吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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くらしとまちづくり:速報版(2007.11.05)

本日のエントリは、「くらしとまちづくりを考える市民の会 事務局」というところから管理人宛に、メーリングリストで送られてきた掲題メールを転載します(今までこの会からメールが送られてきたことはありませんので、わざわざ送ってこられたのは掲載希望の意思表示と受け取りました)。

監査請求を行っていたことは、地区計画協議会主催の会合でも報告されていましたので知っていましたが、メールを読む限り、請求が却下された後に、水面下で住民訴訟を提起する動きがあったようで、結果として「住民有志」という形で訴訟を提起する運びとなったようです。

武蔵野市の公式HP内の「訴訟に関すること」というページには、今日現在ではこの訴訟についての記載は一切ありませんが、動きがあればまたご報告させていただきます。なお、以下のメールは明らかな誤字以外はそのまま転載させていただきました。内容についてのコメントは、訴訟沙汰なのでここでは一応控えさせていただきます。皆様でご判断下さい。

住民有志
11/2、邑上市長に対して

住民訴訟を起こす


市作成のシミュレーションの不要・不当性
その偽装(?)を問題視。
何のための地区計画か?
誰のためのシミュレーションか?

吉祥寺東町の地区計画を進める会結成


今回は吉祥寺東町の地区計画のその後の動きなどについてご報告します。


着々と進む解体工事
長谷工法政跡地における解体工事は解体工事に関る工事協定書も締結され、着々と何の障害も無く進んでいる模様です。
新築計画についての説明会も開催されて、長谷工によれば来年の1月頃から着工の予定であるとのことです。
武蔵野市長は昨年の10月末には今年の6月には地区計画を制定したいと表明していましたが、統一地方選挙後の議会の後、いきなりこれを半年も延期しました。
曰く。丁寧な審議を積み上げたいと。しかし、これは結果的にどういうことだったでしょうか。誰とどのように行なってきたのでしょうか。論議を重ねたのは住民とではありません。長谷工とでした。
長谷工の着工は市の地区計画の施行を待ってのことなのか、或いは市の地区計画がそのタイミングまで待つために延期してきたのか、甚だ疑問であり、謎とも言えます。

市機関としての独立性の無い監査制度と監査委員
さて、去る8月8日に吉祥寺文教地区地区計画協議会で行なった住民監査請求に対する監査結果が10月5日付で市監査委員から出されました。
市監査委員は協議会側が提出した多くの事実証明書を一顧だにせずに、ひたすら市当局とパスコ社の事実を示す事柄を一切挙げてもいない主張にのみ沿って審議を行ない、その結果として監査請求を行なった協議会の請求には理由が無いとしてあっさりとこれを退けました。
それ自体、既に地方自治の自殺行為であり、如何に監査制度が機能できないかをまざまざと示しています。
そして監査委員というものが行政などからは真には独立してはおらず、公正中立の機関でもないということを如実に証明するものであると言えるでしょう。

住民有志は住民訴訟に踏み切る
その後限られた時日(結果を知ってから30日以内でなければ住民訴訟が出来ない定め)の中で、提訴に当っては地区計画協議会として引き続きこれを行なうか、或いは有志で行なうかが議論されました。結局同協議会の中の有志で独自に行なうこととなりました。
有志たちは、当然にその監査結果を不服として邑上守正武蔵野市長を相手取り、不要不当なシミュレーションのために費やした不当な公費の支出を武蔵野市に対して補填すべきことを判決で求め、先週金曜日の11月2日東京地方裁判所に提訴しました。
提訴後有志メンバーは「吉祥寺東町の地区計画を進める会」を立ち上げ、今後の訴訟行動を含む吉祥寺文教地区地区計画の推進とそれに必要な活動に当ることとしています。

地区計画を巡る情勢は逼迫しています。
11月20日には市都市計画審議会が開催され、前回までの経過を受けて市案の採択に付される見込みです。
その後12月市議会には市地区計画内容に沿って建築制限条例が上程され、年明けの1月には施行という市の方針になっています。
その建築制限条例が制定されるならば、周辺住民が住まう住環境の保全への実効性が殆ど無いばかりか、否、むしろ高層大規模マンションをやすやすと容認することになります。
10月に縦覧された市地区計画案に対し、今回も多くの市民意見が寄せられた模様です。
都市計画審議会ではこれの検討を行いつつ、採択を前提としての審議が行なわれることになっています。
8月31日の前回都市計画審議会の中で、市議の斉藤委員から住民意見を聞くためのヒアリングをすべきではないかとの提案が出されました。
これは、これまでの審議会がすべて市側の資料と意見に基づいて行なわれてきたことへの反省でもあり、採択前に提案住民の意見を直接に聞くということは当然過ぎるほど当然の民主的手続きでもあります。
しかしながら出席していたどの委員からもそれに賛同の声が挙がらずこれが拒まれたことは、都市計画審議会は諮問者である市長の意向に沿ってしか審議が出来ないかのような重大な症状を呈していると感じさせられます。次回の審議会での審議には幾多の意見書がどのように扱われるか注目されますが、その行方には住民に取っては暗雲が漂っていると言えます。

誰が住環境を壊し、誰がこれを守るのか?
そもそもが「大事なことは市民と決める」、「まやかしの市民参加から真の住民自治へ」などというスローガンで選挙を戦った市長が、住民の要望には何ら耳を傾けることもなく、専ら一事業者、しかも悪名高い長谷工の利益擁護に走った挙句、低層で良好な住環境を踏みにじる行為を行なうなどということは決して許されるものではありません。ひとたびそのような都市計画・まちづくり、否「まち壊し」が行なわれれば、これを回復することはまず不可能です。
何としてでも、住民・市民はこの地域の住環境を守っていかなければなりません。
さらには今後も予想される利益優先のディベロッパー等による市内の同様のケースや全都・全国的に食い荒らされていく同様のケースのためにも、これをいささかでも阻止するための努力を私たちはここで払わなければなりません。

不思議な市長野党(?)の動き
市長野党といわれる政党会派は市議会の中では引き続き多数派です。
ある意味では市長の住民無視の施策は格好の市長批判材料でもあると言えます。
ところが住民が地区計画住民案を提案するために議会有志に内容の説明を行なった昨年8月下旬以来一貫して住民案には冷ややかです。
冷ややかどころか、攻撃的な非難(批判では無く)を行なう議員も数少なくはありませんでした。
或いは態度を明確にせず逆にだんまりを決め込んでいる議員もいます。
昨年はむさしのプレイス問題で予算を否決に追い込んだ勢力がこの様相です。
どうしてでしょう。非常に不可思議です。
ある筋の見方によれば、この案件で市長を批判すれば住民利益を助長することになりかねないが、そのことは今後の開発促進を企図するデベロッパーや建設業界の利益にはそぐわずに対立しかねない。
従って住民側には立てないので、市長側に当面は立っておくことを選択した結果、と観測されています。
敵の敵は味方、というわけだというのです。そのようなことが事実であるとすれば、市民活動や住民参加などひとたまりもありません。

公平性に欠けるとは誰のことか?
市長は特定用地にのみ大きな負荷を与える規制は公平性に欠けると主張してきました。
しかしながら、今、市が推進しようとしている地区計画案なるものは、当該事業者の用地にのみ他からは抜きん出た24mもの高さを認めようとしているという内容です。
周辺住宅地はその殆どが2階建て程度で高さも10mを超えるものは非常に僅かです。
そればかりかそれに付帯して設けられているいくつかの規制条件なるものは、長谷工が当初こけおどしで出していた11階建て案(事業採算性からみても長谷工がそのような水増しマンションを建てるはずはありません!)の場合ですら、高さを除いてはその殆どが何の影響や支障も無いような「規制」しか行なわれていないため建設が可能です。
つまり、すべては長谷工のための見せかけの地区計画(市案)と言えます。
不公正・不平等きわまりません。
一体どちらが公平性に欠けるのか、それは歴然としています。
そのように特定事業者を利する行政の施策の公知の不当性について、これを正確・公平・適確に認識していかなければならないと私たちは考えます。

市長の誤魔化し答弁を見破れない議会・審議会
議会でも、都市計画審議会でも、また住民説明会においても、市長は容積率(ある土地・敷地に建てることのできる建てものの規模の限度を定める指定された指数値)が満たされなくなるような建物高さなどの規制は権利の侵害に当り裁判を起こされれば負ける、などと主張してきました。
これは紛れも無く偽りの答弁です。
これはシミュレーションのいい加減さとは別の解明されなければならない重要な問題点でもあります。
つまり、今、法政跡地等に関る地区計画の行方を考えてきました。法政中高はどこに移転したでしょうか。三鷹市内の牟礼です。そこは元は東京女子大学のキャンパスでしたが、高層マンション建設の話しが住民の反対などで中止になり、学校であれば受け入れても良いと三鷹市も間に入り、そのための地区計画が策定されました。
法政中高は共学制を取ってそこに新校舎を建設して移転して行ったのです。その跡地を極めて高額で売り抜けて。
その前の段階で武蔵野市が国分寺市のように高層の建物は建てさせない規制を掛けるといっていれば、用地もすべて取得できて、長谷工もマンションを建てようなどと言うことが出来なかったのに、と悔やまれています。放っておいて高額だから買えませんでしたというのは市長の不作為、否、長谷工に用地を譲るための方便ではなかったのではないか、と見る向きもいるほどです。
話を元に戻しますが、法政跡地と同様に高さ規制の無いその区域に対して三鷹市は高さ20mの規制を設け、そればかりでは無く容積率200%であったところを150%にまで下げてしまったのです。容積率を下げてまで建物のボリュームと高さを規制しています。
世田谷区ではどうかと言えば、住環境保全のためには建物ボリュームを出来るだけ小さくする、というのが区の方針です。そのためには高さ規制もずっと厳しく低く抑えています。
18mとか15m或いは12mなどの値がいくらも見出されます。そのように非常に厳しくして初めて住環境は守ることが出来るのです。
ところがどうでしょうか、都市プランナー上がりという我が武蔵野市長のように、25mとか、1mばかりしぶしぶ下げて24mなどが適切などというような高さ「規制」値は、世田谷区では住環境保全型の地区計画においては皆無です。
そのような高さの値は、その逆の開発誘導の区域においてしか見られません。どうしてこのような逆立ちしたことが罷り通るのでしょうか。
我が市長の行なわんとするところは無知からきているのか、はたまた長谷工利益を擁護するためにはなり振り構わないというところからのことなのでしょうか。
いずれにしても重大な誤魔化しが平然と行なわれていることは事実です。

チェック機能はどこに?
上に書いたようなことなど、議員諸氏はどうしてこのような単純な事実に気付かないのか、気付いていても頬被りを決め込んでいるのでしょうか。
都計審委員はその取り扱う案件からして当然にその程度のことは弁えていなければならない筈だが、その問題をどうして衝くことが出来ないのか、非常に不甲斐の無いことだと言えます。もっとも自分の諮問機関の委員の殆どを自分が決めるという制度的欠陥が問題でもありますが、それにしてもお粗末な審議(とはとても言えないような審議)が行なわれています。
22 年余続いた前市長の間に、これを改革するとして名乗りを挙げた現市長ではありましたが、いつの間にかその旧態依然としたぬるま湯の居心地の良さに、逆にそれを利用して味をしめているとしたならば、市民はほんとに馬鹿にされているということになります。議会や各種委員会はチェック機能が命だと言われていますが、チェックされる側とチェックする側のお互いが一緒になってしまえばすべてがオーライです。
この武蔵野市にして、恥ずべき体たらくです。



なお、6日付読売新聞にこの件が掲載されていましたので、併せてご紹介させていただきます。

マンション建設巡り 住民、武蔵野市を提訴 「高さ制限案、根拠不当」

 武蔵野市の法政大第一中・高等学校(吉祥寺東町3)跡地(約1・3ヘクタール)のマンション建設計画で、市が25メートルの高さ制限を盛り込んだ地区計画素案を策定した際、根拠としたデータが不当だったとして、地元住民が市を相手取り、データ作成の委託費用など476万7000円を補てんするよう求める訴訟を東京地裁に起こした。
 地区計画は、都市計画法に基づいて市などが策定するもので、特定地域に対して、高さなどの制限を加えることができる。
 同マンション計画の高さ制限について、建設業者は11階建ての34メートル、地元住民は5階建ての15メートルを求めていたが、市は今年2月に示した素案で8階建ての25メートルが適当としていた。このため、住民が反発し、2日提訴した。
 訴状などによると、市まちづくり推進課は昨年、地区計画素案策定のため、コンサルティング会社に根拠となるデータ作成を委託した。その際、1戸あたりの床面積や間口の広さ、1階あたりの高さを指定し、「法的に許容される容積率を最大限に満たすことができる階数の建物」との条件で高さの上限を算定させた。
 住民側は、同課の条件指定がなければ、5階建て案でも容積率を満たすことができたと主張。不要な条件指定をして不当なデータを業者から受け取り、市に損害を与えたとして、委託費用476万7000円の市への補てんを求めている。
市まちづくり推進課の話「訴状を見ていないのでコメントはできない」

