吉祥寺東町の法政跡地問題を考える

各地で高層マンション建設を強行、地域住民との紛争多数。モラルゼロの最低マンション専業ゼネコン・長谷工コーポレーションによる、吉祥寺東町・法政高校跡地の高層マンション建設計画を追跡するブログです。

パークホームズ吉祥寺グランテラス

今日(8月22日)、練馬区立野町の法政グラウンド跡地に建設予定のマンションの情報が公開されました。名前は、「パークホームズ吉祥寺グランテラス」。「グランテラス≪Grand Terrace(d House)≫=大きな集合住宅」とはそのまんまなネーミングですが、まあ意味不明な造語よりは100倍マシでしょう。

この物件については、比較的低層であることもあり、個人的には(周囲との調和という観点から)基本的には許容範囲内ではないかと考えています。そのせいかは不明ですが、知っている限りではあまり反対もなかったようですし。但し、いくつか考えさせられることがなくはありません。

先ず、この法政グラウンド跡地は第一種低層住居専用地域でした。そして、そのことは物件概要で見ても変わっていないようです。そして、練馬区が公開する用途地域図によれば、ここは絶対高さ制限10mの地域です。にも関わらず、この物件は最高高さ11.99mの地上4階建てです。これはどうしてなのでしょうか? 例によって、行政による業者に甘い特例措置が採られたことは容易に想像できます。一戸建てを建てる一般市民には絶対高さ制限を守らせる一方、業者の便宜はすぐ図る。行政と事業者の癒着構造が、この物件にもたっぷり染み込んでいそうです。

法政グラウンド付近の用途地域図(高さ制限は10mです、クリックで拡大)

建築計画お知らせ1(なのに高さは11.99m?、クリックで拡大)

次に、この物件は総戸数156戸に対して駐車場が88台(56%)しかありません。法政グラウンドを知る方なら、周辺道路が非常に狭いことはよくご存じでしょう。道路渋滞や違法駐車が懸念されます。

そして、この物件もいつも通り、周囲には敷地境界に向けて壁のように建物を配置し、「住む人々だけが愉しめる」と称する中庭を置く「城砦型マンション」です。そこには、「プライベート」という言葉に名を借りた「エゴ」がむき出しになっています。

グランテラス配棟図(例によって城砦型、クリックで拡大)

最後に、予想通りと言うか、敷地上空を真っ二つに横切る高圧線の存在は完全に消されていました。中庭の完成予想CGからも(これは角度次第では見えないのでまあ良し)、空撮写真からも(こちらは意図的な改ざんなのでNG)、その存在は完全に抹殺されています。広告はあくまでイメージですから、多少の嘘は許されるとは思いますが、住宅における高圧線の存在はどうなんでしょう。気にしない人がいるのも事実ですが、一般には嫌悪施設に分類されていますので、完全に消し去るのは道義的に問題あるのではないかと思いますが…。因みに、法政校舎跡地の方が校舎でもなく空地でもなく、まるで戸建て住宅のような街並みになっているのは、同業者に対する配慮なのか、それとも街並みを美化するための詐術なのか、どちらなんでしょうね、三井不動産さん。

グランテラス1(中庭上空にその影なし、クリックで拡大)

グランテラス2(空撮写真にもその影なし、クリックで拡大)

在りし日の法政グラウンド(衛星写真にはくっきり白線が、クリックで拡大)

とにかく、グラウンド跡地物件は売り出されました。一方の校舎跡地の長谷工物件は一向に売り出されません。同一需給圏内にこれだけ大規模なマンションが同時期に2つも売り出されれば、互いに客を奪い合うのは目に見えています。顧客の三井に対する反応を見てから売り出そうという魂胆でしょうか。

概ね物件としての条件は似たり寄ったり。長谷工が勝てるのは住所が真に「吉祥寺」であることだけ。「三井不動産+大林組」のタッグには、「長谷工+忠犬(未定?)」ではネームで到底勝てっこありませんから、それも賢明かも知れません。いっそ、試合放棄してくれればもっと賢明なのですが… そんな聡明さは期待するだけ無駄というものでしょう。

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杭打ち開始〜恐竜、戦艦大和、そして長谷工〜

今日、長谷工が法政跡地に杭打ちのためのクレーン車を運び込みました。再三、考え直すチャンスはあった筈ですが、環境破壊を社是とするだけに、自らの頭の壊れ具合にも気付かないまま、工事を進めるという結論に至ったようです。

工事日程表
(本日スタートです、クリックで拡大)

杭打ち用クレーン車
(案の定夜もクレーンは下ろしません、クリックで拡大)

長谷工を取り巻く環境は、外部では日増しにマンション市況が悪化して完成在庫が積み上がっていく一方。そして、内部では子会社元役員の総額6億円余りの着服にも3年間も気付かないという杜撰さ。「内憂外患」を地で行く状態です。

横領事件は、別にマンションと無関係なので、敢えて本ブログで(揚げ足取り宜しく)採り上げるつもりはなかったのですが、「02年7月からは通帳や社印を1人で管理」するという上場企業にあるまじきチェック体制の不在振りに心底呆れ果て、やはり書かずにはいられませんでした。本ブログでも、再三に亘って長谷工という会社のチェック体制の不在を指摘してきましたが、会社の運営体制までここまで杜撰とは… この会社の体質が知れようというものです。

話が逸れてしまいましたが、杭打ちです。杭を打つということは、長谷工はまだ事業化を諦めていないということでしょう。再三指摘している通り、無計画に法政から土地を高値掴みしている長谷工ですから、何とかしてそれを回収しようと無理な販売価格での分譲計画を諦められないのも無理はありません。

一例として、本ブログの過去のエントリでもご紹介した東習志野の巨大マンション(1,453戸!、その名も「感動大陸(笑)ユトリシア」、京成本線「実籾」駅徒歩11分)を、このご時世に坪145万円で売り出すことを考えているというKY振り。これでは、素直に損切りを認める訳がない。それにしても、このマンションの売り主の面々(有楽土地、名鉄不動産、三交不動産、東レ建設、新日本建設)、見事なまでに長谷工の巨大マンションにしょっちゅう登場する忠犬ばかりですね。この中に、第二の近藤産業がいたりして…

