吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

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やはり嘘だったプレミアムプランの完売~続・本当は何戸売れてるの?~

ここ数日、春一番なのか強風の日が続きました。気のせいか、以前より風が強くなったようにも感じます。これが、吉祥寺レジデンシアによる風環境の変化によるものでなければ良いのですが…

3月下旬引渡予定となっている吉祥寺レジデンシアも、いよいよ入居が近付いているようです。敷地の周辺の囲いが邪魔で、特に女子大通りと美大通りの交差点の辺りは、信号待ちをするスペースすらろくに確保されていない状態。歩行者の安全確保の観点からも、早く引渡を行って、このうっとうしい敷地の囲いを取り払って欲しいものです。

交差点の様子(囲いが邪魔で信号待ちのスペースなし、クリックで拡大)

さて、そんな吉祥寺レジデンシアですが、この3連休はフリー見学会なるものを開催していました。今まで、頑なに「予約制」という「個人情報と引き替えでなければ見学させない」という身勝手な方針を貫いてきた訳ですが、いよいよ引渡時期が迫る中、大量の在庫を抱えたままではマズイと方針を変更したということでしょうか。但し、チラシには小さく「ご見学後は簡単なアンケートにお答えいただきます」とありますので、個人情報を提供せざるを得ないことには変わりはないようですが。セールス電話の嵐を気にされる方は、引き続き見ることすら難しそうです。

フリー見学会(「堂々完成」がむなしく響きます、クリックで拡大)

このフリー見学会は、建物内のモデルルーム3戸(東棟806号室、西棟702号室、506号室)が見られるようです。この3戸のうち、西棟702号室というのは「Premiun E」タイプと銘打たれており、いわゆる「プレミアムプラン」として「オーダーメイドシステム」を売りにしていたものです。にも関わらず、既に完成しているのに売れ残っているようでは、折角の「オーダーメイドシステム」が泣いているというものです。1億円超の無謀な値付けは、やはり「その価値なし」と判断されたということでしょう(プレミアムプランが「プレミアム」に値しないことについては、過去のエントリプレミアムプランの行方をご参照下さい)。

プレミアムプランE(1億6520万円の価値はないと判断されているようです、クリックで拡大)

それはともかくとして、ここで指摘したいことは、過去のHPの物件概要においては「プレミアムプラン」は既に全戸供給済とされていたことです。そのことを突き詰めていくと、そこにはセコ過ぎる隠蔽工作の跡と大量の完成在庫の形跡が、そこかしこに残されていました。

先ずは、既に過去のエントリ本当は何戸売れてるの? でも紹介した、第1期(先行して「会員限定分譲」を行っていたため、実質第2期)の物件概要に記載されていた「お詫び」にはこうありました。

<お詫びと訂正>
※本物件については、物件ホームページ等にて予告広告・本広告を実施し、2009年6月20日(供給戸数:91戸)より販売を開始しており、総戸数208戸に対し110戸については供給済となっております。

本来、予告広告を行った広告媒体については、同媒体で本広告を行わなければならないところ、本サイトにおいては予告広告を行ったにも係わらず、本広告を行いませんでした。また、本サイトにて2009年8月18日まで掲載しておりました物件概要については、未供給住戸98戸の予告概要とすべきところ、総戸数 208戸の全体概要となっておりました。ここに深くお詫び申し上げます。

なお、未供給住戸98戸の予告概要は、販売予定価格6300万円台~10600万円台(変更前:5000万円台~18100万円台)、専有面積67.39m2~94.91m2(変更前:60.24m2~142.74m2)となります。



この記載によれば、第1期の販売開始時点では、110戸が供給済で、未供給住戸は98戸であること、未供給住戸の中にはプレミアムプランが含まれていないことなどが分かります。この時点でも、前述の過去のエントリでは、(1)供給済とされている住戸の数(110戸)が実際の会員限定分譲戸数(先着順を除くと99戸)と合致しないこと、(2)会員限定分譲ではほとんど分譲されていなかった1億円超の「プレミアムプラン」が、すべて供給済に変更されていることの矛盾を指摘しました。

第1期については、間に先着順住戸の販売を挟みながら、第1期22戸、第1期2次2戸、第1期3次2戸を売り出しました。細切れな販売戸数に極度の販売不振を見て取ることができますが、この後、そんなことは問題にならないくらい決定的な販売不振の証拠を自ら明らかにします。

今年に入ってから始まった第2期(実質は第3期)の予告広告に記載されていた物件概要には、「その他」欄に以下のような注記がなされていました。

※表示されている価格、専有面積等の数値は、第2期以降の全住戸(96戸)を基礎としています。第2期の販売戸数、価格、専有面積等は本広告におきましてお知らせいたします。



あれあれ? 第1期の販売開始時点での未供給住戸は98戸で、第1期では計26戸を売り出した筈。にも関わらず、「第2期以降の全住戸」が96戸って一体? ここでも、単純な引き算が成り立ちません。供給済には、大量の未契約在庫が潜んでいたようです。それとも、長谷工方式の戸数計算は、我々素人には到底及びもつかないような複雑な計算方法となっているのでしょうか。

しかし、この第2期の予告広告の疑問はこれだけにとどまりません。予告広告中の予定販売価格は「6,510万円(予定)~9,770万円(予定)」とあり、これまたプレミアムプランは含まれていないことが分かります。にも関わらず、現在の建物内モデルルームには、堂々とプレミアムプランの住戸が含まれている、このことはどう説明すれば良いのでしょうか? 「第2期以降の全住戸」とされている96戸以外に、一体どれだけの未契約在庫があるのでしょうか?

第2期24戸の販売が終わった後は、また例によって先着順住戸の販売に移っていますが、その販売戸数も何故か29戸→28戸→27戸と微妙に変化しています。中味がほとんど一緒であることは、物件概要の記載から容易に知れますが、こんなスローな販売ペースでは、一体いつになったら完売することやら… 学区にある本宿小学校にも、吉祥寺レジデンシアの4月からの転入生はほとんどいない模様。全ての客観的な情報が、極度の販売不振を物語っています。

建ってしまった以上は、せめて早期に販売し、新しい住民の方たちが早く地域に溶け込んでくれれば良いのにと思いますが、長谷工軍団が自らの欲の皮を徹底的に突っ張らせた結果、それすらも難しいようです。4月以降は、灯りの点らないゴーストマンションを毎日見続けなければならないのでしょうか?
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臭いの元は吉祥寺レジデンシア ~アスファルト防水工事は安全なのか~

前回のエントリでお伝えした穴吹工務店の倒産は、それなりにインパクトのあるニュースだったようで、その後も様々な形でマンション市況の厳しさを再認識する報道が続いています。個人的には、需給バランスを考えればマンション市況が当面回復しないことなど当然なので、「何を今さら」感も強いのですが…

一例を挙げると、11月30日付の日経新聞の「経営の視点」というコラム記事に、「『穴吹破綻』が映す市場収縮 分譲マンション 転換期に」が掲載されていました。記事自体は、穴吹工務店が創業から供給戸数全国トップに登り詰め、そして破綻に至るまでの経緯をかいつまんで説明したものですが、記事の結びがタイトルに反映されています。その部分だけを引用すると、

 (前略)06年まで10年あまり続いた分譲マンションブームに多くの起業家が群がった。用地を確保すれば設計・施工はゼネコンに丸投げ、販売は大手仲介会社への委託で済む。「机と電話があればマンションデベロッパーは誰でも始められる」とさえいわれた。
 昨年来、新興不動産会社の破綻が相次ぎ、安直なマンションビジネスは影をひそめつつある。民主党政権はマニフェスト(政権公約)で「賃貸住宅の整備」を掲げ、住宅取得政策は後退する方向。市場の収縮は一時的なものではなさそうだ。穴吹工務店の破綻は分譲マンション事業の転換期を暗示しているようにみえる。



正に「安直なマンションビジネス」に一口かもうとしたマンションデベロッパーたちに金だけ出させて、実際は自分たちですべての事業を取り仕切ってきたのが長谷工の本質であったことは、本ブログでも再三指摘しています。この記事が主張するところの「分譲マンション事業の転換期」イコール「長谷工凋落への転換期」と思えてなりません。

与太話はこれくらいにして、本題に移りたいと思います。前回のエントリで、吉祥寺レジデンシア工事に伴う「溶融アスファルトの強烈な悪臭」が、近隣にまた迷惑を掛けていることを簡単にお伝えしましたが、今回はその問題について調べてみました。その結果、そこにはいつも通りの長谷工の身勝手さが横たわっていたのでした。

先ずは、工事に先立って配布されたお知らせチラシの文面をご紹介します。なお、この文面だけではアスファルト防水工事がどのようなものかが全く分かりません。けんけんちくちくという建築情報サイトの下記のエントリにかなり詳しく紹介されていますので、事前にお読みいただくと良いかも知れません。