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無邪気な善意の弊害

最近、法政跡地に騒音計と振動計が設置されました。協定書では2箇所設置することとなっており、一つは法政通りと女子大通りの交差点付近に設置されていました(下の写真)。場所が適切かどうかはともかく、周囲から見やすいという点においては、適切な配置と言えそうです。しかし、もう一つは、東側に設置されているのですが、ブロック塀に遮られてほとんど見ることができません(東側の通りと接する箇所の一番南側にあります)。今後、ブロック塀を撤去することで見えるようになると期待しておきます。

騒音・振動計
(クリックで拡大)

騒音・振動計2
(クリックで拡大)

しかし、あの銀色の無機質な仮囲いは何とかなりませんかね。周囲の美観を損ねることしきりです。協定書の第8条第2項には、「仮囲い等に周辺の美観を損ねることのないようなものを採用し、景観に十分配慮する」との一文がはっきりと謳われているのですが… まあ、その程度の美意識しかないから、周囲の景観と全く相容れない巨大マンションを造り続けても何とも思わないんでしょうけど。

仮囲い
(クリックで拡大)

話が多少脱線気味になりますけど、関西の工事現場では社団法人建築業協会関西支部が「建築の果たしている役割や、実際に建築の仕事をする職人さんについて、お子さんやお母さんに知っていただくことを目的とし」て未就学児童を対象に、絵本「王様の冬のへや」を無料で配布しており、その絵本の一部が「仮囲いキャンペーン」として仮囲いに掲示されていました。それだけで、無機質な工事現場が随分イメージが変わるものだと感心したのですが、そのような配慮はなされないんでしょうかね、関東では。ペイントすらない鉄板むき出しの仮囲いは論外としても。

さて、本日の話題の中心は、三鷹駅北口のツインタワーマンション問題を追跡している「駅前の空はだれのものか | Web草思」「第15回 保身が癖になっている日本人」についてです。内容は上記リンクを辿ってお読みいただくとして(武蔵野市政に対する怒りが増すこと請け合いです)、一番最後のセンテンスが多少法政跡地問題と関係しますので、その部分のみご紹介します。

急に応援し始めてくれた市議たち

 空しさを抱えて工事説明会の席を立った後、追い打ちをかける出来事があった。
 会の直後、3人の市議たちが『考える市民の会』に「情報を提供したい」「力になりたい」と、会談を申し入れて来たのだ。
 市内東町で起きている法政一高跡地問題をめぐっては、地元の団体とマンション建設を進める業者の間で『工事協定』が結ばれることになったという。だから、『考える市民の会』でも、工事期間中の生活や環境を守るための約束を工事協定の形で締結するよう申し入れた方がいいと勧めてくれたのだ。
(中略)
 「私たちは、103メートルが建つことにまだ納得がいってないんです。工事のことまで私が中心になって事業主と話し合う気は、申し訳ないけれどありません」
 河原雅子代表が、力ない表情で消極的な反応を見せた。対して市議たちは、
 「ここであきらめちゃダメですよ。これまでやって来たことを、つなげていきましょう」
 前向きな言い方で励ました。
(後略)



該当箇所は割愛していますが、著者の小林さんは市議たちを偽善者として切り捨てています。確かに、高さについて争っている最中に、具体的な工事について云々する協定書を結ぶべきだとアドバイスするのは、善意の発露なのかも知れませんが、当事者の感情を考えればどうかと思います。交通事故で家族が入院したところに、知り合いが見舞いの言葉も早々に「慰謝料の問題をしっかりとするために弁護士を雇うことをお薦めする。良い弁護士を知っている」とアドバイスしていると考えれば、その違和感は分かり易いのではないでしょうか。

それでも、文中でも触れられているように、「何ら行動してくれない市議よりずっと『誠意がある』と言うべきかもしれ」ませんが、正直、この市議の方々は法政跡地問題についても理解が不足していると言わざるを得ません。と言うのは、法政跡地問題において工事協定書を締結したのは、あくまで「既存建物解体に関する協定書」であって、新築工事については全くの白紙だからです。マンション建設については、高さやセットバックの問題を含めて、長谷工と周辺住民の間に何らの合意もなされておらず、そこに市の地区計画案変更が入ってきて、ペンディングの状態が長く続いています。

その中でも、既存建物(法政校舎)の解体工事は、どのような建物が建てられるにせよ行われるので、解体工事による周辺環境悪化を防ぐために締結したものです。これらの市議の方々は、このような問題の本質を見ずに、「協定書を締結した」という一点のみをもって「情報を提供したい」と申し入れてきたとすれば、上記のような感情の行き違いが発生するのもやむを得ないと言えるでしょう。

これらの市議の方々が偽善者だとまでは個人的には思いませんが、正直、当事者の問題意識や訴えたいことに対する理解が、非常に表層的なレベルに止まっていると感じざるを得ません。その結果が、法政跡地問題にせよ、三鷹のツインタワー問題にせよ、市議会の総論賛成というスタンスに結びつくのだと考えます。民意を反映していないという点において、失意を禁じ得ません。

法政跡地問題も、地区計画については大詰めを迎えています。現在、地区計画の市案の公告・縦覧、意見書の提出期間となっています(10/15まで)。地区計画に対して住民側からの意見を陳述する最後の機会です。この問題にご関心のある方からの積極的な意見書提出をお願いします。なお、縦覧場所は、武蔵野市役所4階・まちづくり推進課、意見書の提出方法は、対象となる地区計画の名称、住所、氏名を明記し、郵送(武蔵野市緑町2-2-28 都市整備部まちづくり推進課)もしくは直接まちづくり推進課までとなっています。

但し、前回の意見書募集時に、地区計画区域内の地権者以外の意見書は、あくまで「参考として取り扱」うという身勝手振りを炸裂させた武蔵野市ですから、今回も大多数の意見書をどう取り扱うかは推して知るべしですが… まあ、その際は「事業主の忠実なパートナー、武蔵野市(其の三)」(仮称)で、その身勝手振りを徹底的に糾弾する予定です。そうならないことを、一応祈念しておきます。

最後に、アクセス解析でちょっと変なものを見つけましたので、ご参考までにご紹介します。数日前に、ドメイン「inet041.kajima.co.jp」から、ヤフーの「練馬区立野町908-1」というキーワードの検索結果を辿って本ブログに来た方がいらっしゃいました。この住所は、立野町の法政グラウンドの住所です。三井不動産が建設予定のグラウンド跡地のマンションについては、鹿島が施工を担当するのでしょうか。大手は、長谷工ほどの無茶をしない可能性が高いので、これ自体は望ましいことかも知れませんね。

それにしても、法政跡地のマンションの売り主は、一体誰になるんでしょうね。長谷工はあくまでゼネコンであり、100%販売を担当することはない筈です(再建計画の本業特化の一環)。アクセス解析の結果でも、他のマンションデベロッパーが訪ねてくることはあまりありません。既に長谷工は実設計に入っている筈ですので、デベロッパーのニーズに合わせた仕様(と言っても長谷工物件は、所詮基本的に長谷工仕様ですけど)にするためにも、そろそろ売り主は確定させないといけないと思うのですが… 皆、マンション市況の変化をかぎ取って、苦戦必死の高値掴み物件は敬遠しているということなのでしょうか? それらしいアクセスがあった場合は、またご報告させていただきます。

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事業主の忠実なパートナー、武蔵野市(其の二)

武蔵野市のHPを見ていたら、変更後の吉祥寺東町地区計画案(原案が案に変更されています)が漸く公式に発表されていました。変更内容は、事前に判明していた通り、

・法政本校舎跡地の高さ制限を25→24mに引き下げる。
・隣地境界線及び道路境界線からの離隔距離を4→6mに変更する。

の2点です。これを理由に、長谷工は未だに建物の最終設計案を住民側に提示していません。ほんの少しだけ住民側に有利な変更内容ではありますが、果たしてこの変更があった方が良かったのかどうか…

さて、この変更内容と同時に、地区計画原案に対する地権者等からの意見書の要旨が併せて公開されています。総数93通(80名)の意見書を、地区計画区域内の地権者(16通(13名))とそれ以外に分け、地区計画区域内の地権者以外の意見書は、あくまで「参考として取り扱」うという身勝手振りです。住民提案の地区計画案の対象区域を勝手に狭めて、元々の案では地区計画区域内だった者まで対象外とするとは… 手続き的に瑕疵がなくとも道義的にはどうなんですかね。

この意見書の要旨ですが、例によって事業者と市の癒着振り、住民の要望を無視する姿勢を随所にかいま見ることができる、大変ユニークなものとなっています。順番に見ていきましょう。

先ずは、地区計画区域内の地権者分の意見書です。最初にいきなり、「地区計画全体に関連する意見」として「市原案の内容には賛成であり、よりよいまちづくりのために協力する」という意見が紹介されます。「誰がこんな馬鹿なこと言うのか」と思われるかも知れませんが、これは勿論長谷工しかいません。彼らも、意見書出していたんですね。確かに地権者(厳密には、意見書募集期間中はまだ法政が地権者だったので、長谷工は利害関係者)ではありますけど。これ以外に長谷工の意見らしきものは見当たりませんでした。

更には、「少しでも建物高さを低い規制にしてほしい」という切実な意見に対して、「『少しでも低くしてほしい』という意見から、案では、高さの最高限度を24m に変更します」という素晴らしい武蔵野市の見解が示されています。「意見は『少しでも』だから『少し(1m)だけ』下げました、文句はないでしょ」という論法ですね。言葉尻をとらえた卑怯なやり方です。他の10m、15m、20mといった一段と厳しい規制を望む声には、従来の「既に事業者が現行の規制の中で土地の開発権利を取得しているため、(中略)一定の配慮が必要であると考えて」おり、「8階建て程度であれば、(中略)良好な住環境を確保できるものと考えてい」るという相変わらずの論法で一顧だにしないというスタンスです。

また、シミュレーションのミスについての、「瑕疵があり、偽造の疑いがある」という厳しい指摘に対しては、「意図的な偽造の事実はありません」の一言で済ませています。

続いて、地区計画区域外からの意見書(参考)です。当たり前ですが、地区計画案に対する批判的な意見・要望事項ばかり(というか肯定的意見は一つもなし)という惨状であり、市の地区計画に賛成しているのは長谷工だけということを図らずも露呈する結果となっています。

重複になりますので、細かい内容のご紹介はしませんが、一つだけ。シミュレーションの瑕疵について、「7月5日の説明会で東側からの修正した静止画をスクリーンで見せなかったのは圧迫感が増大したためか」という質問に対して、「修正後の案では、東側の圧迫感がわずかながら増大する結果となりましたが、その結果として地区計画案に影響を与えるものではありません」と言い切っていますが、これは市が判断する事項ではないと思います。結果としての影響を判断するのは、あくまでシミュレーションを見せられる、住民側なのですから。この辺りにも、市の傲慢さが良く現れていますね。

市に、真摯に住民の声に耳を傾ける姿勢があれば、このような意見書の内容をこのまま捨て置くことはあり得ないと思うのですが… やはり、「武蔵野市は事業主の忠実なパートナー」のままなのでしょうか?