しかし、冷静に考えれば、一段の市況悪化が目に見えているところに、敢えて売れる訳もない巨大物件ばかりを造り続けるというのは、風車に突進する「ドン・キホーテ」のようです(負けが目に見えている)。はたまた、環境変化に適応できずに滅び去った「恐竜」ないしは「戦艦大和」でしょうか(そう言えば、長谷工マンション図面を見て「軍艦のよう」と評していた方がいましたが、見事なメタファーです)。

建築紛争界の象徴的存在だった明和地所ですら、分譲マンションを大幅に縮小してオフィスビルを多数手掛けるようになるなど、業界内からも逃げ出す動きが加速する中、一体長谷工は何がしたいのでしょうか? 身銭を切ってばらまくなら、もっと有効に使って欲しいものです。散々近隣住民を苦しめた代償として貯めた、後ろ暗くも貴重なお金なんですから。

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(続)長谷工またも事故を起こす

足場倒壊の時と同じですが、事故の翌日(先週金曜日)は、朝から長谷工社内からのアクセスが急増しました。どのように社内で情報が伝達されているのかは知りませんが、「吉祥寺東町 解体工事」、「吉祥寺 解体工事 鉄筋」、「法政 解体 吉祥寺 東町」、「法政通り 解体」などの検索キーワードを通じて本ブログを訪問するというパターンも前回と全く一緒です。そんな情報が素早く広まる位なら、事故を起こさないようなノウハウも全社で共有しておいて欲しいものです。野次馬根性だけ旺盛でも、事故防止には何の役にも立ちません。

さて、事故の少し詳しい状況について、九浦の家ホームページ内の法政跡地のページに紹介されていました。ついでに桜の移植情報と併せてご紹介します。

◎女子大通りに面して毎年目を楽しませてくれていた桜の大樹3本が、クレーンで吊り上げられ、東側へ移植されました。4本のうち1本は、すでに根元から約1mをセメントで埋めてあり、移植は無理と判断されました。

◎5月22日 またしても解体工事事故。
 22日の13時30分頃、記念講堂の女子大通り側2階部分の壁の解体時に、コンクリートに入っていた約40cmの棒状の鉄筋(約1kg)が防音パネルの外に飛び出し、女子大通り通行中の乗用車のボンネットを直撃しました。幸い怪我も無く不幸中の幸いでした。
 すぐに工事を中断し、住民の了解が得られるまでは重機を使用しないことになりました。
 市役所からまちづくり推進課の職員が駆けつけてくれて、23日の朝、市役所に「今後の工事の安全改善策を持参する。住民が納得するまで工事を中断すること」を長谷工に伝えたそうです。
 重機を扱っていたのは30年のベテランで無線で連絡をとりながら工事を行なっており、佐藤所長を含めこんなことは今まで経験したことがないとのこと。

 23日9時に長谷工が市へ提出した事故に対する安全対策案で、正確には13:30に向かいの住民と佐藤所長とが同時に事故を発見、2Hの役員の方々や市役所に連絡したということです。
 解体工事連絡協議会長が23日宮田所長と調整した結果、28日の工事連絡会の折に安全策についての説明と協議を行なうことになりました。
 住民の了解を得なければ作業の再開はしない約束です。



速報では落下物を鉄パイプとお伝えしましたが、実際に落下したのは解体現場の鉄筋だとのこと。これが解体作業中に現場の防音壁を飛び越えて道路に落下したのが真相のようです。

鉄筋落下の軌跡
(イメージ図、クリックで拡大)

1kgもある鉄筋が落下しながら、人の頭や車のフロントガラスに激突しなかったのは、正に不幸中の幸いです。長谷工は神様に感謝しないといけません。

しかし、これは足場の鉄パイプが緩んで落ちたという事故以上に重大な事故です。「こんなことは今まで経験したことがない」などと呑気なことを言っている場合ではないでしょう。落下原因は明確になっていませんが、重機で引っかけて跳ね上げたとしか考えられません(そうでなければ壁を飛び越えないでしょう)。そのような人為的なミスに対する備えが、この解体現場(否、現場監督の発言によれば長谷工の全ての現場)では何一つなされていなかったということが露見した訳ですから、これはもう論外と言う他ありません。

落石注意
(現場には「長谷工注意」の道路標識が必要?)

現在工事は中断中ですが、単に形だけの再発防止策を提示して、それをもって工事再開を一方的に宣言するという前回のようなやり方ではなく、本当に周囲に負荷を掛けない工事とは何かを心底理解できるまで、半永久的でも工事を中断して猛省することを望みます。

話は変わりますが、桜のうち一本は既に移植が断念されたようですね。桜の件にしても、掘り出した後、数日間に亘ってその場に転がしてありました(現在は敷地東側に移植済の模様)。こんなことで、本当にこの桜はまた咲くことができるのでしょうか? マンション市況は奈落の底に向けて落ち続けようとも、この桜たちには再び元気になって、来年もきれいな花を咲かせて欲しいと願わずにはいられません。

転がされたままの桜たち
(これはちょっとどうなの?、クリックで拡大)

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【速報】長谷工またも事故を起こす

本日、長谷工がまたも法政跡地解体工事で事故を起こしたようです。前回の足場倒壊に続き、今回は記念講堂の解体現場の鉄パイプが上の方から道路に落下。丁度、下を通っていた車にパイプが激突し、車に相当の損傷が生じたとのことです(人伝に聞いた話なので多少の違いがあるかも知れません。正確な状況が分かり次第、ご報告いたします)。

事故の原因など詳しいことは現時点では分かっていませんが、わずか3ヶ月の間に同一現場で二度も人命に関わるような重大事故を起こすとは、一体長谷工という会社の安全管理体制はどうなっているのでしょう?

