吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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もう一つの法政跡地問題

法政跡地問題は、水面下では協議会と市側との交渉も引き続きなされているようですが、今のところ表立った情報はなく、小康状態が続いています。

そのような中で、私が心配しているもう一つの法政跡地問題について、今日はご報告したいと思います。それは、法政高校の校舎から少し離れた場所に位置するグラウンドです。実は、グラウンドについては長谷工ではなく、三井不動産に同時期に売却されていますが、現時点においては、具体的な開発計画は聞こえてきません。以下は、昨年1/18付の建設通信新聞の記事の抜粋です。

第一中・高グラウンドを三井不動産に売却/法政大学

法政大学(東京都千代田区、平林千牧総長)は、東京都練馬区にある第一中・高等学校グラウンドの土地の売却契約を三井不動産と結んだ。契約日は2005年12月26日。同社は「住宅を検討しており、戸建てとするか共同住宅とするかは今後決める」としている。また、同大学は武蔵野市にある同校の土地の売却交渉を進めている。現在は市の優先交渉期間が過ぎたことから、民間の優先交渉権者である長谷工コーポレーションとの契約が可能となっている。土地の売却は同校の三鷹市への移転に伴うもので、譲渡が具体化するのは07年4月以降になるとみられる。
同校グラウンド(練馬区立野町908-1ほか)の面積は、1万0661m2。用途地域は第一種低層住居専用地域で、建ぺい率50%、容積率100%となっている(後略)。



という訳で、この土地自体は一種低層地域なので、マンションとなっても高層建築は不可能です。また、丁度真上を高圧線が通っている(その点は校舎部分も同じなのですが…)ので、その点でも高い建物は向きません。

では、何が問題なのかと言えば、吉祥寺東町周辺にお住まいの方はよくご存じの通り、関東バスの南善福寺のバスターミナル横から吉祥寺駅の方に伸びている宮本小路、女子大通りから東十一小路を北上し、法政グラウンド沿いに吉祥寺通りまで抜ける細い道、更には、東京女子大の横を抜けていく側道が、全て狭い一方通行路にも関わらず、抜け道として頻繁に利用されていることにあります。特に、週末の夕方頃の宮本小路は、時には100m以上も車の列ができており、地元住民の通行上の非常に大きな妨げとなっています。

法政グラウンド


この点については、武蔵野市議会の建設委員会に対しても「吉祥寺東町2丁目全域とその周辺ゾーンの小路の抜本的交通対策に関する陳情」が出されており、現在も継続審査中のようです。法政グラウンド跡地が大規模な住宅用地に変わることで、宮本小路の渋滞が更に悪化する可能性があるということです。

大規模な集合住宅や宅地造成においては、その建物自体の周辺環境への影響もさることながら、人口増が交通にもたらす影響も無視できません。特に最近では、狭い路地の奥まった土地に大規模なマンションを計画し、交通事情の悪化を懸念する地元住民との紛争となるケースも散見されます(この問題については、法政校舎跡地についても非常に懸念しています)。戸建分譲で周辺との紛争が回避されても、交通事情の悪化が周辺住民を苦しめては何にもなりません。グラウンド跡地は練馬区内なので、武蔵野市と練馬区の協同によって、問題解決に向けた事前策を講じることが望まれます。この点についても、今後情報が得られれば、逐次ご報告させていただきます。
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グランドメゾン杉並シーズン

先日予告させていただいた通り、吉祥寺近辺の劣悪マンションプロジェクトをご紹介したいと思います。

本日採り上げるのは、積水ハウスと長谷工の共同PJである「グランドメゾン杉並シーズン」です。別に、意図的に長谷工を採り上げている訳ではなく、単に長谷工関与物件が劣悪なだけです。今後ご紹介したいと思っている物件も、大半が長谷工案件で、同社の突出した反社会性が浮かび上がる結果となっています。

この物件も、ご多分に漏れず、学校跡地です。周辺はほとんどが第一種低層住居専用地域という中に、学校用地だから緩和されていた用途地域(第一種中高層住居専用地域)をそのまま利用して、14階建てのマンションを建築しています。一体、いつまでこのような非道が許されるのでしょうか。

しかも、この物件も、良好な周辺環境を自らの存在で破壊しているにも関わらず、販売面で周辺環境の良好さを最大限にPRしています。公式HPの周辺環境のページは、そうした無神経さに全面的に彩られています。以下、その宣伝文句を引用します。

南側に第一種低層住居専用地域が広がる、開放的な敷地。

(前略)そして東西に長い敷地の南側には第一種低層住居専用地域が広がり、建物の高さが抑えられているため、視界が開け、日当たりも良好。杉並に大切に残されていたこの場所に、<グランドメゾン杉並シーズン>が誕生します



どうです。「杉並に大切に残されていたこの場所」を自らの存在で徹底的に破壊することなど、全くお構いなしです。更には、ご丁寧なことに「街並みイメージイラスト」(下図)と称して、自らの存在が如何に周辺環境と不釣り合いかを誇示しています。ちなみに、北側も一種低層なのですが、その地域の日当りを自らの存在で悪化させることについては一切触れていません。相変わらず、「自分良ければ全て良し」の宣伝スタンスです。

グランドメゾン杉並シーズン


また、配棟計画のページでは、「周辺の街並みとの調和を考え、表情豊かな景観を想像する配棟計画」と称して、V字配棟なるものを自画自賛しています。

グランドメゾン杉並シーズン〉は総戸数684戸。このボリュームの住戸を敷地内にどうレイアウトするか。通常の板状の住棟を並べると、大きな壁のような建物が並ぶことになり、周辺環境に大きな圧迫感を与え、画一的な景観になってしまいます。そこで建物をいくつかに分け、一部にV字型の配棟計画を採用しました。これにより、奥行のある緑地スペースが生まれ、建物にも豊かな表情を与えられます

杉並シーズン外観



多少、景観への配慮を謳うだけマシなのかも知れませんが、どうも自らの周辺環境とは絶対に相容れない高さが問題なのだということを、根本から理解されていない(または分かってて無視している)のではないでしょうか。