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事業主の忠実なパートナー、武蔵野市

武蔵野市では、現在法政跡地問題の他に、三鷹駅北口のツインタワー問題というマンションデベロッパーと武蔵野市の水面下の結託による地域環境破壊型マンションプロジェクトが進行中であることは、本ブログでも何度かお伝えしてきた通りです。

そんな三鷹ツインタワー問題を追っている小林信也氏によるWeb連載「駅前の空はだれのものか | Web草思」の第12回 武蔵野市と事業主の茶番劇は、そこで伝えられる建築審査会の様子が、余りにも法政跡地問題における一連の武蔵野市の対応そっくりで、怒りを通り越してあきれ果ててしまいました。詳細は上記記事をお読みいただくとして、ここでは印象に残った部分をご紹介します。是非、本部ログの7月5日付エントリ「地区計画原案説明会」などと併せ、武蔵野市がいかに事業主と二人三脚で事業を遂行しているかをご理解下さい。

 午前10時15分すぎ、小石原課長が概要説明を始めた。事業主から提出されたツインタワーの建築計画の概要書を資料にしながら、要所に説明を加える。小石原課長は、この計画がいかに武蔵野市が取り組んでいるまちづくりの方針に沿ったもので、三鷹北口の活性化に貢献する計画かを懸命に訴え続けた。そして、風害や防災などへの備えも万全で、「このビルが建つことで生じる周辺の交通渋滞への影響も軽微である」と、事業主が提出したデータをそのまま読み上げて断言した。市が独自に検証したデータなどは一切示されなかった。景観だけでなく、大地震などの災害時に心配される防災対策など、市民が市に訴えている様々な不安には一切触れなかった。
 市役所の担当者(小石原課長)は、事前に綿密な打合せを済ませ、事業主との間で練り上げた台本通り、建築計画を提案する事業パートナーそのものだった。
 40分以上、建物について説明したあと、事前に行われた公聴会の報告をした。
 「公聴会の公述人(意見を述べた人)は11名。傍聴人40名。このうち反対の方が9名、賛成の方が1名、中間的な意見の方が1名。反対意見は、100メートル超の高さは容認できないというものでした。賛成意見は、道路の拡幅もできる、北口の活性化にも貢献するので……」
 反対者の訴えは、たった一行に集約されて終わった。



事業者の主張を鵜呑みにする態度、市民の反対の声をあっさりと抹殺する市民の方を全く向いていない態度など、これが「住みたい街」上位の常連である武蔵野市の実態です。先ほどの「駅前の空はだれのものか」の中に登場する、

 初めて市の公の会議を傍聴したという中年のご婦人が、呆れ顔で言った。
 「邑上市長が言っている『市民が真ん中』なんて、全然ウソじゃないの。私、武蔵野市がこれほどひどいとは思わなかった」



という声がすべてを物語っていますね。法政跡地問題でも、「邑上市長の『大事なことは市民と決める』なんて嘘っぱちだ」という声が何度となく地域住民から挙がっています。邑上市長率いる武蔵野市に、果たして明日はあるのでしょうか?

話の枕が非常に長くなってしまいましたが、武蔵野市の市民無視振りを伝える格好の材料として、最近登録された6月20日付建設委員会の議事録をご紹介しようと思います(同委員会では、三鷹ツインタワー問題も議題に上っていましたが、ここでは法政跡地問題に絞ってご紹介いたします)。同委員会には、吉祥寺東町文教地区地区計画協議会より「市長のまちづくりに対する姿勢をただすとともに、地区計画早期制定に関する陳情」がなされており、この陳情に基づく討議がなされました。陳情要旨を転載すると、

 今年1月21日、住民に示された市の地区計画市素案は、住民が提案した地区計画案と大きくかけ離れた内容であり、都市計画審議会でも問題提起されたばかりでなく、各種報道でも大きく取り上げられています。
 現在、地区計画案は「市素案」という状態で、今後、市原案を作成し市議会説明、住民説明の後、公告縦覧を行い、広く市民から意見書を募ります。この意見書を勘案し、都市計画案を作成して、都市計画審議会へ説明します。その後、都の同意を得て再び公告縦覧を行い市民から意見書を募ります。そして、市議会に説明した後、都市計画審議会に付議し、都市計画決定されます。さらにこの案をもとに市議会において関係条例の変更が議決されることにより、やっと建築規制の法的根拠が備わった地区計画になります。
 本来、これだけの手続きが必要な地区計画案を、「素案」の段階で市長と事業者が地区計画の最大のポイントである「最高高さ、壁面後退など」について取り決めてしまった旨の新聞報道が出ました。言いかえれば、「都市計画審議会や市議会の審議は、今後の結果がどうであれ無視します」と言っていることと同様であり、民主主義の否定にもつながります。
 住民軽視、都市計画審議会軽視、市議会軽視といった市長の都市計画の進め方に私たちは強い憤りを感じています。
 市長は来年1月に地区計画の制定を目指すと新聞報道にありましたが、事業者からの説明によると「できれば今年10月末までに着手したい」旨の話があり、10月までに地区計画を制定しなければ、その後に地区計画をわれわれの代表である市議会が民主的に議決したとしても、何の効力も発揮できないおそれも生じます。そこで、以下のとおり陳情いたします。


1 武蔵野市都市計画審議会や武蔵野市議会の審議を無視するような都市計画の進め方に対し、市長にその姿勢をただし、今後は市議会や都市計画審議会の意見も反映された「市民が主役であるまちづくり」を進めるよう、市民代表である市議会において決議すること。
2 武蔵野市議会で慎重に審議を行い、事業者が着工する前に地区計画を制定すること。



市の地区計画素案の内容についての不満はさておいて、「住民軽視、都市計画審議会軽視、市議会軽視」で事業主との密約を優先する邑上市政のスタンスを糾す内容です。これに市側はどう答えるのでしょう? 討議内容を見ていきたいと思います(地区計画原案の内容等は本ブログでも報告済ですので割愛します。また、ここで重要なのは、各議員がこの問題をどう考えているかより、市がどのような答弁をしているかですので、各議員の質問は要点を箇条書きし、市側の答弁は(冗長表現を省略する程度で)極力そのままとする形でご紹介します)。

先ずは、橋本しげき委員(日本共産党)の質問からスタートします。質問の要旨は、(1)都市計画審議会会長が、市民の声を聞く必要があると発言しているが、それについて、市はどのように考えているのか、(2)市原案に対する意見書提出を受けて、住民の声を最大限尊重して市の原案を変更する可能性があるのかどうか、(3)建設事業者が10月末までに着手すると言っている中、建築規制条例の案を12月の議会に出すというスケジュールで間に合うのか、の3点です。これに対する市側の答弁は、

【恩田まちづくり推進課長】7月2日から意見書の提出をいただくという形になってございますが、(中略)いただいた意見については集約し、都市計画審議会の方に図っていきたいと思っています。今の時点で変更を考えているのかという話でございますが、それは当然、意見を聞いた中で、どのように対応するかは、今後、詰めていきたいというふうに考えております。
 それから、前回の都市計画審議会でいろいろな意見があった中で、会長が最後にまとめた御意見でございますけれども、地区計画案をさらに検討していく過程で、次回の都市計画審議会までにはいろいろな意見を反映できるような形でという話は出ているところでございます。
 それから、10月までの着工という形で事業者から出ているもので、市が1月の建築規制条例で間に合うのかというお話がございますが、文書上の話ではございますけれども、今の時点で長谷工としては地区計画が定まるまでという書き方はできないと。ただし、今の状況においては10月までというお約束はできるという話でございまして、その後の着手の時期云々の話についてどこまで詰めているかというところでございますが、こちらのスケジュールも公になりますので、今後はそれに沿って協力いただくような形で交渉していきたいというふうに思っています。



だらだらくどい役人言葉のオンパレード(この後もずっとそう)ですが、要は一般論とこういう事実があるということの羅列でほとんど中身がありません。質問は市の考えを問うているのに、言質を取られないようにと曖昧な表現に終始する様は、小役人の滑稽さを感じずにはおれません。

続いては、田中節男委員(自民党)の質問です。質問内容は、(1)さきの代表者会議で示された案(市の素案)が10日そこそこで変更(市の原案)になった理由、(2)変更項目の中の武蔵野美大が25mから15m制限に入ったことについて同大の了解は得られているのか、(3)高さ規制が最初から25mありきということで進んだ理由が全く分からない(壁面後退とのトレードオフなのか)、(4)初めて武蔵野市で住民主導で策定された地区計画案に対して、何故もう少し丁寧に議論のキャッチボールができなかったのか、(5)来年1月の条例化を9月議会に何とか前倒しすることはできないのか(できなければ、後は事業者に延ばしてもらうしか方法はないのか)、の5点です。これに対する市側の答弁は、

【恩田課長】先般の代表者会議と今回の建設委員会への報告の中で、高さの制限の範囲が変わった、なぜこの期間で変わったかということでございますが、こちらにつきましては、(中略)最終的な判断をする段階で武蔵野美大にも確認をとりまして、15メートル制限の範囲の中で何とか一定の理解を得られるということが確認できましたので、急遽でございましたけれども、変更させていただきました。
 それから、25メートルの根拠でございますけれども、(中略)基本的には、私どもが考える住戸面積75平米を基本として、あの土地に住戸を配置した場合、60/200という建ぺい率、容積率でどの程度の建物が成り立つのかということを(中略)私どもなりに検討した結果、8階のプランニングが容積200%に近い状況で成立するという結論を得ましたので(中略)、25メーターという設定をさせていただいたところでございます。
 それから、なぜ住民の方とキャッチボールができなかったのかという御質問でございますけれども、まず協議会の方々とは、当初、私どもも地区計画とはどういうものかということで御説明に上がったり、お話しをさせていただきました。(中略)その後、協議会の方々もいろいろ勉強なさって、いろいろな地区のお勉強もされて、ある程度プランが固まってきたという段階におきまして、こんな形でどうだということが出てきたときに、私どもと意見の衝突がございました。これは、はっきりここで申し上げさせていただきます。それで、市もその辺の協議をやっていても時間は限られているので、我々は成り立たないということで、申し出に向かって協議会の方々は走っていったと。我々も、それに対して積極的なアプローチをしたかということになりますと、その部分では、申しわけないですけれども、足りなかった部分もあると反省するところでございます。
 そういう形で10月2日に申し入れ案が上がってきたわけでございますけれども、申し入れ案そのものの規制のかけ方が恣意的な部分もかなり強いというふうに我々も判断しましたので、最大権利を持っている今の事業者に対して、どのようにこの計画を納得させていくかというところを争点にしながら、我々なりに検討した結果が1月中旬にお示しした素案の考え方でございました。ただし、その素案の考え方、素案を示した段階では、当然のことながら事業者は合意を得ている状況じゃなかったので、その状況の中で都市計画審議会に諮ったものですから、審議会の委員の先生方からも、やはりその辺の合意は丁寧にやれというお話もございましたので、この間を使わせていただいて事業者に対しても当たってきたという経過でございます。
 (中略)それから、事業者との交渉のお話でございますけれども、(中略)うちの方で積み上げたボリュームの確認においては、8階でもあそこの土地は要綱等を守った場合でも行けるという判断をしましたので、それを示しました。それから交渉が始まったわけでございまして、結局その時点では20メーターという線は市の方としても出す数字ではなくて、(中略)8階であれば容積をある程度消化できるという形ですので、これなら事業者も当然のことながら、交渉する上では何とか理解を示していただけるだろうということで交渉に入らせていただきました。
 それで、その中で壁面の後退ですとか、我々の方としては、(中略)武蔵野市の非常に土地余力に乏しい地域においては、空閑地をとっていくまちづくりが重要であるということをこの四十数年やってきているわけでございまして、その考え方はこの吉祥寺東町においても継承していきたいというふうに考えてございましたので、ある意味壁面の後退においても、それから地区施設の公園の設置についても、我々としてはまちづくりの意味で必要だという判断をしましたので、この部分については事業者との交渉においては譲ることのできないものであるという提示の仕方をずっとしてきておりました。
 ですので、それに際して、当然のことながら8階であってもかなり厳しいという状況の中で、相手に対して20メーターはどうなのかという話は、交渉において口頭ではありますけれども、はなからその辺の話は事業者の方は乗っていないと、話にもならないというような状況でございます。
 (中略)時間的・物理的な流れから言うと、最大やっても12月議会への上程という時間の流れになると思います。

【井上都市整備部長】先ほどからずっと説明させていただいていますように、代表者会議に御説明したときは、素案をそのままという形で、今回直したということにつきましては、大変申しわけないと思っています(中略)。
 それは、1つは、(中略)私どもが最終的な同意をもらう東京都等とも協議しまして、最終判断として法政を除いたところについては、限りなく住民の皆さんの提案に沿った15メーターを今回取り入れたということでございます。
 それから、2月21日都市計画審議会以降、(中略)事業者とさまざまな協議を進めてきました。1つは、この前、代表者会議で市長の方から説明いたしましたけれども、5月17日に一定の理解を得たと。1つは、素案に対しての理解、高さ25メーター。それと、着工については10月末だということで、ここまでは確認は得てございますけれども、今、田中委員おっしゃったように、それ以降の確認について、例えば文書とかもらってございません。
 ただ、着工等につきましても、法政と事業者は夏休みまでは引き渡しがないんだということを聞いてございまして、恐らく9月以降に建物の壊し等が入ってきていると思います。(中略)今の時点ではそれ以降についても着工はやめてくれと。私どもの地区条例が議会で議決されたものについて着工をお願いすると。このスタンスについては、今後についても継続してお願いしていくという形で考えてございます。



珍しく、「意見の衝突」があったことだけは「はっきり」明言していますね。それが諸悪の根源だとでも言わんばかりに。規制のかけ方が恣意的だと言ってますが、規制の緩和(法政本校舎部分のみ25m)は逆の意味で恣意的じゃないんでしょうか? 審議会の丁寧な合意形成は、事業者とのみ行うという趣旨なんでしょうかね? 議事録非公開なので分かりませんけど。

また、事業者が容積率を消化できる高さとして25mという説明はもう何度も聞きましたが、この恩田課長の答弁には根本的な欠陥があります。ビジネスにおける交渉で、最初から落とし所を正直に提示するような間抜けは、この厳しい競争社会で生き残っていける訳がありません。25mが事業者との妥協点と見極めたのであれば、より厳しい規制をちらつかせつつ、(最終的に25mを容認するにしても)他の譲歩を引き出す、または、他の点で事業者にアメを渡すにしても、高さ引き下げは容認させる。こうした交渉の基本術も知らない小役人が長谷工のような手練と交渉すれば、長谷工からすれば赤子の手をひねるようなものでしょう。まあ、これは市側が真摯に規制を検討していればとの前提に立っての話ですけどね。

それと、「最大やっても12月議会への上程」とか言ってますけど、当初の6月議会での条例化はどこへ行ったんでしょう? その時のスケジュールの方が、今よりよっぽど厳しかったと思いますが、そもそも6月議会上程という当初の説明は、全くのでまかせだったのでしょうかね?