前回の事故後(2月15日)に開かれた事故報告会で、長谷工はこう説明しています(配付資料からの引用)。

再発防止策
足場の浮き上がりを防ぐために、下図≪省略≫のように控えの形状を変更する。
既存建物の壁にコアボーリングで穴をあけ、単管パイプを通し、クランプにてカンザシパイプ及び足場と固定する。2Fと3F部分に3箇所設置する。
コアの穴と壁端部は25センチ程度はなす。
妻壁部分も現状の控えのほかに、上記と同様に数箇所に控えを取り補強する。
毎日作業中・終了時の足場の点検をより念入りに行い、天候の変化に気を配り危険が予想される時は事前の対策(点検、補強、養生)を実施する。また、夜間も宿直体制をとる。



また、記念講堂及びプール解体工事概要説明の際にも、長谷工は次のような説明を行っています。

*外部足場養生浮き上がり防止対策

外部足場養生浮き上がり防止対策として、通常の単管パイプによるカンザシの壁つなぎの補強として下記3種類の補強を行う。

(1)、窓(パラペット)部の壁つなぎの下側にコアドリルで壁に穴を開け単管パイプを通し、下でも壁つなぎを取る。

(2)、無開口壁部はコアドリルで壁に穴を開け単管パイプを通し、下でも壁つなぎを取る。

(3)、窓(壁開口)の上下に単管パイプで壁つなぎをとる。



足場倒壊の再発防止に関する対策が色々と述べられていますが、今回の事故で、全く反省は生かされていない、いや、そもそもそこまでの水準にすら達していないことが判明したようです。

前回の事故後のエントリ「続・足場倒壊」の中で、こう書き記しました。

事故の本質は、強度不足の足場が組まれていた(または組んだ後に足場が緩んできた)ため、ちょっと強い風が吹いただけで防音壁が風を受けて動いてしまった、という人災ではないかという気がしてなりません。現場の定期的なチェックは、どのような業種であれ、原則中の原則だと思うのですが、そのような基本が守られていない施工現場だとすれば、その品質は推して知るべしでしょう。

解体工事の再開に際しては、相応の再発防止策を講じるようですが、同様の問題は新築工事の際にも発生します。果たして、この会社が過去から学んで万全の安全対策を講じると言うことはあり得るのでしょうか? 私には期待薄に思えて仕方がありません。



私は予言者でも何でもありませんが、ここまでピタリと当てはまるとは… いくら口で何と説明しようと、現実がこんなに杜撰ではまるで説得力などありませんし、所詮は口先ばかりと思わざるを得ません。「吉祥寺東町の近隣住民などおとなしいので、対策など適当に済ませておけばそれでいい」、そうとでも考えているとしか思えない話です。

この調子で、新築工事の杭打ちやらクレーン車の設置やら始められては、とてもじゃないがたまったもんじゃありません。最早、住民の安全を一顧だにしない長谷工に対しては、こう叫ぶしかないのかも知れません。

「出て行け長谷工!!」

と。いやそれすらも生ぬるいかも知れません。

「この世から消え失せろ、長谷工!!」

位でなければ、最早この企業には効き目はないのかも知れません、残念ながら。

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桜の木からマンションデベロッパーの落日を思う

今日、日が暮れてから法政跡地の横を通りかかると、女子大通り沿いの桜の木が4本とも、ほとんど枝を剪定されて実に無惨な姿に変わり果てていました。敷地の外壁に張り出されている週間工程表によれば、今日から桜の木の移植作業をすることになっており、それに伴うものだということは分かりましたが、これはちょっと… 果たしてこの桜たちは、無事移植することができるのでしょうか?

週間工程表(桜移植)
(今週の工事は桜の移植、クリックで拡大)

移植前の桜
(翌朝撮影した坊主四兄弟、クリックで拡大)

そもそも、落葉樹である桜の木は、葉が落ちている冬期に移植することが望ましいようです。この新緑の季節に移植せざるを得なかったことから、葉からの水分蒸発を防止するための剪定ではないかと推測はしますが、あの無惨な姿を見ると、正直もう一度元気な姿を見せてくれることは難しそうな気もします。

しかし、移植に負けることなく生き長らえ、マンション建設後に同じ場所に戻ってきたとしても、あそこまで枝をそぎ落とされてしまっては、それは既に以前とは異なる景色でしかないでしょう。「桜の木を残して欲しい」という地域住民の願いは、「地域の風景の連続性を少しでも残しておいて欲しい」という願いでもある訳ですから、長谷工も(既存樹を残すだけという)単なる形式だけではなく、一歩踏み込んだ対応をしてくれれば良かったのに、そう感じます。

とにかく、それが以前とは異なる風景だとしても、解体工事の騒音・震動を耐え抜いた桜の木が、再び同じ場所で花を咲かせる日が来ることを願わずにはいられません(誤解のないように申し添えておきますが、桜の移植については、コストを掛けてでも住民の要望を聞き入れた長谷工の対応は一応評価しています。やり方が拙いと言っているだけです)。

解体工事といえば、記念講堂の解体も大分進んできました。建物としての形状を留めているのも、あとわずかの間という気もします。

解体の進んだ記念講堂
(すっかり解体されました、クリックで拡大)

話はガラッと変わります。先週後半は、3月決算の企業の決算発表が相次ぎました。本ブログでも何度か書いていますが、マンションデベロッパー各社の決算内容の悪化振りには顕著なものがあります。一部例外はありますが、表面上は増収増益を記録していても、完成在庫が大幅に増加しており、今期以降の業績悪化が必至という会社ばかり。また、既に業績の悪化が表面化している企業も数多く、ダイア建設のように赤字転落しているところもあります。

その中でも、個人的な注目銘柄はシーズクリエイトです。平成20年3月期の決算短信を見る限り、この会社の動向はしばらく要注意ですね。前期決算が売上高が3分の2に減少して赤字に転落しているなど、既に業績の悪化振りは顕著ですが、注目点はそこではなく3月末の現預金残高です。何と、737百万円と(前々期末の86億円はともかく)200億円以上の事業を展開する企業の手許残高としては、相当に心許ない水準まで減少しています。

コミットメントラインでも設定されていて、余計な現預金は持たないようにしているのかとも思いましたが、そのような注記は一切なく、純粋に手許が薄いようです。今もこの会社が倒産したというニュースは流れていませんので、何とか繰り回しはできているようですが、前期末に大量に積み上がっている完成在庫を何とかしないと、色々とやっかいなことになりそうですね。

消費者の購入マインドは冷え込む一方で、値引きが横行する販売状況。他方、建築資材の高騰には全く歯止めが掛からず、利益率の低いマンション工事はゼネコンからもそっぽを向かれるなど、マンションデベロッパー各社にとっては「泣き面に蜂」状態です。全ては「身から出た錆」ですから仕方ありませんが、マンションデベロッパーが高値掴みした土地の価格はまだまだ下がります。損切りしたくても売るに売れない状態という奴ですね。

法政跡地も、新築工事は一向に始まる気配を見せません。桜の移植作業をする辺り、長谷工はまだ諦めずに事業化しようとしているようですが、以前にも見た通り、長谷工の買値ではおよそ利益の出る事業にはなり得ないでしょう。住宅情報マンションズの「今週のクローズアップ」を見れば分かる通り、長谷工の大規模マンションが大量に売れ残っているのは誰の目にも明らかです。撤退も一つの英断ですよ、長谷工さん。