アスファルト防水
アスファルト防水-その2
アスファルト防水-その3

近隣の皆様へ

 謹啓、皆様におかれましては、ますますご清祥の事と存じます。
弊社の吉祥寺マンション計画につきましては、日頃より大変ご心配、ご迷惑をお掛け致しておりますが皆様のご理解とご協力のもと、進めさせていただいております事に感謝を申し上げます。
 さて、本工事を進める中、屋上アスファルト工事を行う上で白煙及びアスファルトの臭いが有ります。
アスファルト工事期間及び順序に付きましては、下図の通りでございます。
引き続き皆様のご理解とご協力を賜りますように、宜しくお願い致します。
(注:白煙につきましては、最寄りの消防署に連絡済でございます)
※雨天の場合は順延、及び工事上順位が変更になる場合があります。

アスファルト工事期間10/22(木)~11/28(土)



これを最初に見たときは、「多少の臭いがあるのね」程度にしか思いませんでした。何故なら、道路のアスファルト舗装工事現場でも、多少油っぽい臭いがするだけで、アスファルトの強烈な悪臭を体験したことなどなかったからです。しかし、実態は全く舗装工事とは異なるものでした。

周囲への悪臭は、工事箇所や風向き・風の強さなどによって、どちらの方角に発生するかは日々異なります。しかし、無風ないし風の弱い日に近くでこの工事が行われると、周囲一帯ないし特定の方角に強烈な悪臭が充満することになるのです。臭いはゴムを焦がしたときの臭いに似ており、臭いの強い日は窓を開けることはおろか、外に洗濯物を干すことも(臭いが移りそうで)できないほどです。こんな工事を1ヶ月以上にわたって住宅密集地で行う神経が理解できません(なお、工事が全体に遅れているようで、予定工事期間が終わった12月に入っても工事は行われています)。

工事遅延のお知らせ(工事が遅延しても竣工時期は一緒、クリックで拡大)

これだけの悪臭を周囲に撒き散らす工事が、果たして健康被害がないものなのか、非常に不安になります。そして、そのような不安を感じるのは万人共通のようで、アスファルトルーフィング工業会という業界団体のHPには、わざわざQ&Aとして煙と臭いによる、人体への影響はありませんか?という問いが設定されています。

(なお、この他にも日本アスファルト防水工業協同組合という業界団体もあるようで、こちらのHPにも「アスファルトの安全性」というトピックが掲載されています。内容はほとんど一緒なので、ここではアスファルトルーフィング工業会の方に絞ってご紹介します)

この手の業界団体が、わざわざ「健康被害があります」などと主張する訳もなく、ここでも「煙、臭いの発生源であるアスファルト防水の工事現場を想定して、規制値と実測値を比較すると、いずれの対象物質も規制値を下回っており作業上の人体への影響はないと考えられます」というお決まりのロジック(規制値を下回っているから問題なし)が展開されています。

更に、発がん性が懸念される物質(ベンゾ(a)ピレン)の発生量についても、「加熱アスファルト混合物製造プラントからの排出は他の排出源と比べ、ベンゾ(a)ピレンの発生量は非常に少ない」とし、「加熱アスファルト混合物製造会社や道路舗装作業者、アスファルト防水作業者等、アスファルトを取り扱う作業に従事した人の健康調査においても、一般人との間に健康上の差異が認められていない」としています。

また、臭気の問題については、硫化水素の濃度が悪臭防止法の規制値(0.02~0.2ppm)に対して、アスファルト蒸気発生源から1m地点実測値が0.05ppm未満となっていることから、「臭気に関しては、アスファルト防水工事周辺で感知される場合がありますが、悪臭物質の濃度の低さをまず理解し、安心して戴く必要があります。又、臭気に鋭敏な方には窓を閉める等の外気との接触を避けて戴くご協力をお願い致します」と結んでいます。

しかし、この主張にはかなりの無理があります。同じところに「臭気を感知する濃度」(下表を参照)が掲載されており、その中には「だれでも臭気を感知できる」濃度は0.2~0.3ppmとされています。しかし、近隣住民が臭気を感知する場所は先程の「アスファルト蒸気発生源から1m地点」などではなく、屋上での作業ですから優に2~30mは離れた地点での話です。距離による拡散具合も加味すれば、そもそも発生源での濃度がこのデータとは比較にならないほど高いとしか考えられません。

臭気を感知する濃度(どれだけ高濃度の蒸気を発生させているのか?、クリックで拡大)

そう考えると、そもそも発がん性もあるとされるアスファルトをこれだけ撒き散らす工事が、果たして本当に安全なのか、そのこと自体に疑問を憶えざるを得ません(アスファルトの安全性については、国立医薬品食品衛生研究所の国際化学物質安全性カードの中のアスファルトに関する記載が参考になります。そこには、「あらゆる接触を避ける!」、「吸入の危険性:20℃ではほとんど気化しない。しかし、拡散あるいは加熱すると浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある」、「長期または反復暴露の影響:この物質のフュームは人に対して発がん性を示す可能性がある」と安全性を否定するような記載が満載です )。

長谷工が採用している工法が(説明不足によって)全く不明な以上、はっきりとしたことは言えないものの、唯一確かなのは、かなりの臭気と発煙を伴う工事を住宅密集地で行っているということです。この点については、先程も登場した日本アスファルト防水工業協同組合が環境対応型アスファルト 「シグマートE」なる商品をラインナップしており、そこでは施工温度を通常の260~270度から170~190度に下げることで、「アスファルト特有の臭気、発煙を極限まで低減し、施工現場周辺に与える影響を最小限にすることに成功し(中略)、今まで敬遠されてきた市街地等への施工にも安心してご利用いただけ」ることをアピールしています。このような技術を採用する気は、例によってコスト低減だけを至上命題とし、安普請な建物を建て逃げることだけを考える長谷工には、採用する気は一切ないということなのでしょう。それは、今までの一連の経緯を見ても、あまりにも明らかです。

散々迷惑を掛け続けてきた結果、「この程度の迷惑の追加は大したことないだろう」とでも考えているのかも知れませんが、発がん性が疑われるような物質を大量に撒き散らす工事を行う以上、先程のペラッとしたお知らせ一枚だけ配布してお終いという態度には、本当に怒りを覚えます。長谷工という会社には、一切の倫理感覚はないということを、このアスファルト防水工事からも感じざるを得ませんでした。一日も早く工事が完了し、二度と地域に顔を見せないで欲しいものです。

しかし、第1期3次販売も2戸のみ、それが終わると以前とほとんど一緒の先着順販売を繰り返すという極度の販売不振状態では、それもしばらくの間は期待薄ですか、残念ながら…

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本当は何戸売れてるの?

吉祥寺レジデンシアの工事は、周囲に騒音を撒き散らしながらも日に日に進んでおり、先週末頃から北側の妻側住戸のネットが取り払われ、マンションの外壁が見えるようになりました。南側の妻側住戸は既に以前からネットが取り払われており、外観の一部を見ることができましたが、それが一層進んだ印象です。

但し、その外観は今一歩という印象が否めません。焦げ茶色をメインとしたタイル貼りの外壁に、バルコニー部分の上下の縁取りとして白いラインが入っているのですが、これが色のコントラストのせいか、非常にチープなのです。本当にチープな素材を使用しているのかどうかは定かではありませんが、色の組み合わせがマッチしていないと感じます。この辺りは趣味の問題もありますので、一概にこれが悪いと決めつけることはできませんが、少なくともそのように感じる者がここに一人いるということです。この物件を検討している奇特な方も、一度実物を見てみることをオススメしておきます。

北側妻側住戸の外観(この配色はちょっと…、クリックで拡大)

さて、吉祥寺レジデンシアのルール無視の奇妙な販売方法については過去のエントリいつまで続く? 会員限定分譲ここに究まる吉祥寺(笑)でお伝えした通りですが、売れ行き不振を隠して販売を続ける手法は、早くも破綻を来しつつあるようです。

上記エントリでもお伝えした「会員限定分譲」という名の実質第1期販売は、1次から6次までを合計すると99戸が売り出された勘定となります(これ以外に、同時期に先着順で16戸が売り出されています)。HPを中心に掲載されていた「第1期91戸」の予告広告との因果関係は不明ですが、この点については公式HPの物件概要に以下のような「お詫び」が掲載されていました(現在は既に削除済)。

<お詫びと訂正>
※本物件については、物件ホームページ等にて予告広告・本広告を実施し、2009年6月20日(供給戸数:91戸)より販売を開始しており、総戸数208戸に対し110戸については供給済となっております。

本来、予告広告を行った広告媒体については、同媒体で本広告を行わなければならないところ、本サイトにおいては予告広告を行ったにも係わらず、本広告を行いませんでした。また、本サイトにて2009年8月18日まで掲載しておりました物件概要については、未供給住戸98戸の予告概要とすべきところ、総戸数 208戸の全体概要となっておりました。ここに深くお詫び申し上げます。