続いては、桑津昇太郎委員(市民クラブ)の質問です。質問内容は、(1)2月10日の市素案説明会の後、市に対して協議会の方から発言(注:市職員個人への中傷)に対する公式な謝罪はあったのか、(2)その後、改めて協議会と市がお互い歩み寄って、合意点を見出すような話し合いをする努力はなされたのか、(3)地区協議会と市の現場の対応のすれ違いについて、市長はどのような指示をし(ようとし)ていたのか、(4)仮に法政校舎の跡地に高さ20mの建物を建てた場合、長谷工がB・C地区で採算を取ろうと、そこにも建物を建築することを望ましいと思うか、(5)法政の練馬区のグラウンドに、長谷工が来ていろいろ調査したという話があるが、市にはその辺の情報が入ってきているのか、(6)地区計画協議会に対する補助金(30万円)の交付は1回だけか、の6点です。これに対する市側の答弁は、

【井上部長】(前略)2月16日に(中略)2月10日以降について説明させていただきました(中略)ときに松本代表も来ておられまして、ああいう発言については非常にまずいと思っているという形で私に申されたと記憶してございます。
 それと、いろいろな形の中で協議会と市と懇談会をやってくださいという中でも、松本代表の文章の中で、はっきり私、覚えていないから申しわけないんですが、それについては反省しているというんですか、そういう言い方をした文章があったように記憶してございます。

邑上市長】昨年10月に地域の皆さんから地区計画の案を提案いただきましたが、それ以前にこういうまちづくりについて大いに地域の皆さんと話し合いをした中で、ともにルールづくりができるといいといった発言を私もしてまいりまして、その結果として地区計画というのが一つの方向性として大いに評価すべき提案だったのではないかなというふうに思っております。しかし、(中略)その最終提案がなされる前に、どういう地区計画案に関するかというのが、その段階では大いに議論すべき段階だったと思いますが、提案制度で出されたものは、これはきちっとしたルールのもとに判断していくという場面になってきますので、判断の場面でその中身について、もう少し高さを上げようとか下げようとか、そういう議論ではないというふうに思っております。
 したがいまして、私どもとしては、(中略)住民の案では市の今までの考えから不都合な点もあるので、市の素案を提案していこうということで、都市計画審議会に正式に素案という形でお示ししたわけでございます。ですので、(中略)以降は都市計画審議会での議論を踏まえた進行と意見交換ということがふさわしいのではないかなというふうに理解しております。よろしいでしょうか。
 それで、私どもとしては、こちらの陳情書に掲げられているような、都市計画審議会や市議会の審議を無視するようなということは全くやっておりませんで、むしろ都市計画審議会でのいろいろな意見を踏まえて、どうしたらいいか、あるいは議会での意見を踏まえて、どうしたらいいかと常に対応している次第でございますので、今回、地区計画の制定を6月に見送ったということも、1つは都市計画審議会での御示唆もいろいろあったわけですから、それを踏まえての対応でもあるわけであります。
 市の職員に対しましては、当然のことながら、地域からはいろいろ厳しい対応もあるかもしれないけれども、地域とのさまざまな意見調整の場は今後とも模索していこうというふうに言っております。地元の方からも、私との意見交換の場を求められておられましたが、(中略)冷静な話し合いの場としてはちょっと困難ではないかなというふうに思いましたので、お申し出がありましたが、まずは代表の方と今後の検討等について調整しようという趣旨でお会いをしたところでございますが、(中略)その時点で、今後どうしようかまでは議論が行きませんで、ちょっとお会いしてお話ししたにとどまっております。
 (中略)今まで私どもは、どういう規制基準が可能なのかを自分たちで検証してきたわけでありまして、その結果として、細かい説明はちょっと省きますけれども、25メートルという高さであれば、何とか市の指導要綱も、あるいは容積もクリアするということで理解を求められるのだろうという判断でそうしておりますので、(中略)その結果として、どういう計画をされるのか、まだ来てございませんので、何とも言えないのかなというふうに思っております。
 (中略)確かに吉祥寺東町地区というのは非常にオープンスペースが少ないということもありますので、特に西側敷地については、あそこに建物が建ってしまうと、より一層建て詰まったまち並みが形成されてしまうということもあるので、あの街区については、特にオープンスペースを強く創出したいなというふうに思っており(中略)、さらに空間、プラス防災の機能を持った拠点として、何とかあそこの場所を確保したいなという思いであります。ですので、最終的にどう判断されるかわかりませんが、一応前向きに調整をいただくという御回答をいただいていますので、何とか私どもの市の素案を進める中で、正式に購入に向けて交渉していきたいなというふうに思っています。

【中村交通対策課長】練馬区の三井不動産のグラウンドでございますけれども、当初は5月連休明けに説明会を予定していたということでございまして、最近聞いた話によりますとちょっとストップしているということなんですよ。大体秋ごろに説明会に入ると。それで、計画の方もまだ事前協議の前、事前調査の段階であると。それで、現在、交通量調査等もやっておりまして、(中略)説明会の方は、事前に十分やるということは私の方からも言っておりますし、また業者の方も十分承知しております。建物につきましても、現在検討中ですけれども、概略、地下1階の4階程度と聞いております。

【恩田課長】委員おっしゃるのは、地区計画等推進団体助成交付要綱に基づく助成ということでございますが、1年で限度額30万円という形で、3年を限度に市長は支給することができるという規定になってございます(中略)ので、昨年は協議会の方々が地区計画の原案の申し入れの案を研究、検討、作成するという活動に対して助成させていただいているところでございます。
 今年度につきましては、もう申し入れ案をいただいてございますので、その後の活動については、問い合わせはございましたが、正式な形での助成の要望はまだいただいておりません。



何と言うか、陳情で都市計画審議会や市議会無視を批判しているのは、それらの審議を経る前に事業者と合意していることについてなのですが、そのことは一切弁明せず、手続き的に問題ない旨を抗弁し続けています。問題点を的確に把握する能力に欠けているのか、はたまた分かっていながら無視を決め込んでいるのか…

練馬区のグラウンドの件は聞き逃せない情報ですね。実質5階建ての集合住宅が建設されれば、ただでさえ慢性的に渋滞している宮本小路がよりいっそう渋滞し、吉祥寺東町の交通環境は致命的なまでに悪化します。売りっ放しで地域環境の悪化など歯牙にもかけないマンションデベロッパーに、ここでもいいようにやられないことを願うばかりです。

続いては、松本清治委員(民主党)の質問です。質問内容は、(1)法政跡地は25メートルで、三中は15メートルで制限されるという理解で良いか、(2)都市計画図上、地区計画はどう扱われるのか、(3)新設する公園について、コミュニティ形成ができる公園にしていくという考えはどう思うか、(4)法政通りという名前は変えてもいいと思うがいかがか、の4点です。これに対する市側の答弁は、

【恩田課長】この制限が働けば、建築行為に対しては15メーターの規制が働くということでございます。ただし、今、三中におきましては、(中略)校舎そのものはその規定に既存不適格という形になります。ただ、さまざまな規制条例の中で、既存不適格に対する緩和措置というのは考えていきたいというふうに考えております。
 (中略)武蔵野市の都市計画図におきましては、地区計画という区域を設定するような色塗りになると思います。地区計画の内容そのものについては告示をしますので、告示決定が図書になりますので、それで内容が詳細が決まると。裏面にその地区計画の計画決定の規定の中身が乗ってくるという形になります。
 (中略)先ほどの公園の整備の仕方なんですけれども、段階では詳細はまだ当然のことながら、計画の中では求めてないんですが、当然のことながら防災面は機能するような形は、今後はまちづくりの意味でも必要でございますし、先ほど雨水貯留のお話も市長の方からありましたけれども、その辺の地下の部分の利用ということは当然必要だというふうに思ってございます。
 それから、法政通りでございますけれども、武蔵野美術大学とお話しをしに行った際も、武蔵野美術大学側からも武蔵美通りにしてくれというような要望も聞いておりますので、これは通称でございますので、今後は名称については当然検討していかなきゃいけないというふうに思っております。



あまりコメントするほどのことはありませんが、地域住民の感情としては法政通り(法政高校前のバス停名も)という名は即刻廃止して欲しいですね。「武蔵美(ムサビ)通り」は悪くないと思います。マンション名がバス停名になるようなことだけは勘弁願います。

この日の最後は、建設委員会の委員長であるやすえ清治委員(自由民主党)自らの質問です。質問内容は、(1)住民から15mの地区計画案が市に提出された時に、なぜこれを受け取ったのか(出た時点で無理だというようなやりとりがなされなかったのか)、(2)業者と話し合い、一定の理解を得るに至ったという経緯について、もう少し丁寧に(住民に対しても)説明してもらいたい、(3)逆に、業者の理解が得られなかったという部分があるのかどうか、(4)条例をつくるのは1月で、着工が10月だが、業者と話し合いはできているので大丈夫だということを、可能ならばはっきり言ってほしい(逆に、条例の施行が1月で、10月から着工となった場合、どんな不利益が可能性として考えられるのか)、(5)住民から出た地区計画は、出た段階で第三者機関に諮る等の仕組み作りが必要だと思うがいかがか、(6)市長の判断で9月に頑張って条例化しようということはできないか、の6点です。これに対する市側の答弁は、

【恩田課長】(前略)実を言いますと、2月10日に説明して以降、長谷工、事業者の方とは数回にわたってずっと交渉してきているところでございます。特に、2月におきましては、まず長谷工の方から逆に申し入れがございまし(中略)て、それに対しては、市から3月1日に協力要請という形で、それに関する、再度ぜひまちづくりの委員からもこの素案に対して協力していただきたいというお話しをさせていただいているところでございます。
 また、3月には、再度、4月に法政が移転するということもございましたので、それに先立ちまして事前着手しないようにという形の申し入れをさせていただきました。あわせて、法政の方にも、地元に対して一定の説明をして出ていってくださいという形で市長の方から申し入れをさせていただいております。
 それから、3月の終わりには、文書でのやりとりも含めて、向こうの事業者のプロジェクトのトップを呼びまして市長と協議をさせていただいております。これについては、素案に対する考え方をぜひ事業者として御理解いただきたいというお話しをさせていただいているところでございます。
 また、4月に入りましては、事務レベルでの協議もさせていただいております。
 5月に入りまして、(中略)長谷工の意思も相当かたかったんですけれども、こちらの立場もわかっていただくような状況にだんだんなっていって、周りの住民の方々もああいう状況にあるということも長谷工も一定理解しておりますから、(中略)再度我々の方で申し入れを出して、最終的な判断として長谷工の方は5月17日に一定の理解を示すという形で申し入れがありました。
 ただ、その分、逆に理解が得られなかったのは何かと言いますと、先ほどの着手の話でございます。着手につきましては、地区計画が定まるまで、我々としては着手せぬようにというお話しをさせていただいておったんですが、事業者としては、今の段階では地区計画そのものがいつになるかわからない。それまで待てるというような回答は今の時点では出せないというスタンスから、今の時点で出せる10月というお話で文書をいただいているところでございます。ですので、これに関しましては、まだ正式な形で1月までは待てるという話もいただいてございませんので、引き続き長谷工には申し入れていきたいというふうに思っております。