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武蔵野市が公園用地を取得

いささか旧聞に属しますが、法政跡地のうちいわゆるB、C敷地(記念講堂・テニスコートとプールの西側敷地)が武蔵野市に譲渡されたそうです。3月10日の建設委員会で報告されていたようですが、未だ議事録は市のHPにアップされておらず、またHP内のお知らせにも一切記載がなかったので、分かりませんでした。先日、吉祥寺東コミュニティ協議会の「九浦の家だより」を見ていたら、「公園用地 終に取得へ」としてそのことが紹介されていました。

記念会館跡地約2500m2とプール跡地約700m2の武蔵野市土地開発公社への譲渡決定が、3月10日の建設委員会で報告されました。一部都市計画道路予定地を含みます。価格21億90万円、更地化して9月引渡し予定で、用途は吉祥寺東町地区地区計画内の公園用等用地です。以後、マンション工事の作業場、仮説事務所用に長谷工に貸され、公園と豪雨時の地下遊水池は21年9月から工事の予定です(以下略)。



購入価格は、平米当たり単価に直すと657千円と、法政通りの路線価410千円の1.6倍です。この価格の妥当性はさておき、以前のエントリ「こんな値段で長谷工さん大丈夫?」で法政側の収入金額から長谷工の取得価格を936千円/平米と推計しましたが、当該譲渡価格はこれを下回っています。勿論、金に対する執着が尋常でない長谷工が市のために損を被ってまで公園用地を譲渡する訳はありませんので、最初からA敷地とBC敷地の評価には差を付けて購入していたようです(当たり前といえばその通りですが)。

しかしそうなると、A敷地の購入価格は更に跳ね上がることになりそうです。上記エントリでは、BC敷地の購入価格を3,005百万円と推計していましたので、差額904百万円がA敷地に上乗せされることとなり、全額を分譲価格に転嫁すると171千円/坪の価格上昇(3,050→3,221千円/坪)になります。元を取るには相当の高値での分譲を余儀なくされること請け合いです。

因みに、前回のエントリでご紹介した「パームステージ吉祥寺東町」の中古物件ですが、価格改定のチラシが入っていました。3,880万円から2,980万円への900万円もの大幅引き下げです。これだと、坪単価は1,642千円まで下がります。経年を考慮して建物部分をほぼゼロと見て販売価格に1,500万円をプラスし、これに(意味不明の)新築プレミアムを15%乗せてみても、坪単価は290万円にしかなりません。いかに、3百万円/坪超の価格設定が、同一需給圏内の相場から乖離しているかが良く分かります。

ところで、このBC敷地の解体工事がいよいよ始まるようで、また仮囲いの設置が始まっています。しかし、またもや解体工事現場は薄汚いネズミ色の鉄板に覆われており、法政通りを挟んで(前回のエントリでご紹介した)新調された白い仮囲いと相変わらずの薄汚いネズミ色の仮囲いが並ぶ様は、長谷工という企業の体質を象徴しているようです。近隣への配慮など口先ばかりで微塵も行うつもりはないが、自らの利益に直結する事柄に対しては率先して上辺を取り繕う。しかし、それすら必要最小限の手抜きというお粗末さが、各所に露見する安普請体質はどうやっても拭い去ることができない。これが、この企業を脈々と流れる本質だから、住民とのトラブルは多発するし、竣工当初から既存不適格の物件を次々と建て続けても売り切れればそれで良しと割り切るのでしょう。

対照的な仮囲い
(この対照的な仮囲いが全てを物語る、クリックで拡大)

話が逸れましたが、九浦の家だよりにはもう一つ気になる記事が掲載されていました。それは、「法政グランド(練馬区)工事 工事車輌は武蔵野を通らず 車輌通行路の説明を受ける」というものです。

3月11日、法政グランド跡にマンションを建設する、三井不動産レジデンシャルの開発室担当者が、九浦の家に来館、工事車輌のメインルート、および事前工事のための重機搬入に、東十一小路を数日使用する事について、井部代表と、東十一小路で時間規制の馬を管理している住民に説明を行いました。
工事車輌は、Y字路50m北で左折北上し、善福寺池北を青梅街道に抜ける設定。サブルートとして善福寺方向を使う予定で、これについては、代表が了承の旨返事しました。



法政グラウンド跡地のマンション建設が地域の交通に及ぼす影響に対する懸念については、以前のエントリ「もう一つの法政跡地問題」でも採り上げましたが、三井不動産は一応良識ある対応を示してくれたようで、取り敢えずは一安心といったところでしょう。この点についても、長谷工の身勝手さとの差異はあまりにも明確だと言えるでしょう。これまた、九浦の家だよりの「記念講堂・プール解体工事 新築工事説明会 緊張」という記事中にはこうあります。

(前略)問題は新築工事に関するもので、工事用トラックのルートが、法政通りおよび道幅5m40の法政東側の通りを使い、しかも10トントラックも通すという発言です。
この道も女子大塀沿いの通りと同様、狭隘なのでトン数規制の対象から外れていたものです。警察の許可をとれば通行はできますが、大型車の通行は住民の予想外。女子大通りだけへ大型車通行の負荷が集中するのを避けるという理由ですが、解体工事と新築工事が重なる期間の車の輻輳についての配慮がなく、10トン車が五日市街道へ左折できるかという質問に長谷工側が答えられなかったため、調査のうえ車両ルートの安全管理を再検討し、説明会を持つことになりました。
解体工事のとき、この東側道路は使用しないとの説明を受けていた住民は怒り心頭でした。



地域の道路環境への配慮など一切なく、警察の許可さえ取れば、後は勝手のし放題。全ての行動が、こうした身勝手な企業論理に彩られている。これが長谷工という社会性のない企業の本質だと感じるのは、果たして私だけなのでしょうか?

最後に、気になるアクセスをご紹介しておきます。過日、長谷工社内より「吉祥寺東町 名鉄不動産」という検索結果を辿ったアクセスがありました。吉祥寺東町のマンション建設現場と言えば、ここ法政跡地しかありません。長谷工の共同事業者は、名鉄不動産に決まったということでしょうか? 名鉄不動産の長谷工への盲従振りについては、以前のエントリ「長谷工の顧客軽視の実態」で既にご紹介している通りです。中部地方の名門企業グループに似つかわしくない長谷工の忠犬振りを、ここ吉祥寺東町でも遺憾なく発揮するのでしょうか?

