に限定した説明会を開催。さらに、文書のみの作業再開通知に、不信感を深めた住民もいる。
 長谷工広報部は「担当者と連絡がとれず、対応できない」としている。(飯田 克志)



「担当と連絡がとれないから対応できない」という広報のコメントは、事故を起こした企業としての説明責任の観点からはどうなのでしょうか? 疑問が残ります。

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