なお、未供給住戸98戸の予告概要は、販売予定価格6300万円台~10600万円台(変更前:5000万円台~18100万円台)、専有面積67.39m2~94.91m2(変更前:60.24m2~142.74m2)となります。



「ルールを守る」などという社会人として当たり前の概念が根底から欠落している長谷工にとって、この程度のルール無視は朝飯前な訳ですが、この「お詫び」にはいくつか注目すべき点があります。一つは、供給済とされている住戸の数(110戸)が実際の会員限定分譲戸数(先着順を除くと99戸)と合致しないこと、そしてもう一つは、会員限定分譲ではほとんど分譲されていなかった1億円超の「プレミアムプラン」が、すべて供給済に変更されていることです。

これはすなわち、単に本広告を行わなかっただけでなく、それ以外でも分譲を行ったと考えないと説明が付きません。会員限定分譲を行っている最中の、「会員限定分譲」。どこまでルールを無視すれば、長谷工という会社は満足するのでしょうか? もっとも、そこまでして本当の売れ行きを隠さなければならないという深刻な事情もありそうです。

会員限定分譲の後に行われた「第1期」という名の実質第2期販売は、22戸を売り出し、さる10月11日に抽選が行われています。先の「供給済110戸」と併せて考えれば、順調に売れているように見えます。しかし、この実質第2期である「第1期」(ややこしい…)販売が終わった途端、今度は「商談順位先着順住戸」として21戸の販売が開始されました。これって一体…

他の物件でも、期分け販売の売れ残りを「先着順」として売り捌くケースは多く見受けられますが、この場合、そう考えてしまうと「第1期」22戸中21戸は売れなかったということになってしまい、いくら販売不振を極める吉祥寺レジデンシアといえども、そこまで売れないとは考えにくいでしょう。とすれば、「供給済」と称する110戸の中から、「供給はしたが売れ残っている」分を「第1期」22戸の売れ残り分に紛れ込ませて処分していると見るのが妥当でしょう。

こんなことを書くと、「売れ行きがいいから未供給分の追加販売を行っているのではないか」と、長谷工シンパ(いるのか、そんな奇特な人)からクレームが入りそうですが、それだけ順調に売れるのであれば、「第2期」として堂々と売り出せば良いだけの話です。それができないのは、やはり大量に売れ残っているからに他ならないでしょう。

個人的には、ルールを無視してまでこのような奇妙な販売方法を採った理由は、「供給済110戸」という数字を創りたかったのではないかと睨んでいます。現に、マンション関係の掲示板には、モデルルームで語られるこの数字を鵜呑みにしたと思われる「既に半分以上は売れている」という発言がしばしば登場します。しかし、冷静に見てみれば、とてもこれだけの矛盾を抱えている以上、その数字を信じることはできません。

最近の吉祥寺レジデンシアの折込広告は、以前にも増して「吉祥寺アドレス」と「希少な大規模」の連呼状態です。「アドレスは武蔵野市吉祥寺東町」とか、「吉祥寺の大規模プロジェクト」とか、ほとんど宗教ですね。

アドレスと大規模(アドレスと大規模物件を強調、クリックで拡大)

吉祥寺ランキング(ランキングで吉祥寺の人気を強調、クリックで拡大)

大規模だから何?(希少な大規模物件であることを強調、クリックで拡大)

しかし、吉祥寺レジデンシアが356分の1と希少性を謳う変なピラミッド状の図も、良く見ると非常に恣意的です。「吉祥寺アドレス」とかで絞り込むのはまあいいとして、「住居専用地域」という絞り込み(24→9物件に減少)は何でしょう? 簡単なことです。こうしないと、分譲済の駅近物件(吉祥寺本町アドレス)である「グローリオ吉祥寺本町」(2003/11築、総戸数134戸)や「サンクタス吉祥寺ハートランド」(2003/11築、総戸数88戸)が含まれてしまい、長谷工謳うところの「希少性」が雲散霧消してしまうからです。

用途地域が「住居専用地域」でなくとも、マンションとしては「吉祥寺本町」アドレスの方が駅に近くて便利なのは言うまでもないでしょう。戸建エリアに無理矢理建てている迷惑マンションだから、このような無理な絞り込みをしてまで希少性を演出せざるを得ない訳です。涙ぐましいというか、どこまでも身勝手というか…

絞り込みは更に続き、「総戸数200戸以上の大規模プロジェクト」という基準で絞り込みを行っています。これは、ここまでの絞り込みでも残ってしまう「井の頭公園パークハウス吉祥寺南町」(2005/10築、総戸数119戸)を排除するためであることは言うまでもないでしょう。約13,000m2と吉祥寺レジデンシアよりも広い敷地内に、「全ての駐車場の地下化、自然林の保護、歩道状空地と敷地内遊歩道の設置等」の配慮を施した(三菱地所のHPより引用)低層の建物は、分譲時から非常に評価が高く、私も実際に訪れた際にそれを実感することができました。

Wikipediaの記載によれば、「大規模マンション(だいきぼマンション)とは、一般的に総戸数が100~300戸を超える住居用集合住宅のこと」とされています。個人的な感覚から言えば、300~500戸以上はないと大規模ならではの共用施設の充実は得られないと思いますし、逆に世帯数の規模から言えば、100戸以上あれば大規模という感もあり、200戸で区切るのはいかにも恣意的です。まあ、所詮は広告ですから、自分たちを良く見せるための虚飾を施すのは常套手段です。嘘を書いていないだけマシと言えるかも知れません。

因みに、この折込広告からは、以前のエントリここに究まる吉祥寺(笑)でその日本語能力の欠落振りを指摘したキャッチコピー「ここに始まる吉祥寺。ここに究まる吉祥寺。」が消え去り、以前の「吉祥寺に深く染まる人生を。」にメインキャッチコピーが戻っています。さすがにこのブログの影響とは思いませんが(それではあまりに情けなさ過ぎますから)、一応指摘しておきます。

広告一つ取っても、これだけの虚飾と矛盾に充ち満ちている吉祥寺レジデンシア。その虚構が、建物自体にまで及んでいないことを祈るばかりです。既にマンション掲示板にも、「標準仕様がオプションだらけで、露骨なコストカットの影響が顕著。表面に現れる設備がこの状態では、躯体にまで無理なコストカットの影響が及んでいると見るのが自然ではないか」との意見が掲載されています。数年来、長谷工の身勝手な企業体質を散々見てきた身としては、その可能性は相応にあるのではないかと考えざるを得ません。

話を売れ行きに戻すと、本当は何戸が売れているのか、それは今後もこの奇妙な販売方法が続く中で徐々に明らかにされていくことと思われます。個人的には、どうせ建ってしまうのだから、嘘で塗り固めた詐欺的な販売方法など採らずに、きちんと適正な価格で販売してちゃんとした人に早く買ってもらいたいと思いますが、モラルの欠片も持ち合わせていない長谷工軍団にそれを期待するのは酷というものでしょうか?

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MSCB、キタ━(゚∀゚)━!!!!!

前回のエントリをアップした後も、連日長谷工は夜遅くまで金属打音を響かせながら、深夜の工事に勤しんでいます。

掲示されている工程表を見ても「躯体工事」とあるだけで、「作業時間が延長されると予想される工事に」関する記載は一切ありません。別のお知らせ看板には、決まり切ったコンクリート打設についてのお知らせが掲示されていますが、工事を行っているのが既にコンクリート打設済である低層階であることから、「週間工程表に記載」せずに時間外の工事を行っていることは明白です。

今更、「ルールを守る」という人間としての基本的な素養すら持ち合わせていない長谷工に、このようなことを言うだけ無駄なのかも知れませんが、その無神経ぶりにはほとほと呆れさせられます。

そんな長谷工に、今日は別の観点から呆れさせられました。長谷工が公表した「第三者割当による第2回無担保転換社債型新株予約権付社債(転換価額修正条項付)の募集に関するお知らせ」という長ったらしいタイトルのプレスリリースがそれです。内容は、ライブドア事件でワイドショーにまで登場した悪名高き「MSCB」を発行するというものです。

MSCBの内容については、検索すれば解説がたくさん見つかると思います(例えば、こちらの野村證券の証券用語解説集など)が、簡単に言えば「株式に転換できる権利を持つ社債で、その転換する株価が時価に伴って変動するもの」のことです。元々、以前から転換社債はその発行期間中に1~2度の転換価格の見直し条項が含まれているのが普通でした(発行後の株価が低迷した場合、全く転換が進まないことを防ぐためのもの)が、この転換価額の修正を極端に多くしたものが、一般的にMSCBと呼ばれているようです(日本証券業協会の規則では、「6か月間に1回を超える頻度」で転換価額が修正されるものと定義されています)。