いずれ採り上げますが、マンションは既に大幅な供給過剰です。このマンションも、既に第3期2次販売に入っており、販売面での苦戦が窺われます。それでもマンションデベロッパーは建て続けるしかないのでしょうが、その後には一体何が残されるのでしょうか。

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ブログポリシー

現在、法政跡地問題はご報告した説明会以降、小康状態(というか表立った動きがない状態)となっています。小耳に挟んだ話では、市の素案が都市計画審議会に回っているとのことですので、次のステップまではしばらく時間が空くのではないでしょうか。
その間、少しここ武蔵野周辺の問題マンションプロジェクトを、順次槍玉に挙げようと思ってます。

但し、マンションに対する考え方は人それぞれ違うと思いますので、一応このブログを書いている私のマンションに対するスタンスをご説明しておきます。このブログ内の記述は、以下に述べる考え方に基づいていると基本的にご理解下さい。考え方が違う方がいらしても、それは人それぞれですので、その点はご了承下さい。

先ず最初に、私はマンションを全面的に否定する立場ではありません。都市部に多くの人が住まう以上、必要悪のような側面はあると思います。では、何故このようなブログまで開設して高層マンション反対のスタンスを取っているのか。それは、最近の一部のマンションデベロッパーの開発物件が、あまりに周辺環境への配慮に欠ける無秩序開発だからです。そして、特に長谷工を名指しで攻撃するのは、見事なまでにそれら乱開発物件の施工業者が長谷工であるケースがほとんどだからです。

低層住居地域といえど、まとまった土地にマンションを建設すること自体は仕方ない面もあります。しかし、その場合は建物を3、4階建て程度に抑えるべきでしょう。隣地との境界線からの距離に十分な配慮がなされれば、5階建て(15m)程度までは容認できる範囲内でしょう。闇雲に何でも反対ということになれば、それは既に住民エゴと言われかねない問題をはらんできます。

しかし、そのような低層住居地域に8階建てだとか14階建てだとか(この二つのパターンが実際多い)を建てるということになれば、話は全く変わってきます。このような建築が可能な土地は、大体が学校跡地であったり、企業の社宅やグラウンド跡地であったりして、特別に用途地域が緩和されていたケースがほとんどだからです。たまたまそのような事情で緩和されていた法規制を悪用する乱開発は、周辺住民に無用な不利益を強いるものであり、権利の乱用以外の何者でもありません。

現在の日本の法規制は、不良債権処理を最優先した結果、そうした不道徳業者の利益を優先するあまり、環境への配慮が著しく欠けたものになっています。ですから、すこしでもこうした現実を変えるべく、乱開発の問題点はどんどん指摘していきます。また、現に進行中である法政跡地の乱開発については、逐次状況を報告していくつもりです。

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市と市議会

前回までのエントリで、協議会主催の懇談会および市主催の説明会の様子をご報告しました。そこでは、基本的に私は市の素案を批判する立場でした(住民側ですから、住民側の期待に応えてくれなかったという事実に対する批判があるのは、当然と言えば当然です)。

しかし、私には以前から一つの疑問がありました。それは、「なぜ市議会はこの問題にもっと主体的に動かないのだろう」ということです。確かに、住民側の地区計画案は武蔵野市に対して提出しましたし、素案を検討してきたのも市(行政)です。しかし、上位団体である都との調整等、行政が担うべき仕事は多いとは言え、地区計画を最終的に条例化するのは市議会(立法)です。つまり、行政サイド(市長および市の職員)だけではこの問題は絶対に解決できないのです。極端な話、立法権独自で法案を成立させる「議員立法」という手段もあることから、住民側の批判が行政サイド(市長と市職員)に集中することに、多少の違和感を持っていました。

そんな疑問に対して一つの示唆を与えるサイトを見つけました。詳しい内容は、「吉祥寺☆武蔵野市はお好き??」をご一読いただきたいのですが、ここでの重要な指摘は「野党議員(市長反対派)の人数が、市長を支持する与党議員の人数よりも多い」という点です。具体的には、与党13名に対し、野党17名と与野党の逆転現象を指摘しています。民意を反映した公約を掲げて当選しながら、その後議会との関係がうまくいかずに埋没してしまった政治家としては、前長野県知事の田中康夫氏が有名ですが、ここ武蔵野市も同じ状況下にある可能性があるということです。

取り敢えずここでは、この与野党逆転現象が本当に地区計画案に影響を及ぼしているのかどうかについて、各市議会議員の本件に対する意見表明を通じて考察してみたいと思います。とは言え、私は市議会ウォッチャーを生業としている訳ではありませんので、全ての市議の方々の発言をフォローはできません。そこで、ブログ等での意見等を集めてみることにしました(発言等の参照先はリンクしておきますが、修正等がなされた時のために、必要な部分は転載しておきました)。

先ずは、与党サイドの13名から(敬称略、順序は議員番号順。名前の後の☆印は「議員提出議案第11号・法政大学第一中学校・高等学校移転に関する決議」の提出者。★印は建設委員会所属。また、カッコ内は所属会派、住所)。