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続・足場倒壊

日増しに厳しさを増すマンションデベロッパーを取り巻く環境ですが、また一社倒産が出たようですね。横浜の中小マンションデベロッパー・アジャクスが17日までに事業停止し、破産手続きを準備中との情報が流れました。丁度、マンションデベロッパー各社の第3四半期決算が発表されている頃ですが、各社の棚卸資産の状況は悲惨としか言いようがありません。3月末の大量在庫の山が築かれていく様子は、マーケティングの基本すら知らない造るしか脳のない業界体質を象徴していて、滑稽ですらありますね。

さて、無関係な話はこれ位にして、本題に入ります。前回エントリでお伝えした法政校舎解体工事現場において発生した足場倒壊ですが、想像以上の大事故だったことが分かりました。現場の様子を交えてご説明したいと思います。

足場倒壊現場(後)
足場倒壊現場、クリックで拡大)

上の写真は、事故当日から約1週間後の写真です。写真中央の解体中の校舎に足場が組まれていますが、これは事故後に再度組まれたものです(アングルは違いますが、下の事故の翌々日の写真と比較してみて下さい)。事故前は、この足場に防音壁が取り付けられていた訳ですが、この足場と防音壁が風に煽られ、写真左側から手前にドアを開けるように写真右奥に向かって倒れていきました。そして、写真右の奥にちょっとだけ写っている法政が設置していた防球ネットにぶつかって止まったのです。もし、このネットがなかったら、もしくはこのネットも一緒に倒れていたら、近接する家屋にはどのような被害が生じたかは言うまでもないでしょう。

足場倒壊現場(前)
足場倒壊現場(事故翌日)、クリックで拡大)

しかし、長谷工という会社は、少し安全に対する認識が甘過ぎるのではないでしょうか? 本ブログでも、解体工事開始前に「長谷工施工現場は危険がいっぱい」で、長谷工現場でクレーン倒壊という重大事故が最近だけでも2件も起きていることをお伝えしました。しかし、事故の中身は違っても、同じような重大事故がここ吉祥寺東町でも起きてしまうとは… 怪我人も家屋への被害もなかったのは奇跡としか言いようがありません。

想定以上の強風が吹いたことを理由にしているようですが、当日は確かに風は強かったとは言え、そこまでの突風など吹いていませんでした。事故の本質は、強度不足の足場が組まれていた(または組んだ後に足場が緩んできた)ため、ちょっと強い風が吹いただけで防音壁が風を受けて動いてしまった、という人災ではないかという気がしてなりません。現場の定期的なチェックは、どのような業種であれ、原則中の原則だと思うのですが、そのような基本が守られていない施工現場だとすれば、その品質は推して知るべしでしょう。

解体工事の再開に際しては、相応の再発防止策を講じるようですが、同様の問題は新築工事の際にも発生します。果たして、この会社が過去から学んで万全の安全対策を講じると言うことはあり得るのでしょうか? 私には期待薄に思えて仕方がありません。もう口先ばかりの説明(言い訳)は不要です。きちんと態度(万全の安全対策)で立証することだけを望みます。

2月21日追記
風で防音壁が倒壊するという事故は珍しいと思いますが、全くない事故ではないようです(少なくとも、長谷工がクレーンを倒す程度の頻度では発生していた)。大阪日刊スポーツのなにわWEBに、次のような記事が掲載されていました。

解体中の西宮サティ、足場崩れ道ふさぐ

 26日午後0時40分ごろ、兵庫県西宮市高松町で解体工事中のスーパー「西宮サティ」跡地ビルで、幅約50メートル、高さ約15メートルの足場が崩れ、一部は道路を越え対面のマンションに倒れかかった。けが人はなかった。西宮署などによると、同ビル東側のパネルで囲われた足場が、西側からの突風にあおられ崩れたらしい。足場は向かい側マンション5階のベランダ付近にもたれかかった。倒れた足場が高圧線を切断し、周囲の約430世帯や信号機が一時停電した。西宮サティは道路拡張に伴い今年1月に閉店。その後、更地にするため解体工事をしていた。
[2005/4/27/09:55 紙面から]



事故直後の現場の様子は、こちらで見ることができます。更に詳しい状況は、大阪版の産経新聞に載っており、それによれば「倒壊当時は最大瞬間風速23.2mの突風が吹いていた」そうです。法政跡地のシチュエーションに近いような気がしますね。因みに、記事中には「大手ゼネコンが2月から解体工事を進めていた」とあり、「もしや」と思いましたが、残念(?)ながら大成建設でした。

なお、この事故は直前に起こったJR福知山線の脱線事故に報道が集中したためか、かなり派手な事故だった割にはあまり報道されなかったようで、残っている情報が非常に少なかったです。法政跡地の事故も、そのように闇に葬られないようにしないと、また同様な事故が別の現場で発生しかねません。防音壁の安全基準の見直しが必要ではないでしょうか?

最後に、福知山線で想い出した本日のトリビアを一つ。福知山線の脱線車両が衝突したことで何度もその姿が映し出されたマンション「エフュージョン尼崎」は、長谷工の設計・施工・管理物件です。その唐突な立地条件に違和感を覚えた方も多かったと思いますが、長谷工と聞けば納得もいくというものですね。もうすぐ事故から3年。今更ではありますが、改めて犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。

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足場倒壊

昨夜(12日の夜)は、ここ吉祥寺東町ではかなりの強風が吹き荒れました。家が風で少し揺れる位でしたから、台風並みではなくともかなりの強風だったのではないでしょうか。

そんな中、非常に残念な出来事があったようです。今日、工事対策連絡会名で「解体工事中断の件について」というチラシが投函されていました。それによれば、「昨夜11時頃、A校舎の防音パネルが強風にあおられ、支柱が崩れ東側のグランドフェンスにぶつかって倒れ」るという事故があったとのこと。「避難をなさった方々も出ましたが、幸いにも生命また家屋の損壊には至」らなかったのは不幸中の幸いと言えるでしょう。