MSCBの発行が乱発されていた頃(ライブドア事件の頃と言い換えてもいいかも)、MSCBについては、「MSCBを引き受けた投資家が株の空売りを仕掛けて株価を下落させ、自分たちが手にする株式数を増加させるので、既存株主は損失を被ってしまう」という主張が盛んになされ、「MSCBは株価下げ要因になる」というイメージが定着しました。

実際は、「発行後の株価が下落一方になるかどうかは、発行会社の業績等にもよるので、一概に下げ要因と決めつけるのは良くない」という主張もあるようなので、ここではこの点には触れません。但し、必ず投資家が儲けられる仕組みとなっているMSCBの発行は、通常の新株予約権付社債の発行と異なり、明らかな有利発行ですから、株主総会の特別決議を経ていない発行は会社法違反だと、個人的には思っていることは付け加えておきます。

しかし、一般にMSCBのイメージが悪い最大の理由は、それを発行した会社に、あまりにも倒産予備軍が多かったことにあると思われます。規制が強化される前の一時期は、新興市場の倒産待ったなしという企業が次から次へとMSCBを発行していましたし。つまりは、「真っ当な手段で資金調達できなくなった企業の駆け込み寺がMSCBである」というイメージが定着してしまったことにあるのでしょう。

そんなイメージの悪いMSCBを、長谷工は敢えて発行することを決議しました。そのプレスリリースを見てみますと、冒頭から言い訳のオンパレードです。先ずは、「募集の目的及び理由」の中の<資金調達の主な目的>で、

 (前略)当社のコア事業である建設事業の分譲マンション工事受注においては、新規着工物件の減少に伴い、従来の土地持込受注に加え、事業主様の仕入済用地における特命受注など土地持込以外の受注の獲得にも注力している状況であります。これらの受注工事においては、当社に工事費用の一時的な資金負担が生ずる入金条件となるケースもあるものの、優良取引先からの受注についてはこれらの受注も積極的に拡大していく方針であるため、この資金負担に耐え得る資金を十分に確保しておくことが課題となっております。
 (中略)現下の経営環境においては株主価値の向上・安定化のためには自己資本の充実が必要と判断しており(中略)、本件新株予約権付社債の普通株式への転換による自己資本の量的及び質的な増強により、経営環境の変動に耐えうる財務体質の安定化を図り、取引先及び金融機関からの信用の維持向上につなげることは、長期的な株主価値向上に資するものと考えております(後略)。



と、「土地持込による特命受注のビジネスモデルが破綻したので、一般受注を増やすことにした。しかし、先立つものがなく、金融機関からの信用もないので、既存株主の損失を無視してMSCBの発行を決めた」ことを明らかにしています。更に、<本新株予約権付社債の商品性>として、

 本社債の発行価額総額は150億円、償還期限は発行期日の3年後、利息は付されないこととされており、当社が多額かつ長期間の資金を利息の負担無く調達できることとされています。
 (中略)本新株予約権付社債では転換価額の下限値が60.5円に設定されているため本新株予約権の行使により交付される株式数は限定されています。また、本新株予約権付社債の転換価額の修正条項には上限値の定めがないため、株価が上昇する局面では交付される株式数は常に減少し、希薄化を抑制する効果があります(後略)。



と、一方的に利点だけを述べ立てています。現状の株価の1/2まで転換価額が下落する可能性があるのに、「交付される株式数は限定」的とはよく言ったものです。しかし、一番呆れるのは「ゼロクーポンだから有利に調達できる」という主張です。この主張は、この後にも「本新株予約権付社債には利息が付されない(ゼロクーポン)ため、負債コストを抑制することができる」、「利息は付されないこととされており、当社が多額かつ長期間の資金を利息の負担無く調達できる」と、何度も登場します。

正直、未だにこんな主張をする経営者がいるとは思いませんでした。正に、バブルの頃に「調達コストが低いから」という間違った認識のもとにエクイティファイナンスを乱発し、その後の資本コストの増大に苦しんだ数多くの日本企業の教訓から何一つ学んでいないことを露呈しています。今や、負債コストよりも資本コストの方が割高なのは、ファイナンス理論の基本中の基本です。この程度のことも知らない経営陣が発行を決議したMSCB、それは既に株主に対する背信行為以外の何者でもないでしょう。

もっとも、長谷工という企業は、以前も自らの生き残りのために99%減資をやってのけた会社ですから、株主の利益保護などという観念はおよそ持ち合わせていないのでしょう。だからこそ、最大19.7%にも及ぶ希釈化率(下限転換価額60.5円で行使された場合の議決権の増加割合)を「既存株主への希薄化の影響に配慮した設計」などと言い切れるのでしょう。

また、「調達する資金の具体的な使途」として、

 概算手取額14,970百万円については、下記の通り全額を、当社のコア事業である建設事業における、工事費(外注費・労務費・材料費)及び人件費経費等の運転資金に充当する予定であります。



とありますが、これも企業運営としては著しい誤りです。上述の通り、割高な資本調達で増加運転資金をまかなうことなど、株主利益の極大化の観点からはあり得ません。運転資金の増加は、本来は短期借入などでまかなうべきであり、百歩譲っても、数年後には全額償還される長期借入等でなければおかしいでしょう。その程度のことも分からないのか、それとも、背に腹は代えられないほど、台所事情が苦しいのか…

何れにせよ、以前のエントリ「いつまで続く? 会員限定分譲」で長谷工の受注高の凋落ぶり、手元現預金の急減ぶりを指摘していますが、正に自らの行動でそれを裏付けた訳です。発行期日は9月28日、第2四半期決算には間に合う期日が設定されています。決算内容を楽しみに待つこととしましょう。

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長谷工の辞書に「約束」の文字はない!

本当に、長谷工という企業にはモラルというものはないのでしょうか?

本日、午後10時過ぎに女子大通りと美大通りの交差点付近を通っていると、夜間にも関わらず、何やら「カーンカーン」という金属を叩くような甲高い音が反復的に聞こえてきました。もしやと思い、吉祥寺レジデンシアの工事現場を仰ぎ見ると、案の定、東棟の一番北側の辺りに、防音シートから漏れてくる明かりが見えます。そして、音は明らかにそこから漏れ聞こえてくるようです。

下の写真、真っ暗でほとんど何も見えませんが、良く見ると写真中央部に窓明かりが見えています(写真下側は、電柱が自動車のテールランプに照らされているもの)。どうやら、ここで室内工事を行っていたようです。

夜遅くまで…(何時まで作業するつもりなのか…、クリックで拡大)

その後、ずっと確認していた訳ではありませんが、少なくとも午後11時頃までは明かりが消えず、打音も聞こえていたことをこの目と耳で確認しました。実は、以前にも同様の夜間工事を目撃していたのですが、何時頃まで作業していたのかが分からなかったので、特にご紹介していなかったのですが、今日は自分の目と耳で確認できたので、ここにご紹介した次第です。

一体、長谷工という会社はどこまで非常識なのでしょうか。明かりにせよ、音にせよ、非常に耐え難いほどひどいものではありませんでした(もしそうなら、とっくに近所から苦情が入っているでしょう)。逆に、途切れ途切れに聞こえてくる金属打音からは、極力近所にばれて苦情が入らないよう、こそこそと作業をしている様子が窺えてくるようです。

常識で考えて、深夜に近い時間まで、住宅地で工事をしていい訳がありません。そして、そのことは当の長谷工自体が自覚しており、工事協定書の作業時間にも明確に謳われています。長谷工と2Hの会の間で締結された(新築)工事協定書には、こうあります。

第2条(作業時間及び休日)
1.~2.(略)
3.本件工事の作業時間は、原則として午前8時より開始し、午後6時までとする(片付け・翌日の準備作業は含まない)(中略)。
尚、コンクリート打設工事等(コンクリート打設後の電動機を使用しない床ならしは除く)、作業時間が延長されると予想される工事については、週間工程表に記載するものとする(後略)。



第2条第3項の尚書きを最大限に悪用して、深夜まで床ならし作業を行っていたことは以前のエントリ忠犬は 用が済んだら 使い捨て(ニチモ残酷物語)に記載した通りです。今度も、尚書きを悪用して、週刊工程表に記載することで深夜までの作業を正当化しようとするのでしょうか? 少なくとも、私自身は工程表にそのような記載を見た記憶は全くないのですが…

因みに、この協定書締結については、解体工事の時と異なり、途中の住民向け説明会がほとんど行われなかったため、詳しい経緯は分かりませんが、途中で2Hの会が配布した経緯説明のペーパーによれば、作業延長条項の削除を要請したものの、長谷工がそれを拒否したようです。正に、最初からこのように大幅な作業時間の延長を想定し、そのための根拠となる条項は絶対に譲らなかった訳です。この点だけでも、長谷工が当初から深夜作業という非常識な行為を念頭に置いていたことが分かります。

広告のルールは破る、工事の安全確保には努めない、常識外れの時間まで作業を行う、既存不適格の建物を建てまくる。一体この会社はどうなっているのでしょう?