【井上部長】10月2日に地区協議会の方から地区計画の15メーターの提案が出たと。その時点で、それを何で受け取ったのかということでございますけれども、これは地区計画の申し出の条例を議会の皆さんに議決していただきまして、平成16年1月から施行してきたと。その中で当然申し出を受けるという形になっていますので、必然的に受けたということでございます。

邑上市長】先ほど担当から説明したとおり、時間的な問題があって、ほぼ9月では難しいという判断をしております。ですので、1月に施行されるような形で何とか進めていきたいなというふうに思っておりますし、長谷工に対しましては事前着工のないようにこれからも申し出をしていきたいというふうに思っております。

【井上部長】(前略)地区計画につきましては、先ほども申し上げましたけれども、行政、市民、事業者が連携して、そこの地区をどうしていくんだというビジョンが大切だと思っています。今回の場合に非常にまずかったのは、市民の皆さん、行政、事業者、三者がみんなばらばらだという経緯がございます。このような形の中で相当な反省点がございますので、現在、まちづくり条例の中で、先ほどの大型の宅地開発等も含めてでございますけれども、この地区計画についてももう少し緩和するのがいいのか、逆に厳しくするのがいいのか等も含めて、手続、進め方も含めて、(中略)現在検討を進めていますので、より市民の皆さん、行政、事業者が連携してできるような条例等について今後策定していきたいと考えてございます。



やすえ委員の、そもそも市の考える地区計画と相容れない住民提案がなされた段階で受け取らないという選択肢もあったのではないかという指摘は実にもっともです。住民提案と市の素案の大幅な乖離もそうですが、住民側がもっとも不信感を持っているのは、市が無駄に時間を掛け過ぎていることにあると思います。10/2に地区計画案を提出し、2/10まで市の素案の内容も分からないままに放置されたこと、時間を要している理由の一つであったシミュレーションが実にお粗末であったこと、こうした行政の不誠実な態度が住民側の姿勢を硬直化させた面は否めないと思いますが、その点は一切放置ですか。それに、「ああゆう状況」って何ですかね? 要は、住民は勝手にエキセントリックになっているから、市と事業者でうまくやりましょうよ、こういう意思疎通があったとも読める内容ですね。

結局、この陳情は継続審査となり、結論は全く出ませんでした。こうしてただ時間だけが浪費されていく。それは、長谷工を利する以外には何の効果もないというのに。行政(そして市議会)には、悠久の時間が流れているようですね、残念ながら…

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彼我の差を思う~江東区を例に

長谷工の第2回(2Hの会の代表以外にとっては初めての)説明会の案内状が近隣住民に配布されました。内容は、日付以外は前回配布されたものと同一ですが、以前のエントリで指摘した間違いのうち、住所と条例名は修正されていました。以前にも書きましたが、間違いを指摘して修正したのですから、お礼くらい言って欲しいものです(もっとも、「主語がない」という指摘については、学校で「文章には主語が必要」という教育を受けなかったのか、相変わらずないままですけど)。

それはともかくとして、7月8日(日)18時から本宿コミセンで行われますので、2Hの範囲の対象者以外の方も入場できるのかは不明ですが、ご関心をお持ちの方は是非ご注目下さい。

さて、本日は7月2日付で公開された江東区作成による「マンション急増対策の現状と課題」を見て、マンション問題に対する江東区武蔵野市の対応のあまりの差異に愕然としてしまいましたので、その辺りをご紹介します。

江東区は、臨海地区の工場・倉庫跡地に次々と大規模マンションが建設され、児童の急増により地元の学校での生徒受入が困難になったことを、平成14年4月頃に江東区が公表し、話題となったことをご記憶の方も多いと思います。区側の対策として、マンションデベロッパーに建設中止、工事の延期、戸数の削減等の協力を申し入れ、受け入れた事業者もあったようです。

当然ながら、その中でも着工を強行する事業者は存在しており、中でもアーバネットコーポレーション(グランアジール南砂)、東急不動産(プライヴブルー東京)の2件は再三にわたる要請を無視して着工・販売を強行したことから、名指しで経緯説明に係る文書を公開されるに至っています(アーバネットについては、こちらの記事が参考になります。東急不動産については、Internet Archive上に「江東区の協力要請に応じないマンション事業計画に係る公表について」という公表文書が保存されています。文字化けする場合は、ブラウザの文字コードを「SHIFT JIS」にしてご覧下さい)。

ここでも、透けて見えるのは、徹底したデベロッパーサイドの近隣住民無視、購入者無視、利益至上主義という身勝手な企業姿勢です。東急不動産の江東区からの要請に対する回答文書の中には、「当社よりプレハブ校舎建設等の対応案を提案」した事実が書かれていますが、これについては要請文書の中にも「学校敷地から離れたところに普通教室又は特別教室を作ることは教育環境から考えて困難との結論に達し」た旨が理由と共に記載されており、そもそも「自分たちのために便宜を図れ」という身勝手な要請です(校庭へのプレハブ校舎建設も校庭が狭くなり、既存児童に著しい負担を強いるものです)。

更には、事業者に対して「(仮称)第二豊洲小学校の建設計画について、鋭意検討した結果、平成19年4月開校と」するので、「入居時期を平成19年3月と」して欲しいとまで配慮しているにも関わらず、協力要請を拒絶しています。購入者軽視もひどいものです。回答書の中には、「販売にあたっては、重要事項説明書に学区域が変更される可能性がある旨を記載し、購入予定者へ説明した上で販売」するとの説明があり、後は購入者の自己責任だと言わんばかりの態度を炸裂させています(この姿勢に対する批判、実際のセールストークとの乖離を指摘する声は、多数マンション掲示板に掲載されており、事業者の回答と現実との乖離は埋めがたいものがあります)。

ここで、我らが長谷工はどうなのかと思われた方、ご安心下さい。当然、きっちりと絡んでいます。実は、東急不動産の「プライヴブルー東京」は(隣の東京建物の「東京フロントコート」も)長谷工の施工物件です。ここで、長谷工が単に施工しただけではなく、彼らが自慢げに誇示する「特命受注」により、実質的な事業遂行主体として深く関与していたであろうことは想像に難くありません。まあ、東急不動産としては、長谷工なんぞに付き合った代償として仕方のない出来事でしょうし、東京建物と違って着工延期を拒否した以上、同罪と言っても過言ではないでしょうけど… 本当に、長谷工とその仲間たちは、どこまで行っても問題しか起こさない腐り切った存在ですね。

皆さんは、このマンションデベロッパーとの軋轢が生じることを承知の上で、地域住民の居住環境を守るために尽力した江東区と、事業者と口裏を合わせていると思われても仕方のないような武蔵野市の腰の引け具合と、どちらを行政として望ましい態度と考えますか? 江東区の対応がベストなものだったかはともかく、既存住民と新規住民のバランスを取るために、事業者にも一定の配慮を求めるという姿勢は、行政のあり方として十分首肯し得るものだと思うのですが…

別に、法政跡地のマンションで、同様の学校受入の問題が発生するかどうかを問題にしたい訳ではありません(但し、近隣の幼稚園は既に受入のキャパシティには乏しいという話も聞きます)。ここまで地域住民のことを考えた指導なり要請なりを、本当に長谷工に対して(三鷹ツインタワーであれば野村不動産等)、武蔵野市は行ったのかという疑問が尽きないだけです。今からでも、武蔵野市が市民の立場に立って活動するよう、方向転換することを心から期待して止みません。

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行政と業者の癒着構造

週末は、法政のグラウンド、テニスコート、体育館で部活動が盛んに行われていました。学生の声が響く様は以前に戻ったようですが、やはり以前にはいなかった女子生徒の存在に気付くと、現実に引き戻されてしまいます。

さて、三鷹駅前のツインタワー建築問題を採り上げているルポ「駅前の空はだれのものか」の「第5回 水際の攻防戦」に、説明会における事業者側の中心人物である伊藤和高野村不動産副部長が武蔵野市のまちづくり条例策定委員会の策定委員であるという記述がありました。策定委員会の肩書きが「再開発プランナー」であることを指摘したところ、伊藤氏が「条例の制定委員の肩書きの所に野村不動産の名前を広告のように出すことは私としては出来ないんじゃないかなと思いまして、再開発プランナーということでお話しさせていただいております。私は一回目の会合の時に『再開発プランナーとして出ておりますが、民間事業者の代表として野村不動産に所属しております』とちゃんと申し上げております。ですので、先ほどの詭弁ないしは隠している(と言われたこと)については反論させていただきたいと思います」と反論された様子が描かれています。

この問題については、その後4月25日~27日に朝日新聞、読売新聞、毎日新聞のそれぞれ武蔵野版で採り上げられ、伊藤副部長が23日付で委員退任届けを提出したこと、市が昨年12月には三鷹駅前の事業に野村不動産が参画していることを把握していながら「市全体の条例の制定と、個々の開発は別なので、開発計画に関与する社員が委員であっても問題ない」と判断したことなどが報道された経緯については、「第6回 『考える市民の会』の期待と焦り」に詳しく書かれています。

これは、実に看過できない問題を孕んでいます。武蔵野市は、委員を委嘱した時点では同事業の担当者とは知らなかったと回答しているようですが、それで済むほど軽い話ではないと思います。そもそも、事業者代表が何故野村不動産なのか、その野村不動産三鷹駅前の再開発の幹事会社を務めることが単なる偶然なのか、疑い出せば切りがない話です。武蔵野市と野村不動産に何らかの癒着があったと取られても仕方のない話だと思いますし、この辺りをもう少し掘り下げれば、何らかのスキャンダルが噴出しそうな気もします。まちづくり条例(仮称)検討委員会の議事録を読む限りでは、伊藤委員の発言は(事業者寄りとはいえ)利益誘導を明確に志向したものとは思えませんが、それでもツインタワー建築事業の担当者が条例策定にも携わっていたという事実は非常に重いと思います。

そんなまちづくり条例検討委員会ですが、3月14日に開催された第7回委員会議事録に法政跡地問題に関連した気になる記述がありましたので、ここでご紹介させていただきます(以下、議事録の引用)。

森副委員長:吉祥寺東町で地区計画提案が出されている。10 月に住民の8割ぐらいの同意を得て、高さ15 メートル制限の提案をしたが、それに対して市は25mの提案を出し、それを都市計画審議会に諮っている。住民提案をより良くして、都市計画審議会に諮ったという見方も出来るのかもしれないが、私の聞く範囲では、市民は、市の提案は市民提案とは別の提案と受け止めているようだ。市民提案がどこかに消えてしまっている。手続上、市は審査しているが、それ以外の人が審査せずに市民提案がどこかに消えてしまっているのは個人的に問題があると感じている。

事務局:まちづくり条例では素案の提出の後に、第三者機関の意見聴取を新たに入れている。現状では市が判断するにあたり、市が独自に判断してしまっている状況に対応するものと考えている。
手続上は、提案を断る場合は都市計画審議会の意見を付しているが、市が原案を作成すると判断すれば、そのまま原案の作成に入る。今回のケースでは、ある意味政策的な意図もあって、原案を作るという判断を市長がするにあたって、市民提案を受けて、素案を作ったという経緯がある。

森副委員長:仰ることは分かるが、市民提案と原案は別のものという意識を市民が持っているのだから、市民案を却下するのが正しい手続だったのではないか。そうであれば、都市計画審議会でなぜ市民案を却下したのかを聞くチャンスがあったのに、その機会もないまま、市の原案だけが進んでいる。こうしたことは改善したほうがいいのではないか。

柳沢委員長:市民からの提案に対し、修正案を出す際の手続がはっきりしていないことが問題なのだと思う。市民からの提案をそのまま受け取れないものは、都市計画審議会できっちりと議論して、ここを修正して改めて市の案として出します、という手順を踏む必要があるのではないか。修正案を出す時の手順を資料7の中に書き加える必要がある。法律を形式的に読むと、一旦却下するのが正しいと思う。

事務局:市としては市民提案を遵守して原案を作成したと認識しているが、主題となるポイントの認識の違いで、市民はそうは思っていないということだ。

柳沢委員長:今回のケースは同じとは言えないと私も感じた。いずれにしても、変更について、その定義も含めて、法律のそのもの解釈を国交省や東京都等とやり取りして勉強してほしい。

事務局:都市計画変更の手続に関しては軽微な変更については表記もあると思うので、裏を返せば、それ以外は軽微な変更ではないという理解もできる。

柳沢委員長:それを参考にするのはいいかもしれない。しかし、そうだとすると今回のケースはやはり軽微な変更ではない。



条例策定に係る議論ですので、地区計画の手続き論に終始している感はありますが、市の対応を批判する(市の原案が住民提案のものと違い過ぎる、市以外の審査が入らない等)声が出ています。これ以降も全く誠実な対応を見せない行政サイドは、一体何を考えているのでしょうか? これでは、悪徳事業者(=長谷工)をますます肥え太らせるだけなのですが… 武蔵野市と長谷工にも、同様の癒着があるのでしょうか?