「現在復旧にあたっておりますが、いつ完了するのか目処は立ってお」らず、「今後は協定書第15条にのっとって工事を中断し、長谷工・住民協議のうえ、工事再開とな」るそうです。現在、工事協定書関係の説明会に関するエントリは公開を停止しておりますが、当時長谷工がかなりの抵抗を示した工事中断に関する条項が効力を示したといったところでしょうか。工事連絡会からの強い抗議があった結果か、はたまた単に復旧の目処が立っていないからかは分かりませんが、一旦工事を中断した長谷工の姿勢は評価できると思います。

今後は、何らかの形で住民との協議を行った上で工事再開となるものと思われますが、工事再開を焦る余り、改善策等をきちんと提示できないままに協議を進めるのは勘弁願います。被害に遭われた東側の近隣住民の方々も、中途半端な対応では納得しないでしょうしね。

なお、この件は長谷工社内でもそれなりに取り沙汰されたようですね。本ブログへの長谷工社内からのアクセスに、その跡がくっきりと残っていました。早朝から、「吉祥寺 解体現場」、「吉祥寺 解体 非難」(避難の間違い?)、「吉祥寺 避難 建設」、「長谷工 法政 仮囲い」、「法政 解体」、「吉祥寺 風 足場」などの検索キーワードを通じて、本ブログに多数の長谷工社内からのアクセスがありました。他の現場では同様の事故がなかったのだとしたら、法政跡地でこのような事故が起こった理由はきちんと説明する必要がありますね。今後の新築工事に向けても、非常に重要なポイントです。

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第10、11回長谷工説明会(協議会)

解体工事もいよいよ基礎部分に移ってきており、揺れがいっそう激しくなってきています。建物を解体していた時の、時折ズシンというような縦揺れがあったのとは異なり、常時横揺れが続いている状態で、はっきり言って不愉快以外の何者でもありません。また、ガラ運び出しや土入れのためのダンプがひっきりなしに出入りしており、北側ゲートもほとんど開けっぱなしで、騒音もいっそう漏れまくりという杜撰さです。解体工事説明会の時の騒音・振動に極力配慮するなどという言葉が所詮はまやかしであったことが良く分かる対応です。

跡地全景(解体後)
(解体後の跡地の様子、クリックで拡大)

ゲート内側の様子
(ゲート内側の様子、クリックで拡大)

C校舎基礎部分
(C校舎(北西側の校舎)の基礎部分、クリックで拡大)

さて、年明けより長谷工の新築説明会が週一度のペースで行われています。実は、16日(水)にも説明会が開催されていたのですが、その様子を書いていくと「次回までの検討事項とします」という事項が多すぎて、まとめて報告した方が良いかなと思い、25日に開催された説明会と一緒に報告することにしました。結果から言えば、余り進展がない無駄な説明会だったので、逐一報告していても一緒だった訳ですが… 長谷工には、参加者の貴重な時間を浪費させているという認識はないのでしょうか? まあ、長谷工にとっては説明会を開催するのなんて、時間稼ぎ、ガス抜き、あきらめムード醸成のための手段に過ぎないので、回数開いといた方が良いという計算があるのだと思いますが、大した成果もなく、要求事項の回答がいつまで経っても得られない近隣住民側からすれば、迷惑以外の何者でもないと思います。

話を説明会に戻します(以降は、特に断りのない限り、2回の説明会の内容をまとめて書いていきます)。前回のエントリの続きとして、プライバシー対策から話が始まりました。この点については、一応長谷工側の譲歩が見られました。内容は、バルコニーについて、(1)トップレールの高さを4.5cm上乗せして1.2mとする(消防法規定の上限)、(2)2〜4階には目隠しとしてトップレール内側に不透明なガラス板を設置する、の2点。そして、ルーフバルコニーについては、手摺りの設置位置は変えないが、高さを10cm引き上げて1.2mとし、立て格子を止めてガラス格子に変更するというものです。

何ら譲歩せずに終わるよりは、多少なりとも成果が見られたという点については、長谷工に素直に感謝したいと思います。しかし、それ以外の構造に関する要望については、建築確認申請も迫っているので、変更には一切応じないという最後通告付きの対応であり、この程度は例のごとく譲歩代として用意済だった感は否めません。それに、結果としては建物形状については一切譲歩せずに、最後に(長谷工にとってはどうでもいい)些末な点で譲歩することで、住民側に「長谷工も一応譲歩してくれたんだし、この辺で諦めよう」という意識を芽生えさせるための戦術という匂いがプンプンします。何しろ、敵は建築紛争だけを専門に取り扱うことを生業とする長谷工の開発推進部隊ですから、この手の交渉はお手のものでしょう。

この他、プライバシー関連では隣地境界との塀についても説明があり、高さ1.8mのメッシュフェンスとする代わりに、植栽で目隠しをするという説明がありました。素直にルーバータイプのフェンス等にして、目隠し効果を高めた方が良いように思えますが(冬は葉が落ちますし)、この点は全く譲歩しませんでした。因みに、植栽は植樹時の高さ4m程度のもの(四隅はもう少し高い)とのことで、風害対策としても植栽を検討すると言っていたにも関わらず、何年も経たないと風害対策にはならない代物です。一事が万事、対策を講じると言ってもやっつけ仕事で穴だらけだとは思いませんか?

また、駐輪場・駐車場の防音対策についても、近隣住民との認識の差異は全く埋まりませんでした。南側の駐車場と隣地(武蔵野美大)境界には防音壁を設けるが、駐輪場には2段式でも静音タイプを設置するので防音壁は必要ない(設置しない)の一点張りで、全く歩み寄ろうとしませんでした。また、1戸につき2台の駐輪スペースについても、「1戸につき1台で十分(後は部屋に入れろ)」という極端な意見も見受けられましたが、それ以上に3台以上保有している場合や駐輪場が遠いために周辺への違法駐輪が増えるのではないかという懸念が示されました。この点については、「管理規約でそのようなことは禁止するように定める」という答えでしたが、果たしてこれに実効性はあるのでしょうか?