7. 梶 雅子☆★(日本共産党武蔵野市議団、御殿山)…公式HPに議会ニュース号外として法政跡地問題が紹介されています。
8. 向谷 千鳥(日本共産党武蔵野市議団、西久保)…HPなし
9. 本間 まさよ(日本共産党武蔵野市議団、境南町)…HPなし
13. 桜井 和実★(会派に属さない議員、桜堤)…HPなし
14. 三宅 英子(むさしのリニューアル、吉祥寺北町)…ブログ内に「吉祥寺東町法政跡地問題」というカテゴリあり
昨年10/9の説明会出席報告が掲載されているのですが、その内容に対して協議会の方からクレームがついたようで、その経緯も掲載されています。なお、「高層マンション建設に反対し、住環境を守りたいという思いは同じ」と書かれており、基本的には反対のスタンスのようです。
15. 山本 ひとみ(会派に属さない議員、境南町)…ブログに度々法政跡地問題についての記載あり
1/6のエントリ「住民提案の吉祥寺東町地区計画?高さ制限15メートル? 早期制定を!」には、「武蔵野市が、住民の提案を尊重した地区計画を一刻も早く制定するよう、強く求めていきたいと思います」と書かれており、住民寄りのスタンスを明示しています。
16. 大野 まさき☆(むさしのリニューアル、吉祥寺南町)…公式HPの活動日記に度々法政跡地問題についての記載あり
最近では、1/23の「外環道路・法政跡地地区計画に関する動き」にて懇談会の様子を報告しています。
17. 松本 清治(民主・市民ネット、中町)…公式HPに記載なし
18. 砂川 なおみ(民主・市民ネット、関前)…公式HPに記載なし
19. 川名 ゆうじ★(民主・市民ネット、桜堤)…ブログに度々法政跡地問題についての記載あり
1/22のエントリ「市の素案に住民が反発」では、「この問題での交渉相手は、市ではなく長谷工であり、理不尽な売却を行っている法政大学の理事者です。住民と市がスクラムを組んで交渉しなくてはならないのに内部分裂していては力が発揮できません」との冷静な指摘が光ります。
また、1/29のエントリ「批判だけでなく協議が必要」では、市から議会への説明会の様子を、「内容は、懇談会と同じでしたが議員からの発言で『懇談会での発言は全員が反対だった。住民は反対なのだから考え直せ』としたのは一名のみ。あとはもっと分かりやすく説明すべき、と市の説明不足を指摘する議員が多く、市の案を否定するような発言はありませんでした」と伝えており、本人も同スタンスのようです。
更に、2/19のエントリ「議会の意見 職員の反発」では、2/13の市議会建設委員会の様子を、「助役は、話し合いは住民からの申し出が出る前から何回もやってきたが10日の事態になってしまった。冷静にできる場なのか判断できるのか。住民と地区計画をつくりたいと考えているがマナーを守って欲しい これでは住民参加は難しいと考えている、との答弁があ」ったことを明らかにするとともに、「現状では住民のやり方に批判の声が大きいと思います。しかし、なぜ住民がそのようになってしまったのかも考えてみるべきです」と、やや市寄りのスタンスです。全体としては、現実的な解決策を探るべきとの考え方のようです。
28. 深沢 達也☆(民主・市民ネット、吉祥寺東町2)…HPなし
29. 露木 正司(民主・市民ネット、境)…HPなし
30. 水野 学(民主・市民ネット、吉祥寺北町)…公式HPに記載なし

続いて、野党サイドの17名です(記号等、与党サイドと同一)。

1. やすえ 清治★(自由民主クラブ、関前)…ブログに法政跡地問題についての記載あり
2/11のエントリ「法政跡地問題」に、「しかし、気になるのは住民側の態度。ご自身達の住環境を守りたい気持ちはよくわかりますが、行政に対して完全にケンカを売るような態度で(中略)、この問題を理解しようとする方々(私もそうですが・・・・)の気持ちを損ねなければいいですけどもね・・・・・ そしてもっと気になるのは行政側の態度。というか市長の態度(中略)。これが行政の長たる人間の姿勢かと、その資格を疑わざるを得ません。」と、微妙に話がすり替わったりしてます。
2. きくち 太郎(自由民主クラブ、吉祥寺北町)…公式HPに特段の記載なし
3. 島崎 義司(自由民主クラブ、境)…ブログに度々法政跡地問題についての記載あり
1/30のエントリ「法政跡地問題の講演を聞いて」に、「私たち議会には、まだ正式にどのような案だったのか説明がなく、なんともいえませんが、邑上市長は市政運営の責任者としての決断をせまられていることだけは確かです。『大事なことは市民と決める』あるいはこういうときだけ『議会の意見を』などという責任回避は許されません。どのような責任ある対応をとるのか要注目です。」とあり、ここでも問題が邑上市長の責任問題にすり替わっています。
4. 小林 清章☆★(市議会公明党、吉祥寺本町)…HPなし
なお、平成18年第3回定例会(H18.9.6)における一般質問(法政跡地及び周辺のまちづくりについて)に、「市ができることに限界があることもある程度承知しておりますが、そこをどうおさめるか、現場に飛び込んで結果を生み出していかなければなりません。都市プランナーとしての経験を持つ邑上市長の手腕を期待していきたいと思います」との発言があります。
5. 小野 正二(市議会公明党、西久保)…HPなし
6. 田辺 あき子(市議会公明党、境南町)…公式HPに記載なし
10. 近藤 和義★(自由民主クラブ、中町)…HPなし
11. 鈴木 有臣☆(自由民主クラブ、吉祥寺東町1)…HPなし
12. 田中 節男(自由民主クラブ、境)…HPなし
20. 井口 良美(自由民主クラブ、八幡町)…HPなし
21. 石井 一徳(自由民主クラブ、吉祥寺本町)…HPなし
22. 金子 武☆(自由民主クラブ、吉祥寺南町)…HPなし
23. 山下 倫一(市議会市民クラブ、西久保)…ブログに特段の記載なし
24. 土屋 美恵子(市議会市民クラブ、境南町)…HPなし
25. 与座 武(市議会市民クラブ、西久保)…HPなし
26. 桑津 昇太郎☆★(市議会市民クラブ、吉祥寺東町3)…ブログに度々法政跡地問題についての記載あり
1/23のエントリ「法政跡地のマンション建設問題」では、「今おかれている状況を考えれば、今回の市の案は、住民の皆さん、地元にとっても取り得る最善の案と受け止めています(中略)。また、この問題を政治的な動きに絡める動きもありますが、今はまちづくりの観点からこの問題に全力を投じていく考えです。普通世間でよく見られるのは、地元住民の皆さんとマンション業者の間の紛争?ですが、ここでは市と対立しての推移です。これでは、業者が利するばかりです」と市の素案を現実的なプランとして評価し、地元一体となって業者(長谷工)への対応を呼びかけています。
また、平成18年第3回定例会(H18.9.6)における一般質問(法政大学第一中・高等学校の跡地問題について)および平成18年第4回定例会(H18.12.6)における一般質問(法政跡地に係わる地区計画について)も市議会の議事録に残されています。
27. 寺山 光一郎☆(市議会市民クラブ、吉祥寺南町)…公式HPに記載なし