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市長の活動日誌(三鷹ツインタワー編)

三鷹ツインタワー建築の件について、武蔵野市のHP内にある市長の活動日誌に関連する記述がありましたのでご紹介させていただきます。

4月27日(金)「市民と市長のタウンミーティング(西久保コミュニティセンター)」
タウンミーティングも今日が11回目。今年中にすべてのコミュニティセンターで開催することができそうです。今日は,三鷹駅前の超高層ビル建設計画が話題の中心となり,超高層ビルの建設に対して心配や反対する意見が出されました。既に,正式な事前協議の段階にあり,法律や市の方針などに照らして協議中です。市としては,開発にあたり,緑が多いという三鷹北口の特徴をいかし,まちづくりや環境に配慮するよう強く要請していますが,高さについては,三鷹駅前の商業地域の中心であり,一定の高さは認めざるをえないと考えています(後略)。

5月15日(火)「納税キャンペーン」
(前略)三鷹駅北口の開発計画に関する,地域の皆さんとの懇談会を開催しました。これは,先日開催された西久保コミュニティセンターでの市民と市長のタウンミーティングで要望を受けて,急きょ開催したものです。最初に,タウンミーティングでいただいた意見に対する,市長としての考えを話し,その後参加者の皆さんから意見,質疑を受けるという方法で進行しました。参加者からは,建物の高さに対する心配が多くあげられました。また,超高層ビルに対する防災上の不安も指摘されています。今後,地域住民と開発業者との調整協議のあっせんや,議会で陳情の審議が行われる予定です。市としては,まちづくりの方針と法制度にかなった開発は容認していく考えですが,安全性,防災性への配慮は当然のこととして,環境面,景観形成を含めて,三鷹駅前の新たなまちづくりに寄与するよう,強く指導していく予定です。ご不明な点や,まちづくりに対するご意見は,市へお寄せください。

5月20日(日)「市民と市長のタウンミーティング(関前コミュニティセンター)」
(前略)午後からは,関前コミュニティセンターにおいて第12回市民と市長のタウンミーティングを開催しました(中略)。三鷹駅北口の超高層ビル開発については,まちづくりの視点で賛同する意見が数件出されていました(後略)。



その場にいた訳ではありませんので、確定的なことは何も申し上げる立場にはありませんが、最後の「まちづくりの視点で賛同する意見が数件出されてい」たという行(くだり)はどうなんですかね。あんな計画に賛成する人が早々いるとは思えないのですが… まさか、また業者の回し者ですか? まあ、余計な詮索は止めましょう。本気で、三鷹駅前には100m超のツインタワーが望ましいと考えておられるのかも知れませんし、もっといかがわしい建物が建つよりはマシという、次善の策としての発言かも知れませんしね(市長の文章からはそうは読み取れませんが)。

なお、法政跡地問題について、地区計画案に基づく条例制定の件については、この間も完全に無視されています。最早、条例化すら怪しいのではないかと思えてなりません。

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武蔵野市の本音はどこに?

ゴールデンウィークもいよいよ終わりが近付きました。休みの日には、法政のグラウンドやテニスコートで部活動をする生徒の姿が見られます。以前と変わらない光景のようですが、テニスコート内の部員に女の子がいるのを見かけると、共学校になった新しい法政の生徒なんだなと、現実に引き戻されてしまいます。

この連休が終われば、5月もすぐ中旬に入ってしまいます。にも関わらず、相変わらず地区計画についての最終案は住民側に提示されないまま。市側の素案提示が2月中旬ですから、既に3ヶ月が浪費されています。この間、建設的な議論がなされたようにはとても見えません。協議会の方たちは水面下で色々と交渉されておられるようですが、以前のエントリでもお伝えした通り、邑上市長は協議会側との交渉も逃げ回っている始末。本当に、地区計画を成立させる気があるのかどうか、それすら疑わしい状況になっています。6月議会での成立を明言している以上、成立させることができなければ、残念ながら邑上市長の政治責任を問う声も高まることが予想されます。今以上の議論の空転は避けて欲しいところですが…

しかし、ここで以前から疑問に思い続けてきたことですが、武蔵野市側の本音は、開発を抑制する地区計画には反対なのではないか、そう思わざるを得ない気がします。法政跡地問題を巡る一連の対応もそうですが、三鷹駅前の超高層ツインタワー建築計画に対する対応を見ても、そう判断せざるを得ません。同計画についてリポートしている「駅前の空はだれのものか | Web草思」によれば、

建築主側は、武蔵野市とも協議した結果、
〈周辺の道路を拡幅するため、必要な道路用地を無償で提供する〉
〈建物周辺に公開空地を設け、緑化にも充分に配慮する〉
〈市民が利用できる公共の集会場を建物の中に設ける〉
〈駅前周辺の課題となっている駐輪場不足を解消するため、地下2階に1500台収容できる駐輪場を作り、提供する〉
などの要望を受け、計画に盛り込んだと誇らしげに説明した。市からの要望に応える代わりに、容積率や高さ制限の緩和を受け、地上103メートルの認可を正当に受ける段取りが整ったのだという。



ということで、総合設計制度という名の行政・業者間の裏取引がなされたことを物語っています。このプロセス、何かに似ていませんか? そう、法政跡地問題でも同じことが行われていますね。西側用地を取得する代わりに、本校舎部分の高さ制限はかけないという、長谷工サイドとの裏取引があるのではないかと住民側より厳しく批判されている問題です。武蔵野市は、周辺住民の住環境を悪化させる高層建築物は容認し、それ以外の行政上の課題解決を優先するという基本理念がありそうです。

この辺り、武蔵野市の住宅施策にそれが現れていると感じています。こちらの東京都都市計画変更案の区市別規制一覧をご覧下さい。平成16年の都市計画変更における都内市区町村の変更事項がまとめられています。その中で、武蔵野市は敷地面積の最低限度規制を導入し、ほぼ市内全域で住宅用地は最低敷地面積が100平米(低層住居地域は120平米)なくてはならないことになりました。この規制は、上記一覧を見ても最も厳しいものであることが分かります(住居系全てで最低100平米以上を要求するのは武蔵野市だけ)。田園調布の地区計画の165平米よりは緩いですが、市内全域に対する規制としては厳しすぎないでしょうか。

敷地面積
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一方で、多くの自治体が同時期に導入した高さ規制は、全く導入されていません。良好な住環境を保全するためには、敷地の細分化を抑制するよりも、むやみと高い建物の乱立を防ぐ方がずっと有効だと思うのですが… 現に、先程の田園調布の地区計画では、建築物等の高さの最高限度は9mと非常に厳しく規制されています。これに比べたら、法政跡地に関する住民提出の地区計画案の高さ規制(15m)なんて業者側に配慮し過ぎな位です。

武蔵野市の路線価は、法政周辺で言えば35万円/平米前後ですから、昨今の情勢に鑑みて路線価の倍で取引されると見れば、最低84百万円が必要となり、建物代で20百万円程度必要とすれば、どうやっても億を超えてしまいます。路線価の1.5倍としても建物込で80百万円台と、購入できる人は非常に限定されます。つまり、武蔵野市としては「金持ち以外は武蔵野市で戸建ては買うな、どうしても武蔵野市に住みたければマンションを買え」という住宅に対する基本姿勢を有しているのではないかという気がするのです。とすれば、武蔵野市としてマンション建設を抑制するような条例を制定する訳がありませんよね。

武蔵野市は、新宿と立川に挟まれた商業地としての吉祥寺の地盤沈下にも相当の懸念を持っているようですので、基本的に開発を抑制するというよりは、むしろ積極的に開発を呼び込みたいと考えているのではないでしょうか。だとすれば、吉祥寺の本来の価値を見誤っているような気がします。駅そばの商業施設と井の頭公園の緑、そして住環境と隣接するエリアに広がる気の利いたお店の数々、こうしたものが渾然一体となって吉祥寺の魅力を醸し出しているのではないでしょうか。単に大規模開発を推し進めて、他の地域と変わらないビルが乱立するような街になってしまえば、吉祥寺の魅力は激減します。早くそのことに気付き、一刻も早く自分の利益しか考えない身勝手な不動産業者の手による乱開発を抑制する側に回って欲しいと強く思います。

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市議会における法政跡地問題討議経緯について(7)

軽い気持ちで始めた市議会の討議内容の検証ですが、思いの外分量が多くなってしまいました。取り敢えず、現在公開されている議事録に基づく検証は、今回の平成18年第4回定例会でいったん終了です。新しい議事録が公開される都度、検証を重ねていきたいと思います。

さて、昨年12月に開催された第4回定例会は、住民側の地区計画案が提出された後に行われましたので、その内容等についてかなり突っ込んだ議論が交わされています。順番に見ていきますが、先ずは桑津昇太郎議員の一般質問から。

桑津議員:「10月2日に住民より提出されました(中略)地区計画案については、今、担当部局で、鋭意、市としての原案のまとめに力を注いでいると伺っております(中略)。工事着工までの時間も限られてくる中で、今後、慎重に、そしてスピードを持って、かつ確実な進め方が重要です(中略)。邑上市長はどのような解決を図ろうとお考えなのか、今までもしつこく伺っておりましたが、改めて再度、市長の決断のほどを伺うものです。
 1つには、三鷹に移転する法政大学の今回の態度・対応は納得できません(中略)。有志の会では、法政大学の道義的な責任を問い、法政大学の誠意ある対応を願い、今議会に決議案を提出する考えであります(中略)が、改めてそのような趣旨の強い要望を市として法政大学に提出されることについてはいかがでしょうか、邑上市長の所見を伺います。
 2つとして(中略)、4月からの長谷工の工事着工を先に延ばす手段は、地区計画の条例化をもってしては事実上できない。長谷工の了解の上での着工先送りでないと望めないと理解するところでありますが、この点についての市長の所見を伺います。
 3つとして(中略)、高さ制限15メートルという地区計画の考えでは、法政通りの西側にも今の建物を超える、さらに大きな建物を長谷工が建設することになりかねないという大きな懸念を持つものであり(中略)、市では、こうした点をも配慮して地区計画原案の策定をすべきではないかと考えますが、市長の御所見を伺います。
 4つとして、地区計画を要望された協議会からも、市の考えを早期にまとめて示してもらいたいとの要望があります(中略)。早々に市長としてのしっかりとした決断を示し、またその考えで、長谷工、法政大学ともしっかりとした話し合いを重ね、問題解決に取り組むべきと考えます。邑上市長の所見を伺います。」

邑上市長:「法政一高・一中の跡地の問題でございまして、地区計画案なるものを10月に地元から提案いただきました。地域の方が皆さん大変一生懸命お考えいただいて提案された(中略)住民主体のまちづくりそのものでございますので、非常に評価したいなというふうに思います。しかし、内容については地区計画として市が都市計画決定をするものでございますので(中略)、この1カ月以内程度に市の原案をまとめて、また地域の方にお示ししていきたいなというふうに思っております。
 現在、地元から出てきた案では15メートル規制といったようなことがございますが、これは現実的にはなかなか厳しい数字ではないかなと(中略)、果たして長谷工がそれを了解してくださるかどうかについては非常に心配事でございまして、恐らく対抗措置をとられるのであろうというような予測をしてございます(中略)。記念棟やプール跡地の取得も含めた良好な地区環境形成といったような視点も含めて、さらに調整を図り、地区計画案の試案としていきたいなというふうに考えております。」



もうお馴染みの腰の引け具合ですが、「長谷工がそれを了解してくださるかどうか」というのはどうかと… 長谷工の了解がなければ何もできないのであれば、規制を設ける必要性など全くありません。何故、地区計画を策定してまで、周辺環境を破壊する高層マンションを阻止しようとしているのかを、邑上市長は全く理解していない(または意図的に無視している)のではないかと勘繰りたくなります。桑津議員の質問は更に続きます。

桑津議員:「吉祥寺東町にかかわる法政跡地の計画についてですが(中略)、法政通りの東西、右左に大きな建物が建つことを想像するだけで、本当に恐ろしくなります。これだけは何としても避けていただきたいし、避けなきゃいけないと私は考えております(中略)。法政大学からも長谷工に強い要望をしてもらうというような気持ちで要望書を出すところです。市からも、ぜひともそういった要望を出していただくようによろしくお願いしたいと思います。
 地元では、今もって法政大学の対応については強い不満を皆さん持っておられます(中略)。今からでも法政大学としてできる限りの善処をとるようにという願いをぜひ伝えていただきたい、申し入れていただきたいと考えます。そうしたことが少しでも長谷工の工事着工への計画にも反映できるのではと考えております。その点についていかがか、市長のお考えを再度お示しいただきたいと思います。」