大変申し訳ありませんが、私の知り合いでマンションを購入した人に聞いても、管理規則を細かく読んで熟知しているという人は皆無です。所詮、管理規約は問題が生じるまでは顧みられない一種の約款に過ぎず、こういう建前論(絵空事)を抗弁として並べ立てるのは止めにして欲しいものです。私たちが望んでいるのは、こうした入居者のモラル(ソフト面)による事後の対応策ではなく、事前の設備(ハード面)による対応策なのですから。長谷工の「売ったら後は知らん」という戦略が見え見えです。

同じような点としては、落葉樹の落ち葉の清掃についても管理規約で定めると言っていましたが、同様の理由で極力常緑樹とすべきでしょう。なお、これだけ「管理規約で規制します」を連発しながら、管理規約のひな形を早く見せて欲しいという住民側の要望に対しては、「個別性があってひな形と呼べるものはない」などとうそぶく始末。本当、相変わらず誠意の欠片もありません。仕方ないので、無知な長谷工の代わりにひな形をいくつかご紹介します。

マンショ ン標準管理 規約(単棟型)…国土交通省が管理規約の標準モデルとして発表しているもの。解説はこちら
全管連標準管理 規約…NPO法人全国マンション管理組合連合会(全管連)が管理規約のモデルとして発表しているもの。
すぐに使える規則・細則テンプレート集…日経BP社のサイト「マンション管理新時代」の中のテンプレート集。「自転車(等)置場使用規則」なんてのもあります。

まさか、「標準管理規約」を知らずに説明会を開催しているなんてことはないですよねえ。それとも、長谷工マンションは標準管理規約に則らずに、一から管理規約を制定しているとか… それにしては、長谷工のHP内のマンション百科事典」の管理のページの中には、はっきりと「管理組合の運営には、一定のルールが必要です。その基本を定めるのがマンション管理規約。公的に定められた『標準管理規約』をもとにして、マンションに応じてアレンジされています」と書かれていますけど、ご存じないのでしょうか。遠藤、中村の両氏は?

この他、バスベイの設置が決まったことが報告されました。一応、バス会社や都との折衝の労には感謝の念を示しておきます。もっとも、バスベイマンション住民も恩恵を受ける話なので、専らそちらのための折衝かも知れませんけどね。

色々書いているうちに、結構長くなってしまいました。他にも細かい事項の説明は色々とあったような気もしますが、ここでは割愛します。なお、説明会はこれで終わりではなく、まだ続きます。次回以降は、迷惑料の説明をするという予告がありましたが、そんな端金が欲しくて説明会の開催を要求しているのではないということをこの会社は根本的に勘違いしています。そんな費用があれば、その分を経済性の追求ばかりせずに、近隣環境に配慮した設計変更の原資にして欲しい。そう願うのは、何も私ばかりではないと思うのですが…

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第9回長谷工説明会(協議会)

法政跡地は、年明け以降、校舎から体育館にメインの解体対象を移して工事が進められています。あっという間に体育館が消えていく様は、いつもながらに一抹の寂しさを憶えます。

さて、遅ればせながら9日(水)に開催された長谷工との協議会の内容についてご報告させていただきます。なお、長谷工側は一方的にこれまでの説明会から協議会に名称を変更して案内状を出状していますが、住民側は説明が尽くされたとは全く考えていないこと、名称変更の合理的な説明がなされていないことから、これまで通り、本ブログでは紛争予防条例に基づく説明会と見なして回数等を表示させていただきます。

会に先立って、昨年末に長谷工に対して住民側より回答要望事項(プライバシー対策、風害、駐車場、電波障害等)を書面で再提出していたため、それらについて長谷工が説明する形で会は進められました。というと聞こえは良いですが、相変わらずの長谷工の段取りの悪さで、最初に(これまでも散々やり合った)プライバシー問題から入ったため、ここで大きく時間をロスしてしまい、要望事項の半分も説明しないままに会場(本宿コミセン)の閉館時間が来てしまい、またもや尻切れとんぼで終わってしまいました(それも、住民側から一旦プライバシー問題をペンディングとし、先へ進むよう要請して漸く先に進んだ始末)。一体、長谷工には住民側の貴重な時間を浪費させているという罪悪感はないのでしょうか(まあ、ある訳ないですか。こんなマンション建設して平気な位ですし)。

一応、会の進行に沿って進めていきます。プライバシー対策については、バルコニーの目隠しのために、トップレールの形状を一律変更する(不透明化またはルーバー付に変更、高さ引き上げ等)ことは拒否するが、1〜3階部分についてはトップレール内側に曇りガラスを設置するという譲歩案が提示されました。これ自体は、一応ゼロ回答ではないので評価しますが、4階以上への拡大や少しでも高さを引き上げて欲しいという住民側要望には応じず、議論は平行線を辿りました(途中でペンディングとなったのは先述の通り)。また、ルーフバルコニーについては何ら進展は見られませんでした。

ここで、ただトップレールの形状やら高さやらと言うだけでは具体的なイメージが湧きませんので、同じ逆梁工法の物件の写真をご紹介してみたいと思います。資料は勿論、マンションデベロッパー各社がスポンサーの「住宅情報マンションズ」。何部取ろうが、デベの広告費が嵩むだけですから気楽なものです(笑)。

マスターヒルズ横濱
(マスターヒルズ横濱、クリックで拡大)

東京地球区。
(東京地球区。(笑)、クリックで拡大)

逆梁工法説明図
(東京地球区。の逆梁工法説明図、クリックで拡大)

パークホームズ志木
(パークホームズ志木、クリックで拡大)

最後のパークホームズ志木のみ長谷工物件ではありません(他は長谷工)が、逆梁工法を採用した場合のバルコニーのイメージが良く分かりますので併せて掲載しました。トップレールが、視界を遮る上で何の役にも立たないことが良くお分かりになるのではないでしょうか。因みに、手すりメーカーの製品を見る限りにおいては、ルーバータイプのトップレールを見つけることは(残念ながら)できませんでした。勿論、特注すれば簡単に手に入ると思いますが。ついでと言っては何ですが、他社例ながらルーフバルコニーからの眺望もご参考までに紹介します。設計等異なりますので、あくまでもイメージですが、周囲は丸見えですね。

ルーフバルコニーのイメージ
(ミオカステーロ石神井公園、クリックで拡大)

残り30分ほどになったところで漸く、次の話題である風害問題に入りました。これについても、以前より要望していた高さ10m地点における風速増加領域予想図がやっと提示されました。但し、高さ1.5m地点より風速増加領域が小さくなるという、ちょっと違和感のあるデータです。長谷工の説明では、10m地点では西棟がやや低くなっているため、風が回り込むために風速増加領域がそれ程大きくならないということでしたが、素直に納得するには説得力に欠ける説明という感は否めません。