漏れ伝わってくるところによれば、既に発生している電波障害に対する対策を延ばし延ばしにしたり、一連の工事によって生じた近隣家屋の損傷に対する修繕を難癖付けてやらなかったりと、近隣住民に対して及ぼした被害をまるで何とも思っていないような態度も見せているようです。こうした体質の会社だから、施工したマンションの分譲後の不具合に対する補償についても不誠実になれるのでしょう。

とにかく、長谷工という企業は、約束を守るという最低限のモラルすら持ち合わせていない、その辺のごろつきと大差ない連中です。一日も早く、社会から退場してくれることを望んで止みません。

と、ここまで書いてきて、新築工事の協定書についてご紹介するエントリをアップしていないことに、今更ながらに気付きました。前述の通り、途中の検討経緯に不明な部分もありますが、最終的な協定書の中味とともに、近日中にご紹介してみたいと思います。

P.S. このエントリをアップ後、深夜0時半頃になっても、問題の工事を行っている部屋は消灯することもありませんでした。のみならず、依然として金属的な打音が散発的に聞こえて来る始末。今からこれだけルールを無視してまで過密日程を組まざるを得ないとは、およそこの物件のクオリティが知れようというものです。

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ここに究まる吉祥寺(笑)

本日、8月30日は衆議院選挙でした。吉祥寺東町の投票所は三中でしたが、下の写真はその校庭から見た吉祥寺レジデンシアです。2本のクレーンに挟まれた辺りの戸建住宅と比較して、建築途中にしてこれだけボリュームの差があります。写真上部に写っている送電線との距離も近付こうというものです。

三中校庭から(三中校庭から見た吉祥寺レジデンシア、クリックで拡大)

選挙速報では、事前の予想通り「民主圧勝、自民大敗」が伝えられています。個人的には、民主党政権になったからといって抜本的な改革がなされるとは思っていませんが、少なくとも「現状を変えたい」という民意が反映された結果として、歴史に残る選挙だったのではないでしょうか。今にして思えば、小泉元首相が叫んでいた「自民党をぶっ壊す」というのは、このことだったのでしょうか。だとすれば、小泉さんは希代の政治家だったと言えるかも知れません。

一般市民に民主党政権を歓迎する声が高い一方、自民党との長年の癒着構造を根本から見直さざるを得なくなる官僚および財界にとっては、これからが大変でしょう。特に、公共事業や一方的な規制緩和による恩恵で延命してきた不動産・建築業界にとっては、これからの流れ次第では死活問題に発展するかも知れません。

さて、そんな民主党のマニフェストには、住宅政策については以下のように記されています。

44. 環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進する

【政策目的】
○住宅政策を転換して、多様化する国民の価値観にあった住宅の普及を促進する。
【具体策】
○リフォームを最重点に位置づけ、バリアフリー改修、耐震補強改修、太陽光パネルや断熱材設置などの省エネルギー改修工事を支援する。
○建築基準法などの関係法令の抜本的見直し、住宅建設に係る資格・許認可の整理・簡素化等、必要な予算を地方自治体に一括交付する。
○正しく鑑定できる人(ホームインスペクター)の育成、施工現場記録の取引時の添付を推進する。
○多様な賃貸住宅を整備するため、家賃補助や所得控除などの支援制度を創設する。
○定期借家制度の普及を推進する。ノンリコース(不遡及)型ローンの普及を促進する。土地の価値のみでなされているリバースモーゲージ(住宅担保貸付)を利用しやすくする。
○木材住宅産業を「地域資源活用型産業」の柱とし、推進する。伝統工法を継承する技術者、健全な地場の建設・建築産業を育成する。



やや理想論に過ぎる嫌いはありますが、「リフォームを最重点に位置づけ」るなど、既に供給過剰となっている住宅ストックのこれ以上の供給に歯止めを掛けようとする点、「家賃補助や所得控除などの支援制度を創設する」など、持ち家支援との大幅な乖離を是正しようとする点など、業界との癒着がひどすぎる自民党政権ではなしえない政策が謳われています。これが実現され、無駄なマンション乱造が一日も早くなくなることを期待します。

話を本題に移します。今更ながらの印象が否めませんが、吉祥寺レジデンシアがようやく第1期販売を開始するようです。しかし、これは6月に一度公表された第1期販売(91戸)とは別物のようで、販売戸数は未定とされています。

会員限定分譲の実態が、売れ残りを先着順販売で処分していたことからも明らかな通り、会員限定分譲とは名ばかりの一般分譲だったことは既に露見しています。それにも関わらず、未だに「第1期 新発売」と称する神経が理解できません。

また、既に削除されていますが、公式HPの物件概要には「お詫び」と称して、以下のような文言が記載されていました。

<お詫びと訂正>2009年8月19日まで記載していました物件概要については、6月20日より販売を開始していたため、未供給住戸98戸の物件概要を記載すべきところを全体概要(総戸数208戸)の記載となっておりました。
 
なお、予定価格は6300万円台予定~10600万円台予定(変更前:5000万円台予定~18100万円台予定)、専有面積は67.39m2~94.91m2(変更前:60.24m2~142.74m2)となります。

ここに訂正するとともに深くお詫びいたします。



「6月20日より販売を開始していた」と堂々と記載していながら、「第1期」と平然と言い抜ける点に、「深くお詫び」する気などないことがはっきり現れています。なお、この中に「未供給住戸98戸」の記載があり、既に110戸を供給済であることが分かります。但し、これが全て販売済であると考えるのは、あまりに業者の思うつぼです。一旦売り出して売れ残った住戸を、後でまた売り出すことなどこの業界の常套手段ですから、これだけで「既に半分以上売れてしまっているんだ」などと早とちりすることのないようにと忠告しておきます。

まあ、ルール無視の販売方法についてはこれ位にして、先週末に入ってきた第1期の折込広告に話を移します。広告を開くと、「ここに始まる吉祥寺。ここに究まる吉祥寺。」のキャッチコピーが先ず目に飛び込んできます。これを見て、思わず苦笑せざるを得ませんでした。

折込広告のキャッチコピー(呆れてしまうキャッチコピー、クリックで拡大)

お分かりにならない方は、試しに「きわまる」を変換してみて下さい。「極まる」か「窮まる」しか出てこないことが確認でき、「究まる」は「究める」からの誤用であることがすぐに理解できると思います。「きわまる」という言葉を用いたのは、「極まる」の「この上ない。最上だ」という意味に使いたかったのだと思いますが(因みに、「窮まる」だと「行き詰まる」という意味になります(笑))、「究める」は「深く研究する」という意味ですから、全くキャッチコピーとして意味が通じなくなります。一番目立つキャッチコピーですらこの有様です。無理して使い慣れない言葉を使って、かえって世間に赤っ恥をさらすという典型的な構図が見て取れます。

もっとも、吉祥寺レジデンシアの広告群には、以前から言葉の誤用が多数見受けられました。きりがないので、一つだけ例を挙げます。現地の美大通り沿いに掲示されている物件広告には、いくつかの完成予想図とともにキャッチコピーが並びます。その中の一つに、以下のようなものがあります。

文教エリアとの調和をもたらす「桜の街角」

心象深いふたつの道が交わるこの場所に、モダンな外観が新しいシンボルとしてよく映えます。

心象深い看板広告(使い慣れない言葉を使うと…、クリックで拡大)



「心象」とは「心の中に描き出される姿・形。心に浮かぶ像。イメージ」のことですから、「心象深い」という表現は使いません。「印象深い」との混同による誤用です。敢えて無理にひねって使い慣れない表現を持ち出すから、結果としてこのような間違いが起こる訳です。こんなこともチェックできずに広告を出稿するとは、業者のレベルが知れようというものです。もっとも、このマンションの最大の売りである「真の吉祥寺アドレス」自体、「偽の吉祥寺アドレスがあるのか」と突っ込みたくなることについては吉祥寺レジデンシアの価格差が意味するもので指摘した通りなのですが…

こんな「揚げ足取り」のようなことをしても仕方ない気もしますが、お伝えしたいのは「このマンションに関わる事業者たちは、一事が万事このような虚飾に充ち満ちている」ということです。広告のキャッチコピーなどという些末な点に止まるものではなく、肝心の住戸のクオリティについてもそれが当てはまることは再三指摘してきています。少なくとも私には、このような事業者が供給する物件が「吉祥寺の新たな象徴となるに相応しい」とは到底思えず、この程度もミスのそのまま通過するような杜撰な業者が建築する物件であるということを皆様にも改めて認識して欲しいと思います。

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いつまで続く? 会員限定分譲

しばらく更新をお休みしておりましたら、いつの間にか、前回更新から2ヶ月近くが経過してしまいました。その間も、吉祥寺レジデンシアの無粋な姿は徐々にその高さを増しており、近隣に対する電波障害被害も聞かれるようになりました。方角による程度の差こそあれ、明らかにゴーストが強くなるなどの画質劣化が多発しており、これ以上の電波障害は勘弁して欲しいものです。