邑上市長:「法政跡地の件につきましては、既に法政大学に対しましても桑津議員が御心配されるようなこともありますので、要望書というものをもう既に文をつくりまして用意してございまして、今、出す段階まで来ております。機会があれば、時間があれば、直接行こうということで調整しておりまして、議会も始まってしまったので、とりあえず郵送にするか、あるいは時間を見て提出しに行くか、話をしに行くかという段階でございます。その中身につきましては、良好な住環境の保全等から積極的に地区計画策定に向けて理解・協力をしていただきたいということと、長谷工がそれを待たずに着工しないよう、厳しく調整してほしいといったような内容で要望書を構成してございます。」

桑津議員:「市長、最後に一言、法政の問題で、来年4月以降に長谷工が工事を着工することを阻止できるというか、とめることができるかどうか、具体的にどうすればできるのか、市長、どのようにお考えでしょうか。」

邑上市長:「恐らく強引な方法では厳しいというふうに判断しておりまして、最後まで粘り強く調整させていただくということだというふうに思っております。」


 
要望書の文章を作成済なのであれば、本当に動く気があれば議会が始まる前にも渡して話をしに行けると思うのですが。まあ、あまり気乗りはしないんでしょうね、その後の対応を見ても。続いては、山本ひとみ議員の一般質問です。

山本議員:「法政大第一中学・高校の周辺に住む住民が(中略)、去る10月2日に市長あて、15メートルの高さ制限を含む地区計画の申出書を提出して既に2カ月が過ぎました(中略)。しかし、市はいまだ内容について基本的な考え方を提案しておりません。一方、長谷工コーポレーションは、来年6月中にも本工事を始めたい意向のようであり、このままでは地区計画制定が工事着工に間に合わないおそれがあります(中略)。そこで、以下、質問をいたします。
 第1に、地区計画の原案を市はいつ示すのでしょうか。なるべく詳しくお答えください。また、シミュレーションはどのような目的と内容で進めているのでしょうか。
 第2に、市と長谷工コーポレーションとの協議をどのように進めているのか御報告をお願いします(中略)。
 第3に、地区計画制定までのスケジュールをどのように考えているのか(中略)、わかる限りお答えいただきたいと思います。
 第4に(中略)、15メートルはやはり厳しい数字だというふうにおっしゃったのは大変残念で(中略)、きちんとした手続を経て制定した地区計画に対して、あえて長谷工が対抗措置をとると言うならば、それに対して行政、そして市民や市議会が一丸となって住環境を守るために頑張る、このことが必要ではないかと私は考えております。少なくとも、現在時点での基本的な考えについて、もう少し詳しくお答えをいただきたいと思います。
 第5に、早急に地元に市長が出向いて、地区計画協議会の皆さんと話し合いをすべきではないかと考えますので、その点についてもぜひともお答えをいただきたいと思います。」

邑上市長:「吉祥寺東町の文教地区地区計画についてということでございますが(中略)、この1カ月の間にぜひ市の原案を示していきたいなということでございます。現在、特に高さ等につきましてはシミュレーション等をしながら検証を進めておりますが、そのシミュレーションの目的は、本地域における適正なまちづくりを検証するということでございまして、どういうことをやっているかというと、これは長谷工から出された申し出素案に示された建築基礎条件、高さと壁面線の後退の範囲で建築され得る建築物(中略)、それと建築基礎条件を変えた場合の建築物と周辺環境への影響を比較検証しているというようなシミュレーションになってございます。
 次に、長谷工との協議の展望でございますが、申し出以降、事務方レベルで協議を進めているところでございます。着工を阻止するのはなかなか法的には難しいという判断をしておりまして(中略)、当該用地が周辺が低層住宅であるということから、さらに以前は学校施設であるというようなことから、そういう用途地域に指定された経過等も踏まえて、良好な地区環境が形成されるように最大限配慮してほしいといったような点。あるいは、市が策定する地区計画の方向性が定まるまでは、事業着手は行わないでほしいと。それから、さらに地域住民との話し合いを積極的に行い、地域住民の不安や懸念を払拭するよう努めていただきたいというような内容で調整を進めております。
 全体の地区計画のスケジュールにつきましては、6月議会で何とか地区計画決定から、さらにその次の建築規制条例まで議決をいただきたいという方向で目指しておりますが、例えば長谷工との合意形成が図れれば、その時期は必ずしも絶対的ではないのかなというふうに思っております。
 それから、地区計画の提案の中身につきましては、住民主体のまちづくりが大切と私、訴えてまいりまして、地域住民の方の提案ということでございますから、大きな成果ではあるのかなというふうに評価しております。ただ(中略)、今の時点で15メートルはなかなか厳しい制限ではないかなというふうに思っておりまして、さらに慎重に検討を進めていきたいというふうに思っております。
 それから、早急に地元と協議をすべきだという件でございますが(中略)、地区計画の試案を固める段階において、協議会の方々と話し合いをしていきたいなというふうに考えております。まだ日程は決まっておりません。」



長谷工に対して、「最大限配慮してほしい」とか「合意形成が図れれば」とか、甘っちょろいことばかり発言していますが、市長は長谷工が各地で起こしている紛争については一切ご存じないのでしょうか。もし少しでもご存知であれば、そんな話し合いが通じる相手ではないことくらい、すぐに分かると思うのですが。山本議員の質問が続きます。

山本議員:「吉祥寺東町の地区計画の問題なんですけれども、市長の答弁を伺っておりますと、つまり地区計画の内容に関して住民の提案されたことについて、15メートルの高さ制限に関して(中略)、長谷工コーポレーションが了解しないだろうと、対抗措置をとるだろう、だから厳しいと言っているようにしか思えないんですが(中略)、地区計画原案の基本的な考え方というのはどういう点にあるのか、そこをお示しいただきたいと思います。
 それで、もう1点の質問といたしましては(中略)、アンケートやシミュレーションに2カ月以上時間がかかっていて(中略)、もし万が一でも4月以降、地区計画成立以前に高層マンションが建設されるということになれば、これは市として大きく責任が問われる事態となると思います。その点は市長はどのようにお考えなんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。」

邑上市長:「吉祥寺東町について、地区計画の件でございますが(中略)、今以上にもっと緑豊かで、あるいはオープンスペースも加味された安全・安心なまちを目指していくんだという思いは地域の方と同じでございます(中略)が、手続につきましてはなかなか法律的な要件がございますので、地区計画はその地区での基準であるとともに、武蔵野市全体への今後の地区計画を展開する上での1つのひな形になってくる(中略)ので(中略)、高さ等については地域での考え方もありますが、市としての全体的な考え方を踏まえた上で(中略)、それを含めて検討しているところでございます。
 手続的にはかなりタイトではございますが、当初予定しておりますようにプログラムを組んで、6月、何とか建築条例まで指定したいという目標でさかのぼって議論を進めておりますので、市の案がある程度まとまってきた段階で、地域にもそれをお示しして御理解をいただきたいなというふうに思っております。」



どうも、徹頭徹尾噛み合わないですね。周辺住民が要望しているのは、先ず第一に建物の高さを抑えて欲しいということであって、オープンスペース云々はその次の筈です。プライオリティが勝手に歪められているのが残念でなりません。続いての山本議員の質問で注目すべき発言が飛び出します。

山本議員:「市長は高さ制限について市内全体のバランスということをおっしゃいましたが(中略)、長谷工コーポレーションが了解する、もしくは合意するということを優先していて、私はそれよりももっと前に早く成立させる、地区計画を早くつくる。国立市などは臨時議会も開いて(中略)、手続を経て制定するということが一番業者を規制することになると思うんですね。そこで、ぜひ全力を挙げていただきたいと、それを私たちとしてもぜひ応援したいんですけれども、いかがでしょうか。」

邑上市長:「地区計画の件でございますが、何か勘違いされているのかもしれませんけれども、国立市の例は私、必ずしもいいとは思っておりません。地域で地区計画を議員も一緒になって、3カ月で短期間で成立されたというのは評価されるかもしれませんが、結果として建ってしまったじゃないですか。なので、地区計画を優先するということより、やはり合意のもとでのまちづくりの方が健全でありますし、対立の中でいいまちづくりは私はできないというふうに思っております。ですので、ぎりぎりのところまで長谷工とは真摯に協議していきたいというふうに考えております。」



国立市の例を真っ向から否定しています。結果として建ってしまったというのがその理由のようですが、条例を制定して規制をかけても建ってしまったのに、規制もなくして事業者側が譲歩すると本気で思っているのでしょうか。第一、事業者側はまちづくりの視点など全く持ち合わせておりません。いくら邑上市長が高邁な理念をお持ちでも、悪徳事業者にそのような正論は通用しません。だから、敢えて法的な規制で対抗しようとしている、この点を根本から理解いただけていないような気がして残念です。続いては、三宅英子議員の一般質問です。

三宅議員:「吉祥寺東町の法政一中・一高の移転の情報を昨年4月に三鷹市から聞いて、初めて武蔵野市は知ったと聞きましたけれども(中略)、本来であれば、武蔵野市に対して、直接法政側からの連絡があって当然ではないでしょうか。地域の学校との連携は自治体として極めて重要だと思いますが、移転で明らかになった法政側と武蔵野市のこのようなコミュニケーション不足がなぜ生じたのかをお尋ねします。」

邑上市長:「法政一中・一高の移転の件でございますが(中略)、移転が公になる前に市に対し事前に説明があったという事実はないと聞いております。そして、法政側と武蔵野市のコミュニケーション不足がなぜ生じたか、これはちょっとよくわからない件でございますが、移転の事実が公になってから、市としては積極的に取得の意向を法政大学に働きかけた経緯を思いますと、事前説明がなかったことについては大変残念に感じております。」

三宅議員:「法政の一中・一高の移転のとき、どうして武蔵野市に直接言ってこないのか(中略)、法政に対してはもっと厳しく、文書を出すとおっしゃっていましたけれども、乗り込んでいっていただきたい、それをまず第1点、要望いたします。これに対して市長の御答弁をお願いいたします。」

邑上市長:「当然のことながら、法政につきましては法政大学の方に要望書を今、提出する直前でございますので、今後も強く要望していきたいなというふうに思っております。」



もう、この手の問題をほじくり返してどうなるものでもないと思いますが… 最後に、議員提出議案として、「法政大学第一中学校・高等学校移転に関する決議」が採決され、全員一致で可決されます。内容は下記の通りですが、決議の提案説明が大野まさき議員からなされています。

大野議員:「本議案の提案者ともなりました法政大学第一中・高等学校跡地を考える東部地域議員有志の会は、昨年、市民から法政跡地の取得を市に求める陳情などが出されたことなどの経緯を受けまして、昨年12月に超党派で結成いたしました(中略)。また、ことし1月には法政大学側へ市の跡地取得と、また周辺環境に配慮した開発となるように求めた要望書を提出いたしましたが、これまでのところ、何の反応もございません。立つ鳥、跡を濁さずという言葉があるかと思いますが、法政一中・一高自身は(中略)、吉祥寺東町の跡地について、余りにも無関心ではないかという思いもいたします。
 また、少子・高齢化が進んでいる中、今、大学というのは地域貢献というのが非常に重視されているものと思いますが、これについて法政大学側はどのように考えていらっしゃるのでしょう(中略)。長谷工コーポレーションへ売却契約先は決まっているものの、まだ地権者である法政側の責任は当然あると思います。
 また、戦後直後のころから、これまで現在地で存在してこられたのは、決して同校の力だけではなかったと思います。ぜひこれまでの対応を改めていただきたいと思います(後略)。」