また、風害が発生した場合に、誰に対して請求(交渉)するのかという質問に対しては、「施工者として、因果関係が立証されれば補償する。立証責任は互いが負う旨を、協定書で約する」との発言がなされました。席上、遠藤氏は「製造物責任法が云々で、この辺は専門的にも色々ありまして…」とか分かったようなことを言っていましたが、製造物責任法(PL法)は動産にしか適用されません(マンションは不動産です)し、そもそも立証責任の転換は規定されていませんので、本件は民法の不法行為における一般原則通り、被害者側に立証責任があります。遠藤氏は、これを新築工事の協定書で、加害者側でも立証責任を負うようにすると公約したものと解釈します。後で、「そんなことは言わなかった」とか、「双方協議の上でという意味だった」とか言うのは駄目ですよ。知ったかぶって、無関係なPL法まで持ち出して説明した位なんですから(笑)。

因みに、マンション風害について、因果関係を否定されて、結局補償しないのではないかという懸念が席上で示されましたが、この点について非常に心強い判例(大阪高判平15.10.28判時1856-108、一審判決は大阪地判平13.11.30判時1802-95)があります。上告は棄却され、確定済の有名な判例ですので、Web上にも情報は多数ありますが、代表的なものをご紹介しつつ、内容をかいつまんでご説明します。

先ずは、asahi.comの風害が高層マンションによって起きたと証明するにはどうしたらいいのですか。」から。弁護士による分かり易い解説ですのでご一読をお薦めしますが、重要な箇所を抜粋しますと、

【質問】 風害が高層マンションによって起きたと証明するにはどうしたらいいのですか。

【答え】 風害については民法709条による不法行為に該当するかどうか、つまり受忍限度を超えるかが争われるものですが、不法行為の要件として、加害者側の故意・過失の証明が被害側から立証しなければならない法律構成となっています。したがって、起こった風害つまり被害が、高層マンションによってもたらされたものであることを建築主側に証明させるという協定書を、建築主から勝ちとることも大事なことでしょう。

 立証を建築主側が行う協定書を作成しておいた住民側が、大阪地方裁判所、大阪高等裁判所で損害賠償請求を起こしたところ勝訴した事件があります。この事件は、20階建ての高層マンションの建設によって起された強風のため(1)住環境を侵害された精神的苦痛に対する慰謝料の請求(2)風害による所有土地・建物の価格低下による損害賠償――を求めたものでした。

 大阪地方裁判所、同高等裁判所は(1)の慰謝料は各戸につき60万円を認めたものの(2)については認めませんでした。

(中略)

 そして風力の被害については、次のように各学説を基準としました。

 「(1)原告ら宅付近の風環境は、本件マンション建築前、村上基準によればランク2、風工学研究所基準によれば領域Bであったところ、本件マンション建築後、村上基準によればランク3を超えてランク4に、風工学研究所基準によれば領域Dに近接した領域C(ただし、これは累積頻度95パーセントの風速であって、累積頻度55パーセントの風速は領域Bである)になり、原告らが感じた風による被害を考慮すると、人が生活する上で障害のある風環境に変化したと推測されること」



文中の「村上基準」については、国民生活センターの「ビル風害による不動産価値下落について損害賠償請求が認容された事例」中に解説があります。また、「風工学研究所基準」については、(難しくて読む気はしませんが)鹿島のHP内の「風環境評価基準」についての論文中に解説があります。本判例のポイントは、上記国民生活センターの解説によれば、

 本件では、風環境の悪化の程度が相当著しいものであったことに加え、一審原告らが着工前から風害を懸念して風害予測のための風洞実験を行うよう求めていたのに対し、一審被告らは、風害が生じた場合について因果関係の立証責任を負担し、生じた損害はすべて賠償することを一審原告らに約束したうえで、より簡易な風環境予測システムを利用することとして風洞実験を行わなかったこと、一審被告側が着工前から風速・風向計を本件マンションの敷地内の2カ所(1つは原告ら居宅の近く)に設けて竣工後まで計測していたため、一審原告らはその測定結果により風環境の悪化を明らかにすることができたこと、一審原告らは風環境の悪化を嫌い、住居を他へ売却したなどの事情があったことがうかがわれる。そのため、本件は、不法行為の成立を認めやすい事案であったといえるが、事例が少ない風害に関する判断を示したものとして、注目される。



ということです。解体工事説明会の際に、住民側から「風速・風向計を設置して欲しい」という要望が出ていたにも関わらず、長谷工が頑ななまでに拒否したのにはこうした事情もありそうです。本当、誠意の欠片もない事業者ですね。

大阪高裁判決については、同訴訟を担当したあべの総合法律事務所のHPに有用な資料がある他、自由法曹団通信1112号内の風害訴訟で勝つ」や、日経住宅サーチの「高層マンションの隠れた懸念材料『風害』 判例から教訓を学ぶ」などもご参照下さい。

この他、風害・日照被害に基づく慰謝料が認められた事例(広島地判平15.8.28)の解説や、ケンプラッツのマンション建設に伴う風害の調査と賠償求めて住民が調停申請」でも紹介された藤和不動産を相手取った風害裁判の経緯が紹介されている「建設井戸端会議」の掲示板(他にも有用な情報あり)なども参考になります。

話が説明会から大幅に逸れてしまいました。風害に続いては、GLについての説明がありました。女子大通りの高さ9.40m(数字の根拠は不明。この辺りの標高は53m前後なので、標高でないことだけは確か)に対して平均GLは9.75m(1階のFLは9.60m)となっており、道路面からの実質的な建物の高さは24.35mであることが明らかにされました。この論点は、一部の人以外の関心は薄いようで、1階が地面にめり込んでいる点の確認以外には、質問もあまりありませんでした。

最後に、駆け足で駐輪場と駐車場の問題を説明しようとしましたが、駐輪場を静穏タイプに変更した旨の説明の途中(駐輪場の防音壁の有無は不明)で、バイク置き場が地上(敷地内の南東角辺り)にあることが判明。バイクの騒音を懸念する声が高まり、「バイク置き場は地下に持っていけ」という声が強まって議論は紛糾。開場の時間制限で、尻切れとんぼに終わりました。

確かに、以前に配布された図面にもバイク置き場は記載されていましたが、説明されたことは一切なく、意図的に隠していたことは明らかです。バイク置き場をなくせとまでは言いませんが、設置場所・騒音対策については、更なる協議が必要になりそうです。何度説明会が開催されても、隠していた新たな問題点が発覚し、議論が尽きることのない長谷工という会社は、どこまで地域に負荷を掛けるつもりなのでしょうか?

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