という訳で、全30名の市議会議員の法政跡地問題に対するスタンスを検証してきた訳ですが、正直、これという程の傾向は見られませんでした(意見を確認できない人が多かったという面もあります)。強いて言えば、市の素案に対して反対している人は少なく、市(ないし市長)の説明不足を指摘する意見が多いこと、一部の野党の議員にこの問題を邑上市長の攻撃材料にするという政治的な動きが見られること、くらいでしょうか。

とは言え、議員提出による前述の「法政移転に関する決議」については、本会議において全員賛成で可決しており、「武蔵野市議会は、同校及び法政大学側が今からでも誠意を持って、跡地売却契約先に対して同校跡地の抱えている周辺住民の住環境維持等の課題解決に向けた要請を行う等、最大限の取り組みをしていただくよう強く求める」という点においては一致を見ているようですので、高さ規制の具体的な導入に向けて、市議会の足並みを揃えて精力的な活動を、住民側としてはもう少し期待したいところです。

なお、余談ですが、議員の方々のHPやブログを一通り見て回るのは、中々に面白かったです。HPは余り更新されていないケースが多かったですが、ブログは皆さんそれなりに更新されており、きちんと個々の問題に対する意見表明をされている方から、単なる行動記録でしかないもの(それでも何の情報発信もされていない方よりはマシですが)まで様々でした。市議会レベルでは政策ブレーンを持てる筈もなく、様々な問題に対する造詣を深めることは難しいとは思います。しかし、住民自治を推進していく中では、議員サイドの政策立案能力を向上させていく必要があり、そうした努力を日頃から住民も含めて行っていれば、マンション紛争のような問題は相当程度防げるのではないかと感じました。その意味で、住民側も問題が発生する前から、自らの権利についてもっと真剣に考えることが求められていると思います。

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横断幕

1月21日の懇談会の後、数日してから、女子大通り沿いを中心に法政跡地問題に抗議する横断幕が登場しました。と言っても、「高層マンション反対!」みたいなストレートなものではなく、もう少し分かりにくい(上品な?)ものです。

垂れ幕2

垂れ幕1
(クリックで拡大)

一枚目の写真は、「市長・行政は住民ともっと話合いを!」と市側に訴える内容です。二枚目はもう少しストレートで、「環境破壊の元凶は法政!」、「東町文教地区に25m(8階)はいらない!」という内容で、売主・法政を批判する内容や、高層マンションへの反対表明となっています。この他にも、「法政大もうけの犠牲者は住民!」とか「市案の25mは町を破壊する!」といったキャッチフレーズのものもあります。

通りがかる人をそれとなく見ていると目を落とす人もそれなりにいますが、全体に白基調のおとなしいデザインのせいか、見ずに通り過ぎる人も多いようです。景観的には好ましくないのかも知れませんが、法政跡地問題をより広範に知ってもらうためには、もう少しどぎつい幟とかを掲げた方が良いのかも知れませんね。

なお、経緯説明の際に書き忘れましたが、1/23付東京新聞に懇談会の様子が紹介されていましたので、一部をご紹介します。

高さ制限 25メートル以下 法政中高跡地のマンション計画 武蔵野市長 計画素案提示 住民側と隔たり

マンション建設計画が持ち上がっている法政大学第一中・高等学校(武蔵野市吉祥寺東町三)の跡地問題について、同市の邑上守正市長は二十一日、住民との意見交換会で、高さ制限を二十五メートル(八階相当)以下とすることを盛り込んだ地区計画の素案を示した。昨年、住民グループが要望した十五メートル(五階相当)制限とは開きがあり、出席した住民からは反発の声が相次いだ。

素案では、同校の敷地約一万三千平方メートルのうち道路に面した一部を除き、建物の高さを二十五メートル以下と制限。跡地の西側に公園や緑地を設けるなどとしている。

意見交換会では、市の素案に対し、「地元住民への配慮が感じられない」「業者のための地区計画だ」などと住民側から不満が噴出。二十五メートル制限とした理由について、市は「現在の法規制の中では十五メートルは厳しい」と説明する(後略)。



また、市が素案で提示する建物のイメージは、こちらのパンフレット「こんなまちづくりを提案しています」で大まかなイメージがつかめます。正直、今住民が求めていることとはやや隔たりがありますね。

何とか、地域一体となった解決のための方策を見いだしていきたいものです。

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市側の地区計画素案について(3)

長かった懇談会説明会の様子についても今回で最後です。もう少しおつきあい願います。

さて、1月21日の懇談会が市側と住民側の意見が対立したまま、何の解決も見ないまま終了したため、市側のセッティングによって開催されることとなった2月10日の説明会ですが、結論だけを先に言ってしまえば、全く進展はありませんでした。

確かに、市側の説明は、前回よりも住民側の疑問に多少なりとも答えようという意図が感じられ、事前に配布されたQ&Aには、

・なぜ、用途地域を第一種低層住居専用地域に変更しないのか。
・なぜ、女子大通りの北側は区域から除外されたのか。
・法政の売買を白紙に戻させるべきではないか。
・なぜ、市案の高さ制限は25mなのか。15mではだめなのか。
・住民提案内容を全面的に取り入れるべきではないのか。



など、前回の懇談会における住民側の代表的な声が掲載されました。しかし、肝心の回答部分の説得力が弱く、とても住民側が納得できるものとは言えませんでした。

いくつか例を挙げましょう。用途地域を一種低層に変更しない理由については、こうあります。

「(前略)市は、第一種低層住居専用地域については、建ぺい率:40%/容積率:80%が基本と考えており、周辺との整合の観点から同じ第一種低層住居専用地域に指定した場合、多数の既存不適格建築物が発生してしまいます。用途地域は、東京都決定の都市計画です。見直しにあたっては、既存不適格率が判断のひとつとなり、変更は難しいと考えられます。」



既存不適格建物が発生することについてはその通りでしょう。しかし、40/80が基本のくだりには無理があります。なぜなら、同じ吉祥寺東町内の吉祥女子の周辺は、用途地域こそ同じ一種低層ですが、建ぺい率/容積率は50/150と大幅に緩和されているからです(図の右下の方の斜線部分です。ちなみに左上の黄緑部分が法政敷地)。同校の校舎には4階建ての建物が存在します。この事実はどう説明するのでしょうか。また、一種低層でももう一段の建ぺい率/容積率の緩和は可能です。このような案は、果たして市では検討したのでしょうか。それについては何も回答されていません。