未だに、長谷工からは電波障害対策についての説明は(少なくとも説明会等では)行われていない状況ですし、「電波障害がひどくなったら個別に言ってこい。そしたら個別に検討してやる」という、一方的に被害を巻き起こしていながら、被害を訴え出なければ対策も講じないというスタンスなのでしょうか? 今更、長谷工の不誠実な態度に対しては何の驚きもありませんが、改めてこの会社の社会的常識の欠落振りに幻滅させられます。

さて、そんな迷惑マンション吉祥寺レジデンシア」ですが、先述の通り電波障害を引き起こすほどにその高さは高くなってきています。下の写真は、工事が一番進んでいるD棟(南東側)の様子です。現場に掲示されている工程表によれば、既に7階までは躯体が完成、現在8階部分の工事に取りかかったところのようなので、ほぼ下の写真の覆いが、完成後の建物の外観に近くなりそうです。但し、違う点は写真中央の一番高くなっている部分が写真右側までずっと伸び、巨大なコンクリートの壁(穴が沢山あるので下駄箱と言った方が良いかも…)となるということです。

レジデンシアD棟の様子(立ち上がるD棟の様子(左奥は高圧鉄塔)、クリックで拡大)

この点について、先行してその姿を現したパークホームズ吉祥寺グランテラスと比較してみれば、その違いは歴然です。第一種低層住居専用地域に位置していることから、4階建てまでしか建てられないという制約からこうなったまでで、用途地域がもっと緩ければ吉祥寺レジデンシアと大差ない建物を建てたであろうことは想像に難くありませんが、それにしても最大4階建で離隔距離も十分取られた設計には、改めて「せめてこれ位であれば…」との思いを強くせざるを得ません。

グランテラスの様子(対照的なパークホームズ吉祥寺グランテラスの外観、クリックで拡大)

しかし、とにかく竣工に向けてひた走る吉祥寺レジデンシアですから、近隣に住まうものとしては、住民が入居した後についても気になるところです。売れ行きについては、マンション掲示板でも意見が二分しているようですが、はっきりしたところは分からないようです。しかし、吉祥寺レジデンシアの奇妙な販売方法は、個人的には販売不振を誤魔化すためとしかとても思えません。

販売経緯を簡単に振り返ってみます。4月頃より予告広告が出始めた後、先ず、「6/13より会員限定分譲(80戸)」を行うという折込広告が出されました。同時期に、マンション情報サイトには、「第1期 91戸」の予告広告が出されました。同時期に2つの販売方法が公表されましたが、その間の関係は全く説明されていません。しかし、おそらくは「第1期91戸のうち80戸を会員限定で先行分譲する」という意味だったのだと、ここでは好意的に解釈しておきます。

しかし、この後も吉祥寺レジデンシアの販売方法は迷走を続けます。これらの広告が出されてからしばらく後、「会員限定分譲2次(2戸)」を行う旨が公式HPに掲載されます。この時点では、申込キャンセル分かとも思いましたが、その後も「会員限定分譲3次(2戸)」、「会員限定分譲4次(1戸)」が1週間おきに掲載されました。この分は、第1期91戸と最初に分譲した80戸との差の11戸を順次売り出しているものと考え、その次に掲載された「先着順申込受付中(8戸)」で第1期分を全て売り切るということなのだろうと、その時点では解釈することも可能でした。

しかし、その頃には、マンション情報サイトに掲載されていた予告広告の販売開始予定はいつの間にか8月下旬に延期されており、「いったい第1期91戸の本広告はどこに行ったんだ?」という疑問を禁じ得なくなります。予告広告に対する本広告を行わないことは、明確な不動産広告規約違反です。

そして、この疑問は次に行われた「会員限定分譲5次(11戸)」で、揺るぎないものとなります。先述した最初の会員限定分譲(1次~4次)までを合計した販売戸数は85戸。この中から、キャンセル分と売れ残り分を先着順8戸として売り出したと解釈することは自然ですが、この5次11戸に至っては、一体何なのでしょう? つまりは、最初の会員限定分譲にも、大量の売れ残りがあったと解釈せざるを得なくなります。

この推測を裏付けるように、更に「会員限定分譲6次(3戸)」があり、現在は再度「先着順申込受付中(8戸)」が行われています。一体、予告広告第1期の91戸は、本当は何戸売れているのでしょうか? これらが第1期とは別の住戸だとしても、先述の通り、本広告なしで次の分譲を開始することは不動産広告規約違反ですから、本来はあってはならないことです。脱法企業・長谷工にとっては、こんな業界自主ルールなど遵守する必要もないということなのかも知れませんが、一事が万事この調子では… 先が思いやられます。

さて、話は変わりますが、先週6日の木曜日に長谷工第1四半期決算が発表されました。マンション市況の厳しさを反映して、減収減益の決算内容でしたが、そんな表面的な数字以上に長谷工の苦境がにじみ出た決算でした。

以前のエントリ長谷工はどこまでもつか?でも見た通り、この四半期の売上と利益は過去の受注によってもたらされたものです。極端な話、この期間に1件の受注がなくとも売上、利益とも計上できます。しかし、その場合は、先細りを余儀なくされることになります。

この点、長谷工の決算説明資料では、下図の通り、受注が非常に低調であったことが分かります。今後も受注が急速に回復する見込みがないことは、当の長谷工が最もよく承知しており、最近では自らが事業主となってマンションを建設するケースが増えているようです。

長谷工受注推移(凋落の一途を辿る長谷工の受注高、クリックで拡大)

例えば、こちらのプレスリリースでは、「長期優良住宅」認定マンションとか、どうでも良いことを長々と書き連ねていますが、「本事業は、事業主・設計・施工を当社、販売をグループ会社の長谷工アーベスト、管理を長谷工コミュニティがそれぞれを手掛け」と、要は長谷工グループは自社施工のマンションデベロッパーだということをカミングアウトしています。

元々、販売リスクは他のデベロッパー(忠犬たち)に押しつけて、自らは土地持ち込みという優越的地位を生かして、忠犬たちから美味しい施工条件を引き出すというのが長谷工のビジネスモデルだった訳ですから、この流れは完全にかつてのビジネスモデルの終焉を意味します。

更に、上記プレスリリースで紹介されている物件が、それぞれ69戸、114戸と「大規模大好き」長谷工とも思えない小規模なマンションであることにも注目です。長谷工は、自分たちの間尺に合わない中小規模の物件を、用地情報に困っているマンションデベロッパーに転売し、設計料とかコンサル料とかの名目で手数料をむしり取るというのが、長谷工お得意のパターンでした。そのつもりで仕入れた物件が、マンションデベロッパーの大量倒産で売り先がなくなり、仕方なく自ら事業化する羽目になったという構図が見え見えです。

これらの結果、長谷工の手元現預金は3月末の555億円から6月末には415億円に急減しています。しかも、借入はほとんど減っておらず、仕入債務の支払で現預金が流出している様子が見て取れます。現預金の残高は常時増減しますので、これだけをもって「長谷工倒産待ったなし」というつもりはありませんが、長谷工が借入余力に乏しいことは長谷工はどこまでもつか?で指摘した通りです。マンション市況の本格回復など夢のまた夢という中、長谷工はいつまでもつのでしょうか? 建築途中の吉祥寺レジデンシアの工事が途中でストップし、廃墟として無残な姿をさらし続けるというようなことだけは、ご容赦願いたいものです。

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突貫工事で安普請仕上げの吉祥寺レジデンシア

昨日は土曜日にも関わらず、ほぼ終日コンクリート打設工事を行っており、ひっきりなしに現場を出入りするコンクリートミキサー車が女子大通りを多数通過し、コンクリートを流し込むポンプの騒音が周囲にそのまま垂れ流されていました。

コンクリート打設作業の様子(ひっきりなしに出入りするコンクリートミキサー車、クリックで拡大)

これまでは、土曜日にコンクリート打設工事を行ったことはなかったように記憶していますが、いよいよ突貫工事モードに突入したということでしょうか。多くの人が休日となり、在宅率もうんと高まる土曜日すら、安息の日ではなくなってしまうようです。長谷工に少しでも防音対策を強化しようという気があれば、ここまで周囲に騒音がまき散らされることもないと思うのですが、現場を見る限り、長谷工にそうした配慮を行う気持ちは皆無のようです。

そんな突貫工事の甲斐あってか、南東側のD棟を中心に、吉祥寺レジデンシアの無粋な姿が徐々に現れて来ました。下の写真は、現地をやや遠方から撮影したものに、大まかな吉祥寺レジデンシアの躯体を書き入れてみたものです。その周囲の低層住宅街から浮き上がる異様な姿が良くご理解いただけることと思います。今からでも遅くはないので、このような周囲に調和しない建築物は、根底から抹殺されれば良いのですが…