この声が、法政側に届くことはあるのでしょうか…

法政大学第一中学校・高等学校移転に関する決議

 吉祥寺東町3丁目にある「法政大学第一中学校・高等学校」は、来年度より男女共学の「法政大学中学校・高等学校」と改称し、三鷹市牟礼に移転する予定だが、移転後の同校跡地周辺住民にとって大きな不安が残されている。市民要望もあったことから武蔵野市は「公有地の拡大の推進に関する法律」に基づいた同校跡地取得を含め、再三にわたって要望、交渉してきたが、法政大学側は跡地売買契約を株式会社長谷工コーポレーションと結んでしまった。跡地には大型マンション建設の予定があり、周辺地の市民からは、住環境を守るために、高さ制限を求めた地区計画案が市側に提出されている。
 本市議会においては同問題に関連した「法政大学第一中・高等学校移転後の校地跡地取得に関する陳情」を初めこれまで計5本の陳情が採択され、法政大学側へも「法政大学第一中・高等学校跡地を考える東部地域議員有志の会」で、市の跡地取得と周辺環境に配慮した開発となるよう求めた要望書を本年1月に提出したものの、これに対する対応も今までに何ら見られない。
 長年にわたり同校が吉祥寺東町に存在しえた背景には、周辺地域の良好な住環境による恩恵や、さまざまな目に見えない事柄も含めた協力があったものと思われるが、そうした地域社会に配慮することなく、同校が移転をしていくことは誠に遺憾である。同校は今回の移転に関する基本構想の中で、「魅力あふれる男女共学校として、諸改革を推進し、モラル教育も積極的に行い、地域の模範となるよう努める」、「三鷹ネットワーク大学との連携も行い、地域住民を中心とする市民に開かれた学校となる」としている。しかし、「地域の模範」、「地域住民を中心とする市民に開かれた学校」を目指すならば、これを本市内においても実践すべきと考える。
 よって、武蔵野市議会は、同校及び法政大学側が今からでも誠意を持って、跡地売却契約先に対して同校跡地の抱えている周辺住民の住環境維持等の課題解決に向けた要請を行う等、最大限の取り組みをしていただくよう強く求めるものである。
 以上、決議する。
 平成18年12月  日
武 蔵 野 市 議 会

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市議会における法政跡地問題討議経緯について(6)

前回、平成18年第3回定例会のご報告が長くなり過ぎてしまいましたので、その後半部分です。前回ご案内した通り、山本ひとみ議員の一般質問から再開させていただきます。

山本議員:「今、吉祥寺東町では、法政大付属中学校・高校の跡地を長谷工コーポレーションが取得して、高層マンション建設が大変懸念されております。周辺は低層の閑静な住宅街であり(中略)、これまでの住環境が大きく損なわれるために、今、住民が自発的にまちづくり協議会を結成して、吉祥寺東町文教地区を目指して大変熱心に活動されていらっしゃいます(中略)。
 しかし、先ほどの小林議員の質問に対する市長の答弁ということに関しては(中略)、15メートルの高さ制限に関して、まだこれについては住民の皆さんが正式な提案もしていない(中略)状態で、そのような動きに水を差す、市民との協働や連携に水を差すような行為というふうにも私は受け取りましたので、この点に関しては大変残念に考えております。
 また、15メートルの高さに関しては困難ではないかということをはっきりおっしゃいましたけれども(中略)、現在の環境よりも悪化させないということであって、これは大変合理的な主張であると私は考えております。また、市長の発言の中で、特定の者に著しい利益や不利益を受ける者が存在しているというようなお言葉がありましたけれども、これは、では開発業者のもうけを損なってはいけないということなんでしょうか(中略)。
 また、損害賠償があるということも予想されるなどとおっしゃいましたけれども(中略)、正式な手続、住民が署名を集めて、そしてきちんと市がそれにのっとって議会で建築条例を議決して、その条例をわざわざ破るということを裁判所が認めるでしょうか。それに関して、どちらの側に立っているのか、先ほどの御答弁は私としては大きな疑問を感じました。」

邑上市長:「まちづくり条例の検討の進捗状況でございますが(中略)、ベースは開発指導要綱ということになりますが(中略)、その中身を見ますと、事業者に対して一定の義務を課し、権利を制限するところもあり、このことからも条例化が必要という認識を持ってございます(中略)。近隣との協議の早期化と機会を拡大する(中略)、そういった行政協議に先立つ住民調整手続の制度化や事業計画の公開など、透明性の高い手続を確立するなど、事業者と近隣住民との調整機会をこの条例の中で充実させていきたいなというふうに考えております。これらの協議の実効性を確保するためにも、公表なのか罰金なのか、まだわかりませんが、ある一定のペナルティーは必要だというふうに考えております。
 さらに、高さ制限の件でございますが(中略)、いろいろ方法は出てきたわけでございますが、高さ制限を行う場合は、高さだけではない、やはりまちづくりを考えていく視点が必要でございまして、通常の今、ベースとなっている建ぺい、容積が果たして高さ制限によってどのような影響を受けるのかということも大きく考える要件ではないかなというふうに思います。高さ制限ということで規制が強められるということもありますので、法の規定やほかの自治体での事例とともに、今まで本市が使っておりました宅地開発指導要綱等の成果も踏まえながら、今後検討していきたいなというふうに思います。」



かなり長文の遣り取りですので、枝葉の部分は大幅にカットさせていただきました(それでもこの長さです)。しかし、ここでも法政跡地問題という具体事例に絡めてまちづくり条例の進捗状況を質問している訳ですが、それに対して一般論での回答に終始しており、どうも法政跡地問題について言及して後で言質を取られないようにしている気がします。また、気になるのは、ここでも事業者と近隣住民の調整機会の充実を表明しており、市が主体となる気はないのかという疑問が生じてしまいます。山本議員の一般質問は更に続きます。

山本議員:「まちづくり条例に関して高さ制限の問題について(中略)、特定の者に著しい利益や不利益を受ける者が存在する場合に関しては、なかなか課題が大きいというようなことをおっしゃいました。それで、高さ制限の研究はいろいろされているようですけれども、高さ制限をすることによって、例えば特定の業者が、これは自分にとっては著しい不利益だというふうに主張することだって、それはあると思うんですけれども、だからといって景観上、また住環境を保全するために規制をかけるということは市にとっては必要であると思いますが、それはどのようにお考えなんでしょうか。
 それから、7月以降、長谷工と土地を買うかどうかではなくて、マンション建設の問題に関しては具体的にどういうやりとりがあって、どのような指導や、規制をこういうふうにしたいんだけれども、どうなんだと。住民の方たちに対して、これはきちんと周辺との調和をあなたたちも考えるべきじゃないかというようなことはおっしゃっているんでしょうか。」

邑上市長:「地区計画というのは規制をするというのが第1目的ではなくて、地域のまちづくりを進めていく中で共通認識のものをルール化していくんだということでございますので、当然のことながら開発業者を含む地権者の意向というのも、まちづくりの中に大いに意見を出していただかないといけないのではないかなというふうに思います。ですので、ルール化に当たりましては、地権者の3分の2以上の同意というのは、なるべく地権者で合意しようという趣旨でございますので、大いにこれから地権者と話し合いができればいいのではないかなというふうに思っております。
 それから、長谷工に関しまして具体的な協議のプロセスに入ってございませんが、当然この間、地域の環境に最大限配慮してほしいといったような趣旨で話は進めているわけでございます。」



住環境の保全上、市として規制が必要ではないかという質問の主旨に対して、まちづくりの共通認識をルール化するのが地区計画だと答弁し、ここでも問題を住民間の話し合いにすり替えています。どうしても、市としては事業者に対して直接規制を行うことに及び腰のようです。また、事業者も含めた地権者の3分の2以上の同意が必要とわざわざ発言する辺り、どうせ同意を集められないと高をくくっていたのではないかという気もします。山本議員の質問が続きます。

山本議員:「高さ制限の問題に関して伺いますけれども、私がちょっと問題だなと思いましたのは、市長の考え方の中で、何か規制をかけることに関して及び腰になっている(中略)。市民の皆さんが自分たちの力で地区計画をつくって、関係者の方たちに判こを一生懸命とって歩いているときに、一定の立場でそれと違うことを主張するということは、これは私は非常におかしな行為だというふうに思うんですね。それはどうなんでしょうか(中略)。
 新しい質問として、損害賠償があるかもしれないというふうに予想されるとおっしゃっていましたけれども、これはなぜそんなふうに考えるんですか(中略)。それが住環境の保全にとって、もしマイナスな裁判の提訴だったら、きちんと受けて立って勝つように頑張るべきなんじゃないですか。それに負けるような可能性があるみたいなことを今からおっしゃるのは、非常によくないと私は思うんですけれども、それは高さ制限のことを研究されて、なぜそういうふうに思っているのかお答えいただきたいと思います。」

邑上市長:「地区計画の件につきましては、この間、市としましても大いに心配している件でございまして、法律事務所等にも御相談しております。法律事務所の見解を少し申し述べますと、地区計画は建築条例により規制がかかるものであるが、法令や条例は一般性が求められ、普遍的なものである必要があり、特定なものをねらい打ちしたものではない(中略)。素案では対象を特定していることが明らかで、条例の違法性が問われる可能性が大きいということを述べられています。さらに、財産権の侵害ということで、特定箇所に規制がかかるものであると、事実上の財産権の侵害となる。また、これは高さの最高限度だけでなく、機械駐車場、壁面線の後退、公園の配置などの制限なども特定の制限となっている。売買契約時点以前の規制ではないため、事業採算性の問題などについても地区計画の合理性に問題が生じるといったような見解もありますので、今後こういった見解も含めて慎重に対応していきたいなというふうに思っております。」

山本議員:「高さ制限の地区計画のことに関してなんですけれども、条例が違法かもしれないみたいなことを、市の人ではない法律事務所の方がおっしゃったそうですが、それは市役所自身で考えていただくことだと思いますし、住民の方たちはどこかをねらい撃ちにしたものではなく、マンション建設にも反対していないと。まちづくりを本当に自然との調和がとれた、住環境を守れるものにしたいという熱意でやっているものですから、そこは誤解が大きいと思います。
 最後に、邑上市長が6月の建設委員会で、密度の濃い開発というのはあの地域にふさわしくないというふうに思っていると。今後とも地域の皆様の声を聞きながら、まちづくりの方向性を大いに議論し、必要な規制誘導をしていきたいというふうに答弁があったわけですけれども、そのことをこれから生かしていくということに関してはしっかりやっていただきたいんですが、どうなんでしょうかお答えください。」

邑上市長:「法政跡地の件につきましては、あの地域は密度の濃い、オープンスペースの少ない地域でございますので、オープンスペースを確保したいな、緑をもっとふやしたいなという思いは地域の方と同じだと思います。しかし、密度論から申しますと、高さを抑えるというのは逆に建ぺい率を最大限使われると、建ぺい率、建物面積がふえるということにも直結してまいりますので、この辺は十分に考える必要があるかな。私は、密度が薄い方がいいと言ったのは、オープンスペースだとか緑だとか、そういうものをもっと主眼とした地区になってほしいなということでございまして、絶対的に何メートル以下にしなければいけないという考えは今のところ持ってございません。」



いみじくも、邑上市長が紹介した法律事務所の見解、これが市側の主張の全ての根源となっているとすれば非常に残念です。これらの見解は、いかにも実務知識の乏しい一般論としてのリーガルオピニオンにありがちな表現の羅列です。住民側の素案に(もし)そのような問題があるのであれば、それを治癒するためにはどうすればよいかを考えるのが、本来有能な弁護士がする仕事です。どこの事務所に相談しているのかは知りませんが、この程度の見識に基づいて住民側の財産権の侵害を容認されるのは、理不尽です。また、「密度の濃い開発」云々についても、ここで市長の考える適正なまちづくりを聞きたい訳ではありません。住民側が高層建築物はNoと言っているのに、高さを抑えると建ぺい率を最大限に使われますよというのは大きなお世話です。それに、建ぺい率は入居者の問題でしょう。全く、論旨が破綻しています。

山本議員の一般質問が長くなってしまいましたが、まとまった質問という形はこれで最後です。この他、武蔵野市の決算認定の質疑の中に、川名ゆうじ議員と島崎義司議員の法政関連の発言がありましたので、そちらをご紹介いたします。

川名議員:「前市長が突然辞職されたことにより、政策決定ができず、後に課題が残された年でもありました。例えば、境の郵政宿舎跡地は前市長時代からの課題でありましたし、法政跡地については職務代理者のもとでは判断ができずに先送りされてきた課題であったことが審査でわかりました。邑上市政になって降ってわいた課題ではないのです。このような状況下で邑上新市長となった年が17年度であり、財務状況の先行きが不透明な中でおおむね適正に市政が運営されたことは評価したいと思います。」

島崎議員:「旧武蔵境郵政宿舎跡地取得のチャンスをみすみす見逃したこと。すなわち、最も取得しやすく、安価で手に入る国有地の払い下げを、しかも緑地や都市公園などにすれば補助金なども期待できるものを、いとも簡単に断るという政策判断の間違いをあくまでも認めようとしないこと。そして(中略)、その後、低く見積もっても、境郵政宿舎跡地の数倍はする法政跡地について、何の裏づけもなく議会で簡単に買いたいと言ったものの、結局は買えず(中略)、土地取得の考え方の整合性は全くとれていないと言わざるを得ません。」



邑上市長を評価する声、指弾する声と両極端ですが、評価は皆様にお任せします。後は、平成18年第4回定例会です。できるだけ早く、討議内容をご紹介します。

テーマ:住宅・不動産 - ジャンル:ライフ

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