吉祥女子周辺
(クリックで拡大)

もう一つ。全域15mの高さ制限を行わない理由については、

「全域に15mの高さ制限をかけた場合、現在のところ大きく影響を受けるのは法政敷地のみと考えられます。そのため市では公平性や合理性に配慮し、シミュレーション等調査・検討を行い、一部の敷地に過度の負担とならないよう、視覚的な影響の大きい沿道部分については、住民の皆さまから提案された15mの高さ制限とし、それ以外の部分について25mの高さ制限としています。」



との回答がなされています。これもおかしな部分があります。そもそもこの地区計画は、学校用地として規制が緩和されていた法政跡地に一定の制約を課すためのものであるはずです。にも関わらず、既にその趣旨が失われたまま地区計画が導入されようとしているように思えてなりません。同じことは、なぜ25mなのかという点にも当てはまります。20mなどの中間の高さは検討されたのでしょうか。これについては、遂に確たる説明がありませんでした。長谷工が訴えてきたとしても、国立の事例で見る限り、20mの高さ制限で敗訴する可能性は非常に低いと思います。市側の懸念はどこにあるのでしょうか。

質疑応答の時間については、正直あまりコメントしたくはありません。なぜ、あの場に長谷工の人間がいるのでしょうか。地権者だから? まだ、引き渡しも受けていないのに地権者面とは片腹痛しです(しかも、まだ所有権移転登記も仮登記です)。訴訟も辞さないとかほざいていましたが、単なるブラフにすぎません。市の地区計画素案を超えたマンションを建築しようとすれば、違法性のある設計で敗訴するのは彼らの方なのですから。

それにしても、こうした場に堂々と出てくる面の皮の厚さには本当に感心します。人間としての最低限の良心が既に麻痺しているのでしょう。税金で助けてもらった会社のくせに、積極的に各地に厄災を振りまいて堂々としている。同じ人間として、ああは絶対になりたくないものです。

最後には、市の部長に対して辞めろという声まで出ました。もう市側が聞く耳を持たないという諦めの気持ちから出た発言だと思いますが、どうだったのでしょう。気持ちは分かりますが、市と住民が反目しても長谷工を利するだけです。敵は、悪徳業者・長谷工コーポレーションなのです。間接的とはいえ、税金で救済してもらっておきながら恩を仇で返し続けている、社会のダニ・長谷工が憎むべき相手なのです。それを忘れてはならないと強く思います。

この問題については、様々な意見があるようです。次回以降は、そのような点も踏まえて、今後の法政跡地問題を再検討していきたいと考えています。

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市側の地区計画素案について(2)

今回以降、いよいよ1月21日に開催された邑上市長との懇談会地区計画協議会主催)、そして2月10日に開催された地区計画素案の説明会(武蔵野市主催)の様子をお伝えしたいと思います。但し、今回も長文となってしまったため、説明会の様子は次回とさせていただきます。気を持たせるようで申し訳ありません。

先ずは、1月21日の懇談会の様子から。場所は、市立第三中の集会室でした。以前の住民集会の時は半分も埋まっていなかった席がこの日は満席で、立ち見まででる始末。近隣住民のこの問題に対する関心の高さが窺われました。

会は、協議会の松本代表の挨拶の後、市側の説明が始まりました。先ず始めに、10月2日の地区計画案の提出後の市の行動経緯が説明され(この辺は以前の懇談会で説明された内容と同一です)、次に今回の素案の基本的な考え方が示されました。この考え方というのは、表面上は良好な住環境の維持・保全の観点から地区計画の必要性を謳ってはいるものの、実質は市のまちづくり方針等との整合性という観点から、「都市居住型誘導居住水準に配慮した住環境の確保」という普通の人には絶対に理解できない用語にて調整が図られることとなります。

さて、この「都市居住型誘導居住水準」って何でしょう? ちょっとググってみれば分かりますが、要は「都市の中心及びその周辺における共同住宅居住を想定した」満たすべき住居の基準のことです(具体的には75平米以上)。つまり、市の素案はそもそも法政跡地にマンションを建築することを前提に設計されているという訳です。

このようなプランですから、この後の説明も一番肝心なところですれ違っているため、全然的外れなものが続きます。高さ制限の説明でも、25mで南北に長い2棟が並ぶ形(長谷工側から非公式に開示されている建築プランとほとんど同一)では容積率が充足されるのに対して、高さを15mに抑えると、敷地の南北に沿って櫛のような形の建物(分かりづらくてすいません。後日画像のアップを検討します)が配置されるかなり無理な建築プランを採用しても、容積率に約3千平米の無駄が生じてしまうという、まるで長谷工から説明を受けているような話が続きます。

そして、無駄な時間はこれに費やされていたのではないかと勘ぐりたくなるような、CGによる景観シミュレーションが住民向けに流されました。内容は、法政通りを北から南へ進むものと、女子大通りを西から東へ進むものの2種類で、各々、住民案(15m・5階建て)、市案(25m・8階建て)および業者案(34m・11階建て)でどのように景観が変化するかというものです。なお、市案には、市の主張する(1)法政通り沿いの部分について建物をセットバックさせて歩道を拡張、(2)西側記念講堂、プール部分を緑地化、というシナリオが基本的に盛り込まれていました。

これも、正直言って何が言いたいのか、少なくとも私には意味不明でした。東側からの景観(これは静止画でした)で業者案が映された時は、あまりのひどさに出席者から悲鳴にも似た叫び声が上がりましたが、以前にも指摘した通り、この11階建てのプランは水増された根拠のないものです(この点は、この日も川田副代表から指摘がなされました)。まるで、市が「このような11階建てが建ったら困るだろうから8階建てで我慢してよ。この方がましでしょ」と、業者の意見を代弁しているようなものです。これが、邑上市長が言われていた景観に対するシミュレーションの結果、吉祥寺東町にふさわしいと判断した建物なのでしょうか。正直、その良識には疑問を呈さざるを得ません。