吉祥寺レジデンシアの外観ボリューム(周囲と全く調和しない外観ボリューム、クリックで拡大)

それは無理としても、せめて長年この地に存続することになる建物だから、少しでもマシなものが建ち上がることを期待しているのですが、残念ながら、工事現場を観察したり、HP等で公開される情報を見る限りでは、それはおよそ期待できないことのようです。いくつか、気になる安普請さを指摘してみたいと思います。

先ず、外階段です。何故か、ここの現場では必ず先に外階段が組まれ、その後に躯体が造られるようです。下の写真は、一番北東側の外階段の姿です。これを見ると、鉄骨が剥き出しの状態の階段であることが分かります。

鉄骨剥き出しの外階段外階段の様子、クリックで拡大)

実は、吉祥寺レジデンシアの配棟図などを見て、勝手に外階段は全て鉄筋コンクリート造だろうと想像していました。何しろ、まがいなりにもそれなりのお値段のする吉祥寺レジデンシアですから、最近では相当の安値マンションでしかお目にかかれない鉄骨剥き出しの外階段の訳がないと思い込んでいたのです。

しかし、こうして先に鉄骨だけの外階段を造り付けてしまえば、後からコンクリートを打設することなど不可能でしょうから、これはこれで確定なのでしょう。鉄骨剥き出しの外階段について、以前にもご紹介した碓井民朗著「マンションの常識・非常識」ではこう指摘しています。どう判断されるかは、皆さんにお任せします。

 (前略)しかし、このマンションを拝見して気になったことがありました。それは外廊下・外階段が鉄骨でできていたことです。デザイン的にはきれいにできていましたが、入居者の身になって設計していないな、というのが私の印象でした(中略)。

 鉄骨階段は、工場で製作し、錆止めされたものでも、建築現場で組み立てると、若干の調整が必要です。この組み立て調整の時にビス穴を若干削ったり、階段本体を若干削ったりして、錆止めが剥がれてしまいます。そこから錆が発生して錆汁が垂れてきます。このメンテナンス費用が結構かかります(中略)。

 こういうクレームがあちこちの分譲マンションからあり、最近の分譲マンションの外部階段は、90%近く鉄筋コンクリート造(RC造)です。また、大手デベロッパーの設計基準書でも外部階段の鉄骨階段仕様は禁止しています(中略)。

 外部階段を鉄骨で美しくデザインすると、きれいで工事費も鉄筋コンクリート造よりも安いです。でも、分譲マンションではご法度です(後略)。(P.177-179)

マンションの常識・非常識 (QP Books)マンションの常識・非常識 (QP Books)
(2005/06)
碓井 民朗

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次に、吉祥寺レジデンシアのHP内にある「設備・仕様」についての記載について。その中の、資産の礎という所には、吉祥寺レジデンシアの設備について、色々と説明があります。このうち、「24時間換気システム」についての説明については、こうあります。

住戸内の汚れた空気・湿気等を排出し、新鮮な空気を取り入れます。慢性的な換気不足を解消して、常に室内をクリアな状態へと導きます。

換気システム(24時間換気システム概念図、クリックで拡大)



しかし、この「24時間換気システム概念図」は、「マンションの常識・非常識」では「ピンからキリの24時間換気システム」の「キリ(安価)」として紹介されている「第三種機械換気」です。このシステムの特長とデメリットについては、こう記載されています。

 (前略)「第三種機械換気」とは、排気のみ機械で強制的に外部に排出するシステムです。吸気はどうしているかというと、昔ながらの外壁面についている吸気口(レジスター)から外気を導入しているわけです。これですと入居者は冬場、吸気口を開けていますとモロに寒いので、ほとんどの方が吸気口を閉めています。
 吸気口を閉めていますと、「第三種機械換気」では機械で強制排気いたしましても、マンション等は高気密ですので、入ってくる空気がなければ排気ファンは空回りしているだけです。住戸内の汚れた空気を排気いたしません(後略)。(P.203)



碓井氏は、吸気と排気を、双方別々のダクトと機械を設置して、強制的に吸排気する「第一種機械換気」で、かつ、熱交換器をつけて、冬場の冷たい外気と部屋の暖まった汚れた空気を強制排気によって熱交換するものがベストとしています。どちらが良いかは、言うまでもないでしょう。

なお、ついでながら、この「資産の礎」の中にある戸境壁の説明には、明らかな嘘が含まれています。

戸境壁の厚さは約180mm。さらに内装仕上げの下地材をコンクリート壁から離すことで隣戸間の遮音性能を高めています。
二重壁の説明図(二重壁の説明図、クリックで拡大)



二重壁が遮音性能で著しく劣ることは、「吉祥寺レジデンシア」の広告から透けて見えるものに既に記載しましたので、そちらをご参照下さい。このような嘘を平然と書き記す神経が理解できません。

なお、一応補足しておきますと、吉祥寺レジデンシアは長谷工標準仕様の直床仕様ではなく、二重床仕様です。この点だけは、一応ましな仕様だと評価しておきます(他社では当たり前ですが)。

他の安普請振りについては、ここまでご紹介した通りです。これが、2千万円台の格安物件ならともかく、7~8千万円もする高額物件です。高いのは土地代が高かったからで、建物は格安物件並みでは、ちょっと悲し過ぎるとは思いませんか?

最後に、余談ながら、前回ご紹介したプレミアムプランですが、個人的には全く「プレミアム」ではないと思っています(単に専有面積が多少広いだけ)。これまた「マンションの常識・非常識」の中で、「安っぽい"億ション"に注意」として、以下のように書き記しています。

 (前略)ここまでは良かったのですが、住戸の中に入ってびっくりです。まずプラン(間取り)が、高級マンションのプランではないのです(中略)。玄関を入って真正面に洋室のドアがあり、絵を飾る壁もないのです。通常「億ション」の住戸プランは、最低でも住戸内のプライベートゾーンとパブリックゾーンを分離(P・P分離)いたします。そうすれば、当然、玄関ホールはパブリックゾーンですので、プライベートゾーンの洋室の扉が正面に来ないはずです。
 さらに中に入ってよく見ますとびっくり仰天でした。なんとLDKなのです(中略)。
 高級マンションの台所は、クローズドキッチンにすべきです。居住者がお客様をお呼びした時には、一流ホテル等からケータリングサービス(食事の宅配でシェフも一緒)をしてもらいますので、台所の中が見えないように設計します。このマンションの設計者は、全く高級マンションに住む人のライフスタイルがわかっていませんでした(後略)。



吉祥寺レジデンシアの売主の一社である興和不動産が真っ当だった頃に手掛けていたホーマットシリーズをはじめとする高級マンションに入ったことのある方なら、この指摘がもっともだということはご理解いただけることと思います。個人的には、吉祥寺という立地でここまでする必要はないと思いますが、何が「プレミアム」なのか、その点についてはしっかりと考える必要がありそうです。

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吉祥寺レジデンシアの価格差が意味するもの

売れ行き不振の続くマンション業界、週末ごとの新聞折り込み広告の数も半端ではありません。正確に数えた訳ではありませんし、全ての新聞をチェックした訳でもありませんが、折り込み広告の半分以上はマンション広告ではないでしょうか。しかも、中身も竣工後相当の期間が経過しているにも関わらず完売にはほど遠い物件や、期分け販売の戸数から推定すると、一体何回に分けて販売する気なのかと呆れてしまう物件ばかり… 自業自得とはいえ、悲惨の一言に尽きます。

業界あげて一生懸命、新規販売戸数を大幅に絞った上で、契約率が上昇しているように見せかける小細工を続けていますが、既にそのようなまやかしは消費者に見透かされています。マンションデベロッパー淘汰の波は、まだまだ続きそうです。

さて、そんなマンション広告ですが、吉祥寺レジデンシアも先週末は連日折り込み広告が入っていました。内容は相変わらず「真の吉祥寺アドレス」なる意味不明なものを連呼するお笑い広告(「偽の吉祥寺アドレス」なるものがこの世には存在するのでしょうか?)ですが、「吉祥寺の、新たな象徴となる」とか「『真の吉祥寺アドレス』にふさわしい邸のあり方を標榜すべく誕生します」とか、地域の94%から”NO!”を突きつけられた(迷惑マンションは「真の吉祥寺アドレスを継」いでなどいない!を参照)存在にあるまじきフレーズが並んでいる点にも要注目です。

それはさておき、先週末の広告の中では、代表的(と思われる)4タイプの間取りについて、予定販売価格の下限が掲載されていました。以下、それらを見てみますと、

w-75H(2~6階) 74.52m2 6,500万円台~ 坪単価:2,883千円
w-80C(2~5階) 81.92m2 6,900万円台~ 坪単価:2,784千円
w-85B(2~4階) 86.01m2 7,500万円台~ 坪単価:2,882千円
e-90H(2~8階) 87.68m2 8,600万円台~ 坪単価:3,242千円