これらの市側の説明(約30分ほどだったと思います)の後は、一応質疑応答の時間でしたが、そのほとんどは市および市長への抗議でした。そのいちいちをここでご紹介することはできません。しかし、その遣り取りの中で私が感じたことは、邑上市長のリーダーシップやカリスマ性の欠如でした。市の職員が役人なので木で鼻をくくったような答弁しかできないのは仕方ないとしても、市長までが、まるで市の職員の一人のようでした。すべての政治家にカリスマ性やリーダーシップが備わっているとは思っていませんが、正直、人の上に立つ器の人間ですらない、そう感じざるを得ませんでした。

質疑応答の中で、一つだけ記録しておきます。長谷工に素案を説明するのかという質問に対して、市長が「明日にでも長谷工にもご説明する」と発言したことに対して、住民側から「合意もなされていない素案を長谷工に提示し、事実上の地区計画案とすることは絶対にやめて欲しい」との要望が再三出されました。しかし、市長からは最後まで住民と合意するまでは説明しないという言葉はありませんでした。事実、この後すぐに長谷工に説明したことが後日明らかになります。

結局、当初から予想された通り、両者の主張は全く交わることなく2時間が経過し、市長が「調整して再度提示し直す」と約束した形で閉会となりました。但し、何の調整もなされなかったことは、次回の説明会で明らかになります((3)に続く)。

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市側の地区計画素案について(1)

遅くなりましたが、ようやく市の素案公表にたどり着きました。今回は、素案が住民側に提示された1月21日の邑上市長との懇談会地区計画協議会主催)、そして2月10日の地区計画素案の説明会(武蔵野市主催)の様子をお伝えしようと思ったのですが、その前の経緯をご説明していたらかなりの長文になってしまったため、2回に分けてご報告させていただきます。

実は、市側の素案は1月21日の懇談会の席上で初めて住民側に公表された訳ではなく、それに先だって協議会側に公表されました。また、新聞各紙には素案の内容が事前に掲載され、実質的に25mの高さの建築を容認する案であることが判明していたため、話し合いの場が紛糾することは必至の状況でした。

ここで、素案の内容について新聞記事を基にご紹介します。以下は、1月19日付朝日新聞朝刊に掲載された素案に関する記事です。

2段階で高さ制限 「法政」跡地、マンション建設問題で武蔵野市が素案

武蔵野市吉祥寺東町から三鷹市に移転する法政第一中・高等学校の跡地に計画されているマンション建設問題で、武蔵野市は都市計画法に基づく地区計画の素案をまとめた。対象地区内のうち、街路に面した部分などは15メートルまで、それ以外は25メートルまでという2段階で建物の高さを制限するほか、跡地の一部を市が買い取り、公園や地下貯水槽などを整備する。21日に、邑上守正市長が住民との懇談会で説明する(中略)。

市の素案では、法政跡地を含む約5ヘクタールを地区計画の対象とする。北側を走る女子大通りから20メートル以内や、地区内を貫く法政通りの両側10メートル以内などでは建物の高さを15メートル、それ以外では25メートルまでに制限する。さらに敷地B≪講堂など≫・C≪プール≫については市が買い取って公園とし、公共防災施設としての地下貯水槽を整備する。

これにより、A≪本校舎≫には8階建て、220戸程度のマンションが建設可能となる、としている。市は「開発業者側に一定の規模を許容する代わりに、緑地の確保など、まちづくりへの協力を得るための案だ」としている(後略)。(≪≫は引用者による注釈)



つまり、「道路付近は高さを15mに制限するものの、それ以外は25m(8階建て)を建ててもOKです。実質的に業者の建築計画は邪魔しませんので、お好きなように建てて下さって結構です」と言っているも同然で、業者に合法建築物であるというお墨付きを与えるための素案ということです。

何かおかしくないでしょうか。私個人としては、住民側の地区計画案の15mは正直言って難しいだろうと思っていました。確かに、周辺が一種低層の高さ10m規制地域だと言っても、現存する学校等の高さを考えれば15mに規制することはやや厳しいと言わざるを得ず、市側は20mという提案を持ち出してくるのではないかと予想していました。根拠の一つは、有名な国立市の景観論争の発端となった条例による高さ制限が20mだったことです(建築確認後の施行にも関わらず、同条例は訴訟の過程を経てその有効性が確定しています)。市側は、上乗せ規制で業者側(長谷工)に訴えられることを非常に懸念していたようですので、万が一訴訟となっても負けない範囲内に規制を抑えようとするだろうという読みです。

話がそれますが、明和地所が建てたこの迷惑マンション「クリオ レミントン ヴィレッジ国立」(しかしセンスない名前ですね)は既存不適格物件として確定済です。その結果、竣工後3年以上経過しても完売していませんし、一部は賃貸に回されています。これが、住民との対話を無視したマンションのなれの果てです。もっとも、国立のケースは市長が率先して住民の味方をしたという点で非常に特殊なケースです。一般的に行政が住民の味方をしないことについては、日経住宅サーチのコラム「国立マンション訴訟を教訓に学ぶべきこと」が参考になります。ご一読下さい。

話を元に戻します。結局、市側の素案は住民提案をほとんど無視したものとなってしまった訳で、懇談会説明会は荒れることが事前に予測されました。そして、事実その通りになってしまいます((2)に続く)。

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深大寺レジデンス

まだ法政跡地問題の経緯もすべてご説明していないのに、他のことを書くのも何なのですが、マンション紛争が各地で頻発している現状に鑑みて、他の物件についても適宜コメントしたいと思います。自分が被害に遭わなければ関係ないというスタンスではなく、マンション問題自体に対する関心を高めてもらいたいということで、個人的に「これはひどい」と思った事例をご紹介していきたいと思います。

記念すべきトップバッターは、法政跡地と同じく最低マンション専業ゼネコン・長谷工が実質的に仕切っている「深大寺レジデンス」です。今朝の日経朝刊(多分他の全国紙にも)にイメージキャラクター・広末涼子の写真とともに一面広告がどーんと掲載されていましたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。私はほとんどテレビを見ないので実際に見たことはありませんが、TVCMも流れているようですね。

この物件については以前から知っていましたが、それにしてもひどいですね。公式サイトには「美しい東京」だの「環境邸宅都市」だの、今イチ意味不明な美辞麗句が並んでますが、それらはすべて敷地内の話です。外観を見れば一目瞭然ですが、周辺環境への配慮など微塵も感じられません。周辺環境の良さを最大限にアピールしながら、その良好な周辺環境を自らの存在で完膚なきまでに破壊する、マンションデベロッパーの常套手段の典型がここにあります。

深大寺レジデンス全景
(クリックして拡大)

さて、この物件には法政跡地と非常に良く似た履歴があります。それは、この敷地が明治大学野球部のグラウンド跡地で、大学側が自らの都合で移転後のことなど全く考えずに悪徳業者に土地を売却してしまい、このような周辺環境を無視したマンションが建設されるという点です。全く、どいつもこいつも教育機関の風上にもおけない連中ばかりです。非課税の恩恵など、地域から多大なメリットをもらっておきながら、恩を仇で返すようなことばかりです。島岡御大も草葉の陰からお嘆きになっておられることでしょう。

もっとも、明治大学側には少しでも高値で売らないといけない事情もありそうです。法政大学と東京女子大学で以前に見た帰属収支差額比率を明治大学についても計算してみると、2005年度は5.8%と私学全体の平均を下回っています。つまり、明治大学は長年お世話になった地域住民に迷惑をかけてでも土地を高値で売らないといけない程、経営状態の悪い大学だと自らの行動で主張しているようですね。

この「深大寺レジデンス」の公式サイトを見ていたら、何かの冗談か、はたまた周辺住民の怒りを買うためにわざと書いているのかと思うような記述がありましたので、ちょっと転載します。

「美しい記憶を継承する、閑静な学園都市の一角に。

小学校・中学校に囲まれ、ミッションスクールも隣接したまさに学園都市の一角に『深大寺レジデンス』は誕生します。多くの教育施設が集積するということは、健やかで伸び伸びとした環境の一つの証でもあり、現地周辺も落ち着きある住宅地が形成されています。また、現地そのものは、明治大学野球部グラウンドとして、40余年の永きに渡り、地元の方々や関係者をはじめとする多くの人々に親しまれてきた場所。ただ単に広大な土地であるという以上に、美しい記憶というかけがえのない資産があります。『深大寺レジデンス』は、この土地だけに息づく美しい記憶と多くの人々の愛着を大切にし、次代へと継承することを一つの使命として担うプロジェクト。敷地内には明治大学野球部のOBの方々などのモニュメントの設置も予定してます。」



よくこんな空々しいこと平気で書けると思いませんか? 誰がこんなマンションに使命を託したのでしょう? もう、根本から感覚が麻痺しているとしか思えません。こんなことを長々と書くくらいなら、4月に25mの高さ規制条例が発効して竣工した時から既存不適格物件になる予定であることを大々的に注意喚起すべきでしょう。それが購入者のことを考えた態度ってものじゃないでしょうか?

という訳で、今後もモラルの欠落したマンション開発を適宜糾弾していきます。法政跡地問題は、週末には直近までの動きをフォローしたいと思いますので、もう少しお待ち下さい。

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地区計画案に対する市側素案提示まで

前回のエントリで、協議会(=住民側)による地区計画案を昨年10月2日に武蔵野市長宛提出したことまでご説明しました。本日は、それを受けた市側の素案が提示されるまでの経緯についてご説明します。

そもそも協議会側が地区計画案を10月2日に提出したのは、3月の市議会で条例化することを前提として、それに間に合わせるためのスケジュールを逆算したものです。6ヶ月間という必要期間については、その間の必要な手続き(計画案に対する説明会、公告・縦覧手続き、都との調整等。詳細はこちらの国土交通省のサイトをご参照下さい)についての市側からの説明に基づいて設定したもので、最短で法政高校が3月末で三鷹に移転した場合でも、長谷工高層マンション着工を法的に阻止できることを前提にしたものです。つまり、市側としても、住民側の真剣な要請に対して、最大限の努力を行ってもらうことが期待されていたということです。

しかし、現実の市側の対応はお粗末なものでした。10月29日に開催された市長・都市整備部との懇談会の席上において、市長を含む市側は「必要な手順を踏む必要から、6月には間に合わせたい」と述べました。にも関わらず、その後も市側の素案が住民側に提示されることはないままに、いたずらに時間が経過していきました。途中、12月22日の市との懇談会において市側より経過等についての説明はありましたが、市側の説明は、地区計画案の成立要件の確認(権利者の3分の2以上の同意が必要。7割強の同意を確認済と説明)を行った後、想定される建物の景観的なインパクトの検証を行っているとの説明がなされるのみで、具体的な地区計画の成立に向けた説明は一切なされないままでした。

また、時間軸は多少前後しますが、12月17日の住民集会において、協議会より、(1)法政大学の理事会は、「三鷹キャンパスの工事が遅れており、4月以降も既存施設を使用するので、土地建物の引き渡しは来年8月頃になる(部分引き渡しは行わない)」旨明言している、(2)長谷工側が主張する地上11階建て(高さ33.81m)は、協議会側で事業計画図をもとに検討した結果、一部の床面積を容積率に算入せずに容積を水増しして計算した結果であり、水増し部分を差し引くと精々8階建てまでしか建たない、旨の報告がなされました(この辺りの詳細は協議会のHP?に掲載されている川田副代表の投稿をご参照下さい)。

この協議会の報告事項は、非常に重要な論点を含んでいます。まず、1点目ですが、平成19年の8月頃まで長谷工側に土地建物の引き渡しがなされないことになれば、その間に成立した地区計画に基づく条例は完全に有効なものとなります(この点、工事着工後に条例を制定した国立市の明和地所のマンション紛争とは異なります。もっとも、この事案でも条例の有効性は訴訟を経て確定済ですが)。つまり、市側の説明する6月成立だとしても、地区計画長谷工側に対する重要な武器となる訳です(但し、長谷工側は3月引き渡し、4月着工をずっと主張しており(法政側ともこれで合意済)、この点両者の主張に食い違いがあります)。