となります。価格が割安に設定されている西棟中心に紹介しているのは、当然高過ぎるという批判が多いことから、少しでも安さを演出するためでしょうし、下限価格は当然2階住戸の価格でしょうから、現実の平均単価はもう少し上振れるでしょう(百万円未満の端数分も上昇します)。およそ、西棟が坪単価3,000千円、東棟が坪単価3,400千円とすれば、全戸平均では3,200千円/坪程度となり、およそ事前の噂通りとなります。やはり、土地を思いっきり高値掴みしたツケは、割高な価格設定に反映せざるを得なかったようです。

しかし、西棟と東棟でそれほどの価格差を設ける必要はあるのでしょうか? 個人的な見解は「大いにあり」です。吉祥寺レジデンシアの掲示板では、「南向きの住戸がほとんどない」配棟計画に対する非難の声が強いですが、これはひとえに効率だけを重視した長谷工の事業計画に起因するもので、もう諦めてもらう他はありません。しかし、個人的には、それに加えてこの西棟と東棟の採光の格差もかなり問題のある計画だと以前から感じていました。

下に示したのは、吉祥寺レジデンシアの時間別の日影図(冬至の日の建物の影を示したもの)です。一般的には、建物の造る影による近隣の影響を示すために用いられます(その点でも巨大な影を造ることが見て取れます)が、どの時間にどの方向から日が当たるかも良く分かります。

吉祥寺レジデンシアの日影図吉祥寺レジデンシアの日影図、クリックで拡大)

このような観点から図を見ると、東棟は13時過ぎまでバルコニーに日が差し込むのに対して、西棟は14時頃になってようやくバルコニーに日が差し込むことが見て取れます。しかし、実際は吉祥寺レジデンシアのバルコニーも容積不算入を最大限に悪用すべく、約2mの奥行きがありますので、室内に日が差し込むのは更に遅れるものと思われます。西向きの部屋は西日が長いので敬遠される方も多いようですが、こと吉祥寺レジデンシアについては、その心配はなさそうです。何しろ、冬の間は、午後3時頃からしか日が差し込まないんですから。

日当りに対する考え方は人それぞれですから、これでも安い方が良いという方もいらっしゃるでしょう。しかし、その点はしっかり説明されるべきでしょうし、何となく東、西に向いているということを認識しただけで部屋を選ぶと、後で後悔することにもなりかねません。

そもそもは、効率だけを重視した無理な配棟計画が住戸としての基本性能を劣化させている訳です。こんな物件が、「『真の吉祥寺アドレス』にふさわしい邸のあり方を標榜」しているとは、個人的にはとても思えないのですが…

P.S. ジョイント・コーポレーションの倒産についても書き記そうと思いましたが、かなり長くなりましたので、また次回以降に。

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長谷工はどこまでもつか?

野菜の促成栽培よろしく、あっという間に立ち上がっていく吉祥寺レジデンシア。下の写真のように、現在1階部分の躯体工事中です。写真左奥の南東部分に至っては、既に3階部分まで立ち上がっています。こんな短期間で建てられていくコンクリートの塊。そのクオリティは、本当に大丈夫なのでしょうか?

工事現場の近況(躯体の工事が進んでいます、クリックで拡大)

そんな吉祥寺レジデンシアですが、先週末、連日のように新聞折り込み広告が入っていました。予算の制約が厳しいのか、B4版見開き4ページのような変則サイズの小さなその広告には、「5/23(土)よりモデルルーム・グランドオープン」の文字が大きく踊っていました。1月には(少なくとも外観が)完成し、4/25(土)にプレオープンしたモデルルームが、ようやく今頃本格オープンです。プレオープンからグランドオープンまでの1ヶ月もの間は、よほどの人気のなさを表しているものと思われます。価格設定を誤った不人気物件の始末は、何かと大変なようです。

この広告の中身については、色々と突っ込みどころが満載ですが、ここではいちいちそれを指摘することは致しません。しかし、この一点だけは指摘しておきたいと思います。LOCATIONと称する一文の中に、「戸建て住宅が並ぶ『第一種低層住居専用地域』が中心となり、整然とした美しい街並みが広がります」とぬけぬけと書いてあるのです。その「整然とした美しい街並み」を壊すだけの存在の吉祥寺レジデンシア。その存在が、いかに不要なものかを自ら認めているようなものです。街並みの価値を称揚していながら、その価値を自ら破壊する。そんなマンションには、何の存在意義も見出すことはできません。

さて、いささか旧聞に属しますが、5月14日に長谷工が2009年3月期の決算短信を公表しました。その内容は、既に過去のエントリ赤字転落、キタ━(゚∀゚)━!!!!!でお伝えした通りの赤字決算ですが、営業利益は170億円の予想が156億円と更に下方にて着地し、最終赤字は60億円の予想が76億円にまで拡大した悲惨なものでした。

にも関わらず、決算発表を境に、長谷工の株価は上昇基調に入っています。5月14日の終値(62円)が本日(25日)の終値では86円と、約39%の上昇です。その理由は、「09年3月期の連結決算では最終損益が76億円の赤字となったのに対して、2010年3月期には最終黒字70億円を見込むと発表したことが刺激となり、目先筋の値幅取りが活発化している」(5月15日付日本証券新聞)ということのようです。これに加えて、「三菱UFJ証券が、『財務リスクと収益リスクの2つのリスクが後退している』と評価し、投資判断『2』と目標株価100円を据え置いたことが好感されている」ようです。

長谷工株価推移(最近の株価推移、クリックで拡大)

しかし、三菱UFJ証券の業績予想は、昨秋まで会社の発表を鵜呑みにしてボトム期を脱したというレポートを出していたような不正確極まりない内容ですから、今回もその内容は推して知るべしです。誰でも分かる簡単な検証で、そのことを明らかにしてみたいと思います。

過去のエントリでも指摘しましたが、長谷工の今後の業績は、現在の工事受注状況を見ればかなり正確に分かります。以下のグラフは、2000/3期から2009/3期までの長谷工単体の受注高の推移、そして、2010/3期の長谷工公表による受注高予想です(会社予想は中間と通期のみなので、便宜上第1~3四半期の受注高を同額と仮定しています)。これを見れば、2006/3期、2007/3期の受注高がいかに突出していたか(いかにバブルの様相を呈していたか)と、2009/3の急速な減速振りがご理解いただけることと思います。

単体受注高の推移受注高の推移、クリックで拡大)

こんな状況下、未だ大量の完成在庫が残る中で、2010/3期の受注高が回復する。このような会社予想に、何の信憑性があるのでしょうか? そして、そのことは、他ならぬ長谷工自身がもっとも良く理解しています。

決算と同時に公表した中期経営計画の修正に関するお知らせでは、「土地持込以外の住宅系工事受注への積極取組み」と称して、「土地持込による受注で構築した企画力・スピード・規模のメリット等によるコスト競争力・技術力等の総合力を生かした取組みを強化する」ことを謳っています。しかし、長谷工の強みは、土地情報を持ち込むことでデベロッパーから有利な条件を引き出して、デベロッパーには資金負担とリスクだけを負わせるという身勝手なビジネスモデルにあった筈です。耳障りのよい表現を使っていますが、要は「一般工事入札にも参加する(=そうしないと売上を維持できない)」と告白しているようなものです。このような理解の下に先ほどの受注高のグラフを見ると、長谷工の主張するところの黒字回復が、実に眉唾物であることがご理解いただけるのではないでしょうか。

次に、財務リスクです。昨今の不動産関連企業の破綻は、ほぼ例外なく資金に行き詰まった結果の倒産劇であることは記憶に新しいところです。長谷工は、2009/3末でも連結ベースで555億円の現預金残高を有しており(2008/3末は626億円)、この点に懸念はないように見えます。

しかし、決算短信の注記をよく見ると、銀行に設定されている600億円のコミットメントライン(随時引き出し可能な借入枠)内の残高が、2008/3末の150億円から2009/3末には600億円とフルに利用されていることが分かります。これが一過性でないことは、2008/9末で既に500億円を利用済であったことからも窺い知れます。長谷工の借入余力はそれほど大きくなさそうです。因みに、単体決算による2009/3末の現預金残高は278億円(2008/3末341億円)と、連結とはかなりの乖離があります。見かけほど資金繰りは楽ではなさそうですね。

最早、一昔前のように忠犬デベロッパーが長谷工の資金負担を肩代わりしてくれて事業ができる時代はとっくに過ぎ去りました。マンション工事しか能のない長谷工にとって、現在の事業環境は他のゼネコン以上に厳しいものに思えます。長谷工の楽観的な業績予想に惑わされることなく、きちんと中身を検証しないと、長谷工みたいなクズ株買って大損を被ることになりかねませんよ。そして、それはもちろん、長谷工施工のマンションを購入する人たちにも、形は違っても共通するリスクでもあるのですが…

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