次の2点目については、ビジネスマン、もとい人間としての最低限のモラルすらない悪徳事業者・長谷工の常套手段です。上記の川田副代表の投稿でも触れられていますが、最初から水増しされた無理な計画を住民側に提示してインパクトを与え、住民側の反発に対して本来の(水増しされていない)計画を譲歩案として提示。いかにも住民側に配慮して計画を修正したというフリをするというもので、住民側の専門知識の少なさを悪用した、卑劣極まりないやり方です(近年の実際の紛争事例についての詳細をお知りになりたい方は、是非岩波新書の「建築紛争-行政・司法の崩壊現場」をご一読下さい)。本件においては、住民側に建築の専門家がいたためにこのことが事前に露見しましたが(もっとも長谷工側は問題はないと言い張っているようです。まあ、そう言わないと嘘をついていたことがバレちゃいますので、当たり前と言えば当たり前ですが…)、この手口にだまされた住民は少なくないものと思われます。

建築紛争―行政・司法の崩壊現場 建築紛争―行政・司法の崩壊現場
五十嵐 敬喜、小川 明雄 他 (2006/11)
岩波書店

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話が多少それてしまいました。結局、市側から地区計画素案が住民宛に開示されたのは、年明けの1月中旬と、何と地区計画案提出から3ヶ月余りが経過した後で、それを受けた邑上市長との懇談会はようやく1月21日に開催される運びとなりました。素案の内容、懇談会の様子などについては、次回ご報告いたします。

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地区計画案提出まで

大分更新が遅れていますので、連休中でもあり、連日の更新です。

以前に、法政大学側が一方的に土地を長谷工に売却してしまったところまでの経緯はお伝えしましたが、本日はその後の地区計画案の武蔵野市宛提出までをご説明したいと思います。

平成18年初頭の土地売却を受けて、住民側では4月9日に「法政第一中・高等学校跡地対策住民の会(略称ー法政跡地の会ー)」を結成して本格的な対策を協議し始めました。そして、違法(違法で言葉が悪ければ「脱法」です)建築マンション対策としては、住民主導で良好な住環境を維持できるような地区計画を策定し、それを市議会で条例化することが一番有効だという結論になりました。そのため、7月2日に「吉祥寺東町文教地区地区計画協議会」を発足させ、地区計画案を策定することとなりました。

ここで、そもそも何故地区計画を策定して違法マンション対策を行わなければならないのかをご説明したいと思います。吉祥寺東町の法政周辺は、武蔵野美大、市立第三中などが集まっている地域で、周辺の低層住居が続いている地域と比較して、用途地域が緩和されています。具体的には、周辺のほとんどが第一種低層住居専用地域(図の濃い緑の部分)というもっとも土地利用が厳しく規制されている地域であるのに対して、学校用地は第一種中高層住居専用地域(図の黄緑の部分)というもう少し規制の緩い地域になっています。この理由は、一種低層には大学が建てられないので、既にあった武蔵野美大に対する配慮として、用途地域が緩和されているものと思われます。

法政周辺の用途地域
(クリックして拡大)

2つの用途地域には、建てられる建物の床面積にも差があるのですが、一種低層には絶対高さ制限(通常10m)が課されているのに対して、一種中高層にはそのような規制はありません。つまり、本来学校のために特別に緩和されている用途地域を悪用して、法政が高校跡地をマンション用地として高値で売り抜けたことについては前回ご説明した通りです。このような法政の悪行については、法政大学の学生さんからも批判的な意見が出ているようです。まあ、どうせ聞く耳なんて持っちゃいないでしょうけど。

本来、学校用地がそれ以外の用途に変更になった時点で、用途地域は本来あるべき姿に戻すのが筋というもので、これは行政の怠慢以外の何者でもなく、それを学校側が悪用しているに過ぎません。この問題については日経ビジネスオンラインの「学校という名の不動産へ」をお読み下さい。

但し、地区計画というのは、闇雲に策定すれば成立するというものではありません。対象地域の権利者の3分の2以上の同意が必要となるのです。この権利者には、土地の所有者などの他に、住宅ローンの抵当権を付けている銀行なども含まれますので、かなり高いハードルであることが理解いただけると思います。

こうした地区計画案ですが、協議会の方々の精力的な活動のおかげで、対象地域の住民の9割以上の賛同を得て、10月2日、武蔵野市の邑上市長宛に提出することができました。地区計画案の最も主要なポイントは、対象地域の建物に15mの高さ制限を設けるということにあります。この地区計画が成立すれば、建築予定のマンションは5階建て程度の、周辺環境への影響も(ないとは言えないものの)最小限にとどめることが可能になります。正に、この地区計画案に周辺住民の切なる願いが凝縮されている訳です。果たして、市はこの住民の訴えをどう捉えるのでしょうか?

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アクセス解析

更新が滞っていますが、昨日、武蔵野市による茶番の地区計画素案の住民向け説明会も行われたことですので、近々更新しようと思います。

今日は、アクセス解析の結果について、軽く報告しておこうと思います。

昨年12/20にブログを開設すると早くも12/22には長谷工社内からの閲覧がありました。流石は、地域紛争を起こしまくっている会社だけはあります。反対住民の動きのチェックには余念がないようです。

そんな「くされ業者」長谷工からのアクセスが、1/31に急増しています。1/29にブログを更新した成果でしょうか? 8時台だけでユニークユーザ数8人という盛況振りです。こんなマイナーなブログに社内で情報交換して殺到するとは、まあご苦労様なことです。何か問題があれば、すぐにでも削除要請を出そうということでしょうかね? 人の恨みを買っている人達は、何かと大変ですね。

そんな中、某日に藤和不動産社内からのアクセスがありました。ブログ紹介欄に長谷工を「デベロッパー」と一応紹介していますが、実際は長谷工マンションに特化したゼネコンであり(分かり易いように紹介欄ではデベロッパーと書いてます)、いざマンション販売の段階では他のデベロッパーが出てくるのが、いつもの長谷工のやり方です。もしかして、今回の販売業者の一社は藤和不動産なんでしょうか? てっきり長谷工のお得意さん、総合地所あたりだと思っていたけれど… 小平でも、ゴールデンコンビで紛争起こしてたし(有楽土地も一緒でしたけど)。まあ、マンション業者なんて、ほんの一部を除けば、この世からいなくなっても何の問題もないくずばっかしですし、どこでも一緒ですけどね。

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